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第9章 楽しいサーカス
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ステージに上がったレイピアはシャンナリーの指示されるままに、演出のために用意された木の的の所に導かれた。その的はちょうど人間の背丈ぐらいの高さで、4ヵ所から金属の鎖が延びている。シャンナリーはその鎖でレイピアの両手と両足をゆっくりとした動作で繋ぎ始めた。
「一体どういうつもりなのよ?」
観客には聞こえないように声をひそめて抗議の声をあげる。するとシャンナリーは観客からは見えないように真っ赤なルージュで塗られた唇を笑みの形に歪めた。
「あら、そんなに警戒しなくってもいいじゃない。あたしは純粋にあなたにサーカスを楽しんでもらおうと思ってこの場に招待したのに」
「嘘ね。その目は私が憎くてたまらないって言っいてるわ」
レイピアが鋭く指摘すると、ふいにシャンナリーの顔つきが変わる。マスカット色の瞳に炎を灯してレイピアを睨みつけた。
「…それなら話が早いわ。あたしが何を言いたいかわかる?」
「さあ、皆目見当もつかない」
「ふざけないで! スキルのことよ。自業自得で怪我したくせに彼に看病されるなんてっ!」
「ああ、それで怒っているわけ? 私はスキルに看病してもらいたいなんて頼んだ覚えないわ。あの人が勝手にやってくるのよ」
こんな状況だというのに大変負けず嫌いのレイピアは、心の内に思っていたことをどうしても言わずにはいわれなかった。
「聞いたわ。あなた、スキルの恋人じゃないんですってね。嫉妬だかなんだか知らないけど私に突っかかってくるのはお門違いじゃない? あの女ったらしに文句を言いなさいよ」
「何ですって!?」
シャンナリーは怒りに顔を染める。
今にも飛びかかって来そうな雰囲気だが、さすがにこの大勢の観客のいる前では何もしてこようとはしない。彼女にもプロとしての意識があるのだ。
レイピアはそんなシャンナリーに向かって冷たく言い放つ。
「いい加減迷惑なのよ。前にも言ったけど私は男なんて嫌い、スキルだって一緒よ。だから勝手に勘違いして突っかかって来ないで!」
「勘違い? 本当にそう言い切れるの?」
ドクン
シャンナリーの問いかけにレイピアの心臓が1回だけ大きく脈をうった。
「……言い切れるわ」
「本当に? スキルが一晩側に居たのよ。何も感じなかったの? 何とも思わなかったの?」
探るような視線を向けられる。心の中まで見透かされるような、そんな視線だ。
嫌だ、ひどく不快だ…。
喉がカラカラになる。
「……っ思わない! 思うわけがない」
一瞬我を忘れて大声で怒鳴りそうになってしまい、かぶりを振って声をひそめる。
シャンナリーはそんなレイピアの様子から、信じていないようだった。疑わしげに眉をひそめて視線を向けたままでいる。
「ふうん、本当かしらね? でも、どっちにしてもあなたを放っておくわけにはいかないわ。あなたは自分では気がついてないのかもしれないけど毒を持ってるんだもの」
「毒……?」
シャンナリーの言葉の意味がわからず困惑する。
毒とは人を死に至らしめたり、麻痺させたりするあの…?
そんなものが私の中にあるというの?
ひどい言いがかりだ。レイピアはますます困惑する。
「…その毒はいつかスキルに悪い影響を及ぼすかもしれない。だから今のうちに摘み取っておかなくっちゃ! ねえ、あたしがあなたに対して持っている感情って何かわかる?」
無邪気な笑顔を浮かべて問い掛けてくる。
「憎いんでしょう?」
「ちょっと違うかなぁ~」
かわいらしく言った後、シャンナリーは氷のような薄笑いを浮かべて言葉を続ける。
「『殺したいほど憎い』かな。さあ、ナイフ投げの時間ね」
シャンナリーは身をひるがえすとレイピアから遠く離れた所に移動して、アシスト役の団員から手渡されたナイフを4本手に持った。
そのナイフはライトに照らされて鈍い輝きを放った。
思わず息をのむ。
「果たして鎖に繋がれた女性は無事に席に戻ることができるのか!? それはシャンナリーの右腕一本にかかっています!」
舞台進行の道化師が熱をこめて解説する。
「ちょっと…っ!」
抗議の声は観客の拍手によってあっさりとかき消されてしまい、両手と両足を縛った鎖がピンと張ってレイピアの行動を遮った。
もし仮に言葉の通り本気でシャンナリーがレイピアめがけてナイフを投げてきたら?
手元が狂ったということであっさり処理されてしまうのだろうか…?
そんな嫌な考えが頭をよぎる。
シャンナリーが真っ直ぐレイピアの正面に立ってナイフを構えた。
「冗談でしょ…?」
かすれた声で絶望的にうめく。
そんな彼女の思いもおかまいなしに、無情にもシャンナリーの手から離れたナイフは真っ直ぐレイピア目掛けて飛んできた。
ヒュッ
空気を切り裂く音が響く。
「きゃあっ!」
耐え切れず目をつぶって悲鳴を上げたその一瞬後には、レイピアの耳元をかすめてナイフが後ろの木の的へと突き刺さった。ナイフが的に刺さった衝撃が木の的ごしにビィィィンと伝わってきて、さっと顔を青ざめさせた。
気がつくと4本のナイフは全て投げ終わっていて、いずれもレイピアに突き刺さることはなく後ろの的に刺さっていて、観客の拍手が沸き起こっていた。
どっと鼻の頭に玉のような汗が吹き出す。詰めていた息を吐き出した。
いつの間にか近づいてきたシャンナリーの手によって両手両足を繋いでいた鎖が外されると、レイピアは崩れ落ちるようにしてその場にへたり込んでしまった。
震える膝を抱える彼女にシャンナリーは手を差し伸べる。
「驚かせてしまったみたいね、ごめんなさい」
観客に聞こえるように声を少し大きめにして言う。その言葉はレイピアに向けられたものでないことは明白だった。にっこりと口元に笑みを浮かべるシャンナリーの目は少しも笑っていなかったからだ。
実行はしなかったけれどシャンナリーには本気で憎まれている、本能的にそのことを感じ取って再び背筋に冷たいものが伝う。
「さあ、この勇気ある女性にもう一度温かい拍手を!」
よろよろとおぼつかない足取りで席に戻るレイピアに大きな拍手が送られる。
それがやけに耳についた。
***
「さあ、いよいよ次で最後の演目になります! 我がサーカス団の星、スキルとシアによる空中アクロバットでございまーす!」
道化師が言った直後に耳をつんざくような大歓声が上がった。その半分以上は若い女性によるものでいずれも熱を帯びたものである。
思わずその歓声に圧倒されて耳を塞ぐ。
「な、なに? この黄色い歓声は」
「若君は特に女性に人気がありますからねぇ。でもまさかここまですごいとは思いませんでしたが」
こんなにスキルの人気があったなんて―――。
レイピアにはそのことが信じられなかった。しかしその考えが一変するのはこの直後のことだった。
地上7.8メートルほどの地点にある足場から姿を表したのはスキルとシアだった。
シアはステージに映えるように濃い目の化粧をほどこしており、普段の化粧っけのない姿からは想像もつかないくらい別人になっている。
「シア、きれい…」
思わずそうつぶやく。
そしてスキルは全ての運命が変わってしまったあのパーティーの夜のときのように額にかかる前髪をワックスで後ろに流している。動きやすさを目的とした黒を基調としたステージ衣装を纏っているが、金糸で刺繍が施されていて派手すぎず、地味すぎないデザインになっている。
登場したスキルとシアはお互い固く手を繋いだまま、ゆっくりとした足取りで天井に張られたロープの所まで歩き出した。
スキルはシアを片手に抱え上げるとロープにぶらさがった。
次の瞬間には何の躊躇もなく手を放し、シアの体が空中へと投げ出される。
レイピアはあっ、と息を呑むがシアは難なく彼の足につかまることで落下することを防いだ。そして2人はお互いにポーズを取ってしばらくの間空中で静止する。それが終わるとスキルが足を折り曲げてシアをすくい上げ、片手に抱きしめる。
もちろん2人は命綱などつけていないし、下にはネットも張られていない。しかし2人は「信頼」という名前のロープで結ばれているような気がした。
次々と技を披露していくスキル達を見ながら、レイピアは彼が前に言った言葉を思い出していた。
私にはまるでこの仮面をつけたようにステージ用の顔と普段用の顔が存在するのです。
その言葉はレイピアをからかうために言ったものだと思っていたが、どうやらそうではないことがわかった。
今、ステージにいるスキルはまるで別人。普段の皮肉げに歪めた口元は跡形もなく、真剣そのもの。その姿は神秘的にさえ見え、女性達が黄色い声を上げるのも何となく理解できた。
そして最初はシアの方ばかりに向けていた視線も徐々にスキルの姿を追うようになってしまった。吸い寄せられるようにそちらに向いてしまう。動作の1つ1つを目に焼き付けるようにして食い入るように見つめた。
芸が終わり、割れんばかりの拍手が起こっている間もレイピアはぼーっとしていた。
「おい、終わったぞ!?」
「…え? ええ……」
ブレンとリグに声を掛けられ、そこでようやく夢から覚めたように我に返った。
ステージに上がったレイピアはシャンナリーの指示されるままに、演出のために用意された木の的の所に導かれた。その的はちょうど人間の背丈ぐらいの高さで、4ヵ所から金属の鎖が延びている。シャンナリーはその鎖でレイピアの両手と両足をゆっくりとした動作で繋ぎ始めた。
「一体どういうつもりなのよ?」
観客には聞こえないように声をひそめて抗議の声をあげる。するとシャンナリーは観客からは見えないように真っ赤なルージュで塗られた唇を笑みの形に歪めた。
「あら、そんなに警戒しなくってもいいじゃない。あたしは純粋にあなたにサーカスを楽しんでもらおうと思ってこの場に招待したのに」
「嘘ね。その目は私が憎くてたまらないって言っいてるわ」
レイピアが鋭く指摘すると、ふいにシャンナリーの顔つきが変わる。マスカット色の瞳に炎を灯してレイピアを睨みつけた。
「…それなら話が早いわ。あたしが何を言いたいかわかる?」
「さあ、皆目見当もつかない」
「ふざけないで! スキルのことよ。自業自得で怪我したくせに彼に看病されるなんてっ!」
「ああ、それで怒っているわけ? 私はスキルに看病してもらいたいなんて頼んだ覚えないわ。あの人が勝手にやってくるのよ」
こんな状況だというのに大変負けず嫌いのレイピアは、心の内に思っていたことをどうしても言わずにはいわれなかった。
「聞いたわ。あなた、スキルの恋人じゃないんですってね。嫉妬だかなんだか知らないけど私に突っかかってくるのはお門違いじゃない? あの女ったらしに文句を言いなさいよ」
「何ですって!?」
シャンナリーは怒りに顔を染める。
今にも飛びかかって来そうな雰囲気だが、さすがにこの大勢の観客のいる前では何もしてこようとはしない。彼女にもプロとしての意識があるのだ。
レイピアはそんなシャンナリーに向かって冷たく言い放つ。
「いい加減迷惑なのよ。前にも言ったけど私は男なんて嫌い、スキルだって一緒よ。だから勝手に勘違いして突っかかって来ないで!」
「勘違い? 本当にそう言い切れるの?」
ドクン
シャンナリーの問いかけにレイピアの心臓が1回だけ大きく脈をうった。
「……言い切れるわ」
「本当に? スキルが一晩側に居たのよ。何も感じなかったの? 何とも思わなかったの?」
探るような視線を向けられる。心の中まで見透かされるような、そんな視線だ。
嫌だ、ひどく不快だ…。
喉がカラカラになる。
「……っ思わない! 思うわけがない」
一瞬我を忘れて大声で怒鳴りそうになってしまい、かぶりを振って声をひそめる。
シャンナリーはそんなレイピアの様子から、信じていないようだった。疑わしげに眉をひそめて視線を向けたままでいる。
「ふうん、本当かしらね? でも、どっちにしてもあなたを放っておくわけにはいかないわ。あなたは自分では気がついてないのかもしれないけど毒を持ってるんだもの」
「毒……?」
シャンナリーの言葉の意味がわからず困惑する。
毒とは人を死に至らしめたり、麻痺させたりするあの…?
そんなものが私の中にあるというの?
ひどい言いがかりだ。レイピアはますます困惑する。
「…その毒はいつかスキルに悪い影響を及ぼすかもしれない。だから今のうちに摘み取っておかなくっちゃ! ねえ、あたしがあなたに対して持っている感情って何かわかる?」
無邪気な笑顔を浮かべて問い掛けてくる。
「憎いんでしょう?」
「ちょっと違うかなぁ~」
かわいらしく言った後、シャンナリーは氷のような薄笑いを浮かべて言葉を続ける。
「『殺したいほど憎い』かな。さあ、ナイフ投げの時間ね」
シャンナリーは身をひるがえすとレイピアから遠く離れた所に移動して、アシスト役の団員から手渡されたナイフを4本手に持った。
そのナイフはライトに照らされて鈍い輝きを放った。
思わず息をのむ。
「果たして鎖に繋がれた女性は無事に席に戻ることができるのか!? それはシャンナリーの右腕一本にかかっています!」
舞台進行の道化師が熱をこめて解説する。
「ちょっと…っ!」
抗議の声は観客の拍手によってあっさりとかき消されてしまい、両手と両足を縛った鎖がピンと張ってレイピアの行動を遮った。
もし仮に言葉の通り本気でシャンナリーがレイピアめがけてナイフを投げてきたら?
手元が狂ったということであっさり処理されてしまうのだろうか…?
そんな嫌な考えが頭をよぎる。
シャンナリーが真っ直ぐレイピアの正面に立ってナイフを構えた。
「冗談でしょ…?」
かすれた声で絶望的にうめく。
そんな彼女の思いもおかまいなしに、無情にもシャンナリーの手から離れたナイフは真っ直ぐレイピア目掛けて飛んできた。
ヒュッ
空気を切り裂く音が響く。
「きゃあっ!」
耐え切れず目をつぶって悲鳴を上げたその一瞬後には、レイピアの耳元をかすめてナイフが後ろの木の的へと突き刺さった。ナイフが的に刺さった衝撃が木の的ごしにビィィィンと伝わってきて、さっと顔を青ざめさせた。
気がつくと4本のナイフは全て投げ終わっていて、いずれもレイピアに突き刺さることはなく後ろの的に刺さっていて、観客の拍手が沸き起こっていた。
どっと鼻の頭に玉のような汗が吹き出す。詰めていた息を吐き出した。
いつの間にか近づいてきたシャンナリーの手によって両手両足を繋いでいた鎖が外されると、レイピアは崩れ落ちるようにしてその場にへたり込んでしまった。
震える膝を抱える彼女にシャンナリーは手を差し伸べる。
「驚かせてしまったみたいね、ごめんなさい」
観客に聞こえるように声を少し大きめにして言う。その言葉はレイピアに向けられたものでないことは明白だった。にっこりと口元に笑みを浮かべるシャンナリーの目は少しも笑っていなかったからだ。
実行はしなかったけれどシャンナリーには本気で憎まれている、本能的にそのことを感じ取って再び背筋に冷たいものが伝う。
「さあ、この勇気ある女性にもう一度温かい拍手を!」
よろよろとおぼつかない足取りで席に戻るレイピアに大きな拍手が送られる。
それがやけに耳についた。
***
「さあ、いよいよ次で最後の演目になります! 我がサーカス団の星、スキルとシアによる空中アクロバットでございまーす!」
道化師が言った直後に耳をつんざくような大歓声が上がった。その半分以上は若い女性によるものでいずれも熱を帯びたものである。
思わずその歓声に圧倒されて耳を塞ぐ。
「な、なに? この黄色い歓声は」
「若君は特に女性に人気がありますからねぇ。でもまさかここまですごいとは思いませんでしたが」
こんなにスキルの人気があったなんて―――。
レイピアにはそのことが信じられなかった。しかしその考えが一変するのはこの直後のことだった。
地上7.8メートルほどの地点にある足場から姿を表したのはスキルとシアだった。
シアはステージに映えるように濃い目の化粧をほどこしており、普段の化粧っけのない姿からは想像もつかないくらい別人になっている。
「シア、きれい…」
思わずそうつぶやく。
そしてスキルは全ての運命が変わってしまったあのパーティーの夜のときのように額にかかる前髪をワックスで後ろに流している。動きやすさを目的とした黒を基調としたステージ衣装を纏っているが、金糸で刺繍が施されていて派手すぎず、地味すぎないデザインになっている。
登場したスキルとシアはお互い固く手を繋いだまま、ゆっくりとした足取りで天井に張られたロープの所まで歩き出した。
スキルはシアを片手に抱え上げるとロープにぶらさがった。
次の瞬間には何の躊躇もなく手を放し、シアの体が空中へと投げ出される。
レイピアはあっ、と息を呑むがシアは難なく彼の足につかまることで落下することを防いだ。そして2人はお互いにポーズを取ってしばらくの間空中で静止する。それが終わるとスキルが足を折り曲げてシアをすくい上げ、片手に抱きしめる。
もちろん2人は命綱などつけていないし、下にはネットも張られていない。しかし2人は「信頼」という名前のロープで結ばれているような気がした。
次々と技を披露していくスキル達を見ながら、レイピアは彼が前に言った言葉を思い出していた。
私にはまるでこの仮面をつけたようにステージ用の顔と普段用の顔が存在するのです。
その言葉はレイピアをからかうために言ったものだと思っていたが、どうやらそうではないことがわかった。
今、ステージにいるスキルはまるで別人。普段の皮肉げに歪めた口元は跡形もなく、真剣そのもの。その姿は神秘的にさえ見え、女性達が黄色い声を上げるのも何となく理解できた。
そして最初はシアの方ばかりに向けていた視線も徐々にスキルの姿を追うようになってしまった。吸い寄せられるようにそちらに向いてしまう。動作の1つ1つを目に焼き付けるようにして食い入るように見つめた。
芸が終わり、割れんばかりの拍手が起こっている間もレイピアはぼーっとしていた。
「おい、終わったぞ!?」
「…え? ええ……」
ブレンとリグに声を掛けられ、そこでようやく夢から覚めたように我に返った。
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