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第1章.地上界はスローライフで Ⅱ
第009話.大きな蕾、ココに。
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べりんとスティルが、たまたま隠し部屋で見つけたモノ。それは明らかに何かを隠し、覆いかぶせているビニールです。
べりんは、スティルにニッと笑います。
「コレは、アタシ達に……剥ぎ取れ!って言ってるんでしゅね♪」
べりんとスティルでビニールの両端を持ち合って……せーのっ!
ガサガサガサっ!!!
ビニールを勢い良く捲る迄は良かったんですけど、つい勢い余って……ころころ、ころんっ!
一度勢いが付いたら止まれない、べりんとスティル。そのまま真っ直ぐ隠し部屋の壁に、ころころ……ごっつんこ!
そのまま、2人ともキュ……とナルト目になってしまったんです。
……ペチ!
……ペチペチ!
……むにぃぃ~っ!
「わひゃひひょ、ひゅひひゃ……ひゃあぁぁ~~~っ!!!」
べりんは今、スティルにひざ枕され、口角に人差し指を2本突っ込まれて、みょ~ん♪と伸ばされ遊ばれています! 思わず手足、バタバタです!
スティル、あっひゃっひゃと大笑い! べりん、ぷんすかとふくれっ面!
「んも~、アタシの顔で遊ばないででしゅ!」
強制ニッコリフェイスの次は、手のひらの母指球をほっぺに当ててむにゅむにゅしています。
「ペチペチ叩いても起きないからだろ! だから、お嬢の口で遊んでたんだよ♪」
でも、このむにゅむにゅは気持ちイイからチャラにしてあげるね!
「見ろよ、今のでビニールが全部剥がされて……って何じゃ、こりゃぁ?」
何と、ビニールの下から出て来たのは……隠し部屋の床から突き破って出て来てる、巻き巻きした巨大な蔓だったんです。
何で、こんなトコに巨大な蔓が顔を出してんだ? 何で上からビニール被せてんだよ? 分かんねー事だらけじゃねーか!
わたわたと、慌てる事しか出来ないスティル。でも、べりんは……
でも……こーゆー時こそ冷静にならなくっちゃね! ぱーぱも、そうアタシに言ってたもん!
「スティルくん、この踊る花達を見て元気を貰おーよー!」
巨大な蔓を取り囲む様に、壁には色とりどりの花達が咲き誇って居て。頭を揺らして、ダンシン♪ダンシン♪しています。
「その通りだよなっ、お嬢!」
揺れる花達を眺めながら、べりんとスティルはまったりと癒やされます。癒やされます…… 癒やさ……れ……
ん~っ、ダンシン♪ダンシン♪
ん~っ、ダンシン♪ダンシン♪
癒やされるだけでは飽き足らず、とうとう2人ともガマン出来ずに花達と一緒にくねくねと腰を振って踊り出してしまったんです。
すみません……訂正します! 2人とも、やっぱりノー天気でした♪
そして踊る花達の中央、巨大な蔓に一際大きく膨らんだ花の蕾が……でも、べりんは気付いてしまったんです。
踊る花達とは対象的に、隠し部屋を色鮮やかに彩るはずの大きく膨らんだ花の蕾だけが元気無く萎れている事を。
「大きな蕾しゃん……元気無いでしゅ」
スティルは、細心の注意を払って花びらを捲ります。花びら本来のしなやかさが失われ、ベリベリベリベリ……と硬い音がします。
「これ以上は止めておこう、花びらがへし折れちまうぜ」
しかも注意深く見てみると、大きな蕾の先端から黒い粒子が蒸発する様に上へ向って発散してます。
「む、この黒い粒子はもしや……お嬢、この大きな蕾は瘴気にヤられているみたいだぞ!」
大昔……天界の神気と冥界の瘴気って元々ひとつ、表裏一体だったんですって。神樹イグドラシルが天界と冥界の両方に根を堕ろしてる、と云う言い伝えもそこから来てるそうです。
だから神樹は、例え瘴気にヤられたとしても……本当なら神気の力で自然治癒出来るって考えられてはいるんですけどね。
それでも、べりんはそっと優しく大きな蕾を抱き締めてます。
「お嬢の気持ちも分かるけど、この大きな蕾はやっぱりもう……」
そう言ってガックリと肩を落とすスティルに、べりんは……
べりんは、スティルにニッと笑います。
「コレは、アタシ達に……剥ぎ取れ!って言ってるんでしゅね♪」
べりんとスティルでビニールの両端を持ち合って……せーのっ!
ガサガサガサっ!!!
ビニールを勢い良く捲る迄は良かったんですけど、つい勢い余って……ころころ、ころんっ!
一度勢いが付いたら止まれない、べりんとスティル。そのまま真っ直ぐ隠し部屋の壁に、ころころ……ごっつんこ!
そのまま、2人ともキュ……とナルト目になってしまったんです。
……ペチ!
……ペチペチ!
……むにぃぃ~っ!
「わひゃひひょ、ひゅひひゃ……ひゃあぁぁ~~~っ!!!」
べりんは今、スティルにひざ枕され、口角に人差し指を2本突っ込まれて、みょ~ん♪と伸ばされ遊ばれています! 思わず手足、バタバタです!
スティル、あっひゃっひゃと大笑い! べりん、ぷんすかとふくれっ面!
「んも~、アタシの顔で遊ばないででしゅ!」
強制ニッコリフェイスの次は、手のひらの母指球をほっぺに当ててむにゅむにゅしています。
「ペチペチ叩いても起きないからだろ! だから、お嬢の口で遊んでたんだよ♪」
でも、このむにゅむにゅは気持ちイイからチャラにしてあげるね!
「見ろよ、今のでビニールが全部剥がされて……って何じゃ、こりゃぁ?」
何と、ビニールの下から出て来たのは……隠し部屋の床から突き破って出て来てる、巻き巻きした巨大な蔓だったんです。
何で、こんなトコに巨大な蔓が顔を出してんだ? 何で上からビニール被せてんだよ? 分かんねー事だらけじゃねーか!
わたわたと、慌てる事しか出来ないスティル。でも、べりんは……
でも……こーゆー時こそ冷静にならなくっちゃね! ぱーぱも、そうアタシに言ってたもん!
「スティルくん、この踊る花達を見て元気を貰おーよー!」
巨大な蔓を取り囲む様に、壁には色とりどりの花達が咲き誇って居て。頭を揺らして、ダンシン♪ダンシン♪しています。
「その通りだよなっ、お嬢!」
揺れる花達を眺めながら、べりんとスティルはまったりと癒やされます。癒やされます…… 癒やさ……れ……
ん~っ、ダンシン♪ダンシン♪
ん~っ、ダンシン♪ダンシン♪
癒やされるだけでは飽き足らず、とうとう2人ともガマン出来ずに花達と一緒にくねくねと腰を振って踊り出してしまったんです。
すみません……訂正します! 2人とも、やっぱりノー天気でした♪
そして踊る花達の中央、巨大な蔓に一際大きく膨らんだ花の蕾が……でも、べりんは気付いてしまったんです。
踊る花達とは対象的に、隠し部屋を色鮮やかに彩るはずの大きく膨らんだ花の蕾だけが元気無く萎れている事を。
「大きな蕾しゃん……元気無いでしゅ」
スティルは、細心の注意を払って花びらを捲ります。花びら本来のしなやかさが失われ、ベリベリベリベリ……と硬い音がします。
「これ以上は止めておこう、花びらがへし折れちまうぜ」
しかも注意深く見てみると、大きな蕾の先端から黒い粒子が蒸発する様に上へ向って発散してます。
「む、この黒い粒子はもしや……お嬢、この大きな蕾は瘴気にヤられているみたいだぞ!」
大昔……天界の神気と冥界の瘴気って元々ひとつ、表裏一体だったんですって。神樹イグドラシルが天界と冥界の両方に根を堕ろしてる、と云う言い伝えもそこから来てるそうです。
だから神樹は、例え瘴気にヤられたとしても……本当なら神気の力で自然治癒出来るって考えられてはいるんですけどね。
それでも、べりんはそっと優しく大きな蕾を抱き締めてます。
「お嬢の気持ちも分かるけど、この大きな蕾はやっぱりもう……」
そう言ってガックリと肩を落とすスティルに、べりんは……
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