上 下
61 / 102

第59話 帰ろう。

しおりを挟む
 それは、一瞬の決着だった。

 真っ直ぐ縦に振り下ろされた神刀は、カラミティの身体を真っ二つに切り裂き、二つに分かれたカラミティの身体は、真ん中から二つに折られた一本の神剣の姿に変わり、そのまま地面に転がり落ちた。

「やっと……終わった」

 私は、地面に落ちたそれを見ながら、小さくボソリとそう呟く。

 そんな私の一言をきっかけに、周りの冒険者達の方からはドッと湧くような歓声が上がり、サフィア、ガルカン、マチルダは、まるで糸が切れたように、ドサリとその場で崩れ落ち、安堵の表情を浮かべながらへたり込む。

 長かった戦いに、ようやく今、終止符が打たれた。

 私は右手の神刀を見ながら、その実感を噛み締めていた。


「……エト」

 すると、そんな私の後ろから、小さく、か細い声がする。
 私はその声の方へと振り返ると、そこには少し元気のなさそうな、そんなトコの姿があった。

「エト、お疲れ様」
「うん、ありがと。って、あんたなんて顔をしてるのよ」
「……別に」

 そう言ってトコは、私から視線を逸らし、少し顔を横に向ける。
 それはまるで、一見すると少し拗ねているような仕草だが、しかし、そうでは無いことは私は十分理解していた。

 そもそも、このカラミティとの戦いは、トコの姉である、ガベル(カラミティ)の起こした暴走だ。

 エトや私達が、彼女を怒らせるような何かをしたわけでは無い。
 言ってしまえば、ほとんど通り魔に遭ったような状況だ。

 しかし、トコにとってはそれで片付く話じゃ無い。

 その通り魔は自分の姉で、とても逢いたかった家族のうちの一人だった。
 しかも、その姉は、私や他の冒険者達の命を狙い、これでもかと言うほどに傷付けた。

 ほんの短い時間ながらも、少しずつ関係を重ね、始めて手に入れた、“家族”以外の“仲間“と言う存在を、まるで要らない物のようにあしらった。

 そして最終的には、自分も協力して作り上げた神刀によって、遂に彼女は倒されてしまった。
 
 今、トコの胸に渦巻く思いは、とても複雑なものだろう。

 それでもトコは、私に言った。

 「お疲れ様」と。

 はたしてトコは、どんな思いでその言葉をついたのだろう。


「ごめんね。やり過ぎだって、怒っても良いんだよ?」
「……そんな事は思ってない。やり過ぎたのは、ガベルの方」
「そう」
「ん」

 トコは短くそう言うと、視線を下ろし、地面に転がる折れた神剣をじっと見つめた。

 そんなトコを見て、私はそっと、その二つに折れた神剣を拾い上げる。

「……エト?」

 この折れた神剣は、トコの姉である、ガベルそのものだ。
 そして、つい先程まで私達の命を奪おうとしていたカラミティそのものでもある。
 そして、それはトコと同じ神級魔道具でもある。
 
 魔道具は、あくまでも道具であり、破損する事はあっても、死ぬと言う事はない。

 少し前に、トコもカラミティに真っ二つに斬られたが、しばらくの間動けなくなっただけで、死んだりなんかはしなかった。
 もし、機能停止という意味での“死”があるとすれば、それは、そこに宿る魂の様なものが消滅した時だろう。
 恐らく、二つに折れた程度では、神剣カラミティと言う魔道具の、その魂は死ぬ事はない。

 この二つに折れた神剣から感じられる、とてもか細いカラミティの気配が、その何よりの証拠だ。
 流石に、回復にはかなりの時間を要するだろうが、放っておけば、いずれカラミティが復活する事は間違いない。

 本当に終わらせようとするならば、このままその魂ごと、神剣を粉々に砕いてしまうしかない。

「エト、それどうする気?」
「うーん……。トコはどうして欲しい?」
「……エトに任せる」

 トコは一言そう答えると、目を伏せながら下に俯く。
 恐らく、トコにも色々と思うところは沢山あるのだろうが、今の自分の気持ちをぐっと堪えて、私の気持ちを優先させた。

「ごめん。今のはちょっと意地悪だったね」
「……いい」
「じゃあ、私の好きなようにやっちゃうよ」
「…………ん」

 そんな複雑な表情を浮かべるトコに、私は先程拾い上げた、二つに折れた神剣を差し出した。

「はい」
「え……?」

 トコは、私が神剣を渡して来た理由が分からず、キョトンとした表情を浮かべながら、顔を上げて私を見つめる。

「この子はあんたのお姉ちゃんなんでしょ。だったらこれはトコが持ってて。で、帰ったら修理してあげよ」
「!?」

 私がそう言うと、トコは目を丸くして驚愕する。

「いいの??」
「良いも何も、この子には説教をしなくちゃだからね。トコをこんなに悲しませた罪はとても重いんだから。当然でしょ?」

 私はそう言って、トコの目の前に差し出した神剣を、少しグイと前に動かし、その受け取りを催促する。
 そしてトコは、そんな私に促されるように、ゆっくり、私から神剣を受け取ると、その神剣を抱きしめるように胸に抱えた。

 そして、

「……うん。ありがと」

 トコはそう言い、目を細くして微笑んだ。





 その後、私達はひとまず冒険者ギルド会館へと向かうため、来た道を戻って鉱山を出る事にした。

 その道中、当然私は、サフィア達や他の冒険者達から、質問攻めに会うことになる。

 最初に質問をして来たのはマチルダ。

「色々聞きたい事はあるが、ますはその腕だ。一体それは、どうなってるんだ??」

 マチルダが最初に聞いてきたのは私の腕の状態について。
 他にも色々聞きたい事はあるだろうに、まずは私の体の様子について聞いてくるあたり、とてもマチルダらしい。

「うーん。私もよくわからないんだけどね。なんか治った」
「なんかって……」

 そう。私の黒く染まっていた両腕は、気付けばいつのまにか普通の状態に戻っていた。
 ただ、両腕の肩から肘の関節あたりにかけて、ルーン文字のような模様が刺青のように黒く刻まれていた。

「取り敢えず普通に動くし、なんなら前よりパワフルになった気もしなくもないから、まあ、いいんじゃないの?」
「いや、それで良いのか??エトがいいなら別に構わんが……何かあったらすぐ言うんだぞ」
「うん。わかった」

 いいと言いながらも心配そうな表情を浮かべるマチルダに対して、私は出来るだけ明るく努める。
 私としても、このよくわからない腕の模様に不安は残るが、今それを言ったところでどうしようもない。
 現状、特に不都合はないし、何かあったらその時に考えるしかない。

 私とマチルダの会話が終わったのを見計らい、今度はガルカンが割って入るようにして質問してくる。

「で、結局あのカラミティってのは何だったんだ??魔族だったり獣だったり、幼女だったり、挙句はまさかの神剣だ。さっぱり意味がわかんねえんだけど??」
「あー、うん。不思議だったねぇ」
「いや、説明しろって言ってんだよ!」
「うーん」

 説明も何も、私もちゃんと理解しているわけじゃない。
 取り敢えず今わかっていることは、カラミティは神剣と言う魔道具で、トコの姉だと言う事くらいだ。
 何もわかっていないのと変わらない。

 私は何気なく後ろを振り返る。

「ん?」

 そこには、折れた神剣を大事そうに抱えながら、私の後ろをテクテクと歩くトコが、こちらを見ながらコテリと首を横に倒す。

 まあ、カラミティの説明をするとなると、トコの事も話さないといけなくなる。
 別にトコは、素性が明らかになろうと何も気にはしないだろうが、結局それを説明するのはこの私だ。考えただけで面倒すぎる。
 そうだ、マチルダやサフィアなら、ある程度私の素性を知っている。
 そんな私の非常識さに一定の理解、と言うか免疫のある二人に、一方的に説明するだけ説明して、あとは丸投げするのがいいかも知れない。いや。それがいい。
 
「トコ、それ重くない?大丈夫?」
「ん。問題ない」

 トコは、私が抱え易いようにと布で包んだ神剣を、これは誰にも渡さないと言わんばかりに、両腕でぎゅっと抱きしめ抱えている。

「おい!なに無視してんだ!説明しろっつってんだよ!こっちは何度も死にかけてたんだからな!!」
「いや、それはガルカンが無茶し過ぎてただけでしょ?知らないよ」
「あああんっ!!!」

 相変わらずガルカンは、口悪く私に怒鳴りつけてくる。
 まあ、ガルカンがいなければ勝てなかったのは間違いないけど。
 もちろん、ガルカンだけじゃなく、マチルダやサフィア、それに他の冒険者達も、誰一人欠けていても、この勝ちは無かっただろう。

「あ、そう言えば」

 そこで私は思い出した。
 最後の最後に美味しいところを持って行った、ハーレムパーティーのイケメンリーダー、エルヴィンの存在に。
 私は再び振り返り、エルヴィンの方に視線をやると、そこでは三人の美女に囲まれながら何やら詰問されている様子が伺えた。
 どうしてあんな無茶をしたんだ、と言うような説教をされながらも、どこか甘ったるい空気を作り上げていた。
 痴話喧嘩というよりは、ただのじゃれあいと言った感じで、流石にあそこに声をかける気にはなれなかった。

「ねえ、マチルダさん。エルヴィンってエリクサーは間に合わなかったんじゃ無かったの??」
「ん?ああ。そうだな」

 私はそんな疑問を隣にいたマチルダに問いかける。
 また無視か!と騒ぐガルカンは取り敢えず放置だ。

「エリクサーが間に合わなかったのに、どうして??」
「いや、私たちが戻った時には既に、エリクサーで回復していたからな」
「は??」

 意味が分からない。
 エリクサーが間に合わなかったのに、エリクサーで回復してた??

「私達がエルヴィンの元に戻って来たら、サフィアとその妹のマリンがいてな。サフィアは、カラミティが追加で呼び出したキングスコーピオンと戦っていて、その間にマリンがエリクサーをエルヴィンに飲ませていたらしい」
「へ?」
「マリンはエトからもらったと言っていたが、違うのか?」
「ああ!」

 そう言えば、予備にともう一つ渡していたような気がする。
 なるほど。それを使って。

「え、でもそのあと、サフィアとガルカンと一緒に戻ってきた時に、エルヴィンは間に合わなかったって……」
「いや、言ってないぞ。エトが途中で聞くのをやめたからな」
「ああ……」

 たしかに私はあの時、エルヴィンが死んでしまったと言う現実を受け入れたくなくて、途中で聞くのをやめてしまった。

「まあ、エルヴィン本人からも言うなと言われていたから、どのみち私からは言わなかっただろうがな」
「え、なんで」
「さあな。本人は“その方がカッコいいから”とか、うそぶいていたが、実際のところは分からん」
「ふーん」

 エルヴィンなら、ワンチャン本当にそんな事を思っていそうではあるが、大方、エルヴィンの予感の類の物だろう。
 実際、どこかゲーム感覚だった私が、この世界を現実だと受け止められたのは、エルヴィンの死がきっかけであったことは間違いない。

「さあ、出口に着いたぞ」
「おお」

 色々と話しているうちに、気付けばもう、鉱山の出口までやって来ていた。

「なんだか、数日ぶりのような気がするな」
「うん、全くだね」

 私達が鉱山を出ると、辺りはすっかり陽が落ちており、そこには静寂と、少しの虫の音だけが広がっていた。
 私はそれを胸いっぱいに感じながら、ようやく肩の力を抜くことができた。

「おし!じゃあ、ここで解散だ!!サフィア!マチルダ!ついでに色男!テメェらは各自勝手に好きなタイミングで冒険者ギルドに行きやがれ!それからエト!テメェはそのガキをちゃんと家まで送って行け!!」
「え?あ、う、うん」
「ギルドには俺達、Aランククラン【動猛獣の牙】が先に話をつけといてやる!テメェら!ギルド会館まで競争だ!!!」
「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」」」

 ガルカンはそう叫ぶと、さっさとバジルにまたがり、凄い速さで飛び出して行った。
 そしてそれに負けんとばかりに、クランメンバー達も、何やらはしゃぎながら、バジルに乗って追いかけていく。

「うへ、元気だなぁ……」
「全くだ。奴は疲れと言うものを知らんのか」

 私の言葉に、マチルダは疲れたようにしてそう答える。
 まあ、ガルカンらしいと言えばらしいけどね。
 あんなの絶対、疲れた私達を気遣ってくれての行動だし。
 ガルカンにはそう言うツンデレは求めてないんだけどなあ。

「では、私達も帰るか」
「うん。そうだね」
「ん」

 そうして、私達にとっての、とてもとても長い一日が、今ようやく終わりを迎えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界もふもふ召喚士〜俺はポンコツらしいので白虎と幼狐、イケおじ達と共にスローライフがしたいです〜

大福金
ファンタジー
タトゥーアーティストの仕事をしている乱道(らんどう)二十五歳はある日、仕事終わりに突如異世界に召喚されてしまう。 乱道が召喚されし国【エスメラルダ帝国】は聖印に支配された国だった。 「はぁ? 俺が救世主? この模様が聖印だって? イヤイヤイヤイヤ!? これ全てタトゥーですけど!?」 「「「「「えーーーーっ!?」」」」」 タトゥー(偽物)だと分かると、手のひらを返した様に乱道を「役立たず」「ポンコツ」と馬鹿にする帝国の者達。 乱道と一緒に召喚された男は、三体もの召喚獣を召喚した。 皆がその男に夢中で、乱道のことなど偽物だとほったらかし、終いには帝国で最下級とされる下民の紋を入れられる。 最悪の状況の中、乱道を救ったのは右ふくらはぎに描かれた白虎の琥珀。 その容姿はまるで可愛いぬいぐるみ。 『らんどーちゃま、ワレに任せるでち』 二足歩行でテチテチ肉球を鳴らせて歩き、キュルンと瞳を輝かせあざとく乱道を見つめる琥珀。 その姿を見た乱道は…… 「オレの琥珀はこんな姿じゃねえ!」 っと絶叫するのだった。 そんな乱道が可愛いもふもふの琥珀や可愛い幼狐と共に伝説の大召喚師と言われるまでのお話。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

自重知らずの転生貴族は、現在知識チートでどんどん商品を開発していきます!!

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
無限の時空間の中、いきなり意識が覚醒した。 女神の話によれば、異世界に転生できるという。 ディルメス侯爵家の次男、シオン・ディルメスに転生してから九年が経ったある日、邸の執務室へ行くと、対立国の情報が飛び込んできた。 父であるディルメス侯爵は敵軍を迎撃するため、国境にあるロンメル砦へと出発していく。 その間に執務長が領地の資金繰りに困っていたため、シオンは女神様から授かったスキル『創造魔法陣』を用いて、骨から作った『ボーン食器』を発明する。 食器は大ヒットとなり、侯爵領全域へと広がっていった。 そして噂は王国内の貴族達から王宮にまで届き、シオンは父と一緒に王城へ向かうことに……『ボーン食器』は、シオンの予想を遥かに超えて、大事へと発展していくのだった……

処理中です...