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第11章 過去との決別
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2人は剣を構えて対峙した。相手の最初の出方を伺うようにお互い睨みあう。
長い沈黙が続き、焦れて最初に動いたのはユーザだった。
「せいぜい楽しませてくれよ?」
地面を蹴り上げ一気に間合いを詰めてくる。唸りを上げて風が切れ、スキルは体をわずかに左に傾けることでその一撃を交わした。
速い。
しかしユーザがこの最初の一撃に本気を出していないことは明らかだった。恐らくスキルの腕がいかほどのものか確かめているところなのだろう。
ニィッとユーザの口の端が上がる。
よく避けたな――そう語っているように見えた。
腰をひねり続けざまに剣を叩き込んでくる。そう、叩き込んでくるという表現が最も相応しいものに思えた――つまり攻撃が重い。カトラスで受け止めるものの、そのまま体ごと数歩飛ばされる。柄を握る手が痺れる。それでも剣ごと叩き斬られなかっただけ幸いというべきだろう。
やはり、強い。
一筋縄ではいかないようだ。
「ほお。俺の剣を止めたか」
「まあね。これでも少しは剣を使ったことがあるんだ」
スキルの剣の腕は盗みのためにあるわけではなく、純粋に護身用のためにある。
旅芸人である彼らが街から街への移動中に山賊の類に襲われることはたびたびある。幼い頃から自分の身と、団員達を守るためにとヴォルクに鍛えられていた。
あくまでも護身用のためだからあまり戦い慣れしていない。
なんとかユーザの攻撃を巧みに剣で受け流すが、避けきれずに服が何箇所か切れ、腕や足にも細かい傷ができた。
それはたいした出血量にはならないが長期戦になればなるほど、じわじわとスキルの体力を奪っていく。
「どうした? 守ってばかりいないで仕掛けてきたらどうだ」
何度目か剣を交わした後、ユーザが挑発めいた言葉を放つ。
冗談じゃない。
スキルは内心で舌打ちをしていた。
久々に触れた剣の感触に慣れるのと、ユーザの斬撃を防ぐだけで精一杯の状態なのだ。
だが、負けるわけにはいかない。
―――渡すわけにはいかない。
内心の焦りを悟られないように表情だけは冷静を装う。
「それじゃあ、お言葉に甘えてっ!」
お互い一歩も譲るまいと鍔迫り合っていた剣をはじき、その勢いに乗って一閃する。素早いスキルだからこそできる芸当。
ユーザの手にしている剣はロングソード。両刃の剣だ。
スキルの手にしているカトラスはロングソードよりも刀身が短い。そのため余計に間合いを詰めなくてはならないが、重さがない分非常に扱いやすいものだった。
力と鋭さを兼ね備えたユーザの腕に対し、スキルは素早さと技を生かしたもの。彼の特性をより生かす上でもカトラスは非常に役立った。
キン、と乾いた音が上がる。
微かな手ごたえ。
「……ッ!」
ユーザの首にかかっていた金の鎖が切れて床に散った。鎖で切れたのか、剣で切れたのか判別がつかなかったがその頬には糸のような血が流れる。
手の甲で無造作に拭うとユーザは獰猛な笑みを浮かべた。それはまるで最高の獲物を目の前にした狼のようだ。
「クク、おもしれえ……」
不気味なほどに楽しげな声。
つー、とスキルの頬に汗が流れ落ちた。
レイピアは両手を胸の前で合わせ、祈るようにその光景を見つめていた。
「どうして…こんなことに…」
唇を噛み締める。
スキルの動きは驚くほど滑らかだ。巧みにユーザの攻撃をかわし、自らも仕掛けている。両者の腕前はほぼ互角。正直スキルがこれほどまでの腕前だとは思わなかった。
――――いや、レイピアは彼の腕前を知っていた。
ピンクダイヤモンドを取り返そうとしても決して彼は隙を見せることがなかった。それが何よりの証拠ではないか。
きっと心のどこかで認めたくなかったのだ。
スキルが強いという事実。
決して自分が敵わないという事実を。
スキルの腕前が相当なものであることはわかったけれど、レイピアの心中が安らぐはずもなかった。時に息を呑み、時に短く悲鳴を上げながら戦いを見つめる。
両者はお互いに斬撃を繰り出し隙が生じるのを狙いあう。激しい金属音。このまま決着がつかないのではないかと思い始めたその時、
スキルの体がふいに傾いた。
バランスを崩したらしい。あの時断ち切ったユーザの金の鎖に足を取られたのだ。
レイピアにはその光景が信じられなかった。
いつも飄々として、完璧すぎるくらいに完璧なスキルが自らが断ち切った鎖に足を取られる光景など。
ユーザが薄く笑い、振りかぶった剣をスキルに下ろそうとして……。
殺されてしまう。
スキルが―――。
そう思ったら体が動いていた。
「ユーザァァァ!!」
レイピアは短剣を握りしめた手を突き出し、そのまま抱きつくような形でユーザの元に飛び込んだ。そしてその体――わき腹の辺りに短剣を突き立てていた。
決して慣れることのない肉を裂く嫌な感触。すぐ後に温かい、真っ赤な液体が溢れ出してレイピアの手を染めた。
青いレイピアの瞳にユーザの驚愕に見開いた瞳が映りこむ。
彼の瞳には深い愁いの色が浮かんでいた。
「レイ…ピア…」
うめくような掠れた声が耳をうつ。
ユーザは膝をつき、ゆっくりと力が抜けるように地面に倒れ込んだ。
「あ、あ……」
呆然とレイピアは自分の真っ赤になった手を眺め、その手を自らの頬に当てた。べっとりと血がつく。頭が真っ白になる。
崩れ落ちるように地面に座り込み、ユーザの体から流れる血を見つめていた。どんどんと流れ、地面に染み込んでいく血。まるで地面が貪欲なまでに彼の血を吸い取っているようにさえ見える。
刺すつもりなどなかった。
スキルが危ないと思ったら体が自然に動いていたのだ。けれど、心のどこかでこうなることを望んでいたのかもしれない。ずっと、復讐を果たしたかったのかもしれない。自分が味わった痛みを彼にも味わわせてやりたくて。
だがこの苦々しさは何だろう? 後に残ったものは晴れやかな気持ちではなく、胸を締め付けるほどの後悔の念だった。
短剣を抜かなくては…。
このままだと、ユーザが……。
のろのろとした動作でユーザの体に刺さっているままの短剣に手を伸ばした。しかし、触れることができなかった。
「引き抜くなっ!」
駆け寄って来たスキルがレイピアの手首を掴み、行動を阻んだのだ。
「だって、ユーザが…死、死んじゃう…っ」
荒い息づかい。
顔色を青ざめさせ力なくうずくまるユーザ。傷の具合はわからないけれど、このまま放っておいたら死ぬかもしれない。
「離して。離してったら! 短剣を…短剣を!」
激しい混乱によって半ば恐慌状態に陥ったレイピアはスキルの手を振り払おうと、もがき激しく暴れる。
「レイピア!」
鋭い叱咤の声にビクリと身を震わせる。焦点の定まらなかった瞳がそこでようやく落ち着きを取りもどした。
「わからないのか!? この短剣が栓の役目をしている。引き抜くと一気に血が吹き出すぞ。このまま医者の到着を待つんだ!」
鋭くそう言い放つと自らの上着を脱ぎ、ユーザの出血している傷口を覆うようにして被せる。団員達に指示し、あるだけの布を集めさせるとその上に次々と覆い被せ、手際よく応急処置を施していった。
その間、レイピアはどうすることもできずただ震えて見守ることしかできなかった。
一通り応急処置が終わるとスキルはレイピアの方に顔を向け、ゆっくりと、言い聞かせるような口調で言った。
「大丈夫だ、ユーザは死なない」
落ち着いた、耳に心地よく響く声。
その声に励まされるようにレイピアはもう一度ユーザに目を向けた。息づかいは荒いもののちゃんと体が呼吸のため上下している。
安堵の念が押し寄せる。スッと視界が暗くなるのとそれはほぼ同時だった。
2人は剣を構えて対峙した。相手の最初の出方を伺うようにお互い睨みあう。
長い沈黙が続き、焦れて最初に動いたのはユーザだった。
「せいぜい楽しませてくれよ?」
地面を蹴り上げ一気に間合いを詰めてくる。唸りを上げて風が切れ、スキルは体をわずかに左に傾けることでその一撃を交わした。
速い。
しかしユーザがこの最初の一撃に本気を出していないことは明らかだった。恐らくスキルの腕がいかほどのものか確かめているところなのだろう。
ニィッとユーザの口の端が上がる。
よく避けたな――そう語っているように見えた。
腰をひねり続けざまに剣を叩き込んでくる。そう、叩き込んでくるという表現が最も相応しいものに思えた――つまり攻撃が重い。カトラスで受け止めるものの、そのまま体ごと数歩飛ばされる。柄を握る手が痺れる。それでも剣ごと叩き斬られなかっただけ幸いというべきだろう。
やはり、強い。
一筋縄ではいかないようだ。
「ほお。俺の剣を止めたか」
「まあね。これでも少しは剣を使ったことがあるんだ」
スキルの剣の腕は盗みのためにあるわけではなく、純粋に護身用のためにある。
旅芸人である彼らが街から街への移動中に山賊の類に襲われることはたびたびある。幼い頃から自分の身と、団員達を守るためにとヴォルクに鍛えられていた。
あくまでも護身用のためだからあまり戦い慣れしていない。
なんとかユーザの攻撃を巧みに剣で受け流すが、避けきれずに服が何箇所か切れ、腕や足にも細かい傷ができた。
それはたいした出血量にはならないが長期戦になればなるほど、じわじわとスキルの体力を奪っていく。
「どうした? 守ってばかりいないで仕掛けてきたらどうだ」
何度目か剣を交わした後、ユーザが挑発めいた言葉を放つ。
冗談じゃない。
スキルは内心で舌打ちをしていた。
久々に触れた剣の感触に慣れるのと、ユーザの斬撃を防ぐだけで精一杯の状態なのだ。
だが、負けるわけにはいかない。
―――渡すわけにはいかない。
内心の焦りを悟られないように表情だけは冷静を装う。
「それじゃあ、お言葉に甘えてっ!」
お互い一歩も譲るまいと鍔迫り合っていた剣をはじき、その勢いに乗って一閃する。素早いスキルだからこそできる芸当。
ユーザの手にしている剣はロングソード。両刃の剣だ。
スキルの手にしているカトラスはロングソードよりも刀身が短い。そのため余計に間合いを詰めなくてはならないが、重さがない分非常に扱いやすいものだった。
力と鋭さを兼ね備えたユーザの腕に対し、スキルは素早さと技を生かしたもの。彼の特性をより生かす上でもカトラスは非常に役立った。
キン、と乾いた音が上がる。
微かな手ごたえ。
「……ッ!」
ユーザの首にかかっていた金の鎖が切れて床に散った。鎖で切れたのか、剣で切れたのか判別がつかなかったがその頬には糸のような血が流れる。
手の甲で無造作に拭うとユーザは獰猛な笑みを浮かべた。それはまるで最高の獲物を目の前にした狼のようだ。
「クク、おもしれえ……」
不気味なほどに楽しげな声。
つー、とスキルの頬に汗が流れ落ちた。
レイピアは両手を胸の前で合わせ、祈るようにその光景を見つめていた。
「どうして…こんなことに…」
唇を噛み締める。
スキルの動きは驚くほど滑らかだ。巧みにユーザの攻撃をかわし、自らも仕掛けている。両者の腕前はほぼ互角。正直スキルがこれほどまでの腕前だとは思わなかった。
――――いや、レイピアは彼の腕前を知っていた。
ピンクダイヤモンドを取り返そうとしても決して彼は隙を見せることがなかった。それが何よりの証拠ではないか。
きっと心のどこかで認めたくなかったのだ。
スキルが強いという事実。
決して自分が敵わないという事実を。
スキルの腕前が相当なものであることはわかったけれど、レイピアの心中が安らぐはずもなかった。時に息を呑み、時に短く悲鳴を上げながら戦いを見つめる。
両者はお互いに斬撃を繰り出し隙が生じるのを狙いあう。激しい金属音。このまま決着がつかないのではないかと思い始めたその時、
スキルの体がふいに傾いた。
バランスを崩したらしい。あの時断ち切ったユーザの金の鎖に足を取られたのだ。
レイピアにはその光景が信じられなかった。
いつも飄々として、完璧すぎるくらいに完璧なスキルが自らが断ち切った鎖に足を取られる光景など。
ユーザが薄く笑い、振りかぶった剣をスキルに下ろそうとして……。
殺されてしまう。
スキルが―――。
そう思ったら体が動いていた。
「ユーザァァァ!!」
レイピアは短剣を握りしめた手を突き出し、そのまま抱きつくような形でユーザの元に飛び込んだ。そしてその体――わき腹の辺りに短剣を突き立てていた。
決して慣れることのない肉を裂く嫌な感触。すぐ後に温かい、真っ赤な液体が溢れ出してレイピアの手を染めた。
青いレイピアの瞳にユーザの驚愕に見開いた瞳が映りこむ。
彼の瞳には深い愁いの色が浮かんでいた。
「レイ…ピア…」
うめくような掠れた声が耳をうつ。
ユーザは膝をつき、ゆっくりと力が抜けるように地面に倒れ込んだ。
「あ、あ……」
呆然とレイピアは自分の真っ赤になった手を眺め、その手を自らの頬に当てた。べっとりと血がつく。頭が真っ白になる。
崩れ落ちるように地面に座り込み、ユーザの体から流れる血を見つめていた。どんどんと流れ、地面に染み込んでいく血。まるで地面が貪欲なまでに彼の血を吸い取っているようにさえ見える。
刺すつもりなどなかった。
スキルが危ないと思ったら体が自然に動いていたのだ。けれど、心のどこかでこうなることを望んでいたのかもしれない。ずっと、復讐を果たしたかったのかもしれない。自分が味わった痛みを彼にも味わわせてやりたくて。
だがこの苦々しさは何だろう? 後に残ったものは晴れやかな気持ちではなく、胸を締め付けるほどの後悔の念だった。
短剣を抜かなくては…。
このままだと、ユーザが……。
のろのろとした動作でユーザの体に刺さっているままの短剣に手を伸ばした。しかし、触れることができなかった。
「引き抜くなっ!」
駆け寄って来たスキルがレイピアの手首を掴み、行動を阻んだのだ。
「だって、ユーザが…死、死んじゃう…っ」
荒い息づかい。
顔色を青ざめさせ力なくうずくまるユーザ。傷の具合はわからないけれど、このまま放っておいたら死ぬかもしれない。
「離して。離してったら! 短剣を…短剣を!」
激しい混乱によって半ば恐慌状態に陥ったレイピアはスキルの手を振り払おうと、もがき激しく暴れる。
「レイピア!」
鋭い叱咤の声にビクリと身を震わせる。焦点の定まらなかった瞳がそこでようやく落ち着きを取りもどした。
「わからないのか!? この短剣が栓の役目をしている。引き抜くと一気に血が吹き出すぞ。このまま医者の到着を待つんだ!」
鋭くそう言い放つと自らの上着を脱ぎ、ユーザの出血している傷口を覆うようにして被せる。団員達に指示し、あるだけの布を集めさせるとその上に次々と覆い被せ、手際よく応急処置を施していった。
その間、レイピアはどうすることもできずただ震えて見守ることしかできなかった。
一通り応急処置が終わるとスキルはレイピアの方に顔を向け、ゆっくりと、言い聞かせるような口調で言った。
「大丈夫だ、ユーザは死なない」
落ち着いた、耳に心地よく響く声。
その声に励まされるようにレイピアはもう一度ユーザに目を向けた。息づかいは荒いもののちゃんと体が呼吸のため上下している。
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