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第12章 サーカスの夜
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「パーティー!?」
テントを訪れたリグによってもたらされた知らせに、寝耳に水とばかりにレイピアは素っ頓狂な声を上げた。
「ええ、そうです。今夜は若君の団長就任パーティーがあるんですよ」
リグはにこりと笑う。
「団長? スキルが……?」
レイピアは呆然としてつぶやいた。
いつの間にそんなことになったのだろう?
自分がテントに引きこもっている間に、一体何があったというのだろうか。
「あの、イマイチ状況が掴めないんだけれど…団長の身に何かあったの?」
「ああ、レイピアさんはご存知なかったですよね。団長が体を壊したとかそういう理由ではなく、単に引退したいと言い出して、若君がそれを引き継ぐ形になったんです。正式に決まったのはつい昨日の話なんですよ」
スキルが団長になったことが余程嬉しいようで、リグはまるで自分のことのように嬉しそうに言った。頬が緩みきっている。
「レイピアさんも出席してくださいね」
リグの言葉にレイピアは困り果てた顔をした。
「あの、でも私…パーティーなんて。服も持ってないし」
「大丈夫ですよ。シアに言ってありますから。彼女に借りてください」
「でも、でも……」
「レイピアさん」
何とか断る理由を見つけ欠席しようとしているレイピアの言葉が遮られる。
「必ず出席するようにと、若君が言ってましたよ。それにずっとテントにこもりきりでは良くありません。気分転換にどうでしょうか」
ぐっと言葉を詰まらせた。
断ろうとする自分の気持ちが全てスキルに見透かされているみたいでひどく居心地が悪くなった。それにリグがとても心配してくれているのも分かるので、渋々と頷く。
「……わかった」
それを満足そうに見届けると「ではパーティー会場で」そう言ってリグは出て行った。
正直、パーティーに参加することに乗り気ではなかった。騒ぎたい気分ではないし、今は1人になりたい気分。
だが――。
いつまでもこんな気持ちでいるのは良くないことだと思うのだ。
気持ちを切り替えて前を向かなくては。歩き出さなくては。
また、弱いままの自分に戻ってしまうから。
***
それからレイピアは日が暮れるまでの2時間、嵐のようなシアとソアラによって着せ替え人形にさせられることになる。
「まあ、レイピアちゃん。とっても似合うわ」
「本当~! レイピアかっわいい~」
両手を合わせてうっとりとしながらソアラがつぶやき、シアもまた目をキラキラと輝かせた。
レイピアは今、ソアラのテントに連れ込まれている。
「もし私に娘がいたらこういう風に着せ替えしてみたかったの」
「分かる、分かりますソアラ様」
そう言ってソアラとシアは互いに目を合わせてにっこりと笑った。
そんなに着せ替えが好きならソアラとシアでやり合えばいいと思うけれど……。心の中でため息を吐く。
レイピアが今着せられている服は赤色の服。最初は青色の服、次は紫色の服、これが3枚目の着替えになる。いい加減疲れ、どの服でもいいじゃないかと思うが2人はそれを許してくれそうにはない。
衣装箱をあさっていたシアが今度は白い服を取り出してきた。
「ね、ね、ソアラ様。こっちの白い服なんてどうかしら? レイピアに似合いそう」
「あら、素敵。レイピアちゃんこっちの服も着てみて」
「また…ですか?」
恨めしそうに見上げるとソアラとシアはもちろんとばかりに頷いて見せた。これは着替えなければ許してもらえそうにないということが分かる。
「2人とも私のことより自分達の仕度をすればいいのに……」
「あら、私達は見ての通りもう準備は整っているもの。ねえ、ソアラ様」
「ね、シアちゃん」
2人はまたしても顔を見合わせてにっこり笑いあう。言葉通りシアもソアラもパーティー用の洋服を身にまとい、綺麗に化粧も終わっていた。
自分がどんな服が似合うのかよく分かっている、2人の雰囲気にぴったりの装いだ。ソアラは清楚な感じのドレスでシアは見ているだけで元気が出るようなレモン色のワンピースだ。
レイピアはおもしろくなくて頬を膨らませてむくれる。
「大体、こんなにお洒落しなくってもいいんじゃないの? 団員間でやるパーティーなんだから」
「駄ぁ~目。だからこそ気合入れなくっちゃじゃない! みんなすっごい気合入れるのよ~。それとも何? レイピアだけ普段着でその場から浮きたいの?」
「う…それは、嫌かも……」
「でしょう? こういう機会でもなくっちゃなかなかハメを外せないんだから。ほら早く着ないと。パーティーが始まっちゃうよ」
促されて渋々とレイピアは白い服を受けとると、着替え始めた。
その服はワンピース型で膝より少し長い丈。裾と袖の部分にレースがついている。その見た目の軽やかさといい、服の薄さといい今の季節に良く合っている。
「きゃあ、それいいじゃない! それに決まりね」
シアはレイピアを見るなり飛び上がって喜んだ。
「さあ、次は髪の毛と化粧よ」
腕まくりし、今度は化粧に取り掛かった。パフパフと顔に粉を叩かれる。
「わぷっ。シア~…。化粧なんていいってば」
レイピアは今にも泣き出しそうな、情けない声を上げる。
「駄目駄目、今日くらいしなくちゃ。レイピアって普段お化粧してないでしょ。元が良いから化粧しなくっても綺麗だなんて、うらやましいったらないわ」
レイピアは普段冒険者として仕事をしているから動き回るとすぐに泥だらけになるし、化粧にかまけている暇が無いのだ。
そう伝えると私なんてソバカスが気になって仕方がないのに、などぶつぶつシアが言いながら粉を叩き続けている。ひと通り化粧が終わるとシアは化粧箱の中から手のひらに乗るくらいのガラスの小瓶を取り出した。
「最後は香水~」
「香水なんていいってば…」
「遠慮しないの!」
言うなり半ば強引にシュッとレイピアの首筋に噴きつけた。
ふわりと爽やかな香りが辺りを漂った。今までかいだこともないその香りにレイピアは首を傾げた。
「この香りは……?」
「スズランよ」
バラや柑橘系の香水なら見たことはあるけれど、スズランの香水はめずらしい。ふうん、と感心しながらレイピアはしげしげとその香水瓶を手にとって眺めた。
得意げな顔でにっこりとシアが笑う。
「この花は私にとってレイピアのイメージなのよね。スズランってかわいくって綺麗でしょう? それで―――ちょっと毒があるところ」
くすくす笑うシアにレイピアは顔をしかめた。
スズランの根に毒があるのは誰でも知っている事実。
「そんなに毒っぽいの? 私って……」
前にシャンナリーにも毒があると言われたことを思い出した。納得のいかない顔をしているとシアが慌てて手を振った。
「ああ、気を悪くしないでね。悪い意味じゃなくて良い意味でよ。レイピアの持ってる毒は人を痺れさせちゃうの。んふふ」
「痺れさせる……ねぇ」
それって良い意味になるの?
そう思ったけれど、あえて口には出さないことにした。
「レイピアちゃん、このスカーフなんてどうかしら? 似合うと思うのだけど」
顔をこれ以上ないくらい幸せいっぱいに綻ばせて、ソアラが持ってきたのは青色が鮮やかな薄手のスカーフだった。ソアラはこのスカーフを探すために今まで席を外していたのだろう。
「私が若い頃に使っていた物なのよ」
ゆったりとレイピアの首に巻きつけた。そのスカーフの色といい涼しげな薄さといい白いワンピースにとても良く映えた。
「わー、いい感じいい感じ。さすがソアラ様。センスが良いですね」
手を叩いて喜ぶシア。
「よかったわ。このスカーフ、レイピアちゃんにあげるわね」
「え、で、でも……っ」
「いいのよ、レイピアちゃんに使ってもらった方がスカーフもきっと喜ぶわ」
「それじゃあ、ありがたくいただきます」
照れくさそうに頬を染めて、レイピアは首に巻かれたそのスカーフに触れた。
丁度その時、楽師達の演奏する軽快な音楽が鳴り始めた。それはパーティーの始まりを告げる合図。
「よーし、思いっきり楽しむぞー!」
待っていましたとばかりにシアは勢い良く立ち上がった。かなり気合の入っている様子だ。テントの外からは早くも団員達の笑い声や歓声が上がっている。
「ほら、レイピア早く、早くー!」
急かすようにしてシアが手をパタパタ振る。
ため息をついて立ち上がるとシアの後に続いた。
「パーティー!?」
テントを訪れたリグによってもたらされた知らせに、寝耳に水とばかりにレイピアは素っ頓狂な声を上げた。
「ええ、そうです。今夜は若君の団長就任パーティーがあるんですよ」
リグはにこりと笑う。
「団長? スキルが……?」
レイピアは呆然としてつぶやいた。
いつの間にそんなことになったのだろう?
自分がテントに引きこもっている間に、一体何があったというのだろうか。
「あの、イマイチ状況が掴めないんだけれど…団長の身に何かあったの?」
「ああ、レイピアさんはご存知なかったですよね。団長が体を壊したとかそういう理由ではなく、単に引退したいと言い出して、若君がそれを引き継ぐ形になったんです。正式に決まったのはつい昨日の話なんですよ」
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「レイピアさんも出席してくださいね」
リグの言葉にレイピアは困り果てた顔をした。
「あの、でも私…パーティーなんて。服も持ってないし」
「大丈夫ですよ。シアに言ってありますから。彼女に借りてください」
「でも、でも……」
「レイピアさん」
何とか断る理由を見つけ欠席しようとしているレイピアの言葉が遮られる。
「必ず出席するようにと、若君が言ってましたよ。それにずっとテントにこもりきりでは良くありません。気分転換にどうでしょうか」
ぐっと言葉を詰まらせた。
断ろうとする自分の気持ちが全てスキルに見透かされているみたいでひどく居心地が悪くなった。それにリグがとても心配してくれているのも分かるので、渋々と頷く。
「……わかった」
それを満足そうに見届けると「ではパーティー会場で」そう言ってリグは出て行った。
正直、パーティーに参加することに乗り気ではなかった。騒ぎたい気分ではないし、今は1人になりたい気分。
だが――。
いつまでもこんな気持ちでいるのは良くないことだと思うのだ。
気持ちを切り替えて前を向かなくては。歩き出さなくては。
また、弱いままの自分に戻ってしまうから。
***
それからレイピアは日が暮れるまでの2時間、嵐のようなシアとソアラによって着せ替え人形にさせられることになる。
「まあ、レイピアちゃん。とっても似合うわ」
「本当~! レイピアかっわいい~」
両手を合わせてうっとりとしながらソアラがつぶやき、シアもまた目をキラキラと輝かせた。
レイピアは今、ソアラのテントに連れ込まれている。
「もし私に娘がいたらこういう風に着せ替えしてみたかったの」
「分かる、分かりますソアラ様」
そう言ってソアラとシアは互いに目を合わせてにっこりと笑った。
そんなに着せ替えが好きならソアラとシアでやり合えばいいと思うけれど……。心の中でため息を吐く。
レイピアが今着せられている服は赤色の服。最初は青色の服、次は紫色の服、これが3枚目の着替えになる。いい加減疲れ、どの服でもいいじゃないかと思うが2人はそれを許してくれそうにはない。
衣装箱をあさっていたシアが今度は白い服を取り出してきた。
「ね、ね、ソアラ様。こっちの白い服なんてどうかしら? レイピアに似合いそう」
「あら、素敵。レイピアちゃんこっちの服も着てみて」
「また…ですか?」
恨めしそうに見上げるとソアラとシアはもちろんとばかりに頷いて見せた。これは着替えなければ許してもらえそうにないということが分かる。
「2人とも私のことより自分達の仕度をすればいいのに……」
「あら、私達は見ての通りもう準備は整っているもの。ねえ、ソアラ様」
「ね、シアちゃん」
2人はまたしても顔を見合わせてにっこり笑いあう。言葉通りシアもソアラもパーティー用の洋服を身にまとい、綺麗に化粧も終わっていた。
自分がどんな服が似合うのかよく分かっている、2人の雰囲気にぴったりの装いだ。ソアラは清楚な感じのドレスでシアは見ているだけで元気が出るようなレモン色のワンピースだ。
レイピアはおもしろくなくて頬を膨らませてむくれる。
「大体、こんなにお洒落しなくってもいいんじゃないの? 団員間でやるパーティーなんだから」
「駄ぁ~目。だからこそ気合入れなくっちゃじゃない! みんなすっごい気合入れるのよ~。それとも何? レイピアだけ普段着でその場から浮きたいの?」
「う…それは、嫌かも……」
「でしょう? こういう機会でもなくっちゃなかなかハメを外せないんだから。ほら早く着ないと。パーティーが始まっちゃうよ」
促されて渋々とレイピアは白い服を受けとると、着替え始めた。
その服はワンピース型で膝より少し長い丈。裾と袖の部分にレースがついている。その見た目の軽やかさといい、服の薄さといい今の季節に良く合っている。
「きゃあ、それいいじゃない! それに決まりね」
シアはレイピアを見るなり飛び上がって喜んだ。
「さあ、次は髪の毛と化粧よ」
腕まくりし、今度は化粧に取り掛かった。パフパフと顔に粉を叩かれる。
「わぷっ。シア~…。化粧なんていいってば」
レイピアは今にも泣き出しそうな、情けない声を上げる。
「駄目駄目、今日くらいしなくちゃ。レイピアって普段お化粧してないでしょ。元が良いから化粧しなくっても綺麗だなんて、うらやましいったらないわ」
レイピアは普段冒険者として仕事をしているから動き回るとすぐに泥だらけになるし、化粧にかまけている暇が無いのだ。
そう伝えると私なんてソバカスが気になって仕方がないのに、などぶつぶつシアが言いながら粉を叩き続けている。ひと通り化粧が終わるとシアは化粧箱の中から手のひらに乗るくらいのガラスの小瓶を取り出した。
「最後は香水~」
「香水なんていいってば…」
「遠慮しないの!」
言うなり半ば強引にシュッとレイピアの首筋に噴きつけた。
ふわりと爽やかな香りが辺りを漂った。今までかいだこともないその香りにレイピアは首を傾げた。
「この香りは……?」
「スズランよ」
バラや柑橘系の香水なら見たことはあるけれど、スズランの香水はめずらしい。ふうん、と感心しながらレイピアはしげしげとその香水瓶を手にとって眺めた。
得意げな顔でにっこりとシアが笑う。
「この花は私にとってレイピアのイメージなのよね。スズランってかわいくって綺麗でしょう? それで―――ちょっと毒があるところ」
くすくす笑うシアにレイピアは顔をしかめた。
スズランの根に毒があるのは誰でも知っている事実。
「そんなに毒っぽいの? 私って……」
前にシャンナリーにも毒があると言われたことを思い出した。納得のいかない顔をしているとシアが慌てて手を振った。
「ああ、気を悪くしないでね。悪い意味じゃなくて良い意味でよ。レイピアの持ってる毒は人を痺れさせちゃうの。んふふ」
「痺れさせる……ねぇ」
それって良い意味になるの?
そう思ったけれど、あえて口には出さないことにした。
「レイピアちゃん、このスカーフなんてどうかしら? 似合うと思うのだけど」
顔をこれ以上ないくらい幸せいっぱいに綻ばせて、ソアラが持ってきたのは青色が鮮やかな薄手のスカーフだった。ソアラはこのスカーフを探すために今まで席を外していたのだろう。
「私が若い頃に使っていた物なのよ」
ゆったりとレイピアの首に巻きつけた。そのスカーフの色といい涼しげな薄さといい白いワンピースにとても良く映えた。
「わー、いい感じいい感じ。さすがソアラ様。センスが良いですね」
手を叩いて喜ぶシア。
「よかったわ。このスカーフ、レイピアちゃんにあげるわね」
「え、で、でも……っ」
「いいのよ、レイピアちゃんに使ってもらった方がスカーフもきっと喜ぶわ」
「それじゃあ、ありがたくいただきます」
照れくさそうに頬を染めて、レイピアは首に巻かれたそのスカーフに触れた。
丁度その時、楽師達の演奏する軽快な音楽が鳴り始めた。それはパーティーの始まりを告げる合図。
「よーし、思いっきり楽しむぞー!」
待っていましたとばかりにシアは勢い良く立ち上がった。かなり気合の入っている様子だ。テントの外からは早くも団員達の笑い声や歓声が上がっている。
「ほら、レイピア早く、早くー!」
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