1 / 1
短編【追放されたけどチートスキルに覚醒した人の話】
しおりを挟む
「お前は追放だ、アッシュ」
一瞬、言葉の意味を飲み込めなかった。
「な、なにを言ってるんだ……? ゼノン」
勇者パーティーの戦士である俺、アッシュは、パーティーのリーダーたる勇者・ゼノンに言葉の意味を問いただした。
「言葉の通りだ。お前をこれ以上、俺たちのパーティーの一員として認めることはできない」
「で……でもあんまりじゃないか。俺はパーティーの初期メンバーとして、五年間がんばってきたつもりだ」
そういう俺を、ゼノンは蝿か何かを見るような目で見てきた。
「自分のレベルとみんなのレベルを見比べてから言ったらどうだ? アッシュよ」
ゼノンにそういわれた俺は、思わず押し黙ってしまった。
確かに俺は、五年間戦士としてパーティーに所属しておきながら、レベル30――初心者に少し毛が生えた程度のレベルのまま、いくら経験値を獲得してもレベルアップも、新スキルの獲得もできていない。
俺以外の初期のパーティーはもちろんのこと、俺より遅くパーティー入りしたメンバーの大半が、レベル120代にまで達しているのにも関わらずだ。
「既に魔王攻略の時期も迫っているんだ。魔王軍討伐のために一丸となって戦わなけりゃいけない時に、足手まといをパーティーに入れておけるか」
ゼノンの指摘に、俺は何一つ言い返すことができなかった。
「あと前々から言おうと思ってたけど、俺パーティー結成時からお前のことは嫌いだったから。せいぜい無能者として不遇な人生を送ってくれ、死ぬまでな」
ゼノンの非情な言葉に応じて、他のメンバーの何人かが鼻で笑っているのが聞こえた。
そうだ、俺には認めたくなかっただけでわかっていたのだ。
弱小メンバーの俺は、パーティーのメンバーからものけ者扱いされているって。
悔しさで胸が張り裂けそうになるし、追放を言い渡したゼノンを殴ってやりたかったが、
レベル30・武器熟練度100の俺が、レベル150・武器熟練度1000の彼を攻撃したところで、返り討ちにされるのがオチだった。
「わかったよ……このパーティーを出ていくよ」
俺が諦めに近い決断をして、その場――パーティーの行きつけの宿屋を去ろうとした、その時だった。
――キラーン。
耳に心地よい音が、辺りに響いた。
持ち主の戦士のレベルアップ、あるいはスキルアップを示す音だった。
俺は戦士に選ばれた人間が持つ宝石を取り出す。
空間に俺のレベル状況と、スキル状況が投影された。
《戦士:アッシュ》
《レベルアップ:30→300》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃無効》
《新スキル獲得:被ダメージ半減》
《武器熟練度:100→10000》
しばらくその場を、静寂が支配した。
俺自身、レベルアップやスキル覚醒の嬉しさより、周りの視線に対する気まずさの方が勝っていた。
静寂を破ったのは、俺の真後ろにいたゼノンだった。
「いやー前々からお前はいつか覚醒してくれると思ってたよアッシュ! ぜひうちのパーティーの主力メンバーとして大活躍してくれ」
「頭おかしいのかテメェ!!!!!!!!!!」
思わず怒鳴ってしまった。
「お前ついさっき自分が何やってたのか忘れたのかよ!!!! みんなの前で俺の顔に泥を塗りやがって!!!!!!!」
「まぁまぁまぁまぁ、聞いてくれ聞いてくれ」
先ほどまでとはうってかわって、俺に肩を回して馴れ馴れしく接してくるゼノン。
「いやこっちとしてもさぁ、なんか……本気で言ってたわけじゃない……というかさ? そう、敢えてだよ、敢えて。追放……することでな? おまえが逆境をバネに立ち上がってくれると……信じてさ? だからな……お前を思っての行為だったんだよ、アレは」
「さっき不遇な人生をどうこうって言ってただろ」
それにあれだけ言われて今更成長してほしいだなんて信じられない。
「いやさ、うん。言葉のあやって……あるじゃん? あ、あの……仮に、仮にね? さっきの言葉がマジだったとしてもさ……お、俺としてもこの事態は想定外っていうかさ……巷でよく聞くじゃん? こういう話……追放されたらチートスキルに覚醒しました、みたいな……でもそういうのってさ、大体追放されてしばらくした後だし……まさか今ここで覚醒するとは思わないっていうか……そうと知ってたら追放しなかったっていうか……」
ゼノンの垂れ流す長ったらしい言い訳を聞き流して、俺はしばし考えた。
確かに、今簡単にパーティーを辞めてこの場を去っては、いろんな意味で面白くないかもしれない。
熟考した後、俺は一つの結論に達した。
「まあ、どうしてもパーティーにいてほしいっていうんなら、二つの条件付きで了承してもいい」
うんうん、なんでも言ってくれ、と、ゼノンは先ほどの態度が嘘のように腰を低くして応じてきた。
「一つ目に、俺をこのパーティーのリーダーにすること」
もちろん俺は自分をリーダーの器とは思っていないし、本気で終身のリーダーになろうとしているわけじゃない。
だが例え数日でもパーティーで主導権を握って、自分を白い目で見ていた奴らに少しだけ目にものを見せてやりたかった。
「い……いいよ? それぐらいなら、全然」
動揺と怒りを隠しきれない顔で、それでもゼノンは渋々条件に応じた。
「二つ目に。お前は追放だ、ゼノン」
「な、何を言ってるんだ……? アッシュ」
どこかで聞いたようなやりとりだ、と内心思ったが、構わず続ける。
「無能だからという理由で、パーティーの仲間たちを簡単に捨てられる。魔王軍討伐のために人類が一丸となって立ち向かわないといけない時に、そんな非情な奴をリーダーにはできない」
苦虫を嚙み潰したような顔でこちらをにらみつけてくるゼノン。
抵抗するかもしれなかったので、少しだけ構えをとって睨み返した。いざとなれば、剣でたたき伏せるつもりだった。
「わ、わかったよ……出ていくよ」
俺の言葉に、悔しそうに応じて、その場を後にするゼノン。
しかしその時だった。
――キラーン。
《勇者:ゼノン》
《レベルアップ:150→500》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃無効》
《新スキル獲得:被ダメージ半減》
《武器熟練度:1000→15000》
え?
「よっしゃー!!! よっしゃよっしゃよっしゃよっしゃよっしゃー!!!!!」
勇者の威厳なんか微塵も感じられないハイテンション歓喜を表現するゼノン。
待て。待て待て。
「追放だ!!!さっさと出てけこのカスアッシュ!!!! そのままどっかで野垂れ死ねバーーーーーーーカ!!!!!」
「待て待て待て待て待て!!!!! そんなのあり!? そんなのありかよ!!!! なんで元々強い側がさらに覚醒するんだよ!!!!!」
ゼノンの突然の覚醒に、俺は動揺を隠しきれなかった。
「さっさと出てけっつってんだろォ!!!!」
火炎魔法の構えをとるアッシュ。レベル500なら、最下級の魔法でも相当な威力を持つことは疑いがなかった。
「わ、わかった、わかったよ!! 出ていくよ!!」
黒焦げになることを恐れたおれは、仕方なく一時その場を撤退することを考えた。
その時。
――キラーン。
《戦士:アッシュ》
《レベルアップ:300→3000》
《新スキル獲得:通常四回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体+半径50mの全モンスター攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃を受けるとHP回復》
《新スキル獲得:被ダメージ10分の1》
《武器熟練度:10000→100000》
「オェェェェェェェーーーーーーーーーイ!!!!!!!!」
思わず今まで出したことのない歓喜の声を出してしまった。
「信じてたぜアッシューーー!!! お前なら更なる覚醒をしてくれるってなアアァァァァ!!!!!!」
掌を高速回転してこちらにフレンドリーに接してこようとするゼノンにとりあえず飛び膝蹴りをかまそうとした、その時だった。
「一旦落ち着いて」
女性の声が、俺たちの間に入ってきた。
声の主は、パーティーでも主力の女魔導士、ビバリーだった。
「思ったんだけどさ、これ《パーティーから追放されること》が、覚醒条件なんじゃない?」
「「………………ああぁー!!」」
思わず、さっきまで敵対してたやつとハモって、感激の声を上げてしまった。
あの短時間で覚醒条件を理解するなんて、彼女の頭の良さには恐れ入る。
思えば俺がレベルアップせずに悩んでいた時に、ゼノンたちに白い目で見られる俺を「何か理由があるかも」とフォローしてくれたのも彼女だった。
あ、いいこと考えた。
「ビバリー、お前は前々からウザかったよなぁ。今回もゼノンをボコる俺の邪魔をするつもりかよ?」
俺はなるだけわざとらしい口調で、ビバリーに向けて悪態をついて見せた。
「おいちょっと待てちょっと待て。ビバリーは長年うちの主力として活躍してきただろ」
ゼノンが何かを察したような調子でこちらに反論してくるが、無視する。
「構うか。ビバリー、お前は追放だ!!」
――キラーン。
《魔導士:ビバリー》
《レベルアップ:120→1000》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体+半径50mにMAP魔法攻撃》
《新スキル獲得:雷撃魔法に必ず麻痺属性付与》
《新スキル獲得:被ダメージ10分の1》
《魔道具熟練度:800→50000》
サンキューアッシュ、という感謝の言葉に、俺は頼みがあるんだけど、と応じた。
仕方ないわね、というビバリーの言葉と共に、俺たち二人はゼノンに向きなおった。
「いやいやいやいやいや……そんなことやっちゃうんだ? 仲間増やしちゃうんだ?」
俺たちに囲まれて窮地に立たされたゼノンは、しかし途中でアッ! と何かを思いついたような顔をして言った。
「おいクロエェ!!」
ゼノンは突然、自分に惚れている女盗賊・クロエの名前を呼んだ。
彼女は、レベルアップしない俺を見下していたメンバーの一人でもある。
「おい待て、彼女はアイテムを盗み取ってきてくれるパーティーの重要メンバーじゃないか。いくらなんでも彼女相手にそんな仕打ちは……」
「お前クズの盗賊の癖に勇者パーティーに入り浸りやがって追放だァ!!」
俺の制止も無視して、ゼノンは彼女に追放を言い渡した。
は? 意味わかんないんだけど!? とクロエが反論を言い終える前に、音が鳴った。
――キラーン。
《盗賊:クロエ》
《レベルアップ:120→1000》
《新スキル獲得:通常三回攻撃》
《新スキル獲得:絶対先制攻撃》
《新スキル獲得:絶対回避》
《新スキル獲得:盗賊系スキル絶対成功》
《武器熟練度:800→50000》
うわこれマジ!? ヤッベ!!! ありがとゼノン!!! と大喜びするクロエと共に、俺たちに向きなおるゼノン。
そうくれば当然こちらも、同じ手で対処せざるを得ない。
「おいディアンヌ!!! 猫娘のくせに人間パーティーに入り浸りやがって追放だ!!!」
――キラーン。
《獣人:ディアンヌ》
《レベルアップ:120→1000》
「おいエルザ!!! テイムしてるモンスターがキモチ悪ぃんだよ追放だ!!!!」
――キラーン。
《アニマルテイマー:エルザ》
《レベルアップ:120→1000》
何回かマジの侮辱をしているような気もしたが、それでも俺たちは止まらなかった。
そのまま俺たち二人はその場にいるパーティーメンバーたちを次々に追放させていった。
キラーン《格闘家:ファビエンヌ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《道化師:ジゼル》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《機工士:ハンナ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《竜騎士:イザベル》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《闇騎士:ジュゼ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《侍:カスミ》《レベルアップ:120→1000》
その場の全員が覚醒を終えたところで、完全にパーティー(?)は俺たちアッシュ派と、ゼノン派に二分されていた。
「丁度いいな……この場で決着をつけようぜ」
「お前は前々から気に食わなかったんだ……この場で跪かせてやるぜ!!!」
行くぞお前ら!!!! という声とともに、今正に二つの派閥が激突しようとしていたその時。
「ちょっと待って?」
口を挟んだのは、何かの紙を手に持ったビバリーだった。
「…………これ」
彼女が手に持っているのは、風に飛ばされて窓からこの宿の部屋に入ってきた新聞だった。
新聞の見出しには、こう書かれていた。
『勇者アルトのパーティー、魔王討伐に成功する』
「「…………え」」
思わず、ゼノンと俺とで声がハモった。
内輪で盛り上がっている間に、魔王討伐が終わってしまった。
だが、それだけでは終わらなかった。
「勇者一行に告ぐ!!」
窓の外から、声が聞こえてくる。
窓から見てみて確認したが、声の主は長年勇者をサポートしてきた、俺たちの国の国王だ。 パレードで何度か見たことがある。
「魔王やその配下のモンスターの討伐に貢献してくれたこと、非常に感謝する。しかし、ここで諸君らに残念なお告げがある。王である儂と儂の率いる臣下たちは、魔王が討伐された今、多大な戦力を持った諸君ら勇者一行を、王国の秩序を脅かす危険な勢力と判断した。よって勇者、およびそれに同行する戦士一行を、我が国から《追放処分》とする!!!!!!」
あまりにもありえない命令で言葉を失うが、一つ引っかかった。
あの爺、俺たちをどうするって言った?
そう思うが早いか、その現象は起きた。
――キラーン。――キラーン。――キラーン。――キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。キラーンキキラーンラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk……………………わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
ええええええええええぇぇぇぇぇ……
町中に、いや国中に、あらゆる勇者や戦士たちのレベルとスキルが一斉に覚醒することを示す音が響き渡る。
俺たちはその場に制止するしかなかった。
一日でこんな色んなことが起きることってあるんだ。
「――とりあえずさ、皆であの王をボコりにいくってのは?」
「「……だな」」
ビバリーの提案に応じ、俺とゼノンは宿を後にするのだった。
一瞬、言葉の意味を飲み込めなかった。
「な、なにを言ってるんだ……? ゼノン」
勇者パーティーの戦士である俺、アッシュは、パーティーのリーダーたる勇者・ゼノンに言葉の意味を問いただした。
「言葉の通りだ。お前をこれ以上、俺たちのパーティーの一員として認めることはできない」
「で……でもあんまりじゃないか。俺はパーティーの初期メンバーとして、五年間がんばってきたつもりだ」
そういう俺を、ゼノンは蝿か何かを見るような目で見てきた。
「自分のレベルとみんなのレベルを見比べてから言ったらどうだ? アッシュよ」
ゼノンにそういわれた俺は、思わず押し黙ってしまった。
確かに俺は、五年間戦士としてパーティーに所属しておきながら、レベル30――初心者に少し毛が生えた程度のレベルのまま、いくら経験値を獲得してもレベルアップも、新スキルの獲得もできていない。
俺以外の初期のパーティーはもちろんのこと、俺より遅くパーティー入りしたメンバーの大半が、レベル120代にまで達しているのにも関わらずだ。
「既に魔王攻略の時期も迫っているんだ。魔王軍討伐のために一丸となって戦わなけりゃいけない時に、足手まといをパーティーに入れておけるか」
ゼノンの指摘に、俺は何一つ言い返すことができなかった。
「あと前々から言おうと思ってたけど、俺パーティー結成時からお前のことは嫌いだったから。せいぜい無能者として不遇な人生を送ってくれ、死ぬまでな」
ゼノンの非情な言葉に応じて、他のメンバーの何人かが鼻で笑っているのが聞こえた。
そうだ、俺には認めたくなかっただけでわかっていたのだ。
弱小メンバーの俺は、パーティーのメンバーからものけ者扱いされているって。
悔しさで胸が張り裂けそうになるし、追放を言い渡したゼノンを殴ってやりたかったが、
レベル30・武器熟練度100の俺が、レベル150・武器熟練度1000の彼を攻撃したところで、返り討ちにされるのがオチだった。
「わかったよ……このパーティーを出ていくよ」
俺が諦めに近い決断をして、その場――パーティーの行きつけの宿屋を去ろうとした、その時だった。
――キラーン。
耳に心地よい音が、辺りに響いた。
持ち主の戦士のレベルアップ、あるいはスキルアップを示す音だった。
俺は戦士に選ばれた人間が持つ宝石を取り出す。
空間に俺のレベル状況と、スキル状況が投影された。
《戦士:アッシュ》
《レベルアップ:30→300》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃無効》
《新スキル獲得:被ダメージ半減》
《武器熟練度:100→10000》
しばらくその場を、静寂が支配した。
俺自身、レベルアップやスキル覚醒の嬉しさより、周りの視線に対する気まずさの方が勝っていた。
静寂を破ったのは、俺の真後ろにいたゼノンだった。
「いやー前々からお前はいつか覚醒してくれると思ってたよアッシュ! ぜひうちのパーティーの主力メンバーとして大活躍してくれ」
「頭おかしいのかテメェ!!!!!!!!!!」
思わず怒鳴ってしまった。
「お前ついさっき自分が何やってたのか忘れたのかよ!!!! みんなの前で俺の顔に泥を塗りやがって!!!!!!!」
「まぁまぁまぁまぁ、聞いてくれ聞いてくれ」
先ほどまでとはうってかわって、俺に肩を回して馴れ馴れしく接してくるゼノン。
「いやこっちとしてもさぁ、なんか……本気で言ってたわけじゃない……というかさ? そう、敢えてだよ、敢えて。追放……することでな? おまえが逆境をバネに立ち上がってくれると……信じてさ? だからな……お前を思っての行為だったんだよ、アレは」
「さっき不遇な人生をどうこうって言ってただろ」
それにあれだけ言われて今更成長してほしいだなんて信じられない。
「いやさ、うん。言葉のあやって……あるじゃん? あ、あの……仮に、仮にね? さっきの言葉がマジだったとしてもさ……お、俺としてもこの事態は想定外っていうかさ……巷でよく聞くじゃん? こういう話……追放されたらチートスキルに覚醒しました、みたいな……でもそういうのってさ、大体追放されてしばらくした後だし……まさか今ここで覚醒するとは思わないっていうか……そうと知ってたら追放しなかったっていうか……」
ゼノンの垂れ流す長ったらしい言い訳を聞き流して、俺はしばし考えた。
確かに、今簡単にパーティーを辞めてこの場を去っては、いろんな意味で面白くないかもしれない。
熟考した後、俺は一つの結論に達した。
「まあ、どうしてもパーティーにいてほしいっていうんなら、二つの条件付きで了承してもいい」
うんうん、なんでも言ってくれ、と、ゼノンは先ほどの態度が嘘のように腰を低くして応じてきた。
「一つ目に、俺をこのパーティーのリーダーにすること」
もちろん俺は自分をリーダーの器とは思っていないし、本気で終身のリーダーになろうとしているわけじゃない。
だが例え数日でもパーティーで主導権を握って、自分を白い目で見ていた奴らに少しだけ目にものを見せてやりたかった。
「い……いいよ? それぐらいなら、全然」
動揺と怒りを隠しきれない顔で、それでもゼノンは渋々条件に応じた。
「二つ目に。お前は追放だ、ゼノン」
「な、何を言ってるんだ……? アッシュ」
どこかで聞いたようなやりとりだ、と内心思ったが、構わず続ける。
「無能だからという理由で、パーティーの仲間たちを簡単に捨てられる。魔王軍討伐のために人類が一丸となって立ち向かわないといけない時に、そんな非情な奴をリーダーにはできない」
苦虫を嚙み潰したような顔でこちらをにらみつけてくるゼノン。
抵抗するかもしれなかったので、少しだけ構えをとって睨み返した。いざとなれば、剣でたたき伏せるつもりだった。
「わ、わかったよ……出ていくよ」
俺の言葉に、悔しそうに応じて、その場を後にするゼノン。
しかしその時だった。
――キラーン。
《勇者:ゼノン》
《レベルアップ:150→500》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃無効》
《新スキル獲得:被ダメージ半減》
《武器熟練度:1000→15000》
え?
「よっしゃー!!! よっしゃよっしゃよっしゃよっしゃよっしゃー!!!!!」
勇者の威厳なんか微塵も感じられないハイテンション歓喜を表現するゼノン。
待て。待て待て。
「追放だ!!!さっさと出てけこのカスアッシュ!!!! そのままどっかで野垂れ死ねバーーーーーーーカ!!!!!」
「待て待て待て待て待て!!!!! そんなのあり!? そんなのありかよ!!!! なんで元々強い側がさらに覚醒するんだよ!!!!!」
ゼノンの突然の覚醒に、俺は動揺を隠しきれなかった。
「さっさと出てけっつってんだろォ!!!!」
火炎魔法の構えをとるアッシュ。レベル500なら、最下級の魔法でも相当な威力を持つことは疑いがなかった。
「わ、わかった、わかったよ!! 出ていくよ!!」
黒焦げになることを恐れたおれは、仕方なく一時その場を撤退することを考えた。
その時。
――キラーン。
《戦士:アッシュ》
《レベルアップ:300→3000》
《新スキル獲得:通常四回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体+半径50mの全モンスター攻撃》
《新スキル獲得:状態異常攻撃を受けるとHP回復》
《新スキル獲得:被ダメージ10分の1》
《武器熟練度:10000→100000》
「オェェェェェェェーーーーーーーーーイ!!!!!!!!」
思わず今まで出したことのない歓喜の声を出してしまった。
「信じてたぜアッシューーー!!! お前なら更なる覚醒をしてくれるってなアアァァァァ!!!!!!」
掌を高速回転してこちらにフレンドリーに接してこようとするゼノンにとりあえず飛び膝蹴りをかまそうとした、その時だった。
「一旦落ち着いて」
女性の声が、俺たちの間に入ってきた。
声の主は、パーティーでも主力の女魔導士、ビバリーだった。
「思ったんだけどさ、これ《パーティーから追放されること》が、覚醒条件なんじゃない?」
「「………………ああぁー!!」」
思わず、さっきまで敵対してたやつとハモって、感激の声を上げてしまった。
あの短時間で覚醒条件を理解するなんて、彼女の頭の良さには恐れ入る。
思えば俺がレベルアップせずに悩んでいた時に、ゼノンたちに白い目で見られる俺を「何か理由があるかも」とフォローしてくれたのも彼女だった。
あ、いいこと考えた。
「ビバリー、お前は前々からウザかったよなぁ。今回もゼノンをボコる俺の邪魔をするつもりかよ?」
俺はなるだけわざとらしい口調で、ビバリーに向けて悪態をついて見せた。
「おいちょっと待てちょっと待て。ビバリーは長年うちの主力として活躍してきただろ」
ゼノンが何かを察したような調子でこちらに反論してくるが、無視する。
「構うか。ビバリー、お前は追放だ!!」
――キラーン。
《魔導士:ビバリー》
《レベルアップ:120→1000》
《新スキル獲得:通常二回攻撃》
《新スキル獲得:通常全体+半径50mにMAP魔法攻撃》
《新スキル獲得:雷撃魔法に必ず麻痺属性付与》
《新スキル獲得:被ダメージ10分の1》
《魔道具熟練度:800→50000》
サンキューアッシュ、という感謝の言葉に、俺は頼みがあるんだけど、と応じた。
仕方ないわね、というビバリーの言葉と共に、俺たち二人はゼノンに向きなおった。
「いやいやいやいやいや……そんなことやっちゃうんだ? 仲間増やしちゃうんだ?」
俺たちに囲まれて窮地に立たされたゼノンは、しかし途中でアッ! と何かを思いついたような顔をして言った。
「おいクロエェ!!」
ゼノンは突然、自分に惚れている女盗賊・クロエの名前を呼んだ。
彼女は、レベルアップしない俺を見下していたメンバーの一人でもある。
「おい待て、彼女はアイテムを盗み取ってきてくれるパーティーの重要メンバーじゃないか。いくらなんでも彼女相手にそんな仕打ちは……」
「お前クズの盗賊の癖に勇者パーティーに入り浸りやがって追放だァ!!」
俺の制止も無視して、ゼノンは彼女に追放を言い渡した。
は? 意味わかんないんだけど!? とクロエが反論を言い終える前に、音が鳴った。
――キラーン。
《盗賊:クロエ》
《レベルアップ:120→1000》
《新スキル獲得:通常三回攻撃》
《新スキル獲得:絶対先制攻撃》
《新スキル獲得:絶対回避》
《新スキル獲得:盗賊系スキル絶対成功》
《武器熟練度:800→50000》
うわこれマジ!? ヤッベ!!! ありがとゼノン!!! と大喜びするクロエと共に、俺たちに向きなおるゼノン。
そうくれば当然こちらも、同じ手で対処せざるを得ない。
「おいディアンヌ!!! 猫娘のくせに人間パーティーに入り浸りやがって追放だ!!!」
――キラーン。
《獣人:ディアンヌ》
《レベルアップ:120→1000》
「おいエルザ!!! テイムしてるモンスターがキモチ悪ぃんだよ追放だ!!!!」
――キラーン。
《アニマルテイマー:エルザ》
《レベルアップ:120→1000》
何回かマジの侮辱をしているような気もしたが、それでも俺たちは止まらなかった。
そのまま俺たち二人はその場にいるパーティーメンバーたちを次々に追放させていった。
キラーン《格闘家:ファビエンヌ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《道化師:ジゼル》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《機工士:ハンナ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《竜騎士:イザベル》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《闇騎士:ジュゼ》《レベルアップ:120→1000》
キラーン《侍:カスミ》《レベルアップ:120→1000》
その場の全員が覚醒を終えたところで、完全にパーティー(?)は俺たちアッシュ派と、ゼノン派に二分されていた。
「丁度いいな……この場で決着をつけようぜ」
「お前は前々から気に食わなかったんだ……この場で跪かせてやるぜ!!!」
行くぞお前ら!!!! という声とともに、今正に二つの派閥が激突しようとしていたその時。
「ちょっと待って?」
口を挟んだのは、何かの紙を手に持ったビバリーだった。
「…………これ」
彼女が手に持っているのは、風に飛ばされて窓からこの宿の部屋に入ってきた新聞だった。
新聞の見出しには、こう書かれていた。
『勇者アルトのパーティー、魔王討伐に成功する』
「「…………え」」
思わず、ゼノンと俺とで声がハモった。
内輪で盛り上がっている間に、魔王討伐が終わってしまった。
だが、それだけでは終わらなかった。
「勇者一行に告ぐ!!」
窓の外から、声が聞こえてくる。
窓から見てみて確認したが、声の主は長年勇者をサポートしてきた、俺たちの国の国王だ。 パレードで何度か見たことがある。
「魔王やその配下のモンスターの討伐に貢献してくれたこと、非常に感謝する。しかし、ここで諸君らに残念なお告げがある。王である儂と儂の率いる臣下たちは、魔王が討伐された今、多大な戦力を持った諸君ら勇者一行を、王国の秩序を脅かす危険な勢力と判断した。よって勇者、およびそれに同行する戦士一行を、我が国から《追放処分》とする!!!!!!」
あまりにもありえない命令で言葉を失うが、一つ引っかかった。
あの爺、俺たちをどうするって言った?
そう思うが早いか、その現象は起きた。
――キラーン。――キラーン。――キラーン。――キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。―キラーン。キラーンキキラーンラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラーンキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk……………………わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
ええええええええええぇぇぇぇぇ……
町中に、いや国中に、あらゆる勇者や戦士たちのレベルとスキルが一斉に覚醒することを示す音が響き渡る。
俺たちはその場に制止するしかなかった。
一日でこんな色んなことが起きることってあるんだ。
「――とりあえずさ、皆であの王をボコりにいくってのは?」
「「……だな」」
ビバリーの提案に応じ、俺とゼノンは宿を後にするのだった。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
隷属の勇者 -俺、魔王城の料理人になりました-
高柳神羅
ファンタジー
「余は異世界の馳走とやらに興味がある。作ってみせよ」
相田真央は魔王討伐のために異世界である日本から召喚された勇者である。歴戦の戦士顔負けの戦闘技能と魔法技術を身に宿した彼は、仲間と共に魔王討伐の旅に出発した……が、返り討ちに遭い魔王城の奥深くに幽閉されてしまう。
彼を捕らえた魔王は、彼に隷属の首輪を填めて「異世界の馳走を作れ」と命令した。本心ではそんなことなどやりたくない真央だったが、首輪の魔力には逆らえず、渋々魔王城の料理人になることに──
勇者の明日はどっちだ?
これは、異世界から召喚された勇者が剣ではなくフライパンを片手に厨房という名の戦場を駆け回る戦いの物語である。
【完】転生したら禁忌の双子。後に悪魔。
桜 鴬
ファンタジー
私は人間だった。でもびっくり。気付いたら悪魔でした。でも悪魔公爵の旦那さまとラブラブ。(最近ヤンデレ臭が漂ってるけど。)悪魔伯爵で大悪魔夫婦の、優しいママと意地悪なパパ。そして既に私より成長した弟もいる。(義理だけど。)めちゃ幸せ。
私は完璧な悪魔なの。悪魔の従属とは違う。だから天使何て知りません。血の繋がった家族もくそ食らえ。双子の姉?旦那さまに色目使うならコロス。人でなし?私が怖い?あら?私ってば悪魔だもの。当たり前じゃない。あはははは。
厚顔無恥な人間の方が怖いわよ?
【ファサネイト=魅惑する・興味を持たせる。】
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
スウィートカース(Ⅳ):戦地直送・黒野美湖の異界斬断
湯上 日澄(ゆがみ ひずみ)
ファンタジー
変身願望をもつ若者たちを入口にして、現実世界は邪悪な異世界に侵食されつつあった。
闇の政府組織「ファイア」の特殊能力者であるヒデトとその相棒、刀で戦う女子高生型アンドロイドのミコは、異世界のテロリスト「召喚士」を追うさなか、多くの超常的な事件に遭遇する。
たびかさなる異世界との接触により、機械にしかすぎないミコが「人間の感情」に汚染され始めていることを、ヒデトはまだ知らなかった。
異世界の魔法VS刀剣と銃弾の絶対防衛線!
人間と人形の、はかない想いが寄せては返すアクセラレーション・サスペンス。
「わんわん泣こうかどうか迷ってます。私には涙腺も内蔵されてますから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる