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第2章 トーキョー編 目指せ! モンスター・ゼロ!
第35話 恵まれし者の責務
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第35話 恵まれし者の責務
「子供を産みたがっているアマツの女性たちに、精子提供をしてくださいって言ってるのよ」
タマキ先生の言葉を聞いて、僕は嫌な予感がした。
「精子提供って、タマキ先生とコハルさんが以前言っていたアレですよね? 確か、協力するとセンターの宿泊費がタダになるとか」
「ちゃんと覚えているようね。それできよたん、4人分、1週間分の宿泊費を一括で前払いしてきたのは、精子提供したくないって意思表示なの?」
そう尋ねてくるタマキ先生の顔は、何となく怒っているように見える。
「・・・・・・そこまで深い意味は無かったんですけど、精子提供って、しなきゃいけないものなんですか?」
「きよたん。確かに、トーキョー・シティーの『少子化対策特別措置法』でも、成人男性の精子提供については、法的義務とはされておらず、法的拘束力のない努力義務にとどまっているわ。でも、それは男性側にも色々事情があるからで、少子化問題にも頭を悩ませているトーキョー・シティーとしては、きよたんみたいに若くて精力旺盛で、しかも勤勉で頭も良くて将来性抜群の男の子には、どんどん種付けして子供を産ませて欲しいのよ。分かる?」
「・・・・・・わ、分かります」
「然るにきよたんは、避妊ポーションを飲んでいて妊娠の可能性が無い、同じパーティーのみなみちゃん、瑞穂ちゃん、もえちゃんとばかりえっちして、それ以外の女の子に手を出している形跡が全く無いんだけど?」
「ひーりんぐ・えっちとやらで、エイルやフライヤともえっちしましたけど」
「そうじゃなくて、みなみちゃんや瑞穂ちゃんがえっちのし過ぎで疲れるっていうくらい精力が有り余っているなら、どうして町のそこらにいる若い女の子たちを引っ掛けて種付けしようとか考えないのよ!?」
「だ、だって・・・・・・。そんなの、浮気になっちゃうじゃないですか」
「きよたん。女の子を3人も抱えている時点で、そんな理屈は通用しないって分かるでしょう?」
「それは、言われてみればそうですけど・・・・・・」
「いい、きよたん? そもそも、一夫多妻のアマツに、男性の浮気なんて概念はありません。そして、今のアマツでは、種付けの出来る健康な若い男性が不足していて、夫婦関係が上手く行っている既婚の男性でも精力に余裕のある人には、わざわざ担当者が頭を下げて精子提供に協力してもらっているのが実情なのよ。然るに、きよたんは未婚で、しかもえっちしたい盛りのはずなのに、少子化対策としての精子提供に応じようとしない。これは、もはや非国民と罵られても仕方ない背信的行為だわ」
「そ、そこまで悪く言われるほど酷いことなんですか!?」
「きよたんは日本生まれで、このアマツの風習にも十分馴染めていないようだから、まだ違和感があるかも知れないけど、アマツ生まれの男性はね、早い人だと7歳くらいからえっちの練習を始め、精力旺盛な16歳ともなれば、それこそ行く先々で種付けし放題っていうのが、この世界の常識なのよ」
「7歳!? さすがに男の子がそんな歳で、えっちするのは無理だと思いますけど・・・・・・」
「先生も詳しくは知らないけど、まだ射精できなくても、おちんちんが勃起すれば挿入は出来るでしょ、みたいな発想らしいわよ。それできよたん、この間までシナガワ・タウンに遠征に行ってたじゃない?」
「はい」
「きよたんたちは、冒険者として目覚ましい活躍をしていたから、当然シナガワでもきよたんの子種を欲しいっていう女性たちはたくさんいたのに、シナガワの女性に手を出そうとする様子が一切無い。これはどういうことですかって、わざわざこのセンターにまで問い合わせが来たのよ」
「そんなことで、わざわざ問い合わせが来たりするんですか!?」
「現に来たもの。ただ、最初の問い合わせのときには『きよたかさんのパーティーには男が二人も居るのに』と言ってきたんで、それはさすがに訂正しておいたけど」
タマキ先生の言葉を聞いて、僕とみなみちゃん、瑞穂が一斉に吹き出した。当のタマキ先生も苦笑いしている。
「あんたたち、何がそんなにおかしいのよ!?」
「だって、もえさんって、服は相変わらず男物の武闘家服で、髪型も男の人と大して変わらないくらいのショートヘアで、私が何を勧めても、『女の子らしいオシャレなんてあたしには似合わないわよ』の一点張りじゃ無いですか。それじゃあ、むしろ男の人と間違えられる方が当たり前ですよ」
憤激するもえちゃんに、みなみちゃんが切り返した。僕と瑞穂も続ける。
「その格好だと、普通は『あたしは一応女だけど、男だと見てもらって構わないわ』って態度になりそうだけど、それでも初対面の人に男だと勘違いされると怒るっていうのは、もえちゃんのいまいち分からないところだよね」
「もえお兄ちゃん、きちんと精子提供の義務を果たさなきゃ駄目だよ」
「何ですって!?」
さりげなく放たれた瑞穂の暴言に、もえちゃんが怒り狂って瑞穂に襲いかかるかと思われたとき、タマキ先生がパンパンと手を叩いた。
「はいはい。ちょっと話が脱線しちゃったからこのくらいにして」
もえちゃんは意外にも大人しく引き下がり、僕たちは一同沈黙してタマキ先生の話を聞く姿勢に戻った。
「話を戻すけど、きよたんって、これまで旅先とかでちょっと可愛いなって思った女の子かはいないの?」
タマキ先生にそう聞かれ、僕は思わずシオーミちゃんの顔が頭に浮かんだものの、さすがにあの子に手を出したらいけないだろうと思い直した。
「特にいません」
「ふうん」
僕の返答に、タマキ先生は不満げな顔をしつつ、さらに質問を続けた。
「じゃあ、旅先とかで、パーティーメンバー以外の女性の裸やあられもない姿を目撃しちゃって、催しちゃったりしたことは?」
「・・・・・・それは、時々ありますけど」
なにしろ、女の子がパンツを穿いておらず、都市部以外はトイレも風呂も無い世界である。いわゆるラッキースケベのイベントが起こる頻度は、現代日本とは比較にならないほど多く、その内容も過激である。
「そういうときは、どうやって発散してるの?」
「大体は、瑞穂が相手してくれます」
「なんで瑞穂ちゃんなのよ?」
「・・・・・・あまり上手く言えませんけど、訓練生だったとき、そうやって僕が催しちゃったときに処理してくれるのが瑞穂だったんで、その頃からの慣習というか」
「別に、瑞穂ちゃんに処理させなくても、その場で襲いかかっちゃって良いのよ。日本なら性犯罪になるけど、アマツなら事故で済むわよ?」
「それは知っていますけど、どうせえっちするなら気心の知れた仲間の方が安全安心で、幸せな気分になれますし」
「・・・・・・要するに、きよたんは同じパーティーの女性メンバーが美人揃いで、パーティー内でえっちの相手をしてくれる相手に困らないので、他の女性に興味を持っても手を出す余裕がないってことね」
「先生、なんで僕が他の女性に興味を持っている前提なんですか!?」
「さっき、旅先でちょっと可愛いなって思った女の子の話をしたとき、きよたんが答えるまでちょっと間があったじゃない。あのとき、ウマ娘のシオーミちゃんのことでも考えてたんじゃない?」
「な、何を根拠にそんなことを!?」
「どうやら図星みたいね。きよたん、顔が真っ赤になってるわよ」
「ええっ!?」
タマキ先生の言葉に、僕は思わず狼狽した。僕に向けられるみなみちゃんたちの視線が痛い。
「まあ、シオーミちゃんは綺麗で、しかも明るくて純朴な子だから、シオーミちゃんを好きにならない男なんて、むしろ珍しいくらいでしょうね。特にきよたんが不自然なわけじゃないわ。このように、男という生き物は現状えっちの相手に不自由していなくても、次なる種付けの相手を物色するように出来ているのよ。きよたんもその例外ではないわけ。別に、そのこと自体を恥ずかしがる必要は無いわ」
「・・・・・・タマキ先生、何が言いたいんですか?」
「別に。きよたんをからかって遊んでるだけよ」
僕は思わずずっこけた。
「冗談はこのくらいにして、きよたん。1日あたりのえっち回数は何回くらい?」
「タマキ先生、セクハラ質問もいい加減にしてください! 僕をからかうための質問には答えませんよ!」
「きよたん、これは真面目な質問よ。1日何回くらいしてる子か分からないと、精子提供の割当人数を決められないでしょう?」
「・・・・・・回数と言われても、何をもって1回と数えればいいのか、判断が難しいんですが」
「どういうこと?」
「基本的に、えっちのローテーションは、もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂の順番で回っているんですが、もえちゃんはいつも夕方くらいから僕の上に跨がってきて、そのまま朝まで解放してもらえず徹底的に搾り取られ続けていて、その間に僕が何回射精したかなんて、自分でも覚えていないんですが、こういう場合えっちの回数は何回になるんですか?」
「もえちゃん、まだきよたん相手にそんなことやってるの?」
もえちゃんは黙って頷き、タマキ先生は頭を抱えた。
「・・・・・・みなみちゃんと瑞穂ちゃんの日は?」
「えっと、それぞれ5回ずつ・・・・・・くらいかな?」
「きよたかさん、そんな回数じゃないですよ。最近は1日に8回ずつくらいだと思います」
「お兄ちゃん、昨日は瑞穂の中に10回くらい出したよ」
「きよたん、『それぞれ』ってどういう意味?」
タマキ先生の質問を受け、僕はもう少し詳しく説明することにした。
「1日目がもえちゃんの日とすると、1日目はもえちゃんによって徹底的に絞り尽くされるので、他の女の子の相手をする余裕はありません。
次の2日目はみなみちゃんの日になりますが、大体もえちゃんが僕の上で気絶したまま朝を迎えるので、僕は空っぽです。それでも、みなみちゃんと瑞穂がもう我慢できないといった様子で迫ってくるので、何も出ないけど2人に挿入して、鎮めてあげてます。
2日目も、夕方くらいになると僕が復活してくるので、夕食後は特にどちらからということもなく、みなみちゃんとえっちの時間ということになっています。ただ、最近はみなみちゃん一人で一晩中僕の相手をするのは辛くなってきたというので、瑞穂がヘルプに入って、二人が交代で僕の相手をするようになってます」
「いわゆる、3Pをやってるってこと?」
「・・・・・・そうとも言えますね。それで、2日目に寝るときはみなみちゃんと一緒なんですが、みなみちゃん相手に挿入したまま眠るなんて離れ業は出来ないので、3日目の朝になると、僕は結構溜まった状態で目を覚まします。その日が、雨とかで冒険をお休みする日であれば、みなみちゃんや瑞穂を相手にゆっくりえっちしながら過ごしますが、冒険に出掛ける場合は、朝にそれぞれ1回ずつというのが時間的に限界なので、1日目、2日目と異なり、僕は結構溜まった状態のまま冒険に出掛けることになります。そして瑞穂は、自分の日になると結構積極的に僕を誘惑してくるので、冒険中も瑞穂と何回かしてしまいます。
そして3日目の夜は、2日目と同じくみなみちゃんと瑞穂の3Pですが、瑞穂が眠った頃になると、もえちゃんが僕に逆夜這いを仕掛けてきて、そのまま朝まで絞り尽くされます。こうして1日目の朝に戻るっていう感じなので、必然的に2日目より、3日目の方がえっちの回数は多くなります」
「誰かが生理中のときはどうしてるの?」
「残りの2人が僕の相手をしてくれます」
「一番大変なのは、もえさんが生理中のときなんです。そういう日のきよたかさんって、なぜかいつも以上に激しくて、そういう日が1週間も続くと、私も瑞穂ちゃんもおかしくなっちゃうんです」
「瑞穂か、みなみお姉ちゃんが生理に入ったときは、もえお姉ちゃんが毎回すごくにやけた顔をするけど、毎日えっちできるときのもえお姉ちゃんは割と大人しいし、お兄ちゃんはもえお姉ちゃんの独り占めにならないように気遣ってくれるから、割と何とかなるよ」
僕の説明に、みなみちゃんと瑞穂が付け加える。タマキ先生は再び頭を抱えた。
「・・・・・・もういいわ。とりあえず、調書には1日10発以上、3Pも余裕って書いておくわね」
タマキ先生はそう言って、手元の何かにメモを書き込んでいった。
「きよたんがそこまでの絶倫なら、精子提供も1日1人ずつくらい余裕でこなせそうね」
タマキ先生はそう言い置いて、
「そういうわけで、きよたんが昨日支払ってきた、宿泊代の前払い分はいまここで全額返金します。その代わり、今日から次のクエストに出発する予定日の前日まで、きよたんには、毎日1人ずつ、センターの所長である私の指定する女性に精子提供をしてもらいます。もちろん、精子提供が終わったら、後はいつも通りパーティーの仲間とえっちしてもらって構わないから。これは、さっきも言ったとおり、いわば『恵まれし者の責務』よ。
そういうわけで、他の3人も、センターに滞在している間きよたんを借りるわよ。きよたんのえっちが激し過ぎて困るなんて言うくらいだから、異論はないわよね?」
タマキ先生が、有無を言わせぬといった感じで、もえちゃんたち3人を睨み付けた。僕としては、こうした問題に異論を唱えてくるのはもえちゃんだろうと予想していたが、おずおずと手を挙げてきたのは、意外にもみなみちゃんだった。
「みなみちゃん、何か異論があるの?」
「その、きよたかさんがそういう使命を負っているってことは、分かるんですけど、私としては、きよたかさんがびゅーって私の中に出してくるあの瞬間が、とても気持ち良いんです・・・・・・。なので、あんまり他の人に取られたくは、ないです・・・・・・」
「みなみちゃん、あなたはえっちのし過ぎです。少し自粛しなさい」
「・・・・・・はい」
タマキ先生に異論を一蹴されたみなみちゃんは、諦めたような感じで頷いた。
みなみちゃん、いつの間にかあんなことを口走る女の子になってたんだ・・・・・・。
◇◇◇◇◇◇
こうして、精子提供を半ば強制的に承諾させられた僕は、タマキ先生によってセンターの一室に連れて行かれた。アマツの少子化対策に少しでも貢献するためとはいえ、見ず知らずの女性に精子提供、要するにえっちをするというのは、僕としても気が進まない。逃げることが許されるならば、一刻も早くこの場から逃げたかった。
僕が通された部屋は、いつも使っている僕たちの寝室より若干豪華で、いくつかの調度品が置かれていた。
「タマキ先生、ここは?」
「私の部屋よ」
タマキ先生は、ぶっきらぼうにそう答えた。なるほど、所長の寝室であれば、このくらいの豪華さは許されるだろう。でも、そうすると・・・・・・?
「えーと、タマキ先生? 僕はこの部屋で、一体何をすれば・・・・・・?」
「先生にはね、サクラっていう一人娘がいるんだけど、そろそろサクラに、弟か妹を作ってあげようと思ってね」
・・・・・・だんだん嫌な予感がしてきた。
「できれば、男の子がいいわね。無事男の子が産まれたら、『キヨタ』って名前にしようかしら。私だけのきよたん。どう?」
・・・・・・いや、その名前はどこかの猛不倫賞とか言われた選手を連想させるんで、出来れば止めてほしいんですけど。
「どうって、ここで先生とえっちしろって言うんですか!?」
「この流れで、それ以外に解釈のしようがないでしょ」
あっさり肯定するタマキ先生。
「・・・・・・それって、職権濫用とかにならないんですか?」
「ならないわよ。センターに宿泊する精子提供の相手を決めるのは、所長の私に一任されているからね。明日からは、希望者の中から抽選で選ばれた女性が来るけど、今日は時間的に間に合わないし、ちょうど私も出産希望で、しかも今日は妊娠の可能性が高い超危険日だから、所長の権限で精子提供の相手を私に決めることは当然可能よ。
それに、精子提供業務の担い手たる私は、提供希望者に提示する情報として、提供者の年齢や特徴なんかを調書に記録する必要があるのよ」
「さっきメモってたやつですか?」
「そうよ。きよたんの性格や性的嗜好、例えば内気で面食いで貧乳好きでロリコン気味とかいったことは書けるけど、調書には実際にえっちしないと書けないような項目も結構あるのよ。だから、きよたんとのえっちも、私の仕事のうちってわけ。完璧でしょ?」
「だからって・・・・・・」
貧乳好き、ロリコン気味という認定を如何にして覆させるべきか僕が考えていると、
「ねえきよたん、先生とえっちするの、そんなに嫌?」
タマキ先生が、急に哀しそうな顔になって、そう尋ねてきた。
「ええと、タマキ先生は結構美人ですし、嫌というほどではないんですけど・・・・・・」
「わたし、訓練生時代には色んな名目で、きよたんをえっちに誘ってきたけど、結局逃げられちゃったじゃない。まだ、顔とスタイルには自信があったんだけど、そんなに嫌がられるほど老けちゃったかなあって、内心落ち込んでいたのよ?」
「い、いえ、そんなことはないです。タマキ先生は、今でも十分美人だと思いますよ」
「じゃあ、問題無いわね」
「で、でも・・・・・・。教師と教え子がえっちするなんて、禁断の関係じゃ・・・・・・」
「きよたん。ここは日本じゃなくてアマツなのよ。教師と教え子とのえっちなんてよくあることだから、誰も問題にしないわよ。例えばね、きよたんが幼年学校の教員か、幼年学校の無い町や村で子供たちに読み書きなんかを教える職に就いたら、通ってくる女の子の親から、初えっちの相手をしてあげて欲しいなんて頼まれることも結構あるのよ。その女の子自身が嫌がってさえいなければ、美味しく頂いちゃって全く問題無いのよ」
「それ、本当なんですか?」
「こんなことで嘘はつかないわよ。どれ、きよたん自慢の名槍清隆丸は・・・・・・、あら、もうやる気満々じゃない」
タマキ先生が、ズボンの上から僕の愚息を優しくさすり、嬉しそうな声を上げる。今のタマキ先生は、もはやいつもの先生では無く、完全に発情したメスの顔になっていた。
「先生、僕とこんなことをして、僕の子を妊娠することになっても、後悔しませんか?」
「しないわよ。わたし、きよたんがこのセンターに初めて来たその日から、ずっときよたんのこと狙ってたんだから。わたしの手できよたんの筆おろしをしてあげられなかったのは残念だったけど、エイルちゃんとフライヤちゃんが、3回くらいずつえっちしただけできよたんに夢中になっちゃったのを見て、もうどんな手段を使ってもきよたんとえっちしたいと思うようになったわ。その結果きよたんの子供を産めるなら、むしろ本望よ」
タマキ先生が、ゆっくりと自分の服を脱ぎながら、僕に対する想いを口にした。
・・・・・・タマキ先生とこういう関係になるのは、色々な意味で良くないんじゃないかと思っていたけど、こうなった上は僕も覚悟を決めるしか無い。
「タマキ先生のここ、もう濡れてますね」
僕に濡れそぼった秘部を触られて、タマキ先生はあん、と嬌声を上げた。
「きよたん、急に積極的になったわね。そうよ、私のここは早くきよたんに挿れて欲しくて、さっきからウズウズしてるのよ」
「前戯とかしなくて、いいんですか?」
「いらないわ。わたしが、このままきよたんの上に乗っかるから、きよたんは私の膣内に思い切り出すだけでいいのよ」
「分かりました」
タマキ先生は、待ちかねたように僕の上に跨がり、僕の愚息を蜜壺の中へと沈めていった。先生の膣内はとても熱くなっていて、思った以上に気持ち良い。
くぐもった声を上げながら腰を振り始めたタマキ先生に、僕は思わず声を掛けた。
「・・・・・・先生、僕のってどうですか?」
「う、きよたんのはね、ううん、太くて固くて、ううん、奥にまで届いちゃうわよ。ああん、こんなの、初めて・・・・・・」
タマキ先生は、結構経験豊富なはずなのに、腰を振るその姿には余裕が感じられず、むしろ未知の快感に戸惑っているような様子さえ感じられた。そんな先生の姿を見て、僕はタマキ先生を征服してみたい、という感じの欲求を抱くようになった。
「ひゃうん!!??」
僕が下から腰を振り始めると、タマキ先生は驚きの声を上げた。間もなく、先生の身体が大きく震え、僕の愚息がぎゅっと締め付けられる。その刺激に耐えられず、僕は先生の膣内に一発目を発射した。
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
僕の射精を受けて、タマキ先生は一瞬満足そうな顔をしたが、僕の腰の動きが止まらないことに気付くと、間もなく悲鳴を上げた。
「き、きよたん、先生もうイッてる! イッてるからあ・・・・・・」
「これは、僕のことずっとえっちな目で見てた、タマキ先生へのお仕置きです! 先生のこと尊敬してたのに! この変態エロ教師!」
「いやあああ、おかしくなっちゃう~!!!」
僕は、敢えてタマキ先生の制止を聞かず、三発目を発射するまで容赦なく腰を振り続けた。
体力を使い果たし、息も絶え絶えになったタマキ先生をベッドに寝かし付けた後、僕は先生の髪をそっと撫でながら、声を掛けてみた。
「タマキ先生、大丈夫ですか?」
「・・・・・・何が『大丈夫ですか』よ? きよたん、こんなやり方、どこで覚えたの?」
「主にもえちゃん対策で覚えました」
「はあ、・・・・・・こんな激しいえっちを毎日のように続けられたら、誰だっておかしくなるわね。まったく、抜かず休まずの3連発なんて、聞いたこと無いわよ」
「お気に召しませんでしたか?」
「やり過ぎよ・・・・・・。他の女の人への精子提供は、こんなに激しくしないでね。でも、こんなえっちを毎日のようにしてもらえる、もえちゃんたちがちょっと羨ましいかも」
「・・・・・・」
僕は、思わず口ごもってしまった。
「大丈夫よ、きよたん。今更きよたんに惚れたりしないわよ。きよたんの精子は確かにもらったから、後はみなみちゃんたちを満足させてあげなさい」
「今日はもえちゃんの日なんで、もえちゃんに搾り取られてきます」
「はいはい。先生はこのまま休むわね」
「お大事に」
僕はタマキ先生に別れを告げ、先生の部屋を去った。
◇◇◇◇◇◇
その夜。
「ねえ、きよたん」
いつものように僕の上に跨がりながら、もえちゃんが僕に話し掛けてきた。同じ騎乗位でも、やっぱりもえちゃんの方が気持ち良い。タマキ先生には悪いけど。
「何? もえちゃん」
「今日の精子提供って、どんな人が相手だったの?」
もえちゃんの質問に、僕は暫し考えたものの、結局正直に答えることにした。
「タマキ先生だった」
「はあ!?」
もえちゃんは、一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐ平静に戻った。すぐに息が上がってしまったタマキ先生に比べると、こんな会話をしながらも休み無く腰を振り続けられるもえちゃんの体力って、改めて凄いと思う。
「・・・・・・考えてみれば、そんなに意外でもないわね」
「そう?」
「タマキ先生って、日頃から若い男の子の童貞を頂くのが好きでこの仕事やってるのよ、なんて言ってた人だし、きよたんより先に来た、あのヨーイチとかいう奴ともえっちしてたから、きよたんを狙っていたとしても、ある意味当然と言えば当然よね」
「そういえば、もえちゃんって僕たちと違って、タマキ先生とは結構長い付き合いだったよね」
「そうよ、半年以上も世話になったわ。それできよたん、タマキ先生とあたしと、どっちがいい?」
「それはもちろん、もえちゃんの方がいいよ」
「即答ね。とりあえず、嘘はついてなさそうね」
もえちゃんは、僕の顔をしげしげと眺めた後、満足そうな笑みを浮かべた。
「今日のきよたんって、精子提供をした後のはずなのに、珍しく自分からあたしにえっちをおねだりしてきたし、えっちも普段より積極的で激しいわね。やっぽり、タマキ先生の言ってたことって、正しかったのね」
「・・・・・・タマキ先生が、一体どんなことを言ってたの?」
「・・・・・・『菜種油ときよたんは、絞れば絞るほどよく出る』だったかな?」
「はあ!? それってどういう意味?」
「えっとね、きよたんって、精力旺盛な割に内気な子だから、あたしみたいに気心の知れた相手以外とえっちしたがらないじゃない?」
「うん」
「でも、ううん、そろそろイキそう・・・・・・」
「話の続きは、イッた後でいいよ」
僕がそう言うと、もえちゃんは腰の動きを早めて、嬌声を上げながら激しく身体を痙攣させた。これが他の女の子なら、イッた後はしばらく休憩したがるところだが、もえちゃんはいつものように、ほとんど休むこと無く腰を振り続ける。
もえちゃんって、えっちのことを割と本気で、肉体の鍛錬か何かと勘違いしているのでは無いだろうか。僕がそんなことを考えていると、もえちゃんがさっきの続きを話し始めた。
「・・・・・・それでね、男の子はきよたんみたいな子でも、内心では他の女の子も味見したいなあって思っているから、時々無理矢理にでも他の女の子とえっちさせると、それが刺激になっていっぱい出せるようになるって、いつかタマキ先生が言ってたのよ。それがそのとおりだったわねってことよ」
「・・・・・・僕としては嫌な思い出を、もえちゃんとのえっちでかき消したいって気持ちは確かにあるけど」
「タマキ先生とのえっちって、そんなに嫌だったの?」
「嫌というか、僕はタマキ先生のことを、ある意味人生の先輩って感じで尊敬していたんで、先生と身体の関係になることは望んでなかった。あと、タマキ先生とのえっちで、僕には年上趣味は無いんだってことが、改めてよく分かった」
「きよたん、ずいぶん正直ね」
もえちゃんは僕を見てクスリと笑い、話を続けた。
「でもね、きよたん。精子提供の相手って、年上ばかりだと思った方がいいわよ」
「本当?」
「うん。あたし、訓練生としてセンターで過ごした時間が結構長かったから、精子提供を受けに来た女性も結構見てるのよ。大体が20代から30代で、見た目が悪い上にろくに化粧もせず、いかにもオバさんって感じの人が多かったわ」
「・・・・・・」
「タマキ先生の話だとね、アマツで産まれた女性のうち顔も性格も良い子は、大体12歳から13歳くらいで嫁に行かされる、その次くらいに良い子は十代のうちに自力で結婚相手を見つけるか、見つけられなくても子供を産みたくなったとき、精子を提供してくれる男くらい簡単に確保出来るから、わざわざトーキョー・シティーの精子提供制度を利用する必要は無いって」
「・・・・・・そう言われれば、そうだね」
「だから、わざわざ精子提供を受けに来る女性は、女としては並以下って人が多くて、それが原因で精子提供を嫌がる男も多いんだって。あたしは精子提供ってそういうもんだと知ってたから、きよたんが精子提供するって話に反対しなかったのよ。精子提供の相手がタマキ先生なら、むしろかなりマシな方ね」
「・・・・・・それだと、明日からはもっと酷い相手とえっちしなきゃいけないって事か」
「きよたん、落ち込んでないで、今はあたしとのえっちに集中しなさい。あたしは、タマキ先生とは比べものにならないくらい、存分にきよたんを味わってやるんだから・・・・・・」
「もえちゃんとはいつもしてるんだし、そこまで意地にならなくてもいいと思うんだけど」
「きよたんとは、いくらしても足りないのよ。上手く言えないけど、何か満たされないものがあるって感じで・・・・・・」
「満たされないもの、ねえ・・・・・・」
僕は、しばらくもえちゃんの顔を見ながら、ふと思い付いたことを口にしてみた。
「・・・・・・キスとか、してみる?」
「しないわよ。そういうのは、みなみちゃんとやりなさい」
もえちゃんに即答で断られた。
「でも、もえちゃんって、僕と散々えっちしている割には、何となく僕と、心の距離を置いているようなところがあるよね」
「そう?」
「うん。僕とのキスを嫌がるところとか、特に」
「心の距離が無かったら、どうするって言うのよ?」
「えっちはキスから始めて、次に胸を触って・・・・・・って感じになると思う」
「きよたん、あたしはいつも嫌だって言ってるのに、そんなにあたしの胸を触りたいわけ?」
「・・・・・・触りたい」
「あたしの胸なんて、見てのとおりペッタンコよ。触っても意味ないでしょ?」
「そんなこと無いよ。もえちゃんの胸は綺麗だし、それに・・・・・・」
「それに?」
もえちゃんの問いに対する僕の正直な答えは、胸を触るともえちゃんが面白いくらいに反応してくれるので、とても触りがいがあるというものだったが、以前それを口にした結果、もえちゃんに怒られたことがある。
そのため、何と答えるべきかしばらく迷ったものの、
「・・・・・・女の子の胸を触りたいというのは、男の本能だと思う」
結局、こう言い繕った。
「よく分かんないけど、女の子の嫌がることを、無理矢理するのは良くないわよ」
「はーい」
僕は素直に妥協した。できれば、もえちゃんと合意の上で胸を触りたかったが、合意が得られなくても、いつものようにもえちゃんが疲れてから行動に移せば、どうせもえちゃんは抵抗できないのだ。
そうこうしているうちに、もえちゃんが再び絶頂を迎える。僕もそれに合わせて、本日何度目になるか分からない絶頂を迎える。激しいえっちで互いに体力が尽きてくると、もはや話をする余裕も無くなり、目の前のえっちのことしか考えられなくなる。
そして、いつものようにもえちゃんが、意地でも僕を離さないと言わんばかりに僕を組み敷いたまま絶頂により気絶したが、そのときもえちゃんの唇が僕の唇に触れた。その感触を楽しみながら、僕も疲れにより次第に意識を失っていく。この日の夜は、こうして更けていった。
◇◇◇◇◇◇
後日談になるが、この日の精子提供でタマキ先生は僕の子を妊娠し、産まれた男の子には『キヨタ』という名前が授けられた。アマツの法では直ちに僕の子となるわけではないが、思えばあのときが、僕の遺伝子を引き継ぐ新たな生命の産まれた、初めての瞬間だった。
(第36話に続く)
「子供を産みたがっているアマツの女性たちに、精子提供をしてくださいって言ってるのよ」
タマキ先生の言葉を聞いて、僕は嫌な予感がした。
「精子提供って、タマキ先生とコハルさんが以前言っていたアレですよね? 確か、協力するとセンターの宿泊費がタダになるとか」
「ちゃんと覚えているようね。それできよたん、4人分、1週間分の宿泊費を一括で前払いしてきたのは、精子提供したくないって意思表示なの?」
そう尋ねてくるタマキ先生の顔は、何となく怒っているように見える。
「・・・・・・そこまで深い意味は無かったんですけど、精子提供って、しなきゃいけないものなんですか?」
「きよたん。確かに、トーキョー・シティーの『少子化対策特別措置法』でも、成人男性の精子提供については、法的義務とはされておらず、法的拘束力のない努力義務にとどまっているわ。でも、それは男性側にも色々事情があるからで、少子化問題にも頭を悩ませているトーキョー・シティーとしては、きよたんみたいに若くて精力旺盛で、しかも勤勉で頭も良くて将来性抜群の男の子には、どんどん種付けして子供を産ませて欲しいのよ。分かる?」
「・・・・・・わ、分かります」
「然るにきよたんは、避妊ポーションを飲んでいて妊娠の可能性が無い、同じパーティーのみなみちゃん、瑞穂ちゃん、もえちゃんとばかりえっちして、それ以外の女の子に手を出している形跡が全く無いんだけど?」
「ひーりんぐ・えっちとやらで、エイルやフライヤともえっちしましたけど」
「そうじゃなくて、みなみちゃんや瑞穂ちゃんがえっちのし過ぎで疲れるっていうくらい精力が有り余っているなら、どうして町のそこらにいる若い女の子たちを引っ掛けて種付けしようとか考えないのよ!?」
「だ、だって・・・・・・。そんなの、浮気になっちゃうじゃないですか」
「きよたん。女の子を3人も抱えている時点で、そんな理屈は通用しないって分かるでしょう?」
「それは、言われてみればそうですけど・・・・・・」
「いい、きよたん? そもそも、一夫多妻のアマツに、男性の浮気なんて概念はありません。そして、今のアマツでは、種付けの出来る健康な若い男性が不足していて、夫婦関係が上手く行っている既婚の男性でも精力に余裕のある人には、わざわざ担当者が頭を下げて精子提供に協力してもらっているのが実情なのよ。然るに、きよたんは未婚で、しかもえっちしたい盛りのはずなのに、少子化対策としての精子提供に応じようとしない。これは、もはや非国民と罵られても仕方ない背信的行為だわ」
「そ、そこまで悪く言われるほど酷いことなんですか!?」
「きよたんは日本生まれで、このアマツの風習にも十分馴染めていないようだから、まだ違和感があるかも知れないけど、アマツ生まれの男性はね、早い人だと7歳くらいからえっちの練習を始め、精力旺盛な16歳ともなれば、それこそ行く先々で種付けし放題っていうのが、この世界の常識なのよ」
「7歳!? さすがに男の子がそんな歳で、えっちするのは無理だと思いますけど・・・・・・」
「先生も詳しくは知らないけど、まだ射精できなくても、おちんちんが勃起すれば挿入は出来るでしょ、みたいな発想らしいわよ。それできよたん、この間までシナガワ・タウンに遠征に行ってたじゃない?」
「はい」
「きよたんたちは、冒険者として目覚ましい活躍をしていたから、当然シナガワでもきよたんの子種を欲しいっていう女性たちはたくさんいたのに、シナガワの女性に手を出そうとする様子が一切無い。これはどういうことですかって、わざわざこのセンターにまで問い合わせが来たのよ」
「そんなことで、わざわざ問い合わせが来たりするんですか!?」
「現に来たもの。ただ、最初の問い合わせのときには『きよたかさんのパーティーには男が二人も居るのに』と言ってきたんで、それはさすがに訂正しておいたけど」
タマキ先生の言葉を聞いて、僕とみなみちゃん、瑞穂が一斉に吹き出した。当のタマキ先生も苦笑いしている。
「あんたたち、何がそんなにおかしいのよ!?」
「だって、もえさんって、服は相変わらず男物の武闘家服で、髪型も男の人と大して変わらないくらいのショートヘアで、私が何を勧めても、『女の子らしいオシャレなんてあたしには似合わないわよ』の一点張りじゃ無いですか。それじゃあ、むしろ男の人と間違えられる方が当たり前ですよ」
憤激するもえちゃんに、みなみちゃんが切り返した。僕と瑞穂も続ける。
「その格好だと、普通は『あたしは一応女だけど、男だと見てもらって構わないわ』って態度になりそうだけど、それでも初対面の人に男だと勘違いされると怒るっていうのは、もえちゃんのいまいち分からないところだよね」
「もえお兄ちゃん、きちんと精子提供の義務を果たさなきゃ駄目だよ」
「何ですって!?」
さりげなく放たれた瑞穂の暴言に、もえちゃんが怒り狂って瑞穂に襲いかかるかと思われたとき、タマキ先生がパンパンと手を叩いた。
「はいはい。ちょっと話が脱線しちゃったからこのくらいにして」
もえちゃんは意外にも大人しく引き下がり、僕たちは一同沈黙してタマキ先生の話を聞く姿勢に戻った。
「話を戻すけど、きよたんって、これまで旅先とかでちょっと可愛いなって思った女の子かはいないの?」
タマキ先生にそう聞かれ、僕は思わずシオーミちゃんの顔が頭に浮かんだものの、さすがにあの子に手を出したらいけないだろうと思い直した。
「特にいません」
「ふうん」
僕の返答に、タマキ先生は不満げな顔をしつつ、さらに質問を続けた。
「じゃあ、旅先とかで、パーティーメンバー以外の女性の裸やあられもない姿を目撃しちゃって、催しちゃったりしたことは?」
「・・・・・・それは、時々ありますけど」
なにしろ、女の子がパンツを穿いておらず、都市部以外はトイレも風呂も無い世界である。いわゆるラッキースケベのイベントが起こる頻度は、現代日本とは比較にならないほど多く、その内容も過激である。
「そういうときは、どうやって発散してるの?」
「大体は、瑞穂が相手してくれます」
「なんで瑞穂ちゃんなのよ?」
「・・・・・・あまり上手く言えませんけど、訓練生だったとき、そうやって僕が催しちゃったときに処理してくれるのが瑞穂だったんで、その頃からの慣習というか」
「別に、瑞穂ちゃんに処理させなくても、その場で襲いかかっちゃって良いのよ。日本なら性犯罪になるけど、アマツなら事故で済むわよ?」
「それは知っていますけど、どうせえっちするなら気心の知れた仲間の方が安全安心で、幸せな気分になれますし」
「・・・・・・要するに、きよたんは同じパーティーの女性メンバーが美人揃いで、パーティー内でえっちの相手をしてくれる相手に困らないので、他の女性に興味を持っても手を出す余裕がないってことね」
「先生、なんで僕が他の女性に興味を持っている前提なんですか!?」
「さっき、旅先でちょっと可愛いなって思った女の子の話をしたとき、きよたんが答えるまでちょっと間があったじゃない。あのとき、ウマ娘のシオーミちゃんのことでも考えてたんじゃない?」
「な、何を根拠にそんなことを!?」
「どうやら図星みたいね。きよたん、顔が真っ赤になってるわよ」
「ええっ!?」
タマキ先生の言葉に、僕は思わず狼狽した。僕に向けられるみなみちゃんたちの視線が痛い。
「まあ、シオーミちゃんは綺麗で、しかも明るくて純朴な子だから、シオーミちゃんを好きにならない男なんて、むしろ珍しいくらいでしょうね。特にきよたんが不自然なわけじゃないわ。このように、男という生き物は現状えっちの相手に不自由していなくても、次なる種付けの相手を物色するように出来ているのよ。きよたんもその例外ではないわけ。別に、そのこと自体を恥ずかしがる必要は無いわ」
「・・・・・・タマキ先生、何が言いたいんですか?」
「別に。きよたんをからかって遊んでるだけよ」
僕は思わずずっこけた。
「冗談はこのくらいにして、きよたん。1日あたりのえっち回数は何回くらい?」
「タマキ先生、セクハラ質問もいい加減にしてください! 僕をからかうための質問には答えませんよ!」
「きよたん、これは真面目な質問よ。1日何回くらいしてる子か分からないと、精子提供の割当人数を決められないでしょう?」
「・・・・・・回数と言われても、何をもって1回と数えればいいのか、判断が難しいんですが」
「どういうこと?」
「基本的に、えっちのローテーションは、もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂の順番で回っているんですが、もえちゃんはいつも夕方くらいから僕の上に跨がってきて、そのまま朝まで解放してもらえず徹底的に搾り取られ続けていて、その間に僕が何回射精したかなんて、自分でも覚えていないんですが、こういう場合えっちの回数は何回になるんですか?」
「もえちゃん、まだきよたん相手にそんなことやってるの?」
もえちゃんは黙って頷き、タマキ先生は頭を抱えた。
「・・・・・・みなみちゃんと瑞穂ちゃんの日は?」
「えっと、それぞれ5回ずつ・・・・・・くらいかな?」
「きよたかさん、そんな回数じゃないですよ。最近は1日に8回ずつくらいだと思います」
「お兄ちゃん、昨日は瑞穂の中に10回くらい出したよ」
「きよたん、『それぞれ』ってどういう意味?」
タマキ先生の質問を受け、僕はもう少し詳しく説明することにした。
「1日目がもえちゃんの日とすると、1日目はもえちゃんによって徹底的に絞り尽くされるので、他の女の子の相手をする余裕はありません。
次の2日目はみなみちゃんの日になりますが、大体もえちゃんが僕の上で気絶したまま朝を迎えるので、僕は空っぽです。それでも、みなみちゃんと瑞穂がもう我慢できないといった様子で迫ってくるので、何も出ないけど2人に挿入して、鎮めてあげてます。
2日目も、夕方くらいになると僕が復活してくるので、夕食後は特にどちらからということもなく、みなみちゃんとえっちの時間ということになっています。ただ、最近はみなみちゃん一人で一晩中僕の相手をするのは辛くなってきたというので、瑞穂がヘルプに入って、二人が交代で僕の相手をするようになってます」
「いわゆる、3Pをやってるってこと?」
「・・・・・・そうとも言えますね。それで、2日目に寝るときはみなみちゃんと一緒なんですが、みなみちゃん相手に挿入したまま眠るなんて離れ業は出来ないので、3日目の朝になると、僕は結構溜まった状態で目を覚まします。その日が、雨とかで冒険をお休みする日であれば、みなみちゃんや瑞穂を相手にゆっくりえっちしながら過ごしますが、冒険に出掛ける場合は、朝にそれぞれ1回ずつというのが時間的に限界なので、1日目、2日目と異なり、僕は結構溜まった状態のまま冒険に出掛けることになります。そして瑞穂は、自分の日になると結構積極的に僕を誘惑してくるので、冒険中も瑞穂と何回かしてしまいます。
そして3日目の夜は、2日目と同じくみなみちゃんと瑞穂の3Pですが、瑞穂が眠った頃になると、もえちゃんが僕に逆夜這いを仕掛けてきて、そのまま朝まで絞り尽くされます。こうして1日目の朝に戻るっていう感じなので、必然的に2日目より、3日目の方がえっちの回数は多くなります」
「誰かが生理中のときはどうしてるの?」
「残りの2人が僕の相手をしてくれます」
「一番大変なのは、もえさんが生理中のときなんです。そういう日のきよたかさんって、なぜかいつも以上に激しくて、そういう日が1週間も続くと、私も瑞穂ちゃんもおかしくなっちゃうんです」
「瑞穂か、みなみお姉ちゃんが生理に入ったときは、もえお姉ちゃんが毎回すごくにやけた顔をするけど、毎日えっちできるときのもえお姉ちゃんは割と大人しいし、お兄ちゃんはもえお姉ちゃんの独り占めにならないように気遣ってくれるから、割と何とかなるよ」
僕の説明に、みなみちゃんと瑞穂が付け加える。タマキ先生は再び頭を抱えた。
「・・・・・・もういいわ。とりあえず、調書には1日10発以上、3Pも余裕って書いておくわね」
タマキ先生はそう言って、手元の何かにメモを書き込んでいった。
「きよたんがそこまでの絶倫なら、精子提供も1日1人ずつくらい余裕でこなせそうね」
タマキ先生はそう言い置いて、
「そういうわけで、きよたんが昨日支払ってきた、宿泊代の前払い分はいまここで全額返金します。その代わり、今日から次のクエストに出発する予定日の前日まで、きよたんには、毎日1人ずつ、センターの所長である私の指定する女性に精子提供をしてもらいます。もちろん、精子提供が終わったら、後はいつも通りパーティーの仲間とえっちしてもらって構わないから。これは、さっきも言ったとおり、いわば『恵まれし者の責務』よ。
そういうわけで、他の3人も、センターに滞在している間きよたんを借りるわよ。きよたんのえっちが激し過ぎて困るなんて言うくらいだから、異論はないわよね?」
タマキ先生が、有無を言わせぬといった感じで、もえちゃんたち3人を睨み付けた。僕としては、こうした問題に異論を唱えてくるのはもえちゃんだろうと予想していたが、おずおずと手を挙げてきたのは、意外にもみなみちゃんだった。
「みなみちゃん、何か異論があるの?」
「その、きよたかさんがそういう使命を負っているってことは、分かるんですけど、私としては、きよたかさんがびゅーって私の中に出してくるあの瞬間が、とても気持ち良いんです・・・・・・。なので、あんまり他の人に取られたくは、ないです・・・・・・」
「みなみちゃん、あなたはえっちのし過ぎです。少し自粛しなさい」
「・・・・・・はい」
タマキ先生に異論を一蹴されたみなみちゃんは、諦めたような感じで頷いた。
みなみちゃん、いつの間にかあんなことを口走る女の子になってたんだ・・・・・・。
◇◇◇◇◇◇
こうして、精子提供を半ば強制的に承諾させられた僕は、タマキ先生によってセンターの一室に連れて行かれた。アマツの少子化対策に少しでも貢献するためとはいえ、見ず知らずの女性に精子提供、要するにえっちをするというのは、僕としても気が進まない。逃げることが許されるならば、一刻も早くこの場から逃げたかった。
僕が通された部屋は、いつも使っている僕たちの寝室より若干豪華で、いくつかの調度品が置かれていた。
「タマキ先生、ここは?」
「私の部屋よ」
タマキ先生は、ぶっきらぼうにそう答えた。なるほど、所長の寝室であれば、このくらいの豪華さは許されるだろう。でも、そうすると・・・・・・?
「えーと、タマキ先生? 僕はこの部屋で、一体何をすれば・・・・・・?」
「先生にはね、サクラっていう一人娘がいるんだけど、そろそろサクラに、弟か妹を作ってあげようと思ってね」
・・・・・・だんだん嫌な予感がしてきた。
「できれば、男の子がいいわね。無事男の子が産まれたら、『キヨタ』って名前にしようかしら。私だけのきよたん。どう?」
・・・・・・いや、その名前はどこかの猛不倫賞とか言われた選手を連想させるんで、出来れば止めてほしいんですけど。
「どうって、ここで先生とえっちしろって言うんですか!?」
「この流れで、それ以外に解釈のしようがないでしょ」
あっさり肯定するタマキ先生。
「・・・・・・それって、職権濫用とかにならないんですか?」
「ならないわよ。センターに宿泊する精子提供の相手を決めるのは、所長の私に一任されているからね。明日からは、希望者の中から抽選で選ばれた女性が来るけど、今日は時間的に間に合わないし、ちょうど私も出産希望で、しかも今日は妊娠の可能性が高い超危険日だから、所長の権限で精子提供の相手を私に決めることは当然可能よ。
それに、精子提供業務の担い手たる私は、提供希望者に提示する情報として、提供者の年齢や特徴なんかを調書に記録する必要があるのよ」
「さっきメモってたやつですか?」
「そうよ。きよたんの性格や性的嗜好、例えば内気で面食いで貧乳好きでロリコン気味とかいったことは書けるけど、調書には実際にえっちしないと書けないような項目も結構あるのよ。だから、きよたんとのえっちも、私の仕事のうちってわけ。完璧でしょ?」
「だからって・・・・・・」
貧乳好き、ロリコン気味という認定を如何にして覆させるべきか僕が考えていると、
「ねえきよたん、先生とえっちするの、そんなに嫌?」
タマキ先生が、急に哀しそうな顔になって、そう尋ねてきた。
「ええと、タマキ先生は結構美人ですし、嫌というほどではないんですけど・・・・・・」
「わたし、訓練生時代には色んな名目で、きよたんをえっちに誘ってきたけど、結局逃げられちゃったじゃない。まだ、顔とスタイルには自信があったんだけど、そんなに嫌がられるほど老けちゃったかなあって、内心落ち込んでいたのよ?」
「い、いえ、そんなことはないです。タマキ先生は、今でも十分美人だと思いますよ」
「じゃあ、問題無いわね」
「で、でも・・・・・・。教師と教え子がえっちするなんて、禁断の関係じゃ・・・・・・」
「きよたん。ここは日本じゃなくてアマツなのよ。教師と教え子とのえっちなんてよくあることだから、誰も問題にしないわよ。例えばね、きよたんが幼年学校の教員か、幼年学校の無い町や村で子供たちに読み書きなんかを教える職に就いたら、通ってくる女の子の親から、初えっちの相手をしてあげて欲しいなんて頼まれることも結構あるのよ。その女の子自身が嫌がってさえいなければ、美味しく頂いちゃって全く問題無いのよ」
「それ、本当なんですか?」
「こんなことで嘘はつかないわよ。どれ、きよたん自慢の名槍清隆丸は・・・・・・、あら、もうやる気満々じゃない」
タマキ先生が、ズボンの上から僕の愚息を優しくさすり、嬉しそうな声を上げる。今のタマキ先生は、もはやいつもの先生では無く、完全に発情したメスの顔になっていた。
「先生、僕とこんなことをして、僕の子を妊娠することになっても、後悔しませんか?」
「しないわよ。わたし、きよたんがこのセンターに初めて来たその日から、ずっときよたんのこと狙ってたんだから。わたしの手できよたんの筆おろしをしてあげられなかったのは残念だったけど、エイルちゃんとフライヤちゃんが、3回くらいずつえっちしただけできよたんに夢中になっちゃったのを見て、もうどんな手段を使ってもきよたんとえっちしたいと思うようになったわ。その結果きよたんの子供を産めるなら、むしろ本望よ」
タマキ先生が、ゆっくりと自分の服を脱ぎながら、僕に対する想いを口にした。
・・・・・・タマキ先生とこういう関係になるのは、色々な意味で良くないんじゃないかと思っていたけど、こうなった上は僕も覚悟を決めるしか無い。
「タマキ先生のここ、もう濡れてますね」
僕に濡れそぼった秘部を触られて、タマキ先生はあん、と嬌声を上げた。
「きよたん、急に積極的になったわね。そうよ、私のここは早くきよたんに挿れて欲しくて、さっきからウズウズしてるのよ」
「前戯とかしなくて、いいんですか?」
「いらないわ。わたしが、このままきよたんの上に乗っかるから、きよたんは私の膣内に思い切り出すだけでいいのよ」
「分かりました」
タマキ先生は、待ちかねたように僕の上に跨がり、僕の愚息を蜜壺の中へと沈めていった。先生の膣内はとても熱くなっていて、思った以上に気持ち良い。
くぐもった声を上げながら腰を振り始めたタマキ先生に、僕は思わず声を掛けた。
「・・・・・・先生、僕のってどうですか?」
「う、きよたんのはね、ううん、太くて固くて、ううん、奥にまで届いちゃうわよ。ああん、こんなの、初めて・・・・・・」
タマキ先生は、結構経験豊富なはずなのに、腰を振るその姿には余裕が感じられず、むしろ未知の快感に戸惑っているような様子さえ感じられた。そんな先生の姿を見て、僕はタマキ先生を征服してみたい、という感じの欲求を抱くようになった。
「ひゃうん!!??」
僕が下から腰を振り始めると、タマキ先生は驚きの声を上げた。間もなく、先生の身体が大きく震え、僕の愚息がぎゅっと締め付けられる。その刺激に耐えられず、僕は先生の膣内に一発目を発射した。
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
僕の射精を受けて、タマキ先生は一瞬満足そうな顔をしたが、僕の腰の動きが止まらないことに気付くと、間もなく悲鳴を上げた。
「き、きよたん、先生もうイッてる! イッてるからあ・・・・・・」
「これは、僕のことずっとえっちな目で見てた、タマキ先生へのお仕置きです! 先生のこと尊敬してたのに! この変態エロ教師!」
「いやあああ、おかしくなっちゃう~!!!」
僕は、敢えてタマキ先生の制止を聞かず、三発目を発射するまで容赦なく腰を振り続けた。
体力を使い果たし、息も絶え絶えになったタマキ先生をベッドに寝かし付けた後、僕は先生の髪をそっと撫でながら、声を掛けてみた。
「タマキ先生、大丈夫ですか?」
「・・・・・・何が『大丈夫ですか』よ? きよたん、こんなやり方、どこで覚えたの?」
「主にもえちゃん対策で覚えました」
「はあ、・・・・・・こんな激しいえっちを毎日のように続けられたら、誰だっておかしくなるわね。まったく、抜かず休まずの3連発なんて、聞いたこと無いわよ」
「お気に召しませんでしたか?」
「やり過ぎよ・・・・・・。他の女の人への精子提供は、こんなに激しくしないでね。でも、こんなえっちを毎日のようにしてもらえる、もえちゃんたちがちょっと羨ましいかも」
「・・・・・・」
僕は、思わず口ごもってしまった。
「大丈夫よ、きよたん。今更きよたんに惚れたりしないわよ。きよたんの精子は確かにもらったから、後はみなみちゃんたちを満足させてあげなさい」
「今日はもえちゃんの日なんで、もえちゃんに搾り取られてきます」
「はいはい。先生はこのまま休むわね」
「お大事に」
僕はタマキ先生に別れを告げ、先生の部屋を去った。
◇◇◇◇◇◇
その夜。
「ねえ、きよたん」
いつものように僕の上に跨がりながら、もえちゃんが僕に話し掛けてきた。同じ騎乗位でも、やっぱりもえちゃんの方が気持ち良い。タマキ先生には悪いけど。
「何? もえちゃん」
「今日の精子提供って、どんな人が相手だったの?」
もえちゃんの質問に、僕は暫し考えたものの、結局正直に答えることにした。
「タマキ先生だった」
「はあ!?」
もえちゃんは、一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐ平静に戻った。すぐに息が上がってしまったタマキ先生に比べると、こんな会話をしながらも休み無く腰を振り続けられるもえちゃんの体力って、改めて凄いと思う。
「・・・・・・考えてみれば、そんなに意外でもないわね」
「そう?」
「タマキ先生って、日頃から若い男の子の童貞を頂くのが好きでこの仕事やってるのよ、なんて言ってた人だし、きよたんより先に来た、あのヨーイチとかいう奴ともえっちしてたから、きよたんを狙っていたとしても、ある意味当然と言えば当然よね」
「そういえば、もえちゃんって僕たちと違って、タマキ先生とは結構長い付き合いだったよね」
「そうよ、半年以上も世話になったわ。それできよたん、タマキ先生とあたしと、どっちがいい?」
「それはもちろん、もえちゃんの方がいいよ」
「即答ね。とりあえず、嘘はついてなさそうね」
もえちゃんは、僕の顔をしげしげと眺めた後、満足そうな笑みを浮かべた。
「今日のきよたんって、精子提供をした後のはずなのに、珍しく自分からあたしにえっちをおねだりしてきたし、えっちも普段より積極的で激しいわね。やっぽり、タマキ先生の言ってたことって、正しかったのね」
「・・・・・・タマキ先生が、一体どんなことを言ってたの?」
「・・・・・・『菜種油ときよたんは、絞れば絞るほどよく出る』だったかな?」
「はあ!? それってどういう意味?」
「えっとね、きよたんって、精力旺盛な割に内気な子だから、あたしみたいに気心の知れた相手以外とえっちしたがらないじゃない?」
「うん」
「でも、ううん、そろそろイキそう・・・・・・」
「話の続きは、イッた後でいいよ」
僕がそう言うと、もえちゃんは腰の動きを早めて、嬌声を上げながら激しく身体を痙攣させた。これが他の女の子なら、イッた後はしばらく休憩したがるところだが、もえちゃんはいつものように、ほとんど休むこと無く腰を振り続ける。
もえちゃんって、えっちのことを割と本気で、肉体の鍛錬か何かと勘違いしているのでは無いだろうか。僕がそんなことを考えていると、もえちゃんがさっきの続きを話し始めた。
「・・・・・・それでね、男の子はきよたんみたいな子でも、内心では他の女の子も味見したいなあって思っているから、時々無理矢理にでも他の女の子とえっちさせると、それが刺激になっていっぱい出せるようになるって、いつかタマキ先生が言ってたのよ。それがそのとおりだったわねってことよ」
「・・・・・・僕としては嫌な思い出を、もえちゃんとのえっちでかき消したいって気持ちは確かにあるけど」
「タマキ先生とのえっちって、そんなに嫌だったの?」
「嫌というか、僕はタマキ先生のことを、ある意味人生の先輩って感じで尊敬していたんで、先生と身体の関係になることは望んでなかった。あと、タマキ先生とのえっちで、僕には年上趣味は無いんだってことが、改めてよく分かった」
「きよたん、ずいぶん正直ね」
もえちゃんは僕を見てクスリと笑い、話を続けた。
「でもね、きよたん。精子提供の相手って、年上ばかりだと思った方がいいわよ」
「本当?」
「うん。あたし、訓練生としてセンターで過ごした時間が結構長かったから、精子提供を受けに来た女性も結構見てるのよ。大体が20代から30代で、見た目が悪い上にろくに化粧もせず、いかにもオバさんって感じの人が多かったわ」
「・・・・・・」
「タマキ先生の話だとね、アマツで産まれた女性のうち顔も性格も良い子は、大体12歳から13歳くらいで嫁に行かされる、その次くらいに良い子は十代のうちに自力で結婚相手を見つけるか、見つけられなくても子供を産みたくなったとき、精子を提供してくれる男くらい簡単に確保出来るから、わざわざトーキョー・シティーの精子提供制度を利用する必要は無いって」
「・・・・・・そう言われれば、そうだね」
「だから、わざわざ精子提供を受けに来る女性は、女としては並以下って人が多くて、それが原因で精子提供を嫌がる男も多いんだって。あたしは精子提供ってそういうもんだと知ってたから、きよたんが精子提供するって話に反対しなかったのよ。精子提供の相手がタマキ先生なら、むしろかなりマシな方ね」
「・・・・・・それだと、明日からはもっと酷い相手とえっちしなきゃいけないって事か」
「きよたん、落ち込んでないで、今はあたしとのえっちに集中しなさい。あたしは、タマキ先生とは比べものにならないくらい、存分にきよたんを味わってやるんだから・・・・・・」
「もえちゃんとはいつもしてるんだし、そこまで意地にならなくてもいいと思うんだけど」
「きよたんとは、いくらしても足りないのよ。上手く言えないけど、何か満たされないものがあるって感じで・・・・・・」
「満たされないもの、ねえ・・・・・・」
僕は、しばらくもえちゃんの顔を見ながら、ふと思い付いたことを口にしてみた。
「・・・・・・キスとか、してみる?」
「しないわよ。そういうのは、みなみちゃんとやりなさい」
もえちゃんに即答で断られた。
「でも、もえちゃんって、僕と散々えっちしている割には、何となく僕と、心の距離を置いているようなところがあるよね」
「そう?」
「うん。僕とのキスを嫌がるところとか、特に」
「心の距離が無かったら、どうするって言うのよ?」
「えっちはキスから始めて、次に胸を触って・・・・・・って感じになると思う」
「きよたん、あたしはいつも嫌だって言ってるのに、そんなにあたしの胸を触りたいわけ?」
「・・・・・・触りたい」
「あたしの胸なんて、見てのとおりペッタンコよ。触っても意味ないでしょ?」
「そんなこと無いよ。もえちゃんの胸は綺麗だし、それに・・・・・・」
「それに?」
もえちゃんの問いに対する僕の正直な答えは、胸を触るともえちゃんが面白いくらいに反応してくれるので、とても触りがいがあるというものだったが、以前それを口にした結果、もえちゃんに怒られたことがある。
そのため、何と答えるべきかしばらく迷ったものの、
「・・・・・・女の子の胸を触りたいというのは、男の本能だと思う」
結局、こう言い繕った。
「よく分かんないけど、女の子の嫌がることを、無理矢理するのは良くないわよ」
「はーい」
僕は素直に妥協した。できれば、もえちゃんと合意の上で胸を触りたかったが、合意が得られなくても、いつものようにもえちゃんが疲れてから行動に移せば、どうせもえちゃんは抵抗できないのだ。
そうこうしているうちに、もえちゃんが再び絶頂を迎える。僕もそれに合わせて、本日何度目になるか分からない絶頂を迎える。激しいえっちで互いに体力が尽きてくると、もはや話をする余裕も無くなり、目の前のえっちのことしか考えられなくなる。
そして、いつものようにもえちゃんが、意地でも僕を離さないと言わんばかりに僕を組み敷いたまま絶頂により気絶したが、そのときもえちゃんの唇が僕の唇に触れた。その感触を楽しみながら、僕も疲れにより次第に意識を失っていく。この日の夜は、こうして更けていった。
◇◇◇◇◇◇
後日談になるが、この日の精子提供でタマキ先生は僕の子を妊娠し、産まれた男の子には『キヨタ』という名前が授けられた。アマツの法では直ちに僕の子となるわけではないが、思えばあのときが、僕の遺伝子を引き継ぐ新たな生命の産まれた、初めての瞬間だった。
(第36話に続く)
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