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第2章 トーキョー編 目指せ! モンスター・ゼロ!
第25話 きよたんの絶倫は誰のせい?
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第25話 きよたんの絶倫は誰のせい?
アラ川で敵の大軍に遭遇してから2日後、僕たちはようやくトーキョー・シティーに戻ることが出来た。
「きよたかさん、何となく町の中が騒がしいですね」
「なんか、お祭りでもやるような雰囲気ね」
みなみちゃんやもえちゃんの言うとおり、トーキョー・シティーでは何かの催し物が企画されているらしく、皆そのことで慌ただしくなっているようだった。
「事情はよく分からないけど、とりあえずセンターに戻ろう。これから何があるかは、たぶんタマキ先生あたりに聞けば分かるよ」
トーキョー・シティーの城壁内はかなり広く、東門から冒険者人材育成センターまでは普通に歩くと2時間くらいかかってしまうのだが、今回はみなみちゃんと瑞穂の『ヘイスト』を活用して時間を大幅に短縮し、1時間弱くらいでセンターに戻ることができた。城壁内は、人通りが少ない割に広くて立派な道路が整備されているので、人通りの多い中心部以外は、人や馬車が『ヘイスト』を使って全力疾走しても、事故を起こす危険はあまり無い。
センターに戻った僕たちは、早速3階の『クエスト総合案内』に行き、例のアイラさんにクエストの達成を報告した。
「はい、クエスト達成ですね。お疲れ様でした~。早速、達成度の評価手続きをさせて頂きますね~」
クエスト管理を担当しているアオヤマのアイラさんは、最初のうちはおっとりした口調で僕の報告や説明に答えていたが、ノダ町長からの評価書や、僕たちが討伐したモンスター数のデータに目を通すと、例によっ急に口調が変わった。
「・・・・・・何ごれ!? クエスト期間中に倒した敵の数が、合計15万7816匹!? この子だち、ひょっとして人間じゃなぐてバケもんじゃね!?」
アイラさんが、蒼ざめた顔でそんな独り言を漏らしている。
「アイラさん、僕たちの評価はどうなりそうですか?」
「あ、すみませんでした~。きよたかさん一行の活躍ぶりが、こちらの想像をはるかに超えていましたので、ちょっと取り乱してしまいましたが、少なくとも最高評価の報酬10万アマツ円は確実にお出しできますね~! それと、きよたかさん一行はクエストの遂行中に、盗賊団の親玉で賞金首になっていたマサヒロ・ヒガシデと、カツシカ村のユッキーナを討ち取られていますので、その賞金が各10万アマツ円になります~」
「賞金首って、センターではそんなことまで把握できるんですか!? 別に、倒した証拠を持ち帰ったわけでもないのに?」
「もちろん把握できますよ~。このセンターでは、冒険者さんの働きを把握するため、最新の情報魔術が惜しみなく使われていますから、討伐した盗賊やモンスターの数だけではなく、賞金首を取ったかどうかも、冒険者にあるまじき悪事を働いていないかどうかも、随時冒険者カードを通じて、センターに情報が入ってくるんですよ~」
「・・・・・・でもそれって、あたしたちはセンターに監視され続けてるってことよね? まさか、あたしたちがいつ、どんなえっちをしたかなんてことまで把握されてたりするの?」
「もえさん、大丈夫ですよ~。冒険者さん同士の性生活は個人の自由ですから、さすがにそんな情報は入ってきませんよ~。センターに入ってくるのは、あくまで冒険者としての評価に必要な情報だけですよ~」
「まあ、それならいいけど。でも、あたしたちの行動は随時把握されている上に、万引きなんかしたら即死刑って言うんじゃ、間違っても悪いことなんか出来ないわね」
「そうですね~。そもそも、ユーリコ知事がこのセンターを設立した大きな理由の一つが、悪質な冒険者さんによる不正行為や違法行為の防止ですから、そのへんは徹底されてますよ~。それはともかく、タマキ所長からは、きよたかさんの一行が戻ってきたらすぐ自分のところに通すようにと言われてますので、お疲れのところ申し訳ありませんが、所長のいる2階の『教室』へ行ってくださいね~。所長のお話が終わったら、その後はセンターで数日ゆっくりお休みされても大丈夫ですので」
「タマキ先生のところへですか? 分かりました」
僕たちが、言われたとおりタマキ先生のいる『教室』へ向かおうとすると、アイラさんに呼び止められた。
「あ、すみません、忘れてました~! きよたかさん、クエスト達成報酬と賞金首報酬の合計30万アマツ円ですが、受け取り方法は現金がよろしいですか? きよたかさんは、シブサワ銀行に口座をお持ちのようですので、口座振込で受け取ることもできますよ~」
「・・・・・・現金だと盗まれたりしそうなので、口座振込でお願いします。今後の報酬なども同じく口座振込ということで」
「承りました~」
アイラさんは、すこしほっとしたような表情でそう答えた。アイラさんとしても、30万アマツ円、日本円にして約3000万円相当もの現金を手渡しするのは大変な作業なのだろう。
・・・・・・それにしても、このアマツは戦国時代と現代と近未来が共存しているような世界だ。現代日本に比べ文明的に進んでいるのか遅れているのか、どちらとも断定しづらい。
◇◇◇◇◇◇
「あ、きよたんたち、全員無事に戻ってきたのね」
僕たちを出迎えたタマキ先生は、少し疲れたような表情を浮かべていた。
「先生、何だか少しお疲れのようですね」
「誰のせいだと思ってるのよ! きよたんが、これまで聞いたことも無い数の救出者や降伏者を送りつけてきて、その後始末をあたしに押しつけて、こっちはその処理にようやく目処がついたばかりなのよ! そうでなくても、今のトーキョー・シティーは第2回トーキョー・ゴリンピックの準備で大忙しで、あたしも警備の指揮を執らなきゃいけないし、ユーリコ知事が過労で入院しちゃって、トーキョー・シティーの政庁はほとんど麻痺状態だし・・・・・・」
「先生、トーキョー・ゴリンピックって何ですか?」
「ガースー総統の肝煎りで、5年に1回トーキョー・シティーで開催されることになったスポーツの祭典よ。アマツ世界のオリンピックみたいなものね。明後日から始まるんだけど、今回は財政難と治安悪化を口実に、開催期間は3日間、協議種目も大幅に減らして、予算を大幅に削減できたわ。それでも、トーキョー・シティーでは珍しいお祭りみたいなものだから、きよたんたちも見に行ったらいいんじゃない?」
「ああ、帰ってくる途中でトーキョー・シティーの人たちがなんか騒がしいと思ったら、それが原因だったんですか」
「ああ、確かに町の中も、ここ数日はお祭りモードに入っているわね。いや、あたしがきよたんたちをわざわざ呼び出したのは、そんな話をするのが目的じゃ無いのよ!」
「何の話が目的なんですか?」
僕が尋ねると、タマキ先生は急にニンマリとした顔になった。
「きよたん、もう一つの『クエスト』は無事達成できた?」
「もう一つのクエスト?」
「もう忘れちゃったの? 無事童貞を卒業出来たかって聞いてるのよ」
「そう言われれば、そんなことが問題になってた時代もありましたね・・・・・・」
日数はそんなに経っていないはずなのに、何故かずいぶん昔のことのように感じられた。
「その顔だと、もうとっくに童貞は卒業しましたって感じね」
「タマキ先生、もうそんな心配は必要ないわよ。今のきよたんは、毎日何度も猿のように、あたしたちとえっちしまくりの生活送ってるから」
「もえちゃん、その言い方だと、まるで僕一人が盛ってるような誤解を招きそうなんだけど・・・・・・」
「そうじゃないの?」
タマキ先生が、若干意外そうな顔をして尋ねてきたので、僕は全力で反論した。
「僕たち4人の中で一番盛ってるのは、僕じゃなくてもえちゃんです! もえちゃんは、自分の日になると有無を言わせず僕に襲いかかってきて、何時間も僕の上に跨がって死ぬほど絞り尽くそうとしてきて、僕がもう出ないから許してって悲鳴を上げても止めてくれないんです! 昨日はちょうどもえちゃんの日で、結局夜が明けるまで徹底的に絞り尽くされて、やっと解放されたと思ったら、今度はみなみちゃんと瑞穂がもう我慢できないっておねだりしてきて・・・・・・」
「きよたかさん、瑞穂ちゃんはともかく、私は別におねだりしたわけじゃ・・・・・・」
「みなみちゃん。確かに口に出してはいないけど、僕が瑞穂の相手をしているのをちゃっかり覗き見して、あからさまに発情してますって感じで顔を真っ赤にして、身体をモジモジさせて股間からえっちなお汁まで垂らして、僕と目が合うとすがるような目でしてたよね? 今日は本来みなみちゃんの日だし、あんなエロ過ぎる格好でおねだりされたら、僕としてもさすがに無視はできないんだけど」
「わ、わたし、そんなふしだらな格好してました!?」
「してたわよ」
「瑞穂も見てたよ」
とぼけるみなみちゃんに、もえちゃんと瑞穂が突っ込んだ。
「・・・・・・要するに、きよたんとしては自分が3人を若い性欲のはけ口にしているのではなく、3人ともきよたんとのえっちに病みつきになっちゃって、3人の相手をするのに苦労してるって主張したいわけね?」
「そういうことです」
「まあ、そういうきよたんの主張は、主張として聞いておくわ。それじゃあ、きよたんのえっちがどのくらい成長したか、ステータス画面で確認させてもらうわね」
タマキ先生はそう言って、ステータス画面で僕のスキルを確認した。
「えっ!? 『性愛』のレベルがもう17!? しかも、この『名槍』レベル13って何よ!? きよたん、えっちで挿入するようになったの何日前からなのよ!?」
「えっと、何日前からでしたっけ・・・・・・」
第25話ともなると、話が長くなって次第に時系列が分かりにくくなってきたので、アマツ世界の日付を入れて、これまでの話の流れを振り返ってみることにする。
・アテナイス108年5月7日
僕がアマツ世界に転生した日。タマキ先生やコハルさん、もえちゃん、そしてみなみちゃんと出会う(第2話、第3話)。
・同8日
冒険者人材育成センターでの訓練が始まる。瑞穂と出会う(第4話、第5話)。
・同9日
訓練2日目、タマキ先生のお勧めに従って最初のSP(スキルポイント)割り振りを行う(第6話の1、第6話の2)。
・同15日
訓練8日目。タマキ先生から『特別授業』という名の羞恥プレイを受け、その夜にコハルさんからオナニー防止ポーションを飲まされ、瑞穂を相手に初めて女の子とえっちなことをする(第7話、第8話)。
・同16日
訓練9日目。風呂場でもえちゃんのオナニーを初めて目撃する(第9話)。
・同20日
訓練の一環で、タマキ先生にトーキョー・シティーの案内をしてもらい、その夜みなみちゃんと、初めてえっちなお風呂に入る(第10話)。
・アテナイス108年6月13日
訓練所の卒業筆記試験に合格(第11話)。
・同14日
訓練所の最終模擬クエストに挑戦し、キラータイガーと初めて対戦する(第12話)。
・同15日
ゴブリンたちに捕らえられたエイルとフライヤを救出(第13話)。
・同16日
訓練生を卒業。冒険者として初めてのクエストを受注し、装備を調える(第14話、第15話)。
・同19日
フナバシ・タウンへと出発。アラ川まで進み、アラキ君をはじめとする盗賊団からの降伏者や救出者合計35名をトーキョー・シティーに送り出す(第16話)。
・同20日
スライムに襲われて欲情したもえちゃんと初えっち。途中で爆弾低気圧の暴風雨に見回れるも、何とかフナバシ・タウンに到着(第17話、第18話の1、第18話の2)。
・同21日
フナバシ・タウンに押し寄せてきた盗賊団を撃退。もえちゃんが騎乗位を覚える(第19話)。
・同22日
フナバシ・タウンから、採掘場跡への遠征を開始。この日からえっちのローテーション制がスタート。みなみちゃんとの挿入えっち初体験を済ませる(第20話)。
・同23日
瑞穂との挿入えっち初体験を済ませる(第21話)。
・同24日
北フナバシ採掘場跡に突入し、自称ビッグボス(賞金首のマサヒロ・ヒガシデ?)と、スライムビッグボスを倒す(第22話)。
・同25日
採掘場跡を出発し、その日のうちにフナバシ・タウンへ帰還(第23話)。
・同26日
フナバシ・タウンを出発し、アラ川に陣取っていたユッキーナ率いる盗賊やゴブリンの大軍を、翌朝までに夜襲で全滅させる(第24話)。
なお、第19話で述べたとおり、日本と異なりアマツ世界の1ヶ月はすべて30日までとなっているため、5月31日といった日付は存在しない。念のため。
このように整理してみると・・・・・・
「タマキ先生、僕たちが訓練生を卒業したのが6月16日で、今日が6月28日で合ってますか?」
「合ってるわよ」
「だとすると、初体験が6月20日なので、9日前からになります」
僕が答えると、なぜかタマキ先生は無言になって頭を抱えた。
「・・・・・・タマキ先生、何か問題でも?」
「問題というより、もうどこから突っ込んでいいか分からないわ」
そう答えるタマキ先生は、心の底からあきれ返っている様子だった。
「いい、きよたん? まず、『名槍』ってスキルは、普通は大体25歳を過ぎてあっちの方が衰え始めてきたっていう男性冒険者が、衰えを防止するために取るものなのよ。きよたんみたいな若くて元気な男の子が取るスキルじゃ無いわ」
「そうなんですか? スキルの授業では『名槍』について何も教わって無くて、スキルの存在自体、もえちゃんから聞いて始めて知ったんですけど。ちなみにもえちゃんは、フライヤさんから聞いたみたいですけど」
「この世界で冒険者が習得できるスキルは種類が多すぎるし、訓練の授業時間にも限りがあるから、重要性の低いスキルや、上級職にならないと習得できないスキルの解説なんてしてる余裕は無いのよ。話を戻すけど、きよたんの年齢で『名槍』スキルを取っちゃうってことは、日本で言えば16歳くらいの高校生が、中高年向けの強力な精力剤を飲みまくるようなものよ。そんなことをしちゃったら、精力が強くなり過ぎて、毎日何度もえっちしないと満足できない、とんでもない絶倫君になっちゃうわよ」
「確かに、実際そんな風になっちゃってるような気はしますけど・・・・・・。でも、『名槍』スキルは僕が取りたくて取ったんじゃ無くて、もえちゃんが取れって言うから仕方なく取っただけなんですけど・・・・・・。ちなみに、習得したのは6日前です」
「あのね、きよたん。『性愛』スキルと違って、『名槍』スキルの経験値は、実際に女の子の膣内に挿入しているときにしか上がらないから、普通はスキルを習得しても、レベル10まで上がるのに半年くらいかかるものなのよ。それが、たった6日間でレベル13って、どういうえっちの仕方してるのよ?」
「タマキ先生、別に変なことはしてないわよ。きよたんってイクのは早いけど、なぜか何回イカせてもあまり小さくならないから、あたしの日は何時間も挿れっぱなしにしているだけよ。眠るときは朝まで挿れっぱなしにすると、すごくスッキリするわ」
僕の代わりに、もえちゃんが悪びれる様子も無くそう答えた。
「・・・・・・ああ、もえちゃんが名槍清隆丸をそんな風に酷使しちゃってるわけね。それなら『名槍』スキルが急成長しちゃうのも無理は無いわ」
「タマキ先生、僕って『名槍』スキルを取らされる前から、何故か何回射精して満足しても小さくならなくて、そのせいで僕がまだえっちしたがってるって誤解されることが多いんですけど・・・・・・」
「ああ、それは『オナニー防止ポーション』の効果よ。あのポーションはね、もともと尋問用に開発されたものなのよ」
「尋問用?」
「そう。犯罪の容疑者なんかを尋問するとき、残酷な拷問でいくら苦痛を与えても口を割らない人っているでしょ? そこで、拷問よりはるかに効果的かつ人道的な手段として開発されたのが、オナニー防止ポーションを使った尋問なのよ。男性の場合、オナニー防止ポーションを飲まされると、股間が激しく勃起して性欲が高まるけど、オナニーや夢精は出来なくなって、女性に手伝ってもらわないとイクことは出来ないの。そして何回射精しても勃起は収まらないから、拘束されてオナニー防止ポーションを飲まされた容疑者は、言われるがままにすべてを白状するまで、無限地獄のような性欲から逃れることは出来ないのよ。ちなみに、女性用はクリトリスが勃起しちゃって、男性の手を借りないとイクことが出来ない身体になるんだけど、それ以外の効用は男性用とほぼ同じ。男女ともに、このポーションを使っての尋問に耐えられた人はいないらしいわね」
「まあ、そんな尋問に耐えられる人はまずいないでしょうけど、それって人道的な方法なんでしょうか・・・・・・?」
「少なくとも、手足の指を一本ずつ切り取っていくような拷問よりははるかにマシでしょ。解除ポーションを飲めばすぐもとの身体に戻るんだから。それで、アマツの人口不足、特にえっちの出来る男性不足がいよいよ深刻になってきて、特に若い男の子のオナニーを規制しなければ人類が滅びてしまうって議論になったとき、拷問用に開発された男性用オナニー防止ポーションを、少子化対策に転用することが決まったのよ。このポーションを飲ませれば、きよたんみたいに内気でなかなか女の子とのえっちに踏み切れない男の子でも、女の子とえっちしないと生きられない身体になっちゃうからね。もっとも、日本でいうLLGBTみたいに、もともと女性に対し性的関心を持てないタイプの男性にはポーションを飲ませても効果はないから、『少子化対策特別措置法』でも、そういう男性は規制の対象外になってるんだけど」
「結局のところ、僕がこんな身体になっちゃったのって、タマキ先生のせいじゃないですか! よりによって、僕にそんなポーションを飲ませるなんて!」
「私のせいじゃないわよ。トーキョー・シティーの少子化対策措置法で、オナニーを止められない15歳以上40歳未満の男性に対しては、矯正教育の一環として知事の指定する薬品、すなわち男性用オナニー防止ポーションを飲ませなければいけないって明記されてるんだから。きよたんも結構アマツの法律勉強してたから、知ってるでしょう?」
「確かに、そんな感じのことが書かれている条文はありましたけど・・・・・・」
「先生とコハルさんは、あくまでアマツの法に従って、きよたんに矯正教育をしただけよ。悪いのはむしろ、先生がいくらえっちを誘っても急かしても、えっちしようとせずオナニーばかりしていたきよたんの方よ」
「・・・・・・それは、確かに僕の落ち度ではありますけど、それなら何故、オナニーはアマツの法律で禁止されてるって最初から教えてくれなかったんですか?」
「ああ、それはね。きよたんって、成績優秀だけどなんかいじりがいのある子じゃない? 法律を持ち出すより、しばらく敢えて泳がせて、オナニー防止ポーションを飲ませる展開にした方が面白いかなって思ったのよ。きよたんみたいに、性欲旺盛なのにえっちに消極的な男の子ってこれまで見たこと無かったから、そんなきよたんがポーションでどんな風に変わるのか、先生としても興味あったし」
「結局、先生が飲ませる方向に誘導したんじゃ無いですか!」
「でも、きよたんって訓練生の頃はいくら急かしても結局挿入までは行かなかったのに、何がきっかけでえっちするようになったの?」
タマキ先生は、僕のツッコミを完全にスルーし、さらりと話題を変えた。
◇◇◇◇◇◇
「タマキ先生、最初にきよたんの相手をしたのはあたしよ」
「初めてはもえちゃん? でも、訓練生時代のもえちゃんときよたんは、挿入どころかえっちなこともする関係じゃ無かったのに、何がきっかけで関係が進展したの?」
「それはね、あたしがスライムに襲われて、服を溶かされてあられもない姿になっちゃったとき、そんなあたしを見たきよたんが、もう我慢できない、えっちさせてくれって言うから、させてあげたのよ」
「ダウト~~~~~~!!!」
もえちゃんの事実を歪曲した説明に僕が抗議の声を上げるより早く、なにやら久しぶりに聞いたような女性の大声が、教室中に響き渡った。多分これは、このアマツ世界を管理する駄女神、アテナイスさんの声だ。
「・・・・・・この声は、女神アテナイス様?」
「そのとおりよ、タマキ・セト。女神アテナイスの名において宣言するわ。このモエ・カミズルとかいう生意気な小娘冒険者は、重大な嘘を付いていると!」
「では、アテナイス様は真相をご存じなのですか?」
「私はこの世界を管理する女神なんだから、その気になれば簡単に分かるわよ。この小娘はね、私が仕掛けたスライムの罠に引っ掛かって、服を溶かされた挙げ句イク寸前で動きを止められる寸止めプレイを続けられて、ちょうど助けにやってきたきよたんを見ると我慢できなくなって、『挿れなさいよ! 早くしないと殴るわよ』なんてはしたない命令をして、きよたんとの初体験を遂げたのよ!」
「いやあああああああああ!!」
アテナイス様にあっさり真相を暴露され、もえちゃんが恥ずかしさのあまり悲鳴を上げて悶絶した。
「えーと、アテナイス、さま?」
「なーに、きよたん? えっちは気持ち良かったでしょ?」
「今の話だと、僕ともえちゃんの初体験って、要するにアテナイス様が仕組んだことなんですよね?」
「そうよ」
いともあっさり認めるアテナイス様。
「一体どうして、そんな手の込んだ悪戯を?」
「それはね、このモエって小娘、名字がやたら読みにくい上に、私のことを馬鹿女神なんて呼んで馬鹿にしているから、いつか女神の力を見せつけて、お仕置きしてやろうと思ってたのよ。最高にはしたない形で初えっちさせるのも、その真相を私がこの場で暴露させるのも、すべて私の作戦どおり! いいこと? きよたんも私のことを駄女神なんて呼んで侮っていると、そこで悶絶している小娘みたいな目に遭うのよ! よく覚えておきなさい」
高らかに宣言するアテナイスさんの言葉に、みなみちゃん、瑞穂、そしてタマキ先生がそれぞれ感想を漏らした。
「きよたかさんともえさんが、どうして急にえっちする関係になったのか、ずっと不思議に思っていたんですけど、女神様の仕業だったんですか・・・・・・」
「恐ろしきかな、女神の力! この偉大なる魔眼の女王バロール様も、女神の逆鱗に触れぬよう気をつけねば・・・・・・」
「でも、アテナイス様? 関係がなかなか進展しなかったきよたんともえちゃんをくっつけてくれたのは有り難いんですけど、この世界を統べる女神様にしては、やることがあまりに大人げないような気がするんですけど、私の気のせいでしょうか?」
「うっ」
タマキ先生のツッコミに、言葉を詰まらせるアテナイスさん。僕は敢えて発言しなかったが、タマキ先生の意見には僕も全く同感だ。
「・・・・・・いえ、私も単なる小娘への仕返しだけを目的に、あんなことをしたわけじゃないわよ。そこにいるきよたんは、アマツ世界に転生すればえっちし放題っていう誘い文句にノリノリだったから、思う存分えっちを楽しめるよう性欲と精力を人類最強クラスに設定して送り込んであげたのに、恥ずかしがり屋さんでなかなかえっちに踏み切れない様子だったから、私自ら背中を押してあげたのよ。小娘への仕返しは、むしろそのついでよ」
「アテナイス様。女神様のくせに、嘘を付かないでください!」
「え? 何のことかしら?」
僕の発した言葉に、アテナイスさんがすっとぼけるので、僕はさらに続けた。
「僕は、アテナイス様にこの世界へ転生する話を持ちかけられたとき、なんか怪しい話だと思って断ろうとしたんですけど、アテナイス様は断ったらアフガニスタンで転生することになるって言って脅したり、言われたとおり転生してくれれば特別に『ナイト』からのスタートにしてあげる、さらにアテナイス・ソードも付けてあげるって言ったり、それでも僕が難色を示すと、僕に断られたらアテナイス様自身が、これまでの責任を取らされて神界史編纂室に飛ばされちゃうって泣き落としに掛かってきたから、仕方なく転生を引き受けたんじゃないですか! もう忘れたんですか!?」
「えっ? きよたんが最初から『騎士』として転生してきたのって、そういう理由だったの?」
「そういう理由だったんです、タマキ先生」
「ちょ、ちょっと、デタラメ言ってるんじゃ無いわよ! この優秀な女神アテナイス様が、統治不行届きを理由に神界史編纂室へ幽閉され、女神から降格させられるなんてあり得ないわ!」
「じゃあ、アテナイス様。通称『アマツ世界』と呼ばれているこの世界に付けられている番号って、何番でしたっけ?」
「ああ、神界で付けている管理番号のことね。第39167世界よ」
「残念でした。正解は第32695世界です」
「何言ってるのよ! きよたん、人間の分際で、女神様の言っていることが間違いだって言うの!?」
「・・・・・・アテナイス様。横から口を挟んで申し訳ありませんが、管理番号についてはきよたかさんの仰っているものが正解です。というか、この世界を管理する女神となられて100年以上も経っているのですから、5桁の管理番号くらい覚えて頂かないと」
この場にいない別の女性の声が、アテナイスさんをたしなめた。この声はたぶん、天使のアズリエルさんだ。
「・・・・・・まあ、人間との話はこのくらいにしておくわ。きよたん、あなたがこのアマツ世界に転生してきた経緯については、今後一切他言無用よ。これ以上言いふらして、この女神アテナイス様の権威を貶めようとするなら、未だにそこで悶絶している小娘のように、思いっきり恥ずかしいお仕置きをしちゃうからね!」
アテナイスさんは、一方的にそんなことを言い残し、その後アテナイスさんの声は聞こえなくなった。
◇◇◇◇◇◇
「なんか、もの凄く珍しい話を含め、事情は色々聞かせてもらったけど、きよたんがものすごい絶倫君になっちゃった原因は、やっぱりきよたん自身にあるみたいね」
「タマキ先生! どうして、そんな結論になるんですか!?」
「実は、きよたんが訓練生だった頃から薄々感じてたんだけどね、きよたんって結構えっちの才能あるわよ」
「えっちの才能って何ですか!?」
「きよたんは、冒険やアマツ世界のことに関する勉強にも熱心だったけど、それと同じくらい、えっちで女の子を気持ち良くさせるための勉強にも熱心だったのよ。実際、訓練生時代にきよたんの相手をしていたみなみちゃんや瑞穂ちゃんは、きよたんがえっちの勉強に熱心で、しかもテクニックがどんどん上手くなっていくから、まだ挿入も済ませていないのに、きよたんとのえっちに病みつきになっちゃってたし」
「・・・・・・そうなの?」
僕の問いに、みなみちゃんと瑞穂は揃って頷いた。
「それに、さっき見せてもらったきよたんのスキルレベルだって、名槍レベル13があまりに規格外だからあまり目立たないけど、若干16歳で転生後わずか1ヶ月半、転生前のえっち経験無しという男の子が性愛レベル17っていうのも、先生がこれまで見たこと無いくらい、凄い伸び方なのよ。例えばヨーイチ君は、性愛レベル11でお亡くなりになっちゃったし、先生が見てきた他の男の子も、大体卒業後1ヶ月だと、性愛レベルはせいぜい11か12くらいが普通ね」
「・・・・・・そんなもんなんですか?」
「そんなものなのよ。ほとんどの男の子は、童貞を卒業するとえっちで自分が気持ち良くなることばかりに夢中になって、女の子を気持ち良くさせることなんて気にもしないから、そういう身勝手な男の子にならないように、男子の訓練生には私やコハルさんが性の手ほどきをしてきたのよ。でも、きよたんにはそういう心配は必要なかったわね。性愛レベル17って、実は結構なえっちのテクニシャンとしてそれなりに通用するレベルよ。絶倫君の上にテクニックもあるなら、同じパーティーの3人が揃ってきよたんとのえっちに夢中になっちゃうのも、むしろ当然のことだと思うわよ」
「・・・・・・はあ」
「それときよたん、もしきよたんが日本で死ぬこと無く、健康な身体を持ったみなみちゃんと出会って、えっちする恋人関係になったとします。でも、当のみなみちゃんは自分とのえっちにいまいち満足できていなくて、その原因はどうやら、きよたんの精力不足が原因のようだったとします。そういうとき、きよたんだったらどうする?」
「・・・・・・それはもちろん、みなみちゃんを満足させられないのは自分の責任ですから、どんな手段を使っても鍛えようとすると思います」
「いい答えね。でも、ほとんどの男の人は、そんな風には考えないのよ。男の人にとってえっちは、自分が射精して満足したらそれで終わり。たとえ自分のお嫁さんが、自分とのえっちに満足できずオナニーしていても、嫁がオナニーしてうるさいって言うだけ。きよたんみたいに、自分のパートナーが性欲をもてあましていたら、多少無理してでもえっちで鎮めてあげようなんて考える優しい男の子は、滅多にいないのよ」
「つまり、僕が女の子の世話を焼き過ぎだって言いたいんですか?」
「いえ、先生もきよたんが女の子に優しいのは、むしろ良いことだと思うのよ。でもね、このペースできよたんが成長を続けたら、そのうちきよたんが絶倫になり過ぎて、女の子3人じゃ足りなくなっちゃうわよ。今のうちに、追加メンバーの女の子を募集しておかない?」
「今いる3人の相手をするのも大変なのに、女の子を追加しろって言うんですか!?」
「今のきよたんは、童貞を卒業したばかりで持久力が足りてないから大変なだけで、たぶん1年もしたら、えっちで3人とも気絶させてまだ足りないって状態になりかねないのよ。きよたんの性格からして、性欲を持て余しても行きずりの女の子をナンパするのは難しそうだし、素性の知れない女の子とえっちしまくるのは、悪質なハニートラップに引っ掛かったり性病をもらっちゃったりする危険もあってあまりお勧めできないから、今のうちに追加メンバー候補を探しておいた方が良いと思うわよ。例えば、きよたんのパーティーにいない、探検家と商人の女の子はどう?」
「うーん、正直なところ、追加の女の子が必要だとは思いませんけど、本職の探検家と商人は、ひょっとしたら必要じゃ無いかって思ってます」
「あら、考えが変わったみたいね。前は要らないって言ってたのに」
「確かに、訓練生だった頃は別に要らないと思っていたんですけど、卒業した後上級職のスキルについて自分で勉強しているうちに、考えが変わってきたんです。訓練生だった頃には知らなかった、上級職になると自分の戦闘能力なんかを底上げしてくれる便利そうな中級スキルっていうものが実は結構沢山あって、そういうスキルを取ろうとすると、探検家の上級職であるトレジャーハンターや、商人の上級職であるグレートマーチャントのスキルを取るにはSPが全然足りないってことに気付いたんです」
「そうね。この世界の冒険者スキルって、もえちゃんみたいに得意分野が限られている子ならSPが余りがちになるけど、きよたんみたいな万能型の子だと、SPはいくらあっても足りないわよね」
「はい。特に、商人系のスキルで、自分で武器や防具を作れる『鍛冶』スキルとか、火薬を作れるようになる『火薬』スキルとか、ミスリル製の武器や防具を作れるようになる『ミスリル製作』スキルとかが気になっているんですけど」
「どういう意味で?」
「僕たち、今のレベル帯で必要な装備はドンキで揃えられましたけど、もっとレベルが上がって、もっと強い敵と戦う段階になって必要な武器や防具って、ドンキに限らずトーキョー・シティーのどこに行っても、売ってないらしいんです。冒険を進めて他の町に行けば買えるというなら問題無いんですけど、もしこのアマツが、そういう高性能な武器や防具はお金では買えなくて、もし魔軍相手にも通用するような武器や防具が欲しいなら、そういうスキルを習得して自分で作るしか無いっていう世界だったら、本職の商人を早いうちからパーティーに入れて育てておかないと詰んじゃうような気がするんです」
「えーと、先生もこのアマツ世界のすべてを知っているわけじゃ無いから、確たることは言えないけど、たぶんそういうスキルを持ったメンバーは必要だと思った方が良いわよ」
「・・・・・・やっぱり必要ですか?」
「たぶん、20年くらい前だったら、今と違って最上級職の冒険者も結構いたらしいから、自分のパーティーに商人系の冒険者がいなくても、お金で買うなり他のパーティーメンバーから譲ってもらうなりで、それなりにやり繰り出来たと思うわよ。でも、きよたんはアマツ史の授業で習ったと思うけど、アマツでは今からちょうど20年前に、『カジノ戦争』とか『七年戦争』とか呼ばれている人類同士の長い戦争があって、その間に最上級職の冒険者は大半が死に絶えてしまった上に、その後に魔軍の襲来があって、今ではアマツ最大の都市であるこのトーキョー・シティーでさえも、既に最上級職の冒険者はゼロ。それどころか、今では火薬やミスリルを扱える冒険者もいなくなってしまって、例えばトーキョー・シティーの城壁には結構な数の古い大砲が備え付けられているんだけど、火薬を作れる人がいないから今では使用不能、クロスボウで代用するしか無いというのが実情なのよ。ミスリル製の武器も、今ではもう作れる人がいないから、たまに発見されるミスリル製の剣がもの凄い高値で取引されていたりするのよ。特にミスリル製作って、必要なレベルも結構高かったわよね?」
「上級職のレベル40以上です」
「そんな高レベルのグレートマーチャント、少なくともトーキョー界隈にはいないわよ。今時の商人系冒険者って、上級職のレベル12になって『テレポート』と『操船術』まで覚えれば、その後は死の危険を冒してレベルを上げるより、そうしたスキルを活かして交易業で儲けて悠々自適の生活を送ろうって人たちばかりだから。必要なら自前で育てるしか無いわよ」
「そうなると、やっぱりメンバーを追加するしかなさそうですね・・・・・・」
「じゃあ、早速追加メンバーの募集掛けとく? 人数は探検家系1名、商人系1名でいいかしら?」
「それでお願いします」
「応募要件は? やっぱり、きよたん好みの美少女が良い?」
「そういう事にはこだわりませんけど、僕たちは他のパーティーと違って、最終的には全員最上級職までレベルアップし、自分たちの手で魔軍を滅ぼしアマツ世界に平和を取り戻すことを目標にしているガチ勢なので、そういう方針に付いて来られる人というのが最低条件です。出来れば即戦力になれる人が望ましいので、冒険者としてのレベルや基本能力が高ければそれに越したことはありませんが、そういう応募者がいないのであれば、やる気さえあれば低レベルの冒険者さんでも差し支えありません」
「見た目とかの要件はいいの? 応募してくるのは基本的に女の子だから、パーティーに加えたらその子たちとも連日えっちすることになるのよ?」
「いりません! 僕が求めているのは、あくまで魔軍討滅の戦力になってくれる人なので、きちんと戦力になってくれる人であれば、見た目が多少悪くても問題ありません!」
「分かったわ。じゃあ、そういう要件で募集掛けて、先生の方で適当な候補者を見繕っておくわね。でも、人選にはある程度時間が掛かるから、今日明日中にとか、次のクエストに間に合うようにっていうのはさすがに無理よ。それでも構わない?」
「構いません。今すぐに必要というわけじゃないんで、むしろ1ヶ月か2ヶ月くらい掛けて、ゆっくり探してください」
◇◇◇◇◇◇
「きよたんと話したいことはまだ色々あるんだけど、フナバシから帰ったばかりで疲れているだろうから、今日はあと1つだけにしておくわ。実は、きよたんにお願いしたいことがあるのよ」
「僕のパーティーじゃなくて、僕個人にお願いしたい事ですか?」
「そうなの。たぶん、きよたんにしか出来ない事だから」
「どんな事ですか?」
「きよたんには、とある女の子とのひーりんぐえっちをお願いしたいのよ」
(第26話に続く)
アラ川で敵の大軍に遭遇してから2日後、僕たちはようやくトーキョー・シティーに戻ることが出来た。
「きよたかさん、何となく町の中が騒がしいですね」
「なんか、お祭りでもやるような雰囲気ね」
みなみちゃんやもえちゃんの言うとおり、トーキョー・シティーでは何かの催し物が企画されているらしく、皆そのことで慌ただしくなっているようだった。
「事情はよく分からないけど、とりあえずセンターに戻ろう。これから何があるかは、たぶんタマキ先生あたりに聞けば分かるよ」
トーキョー・シティーの城壁内はかなり広く、東門から冒険者人材育成センターまでは普通に歩くと2時間くらいかかってしまうのだが、今回はみなみちゃんと瑞穂の『ヘイスト』を活用して時間を大幅に短縮し、1時間弱くらいでセンターに戻ることができた。城壁内は、人通りが少ない割に広くて立派な道路が整備されているので、人通りの多い中心部以外は、人や馬車が『ヘイスト』を使って全力疾走しても、事故を起こす危険はあまり無い。
センターに戻った僕たちは、早速3階の『クエスト総合案内』に行き、例のアイラさんにクエストの達成を報告した。
「はい、クエスト達成ですね。お疲れ様でした~。早速、達成度の評価手続きをさせて頂きますね~」
クエスト管理を担当しているアオヤマのアイラさんは、最初のうちはおっとりした口調で僕の報告や説明に答えていたが、ノダ町長からの評価書や、僕たちが討伐したモンスター数のデータに目を通すと、例によっ急に口調が変わった。
「・・・・・・何ごれ!? クエスト期間中に倒した敵の数が、合計15万7816匹!? この子だち、ひょっとして人間じゃなぐてバケもんじゃね!?」
アイラさんが、蒼ざめた顔でそんな独り言を漏らしている。
「アイラさん、僕たちの評価はどうなりそうですか?」
「あ、すみませんでした~。きよたかさん一行の活躍ぶりが、こちらの想像をはるかに超えていましたので、ちょっと取り乱してしまいましたが、少なくとも最高評価の報酬10万アマツ円は確実にお出しできますね~! それと、きよたかさん一行はクエストの遂行中に、盗賊団の親玉で賞金首になっていたマサヒロ・ヒガシデと、カツシカ村のユッキーナを討ち取られていますので、その賞金が各10万アマツ円になります~」
「賞金首って、センターではそんなことまで把握できるんですか!? 別に、倒した証拠を持ち帰ったわけでもないのに?」
「もちろん把握できますよ~。このセンターでは、冒険者さんの働きを把握するため、最新の情報魔術が惜しみなく使われていますから、討伐した盗賊やモンスターの数だけではなく、賞金首を取ったかどうかも、冒険者にあるまじき悪事を働いていないかどうかも、随時冒険者カードを通じて、センターに情報が入ってくるんですよ~」
「・・・・・・でもそれって、あたしたちはセンターに監視され続けてるってことよね? まさか、あたしたちがいつ、どんなえっちをしたかなんてことまで把握されてたりするの?」
「もえさん、大丈夫ですよ~。冒険者さん同士の性生活は個人の自由ですから、さすがにそんな情報は入ってきませんよ~。センターに入ってくるのは、あくまで冒険者としての評価に必要な情報だけですよ~」
「まあ、それならいいけど。でも、あたしたちの行動は随時把握されている上に、万引きなんかしたら即死刑って言うんじゃ、間違っても悪いことなんか出来ないわね」
「そうですね~。そもそも、ユーリコ知事がこのセンターを設立した大きな理由の一つが、悪質な冒険者さんによる不正行為や違法行為の防止ですから、そのへんは徹底されてますよ~。それはともかく、タマキ所長からは、きよたかさんの一行が戻ってきたらすぐ自分のところに通すようにと言われてますので、お疲れのところ申し訳ありませんが、所長のいる2階の『教室』へ行ってくださいね~。所長のお話が終わったら、その後はセンターで数日ゆっくりお休みされても大丈夫ですので」
「タマキ先生のところへですか? 分かりました」
僕たちが、言われたとおりタマキ先生のいる『教室』へ向かおうとすると、アイラさんに呼び止められた。
「あ、すみません、忘れてました~! きよたかさん、クエスト達成報酬と賞金首報酬の合計30万アマツ円ですが、受け取り方法は現金がよろしいですか? きよたかさんは、シブサワ銀行に口座をお持ちのようですので、口座振込で受け取ることもできますよ~」
「・・・・・・現金だと盗まれたりしそうなので、口座振込でお願いします。今後の報酬なども同じく口座振込ということで」
「承りました~」
アイラさんは、すこしほっとしたような表情でそう答えた。アイラさんとしても、30万アマツ円、日本円にして約3000万円相当もの現金を手渡しするのは大変な作業なのだろう。
・・・・・・それにしても、このアマツは戦国時代と現代と近未来が共存しているような世界だ。現代日本に比べ文明的に進んでいるのか遅れているのか、どちらとも断定しづらい。
◇◇◇◇◇◇
「あ、きよたんたち、全員無事に戻ってきたのね」
僕たちを出迎えたタマキ先生は、少し疲れたような表情を浮かべていた。
「先生、何だか少しお疲れのようですね」
「誰のせいだと思ってるのよ! きよたんが、これまで聞いたことも無い数の救出者や降伏者を送りつけてきて、その後始末をあたしに押しつけて、こっちはその処理にようやく目処がついたばかりなのよ! そうでなくても、今のトーキョー・シティーは第2回トーキョー・ゴリンピックの準備で大忙しで、あたしも警備の指揮を執らなきゃいけないし、ユーリコ知事が過労で入院しちゃって、トーキョー・シティーの政庁はほとんど麻痺状態だし・・・・・・」
「先生、トーキョー・ゴリンピックって何ですか?」
「ガースー総統の肝煎りで、5年に1回トーキョー・シティーで開催されることになったスポーツの祭典よ。アマツ世界のオリンピックみたいなものね。明後日から始まるんだけど、今回は財政難と治安悪化を口実に、開催期間は3日間、協議種目も大幅に減らして、予算を大幅に削減できたわ。それでも、トーキョー・シティーでは珍しいお祭りみたいなものだから、きよたんたちも見に行ったらいいんじゃない?」
「ああ、帰ってくる途中でトーキョー・シティーの人たちがなんか騒がしいと思ったら、それが原因だったんですか」
「ああ、確かに町の中も、ここ数日はお祭りモードに入っているわね。いや、あたしがきよたんたちをわざわざ呼び出したのは、そんな話をするのが目的じゃ無いのよ!」
「何の話が目的なんですか?」
僕が尋ねると、タマキ先生は急にニンマリとした顔になった。
「きよたん、もう一つの『クエスト』は無事達成できた?」
「もう一つのクエスト?」
「もう忘れちゃったの? 無事童貞を卒業出来たかって聞いてるのよ」
「そう言われれば、そんなことが問題になってた時代もありましたね・・・・・・」
日数はそんなに経っていないはずなのに、何故かずいぶん昔のことのように感じられた。
「その顔だと、もうとっくに童貞は卒業しましたって感じね」
「タマキ先生、もうそんな心配は必要ないわよ。今のきよたんは、毎日何度も猿のように、あたしたちとえっちしまくりの生活送ってるから」
「もえちゃん、その言い方だと、まるで僕一人が盛ってるような誤解を招きそうなんだけど・・・・・・」
「そうじゃないの?」
タマキ先生が、若干意外そうな顔をして尋ねてきたので、僕は全力で反論した。
「僕たち4人の中で一番盛ってるのは、僕じゃなくてもえちゃんです! もえちゃんは、自分の日になると有無を言わせず僕に襲いかかってきて、何時間も僕の上に跨がって死ぬほど絞り尽くそうとしてきて、僕がもう出ないから許してって悲鳴を上げても止めてくれないんです! 昨日はちょうどもえちゃんの日で、結局夜が明けるまで徹底的に絞り尽くされて、やっと解放されたと思ったら、今度はみなみちゃんと瑞穂がもう我慢できないっておねだりしてきて・・・・・・」
「きよたかさん、瑞穂ちゃんはともかく、私は別におねだりしたわけじゃ・・・・・・」
「みなみちゃん。確かに口に出してはいないけど、僕が瑞穂の相手をしているのをちゃっかり覗き見して、あからさまに発情してますって感じで顔を真っ赤にして、身体をモジモジさせて股間からえっちなお汁まで垂らして、僕と目が合うとすがるような目でしてたよね? 今日は本来みなみちゃんの日だし、あんなエロ過ぎる格好でおねだりされたら、僕としてもさすがに無視はできないんだけど」
「わ、わたし、そんなふしだらな格好してました!?」
「してたわよ」
「瑞穂も見てたよ」
とぼけるみなみちゃんに、もえちゃんと瑞穂が突っ込んだ。
「・・・・・・要するに、きよたんとしては自分が3人を若い性欲のはけ口にしているのではなく、3人ともきよたんとのえっちに病みつきになっちゃって、3人の相手をするのに苦労してるって主張したいわけね?」
「そういうことです」
「まあ、そういうきよたんの主張は、主張として聞いておくわ。それじゃあ、きよたんのえっちがどのくらい成長したか、ステータス画面で確認させてもらうわね」
タマキ先生はそう言って、ステータス画面で僕のスキルを確認した。
「えっ!? 『性愛』のレベルがもう17!? しかも、この『名槍』レベル13って何よ!? きよたん、えっちで挿入するようになったの何日前からなのよ!?」
「えっと、何日前からでしたっけ・・・・・・」
第25話ともなると、話が長くなって次第に時系列が分かりにくくなってきたので、アマツ世界の日付を入れて、これまでの話の流れを振り返ってみることにする。
・アテナイス108年5月7日
僕がアマツ世界に転生した日。タマキ先生やコハルさん、もえちゃん、そしてみなみちゃんと出会う(第2話、第3話)。
・同8日
冒険者人材育成センターでの訓練が始まる。瑞穂と出会う(第4話、第5話)。
・同9日
訓練2日目、タマキ先生のお勧めに従って最初のSP(スキルポイント)割り振りを行う(第6話の1、第6話の2)。
・同15日
訓練8日目。タマキ先生から『特別授業』という名の羞恥プレイを受け、その夜にコハルさんからオナニー防止ポーションを飲まされ、瑞穂を相手に初めて女の子とえっちなことをする(第7話、第8話)。
・同16日
訓練9日目。風呂場でもえちゃんのオナニーを初めて目撃する(第9話)。
・同20日
訓練の一環で、タマキ先生にトーキョー・シティーの案内をしてもらい、その夜みなみちゃんと、初めてえっちなお風呂に入る(第10話)。
・アテナイス108年6月13日
訓練所の卒業筆記試験に合格(第11話)。
・同14日
訓練所の最終模擬クエストに挑戦し、キラータイガーと初めて対戦する(第12話)。
・同15日
ゴブリンたちに捕らえられたエイルとフライヤを救出(第13話)。
・同16日
訓練生を卒業。冒険者として初めてのクエストを受注し、装備を調える(第14話、第15話)。
・同19日
フナバシ・タウンへと出発。アラ川まで進み、アラキ君をはじめとする盗賊団からの降伏者や救出者合計35名をトーキョー・シティーに送り出す(第16話)。
・同20日
スライムに襲われて欲情したもえちゃんと初えっち。途中で爆弾低気圧の暴風雨に見回れるも、何とかフナバシ・タウンに到着(第17話、第18話の1、第18話の2)。
・同21日
フナバシ・タウンに押し寄せてきた盗賊団を撃退。もえちゃんが騎乗位を覚える(第19話)。
・同22日
フナバシ・タウンから、採掘場跡への遠征を開始。この日からえっちのローテーション制がスタート。みなみちゃんとの挿入えっち初体験を済ませる(第20話)。
・同23日
瑞穂との挿入えっち初体験を済ませる(第21話)。
・同24日
北フナバシ採掘場跡に突入し、自称ビッグボス(賞金首のマサヒロ・ヒガシデ?)と、スライムビッグボスを倒す(第22話)。
・同25日
採掘場跡を出発し、その日のうちにフナバシ・タウンへ帰還(第23話)。
・同26日
フナバシ・タウンを出発し、アラ川に陣取っていたユッキーナ率いる盗賊やゴブリンの大軍を、翌朝までに夜襲で全滅させる(第24話)。
なお、第19話で述べたとおり、日本と異なりアマツ世界の1ヶ月はすべて30日までとなっているため、5月31日といった日付は存在しない。念のため。
このように整理してみると・・・・・・
「タマキ先生、僕たちが訓練生を卒業したのが6月16日で、今日が6月28日で合ってますか?」
「合ってるわよ」
「だとすると、初体験が6月20日なので、9日前からになります」
僕が答えると、なぜかタマキ先生は無言になって頭を抱えた。
「・・・・・・タマキ先生、何か問題でも?」
「問題というより、もうどこから突っ込んでいいか分からないわ」
そう答えるタマキ先生は、心の底からあきれ返っている様子だった。
「いい、きよたん? まず、『名槍』ってスキルは、普通は大体25歳を過ぎてあっちの方が衰え始めてきたっていう男性冒険者が、衰えを防止するために取るものなのよ。きよたんみたいな若くて元気な男の子が取るスキルじゃ無いわ」
「そうなんですか? スキルの授業では『名槍』について何も教わって無くて、スキルの存在自体、もえちゃんから聞いて始めて知ったんですけど。ちなみにもえちゃんは、フライヤさんから聞いたみたいですけど」
「この世界で冒険者が習得できるスキルは種類が多すぎるし、訓練の授業時間にも限りがあるから、重要性の低いスキルや、上級職にならないと習得できないスキルの解説なんてしてる余裕は無いのよ。話を戻すけど、きよたんの年齢で『名槍』スキルを取っちゃうってことは、日本で言えば16歳くらいの高校生が、中高年向けの強力な精力剤を飲みまくるようなものよ。そんなことをしちゃったら、精力が強くなり過ぎて、毎日何度もえっちしないと満足できない、とんでもない絶倫君になっちゃうわよ」
「確かに、実際そんな風になっちゃってるような気はしますけど・・・・・・。でも、『名槍』スキルは僕が取りたくて取ったんじゃ無くて、もえちゃんが取れって言うから仕方なく取っただけなんですけど・・・・・・。ちなみに、習得したのは6日前です」
「あのね、きよたん。『性愛』スキルと違って、『名槍』スキルの経験値は、実際に女の子の膣内に挿入しているときにしか上がらないから、普通はスキルを習得しても、レベル10まで上がるのに半年くらいかかるものなのよ。それが、たった6日間でレベル13って、どういうえっちの仕方してるのよ?」
「タマキ先生、別に変なことはしてないわよ。きよたんってイクのは早いけど、なぜか何回イカせてもあまり小さくならないから、あたしの日は何時間も挿れっぱなしにしているだけよ。眠るときは朝まで挿れっぱなしにすると、すごくスッキリするわ」
僕の代わりに、もえちゃんが悪びれる様子も無くそう答えた。
「・・・・・・ああ、もえちゃんが名槍清隆丸をそんな風に酷使しちゃってるわけね。それなら『名槍』スキルが急成長しちゃうのも無理は無いわ」
「タマキ先生、僕って『名槍』スキルを取らされる前から、何故か何回射精して満足しても小さくならなくて、そのせいで僕がまだえっちしたがってるって誤解されることが多いんですけど・・・・・・」
「ああ、それは『オナニー防止ポーション』の効果よ。あのポーションはね、もともと尋問用に開発されたものなのよ」
「尋問用?」
「そう。犯罪の容疑者なんかを尋問するとき、残酷な拷問でいくら苦痛を与えても口を割らない人っているでしょ? そこで、拷問よりはるかに効果的かつ人道的な手段として開発されたのが、オナニー防止ポーションを使った尋問なのよ。男性の場合、オナニー防止ポーションを飲まされると、股間が激しく勃起して性欲が高まるけど、オナニーや夢精は出来なくなって、女性に手伝ってもらわないとイクことは出来ないの。そして何回射精しても勃起は収まらないから、拘束されてオナニー防止ポーションを飲まされた容疑者は、言われるがままにすべてを白状するまで、無限地獄のような性欲から逃れることは出来ないのよ。ちなみに、女性用はクリトリスが勃起しちゃって、男性の手を借りないとイクことが出来ない身体になるんだけど、それ以外の効用は男性用とほぼ同じ。男女ともに、このポーションを使っての尋問に耐えられた人はいないらしいわね」
「まあ、そんな尋問に耐えられる人はまずいないでしょうけど、それって人道的な方法なんでしょうか・・・・・・?」
「少なくとも、手足の指を一本ずつ切り取っていくような拷問よりははるかにマシでしょ。解除ポーションを飲めばすぐもとの身体に戻るんだから。それで、アマツの人口不足、特にえっちの出来る男性不足がいよいよ深刻になってきて、特に若い男の子のオナニーを規制しなければ人類が滅びてしまうって議論になったとき、拷問用に開発された男性用オナニー防止ポーションを、少子化対策に転用することが決まったのよ。このポーションを飲ませれば、きよたんみたいに内気でなかなか女の子とのえっちに踏み切れない男の子でも、女の子とえっちしないと生きられない身体になっちゃうからね。もっとも、日本でいうLLGBTみたいに、もともと女性に対し性的関心を持てないタイプの男性にはポーションを飲ませても効果はないから、『少子化対策特別措置法』でも、そういう男性は規制の対象外になってるんだけど」
「結局のところ、僕がこんな身体になっちゃったのって、タマキ先生のせいじゃないですか! よりによって、僕にそんなポーションを飲ませるなんて!」
「私のせいじゃないわよ。トーキョー・シティーの少子化対策措置法で、オナニーを止められない15歳以上40歳未満の男性に対しては、矯正教育の一環として知事の指定する薬品、すなわち男性用オナニー防止ポーションを飲ませなければいけないって明記されてるんだから。きよたんも結構アマツの法律勉強してたから、知ってるでしょう?」
「確かに、そんな感じのことが書かれている条文はありましたけど・・・・・・」
「先生とコハルさんは、あくまでアマツの法に従って、きよたんに矯正教育をしただけよ。悪いのはむしろ、先生がいくらえっちを誘っても急かしても、えっちしようとせずオナニーばかりしていたきよたんの方よ」
「・・・・・・それは、確かに僕の落ち度ではありますけど、それなら何故、オナニーはアマツの法律で禁止されてるって最初から教えてくれなかったんですか?」
「ああ、それはね。きよたんって、成績優秀だけどなんかいじりがいのある子じゃない? 法律を持ち出すより、しばらく敢えて泳がせて、オナニー防止ポーションを飲ませる展開にした方が面白いかなって思ったのよ。きよたんみたいに、性欲旺盛なのにえっちに消極的な男の子ってこれまで見たこと無かったから、そんなきよたんがポーションでどんな風に変わるのか、先生としても興味あったし」
「結局、先生が飲ませる方向に誘導したんじゃ無いですか!」
「でも、きよたんって訓練生の頃はいくら急かしても結局挿入までは行かなかったのに、何がきっかけでえっちするようになったの?」
タマキ先生は、僕のツッコミを完全にスルーし、さらりと話題を変えた。
◇◇◇◇◇◇
「タマキ先生、最初にきよたんの相手をしたのはあたしよ」
「初めてはもえちゃん? でも、訓練生時代のもえちゃんときよたんは、挿入どころかえっちなこともする関係じゃ無かったのに、何がきっかけで関係が進展したの?」
「それはね、あたしがスライムに襲われて、服を溶かされてあられもない姿になっちゃったとき、そんなあたしを見たきよたんが、もう我慢できない、えっちさせてくれって言うから、させてあげたのよ」
「ダウト~~~~~~!!!」
もえちゃんの事実を歪曲した説明に僕が抗議の声を上げるより早く、なにやら久しぶりに聞いたような女性の大声が、教室中に響き渡った。多分これは、このアマツ世界を管理する駄女神、アテナイスさんの声だ。
「・・・・・・この声は、女神アテナイス様?」
「そのとおりよ、タマキ・セト。女神アテナイスの名において宣言するわ。このモエ・カミズルとかいう生意気な小娘冒険者は、重大な嘘を付いていると!」
「では、アテナイス様は真相をご存じなのですか?」
「私はこの世界を管理する女神なんだから、その気になれば簡単に分かるわよ。この小娘はね、私が仕掛けたスライムの罠に引っ掛かって、服を溶かされた挙げ句イク寸前で動きを止められる寸止めプレイを続けられて、ちょうど助けにやってきたきよたんを見ると我慢できなくなって、『挿れなさいよ! 早くしないと殴るわよ』なんてはしたない命令をして、きよたんとの初体験を遂げたのよ!」
「いやあああああああああ!!」
アテナイス様にあっさり真相を暴露され、もえちゃんが恥ずかしさのあまり悲鳴を上げて悶絶した。
「えーと、アテナイス、さま?」
「なーに、きよたん? えっちは気持ち良かったでしょ?」
「今の話だと、僕ともえちゃんの初体験って、要するにアテナイス様が仕組んだことなんですよね?」
「そうよ」
いともあっさり認めるアテナイス様。
「一体どうして、そんな手の込んだ悪戯を?」
「それはね、このモエって小娘、名字がやたら読みにくい上に、私のことを馬鹿女神なんて呼んで馬鹿にしているから、いつか女神の力を見せつけて、お仕置きしてやろうと思ってたのよ。最高にはしたない形で初えっちさせるのも、その真相を私がこの場で暴露させるのも、すべて私の作戦どおり! いいこと? きよたんも私のことを駄女神なんて呼んで侮っていると、そこで悶絶している小娘みたいな目に遭うのよ! よく覚えておきなさい」
高らかに宣言するアテナイスさんの言葉に、みなみちゃん、瑞穂、そしてタマキ先生がそれぞれ感想を漏らした。
「きよたかさんともえさんが、どうして急にえっちする関係になったのか、ずっと不思議に思っていたんですけど、女神様の仕業だったんですか・・・・・・」
「恐ろしきかな、女神の力! この偉大なる魔眼の女王バロール様も、女神の逆鱗に触れぬよう気をつけねば・・・・・・」
「でも、アテナイス様? 関係がなかなか進展しなかったきよたんともえちゃんをくっつけてくれたのは有り難いんですけど、この世界を統べる女神様にしては、やることがあまりに大人げないような気がするんですけど、私の気のせいでしょうか?」
「うっ」
タマキ先生のツッコミに、言葉を詰まらせるアテナイスさん。僕は敢えて発言しなかったが、タマキ先生の意見には僕も全く同感だ。
「・・・・・・いえ、私も単なる小娘への仕返しだけを目的に、あんなことをしたわけじゃないわよ。そこにいるきよたんは、アマツ世界に転生すればえっちし放題っていう誘い文句にノリノリだったから、思う存分えっちを楽しめるよう性欲と精力を人類最強クラスに設定して送り込んであげたのに、恥ずかしがり屋さんでなかなかえっちに踏み切れない様子だったから、私自ら背中を押してあげたのよ。小娘への仕返しは、むしろそのついでよ」
「アテナイス様。女神様のくせに、嘘を付かないでください!」
「え? 何のことかしら?」
僕の発した言葉に、アテナイスさんがすっとぼけるので、僕はさらに続けた。
「僕は、アテナイス様にこの世界へ転生する話を持ちかけられたとき、なんか怪しい話だと思って断ろうとしたんですけど、アテナイス様は断ったらアフガニスタンで転生することになるって言って脅したり、言われたとおり転生してくれれば特別に『ナイト』からのスタートにしてあげる、さらにアテナイス・ソードも付けてあげるって言ったり、それでも僕が難色を示すと、僕に断られたらアテナイス様自身が、これまでの責任を取らされて神界史編纂室に飛ばされちゃうって泣き落としに掛かってきたから、仕方なく転生を引き受けたんじゃないですか! もう忘れたんですか!?」
「えっ? きよたんが最初から『騎士』として転生してきたのって、そういう理由だったの?」
「そういう理由だったんです、タマキ先生」
「ちょ、ちょっと、デタラメ言ってるんじゃ無いわよ! この優秀な女神アテナイス様が、統治不行届きを理由に神界史編纂室へ幽閉され、女神から降格させられるなんてあり得ないわ!」
「じゃあ、アテナイス様。通称『アマツ世界』と呼ばれているこの世界に付けられている番号って、何番でしたっけ?」
「ああ、神界で付けている管理番号のことね。第39167世界よ」
「残念でした。正解は第32695世界です」
「何言ってるのよ! きよたん、人間の分際で、女神様の言っていることが間違いだって言うの!?」
「・・・・・・アテナイス様。横から口を挟んで申し訳ありませんが、管理番号についてはきよたかさんの仰っているものが正解です。というか、この世界を管理する女神となられて100年以上も経っているのですから、5桁の管理番号くらい覚えて頂かないと」
この場にいない別の女性の声が、アテナイスさんをたしなめた。この声はたぶん、天使のアズリエルさんだ。
「・・・・・・まあ、人間との話はこのくらいにしておくわ。きよたん、あなたがこのアマツ世界に転生してきた経緯については、今後一切他言無用よ。これ以上言いふらして、この女神アテナイス様の権威を貶めようとするなら、未だにそこで悶絶している小娘のように、思いっきり恥ずかしいお仕置きをしちゃうからね!」
アテナイスさんは、一方的にそんなことを言い残し、その後アテナイスさんの声は聞こえなくなった。
◇◇◇◇◇◇
「なんか、もの凄く珍しい話を含め、事情は色々聞かせてもらったけど、きよたんがものすごい絶倫君になっちゃった原因は、やっぱりきよたん自身にあるみたいね」
「タマキ先生! どうして、そんな結論になるんですか!?」
「実は、きよたんが訓練生だった頃から薄々感じてたんだけどね、きよたんって結構えっちの才能あるわよ」
「えっちの才能って何ですか!?」
「きよたんは、冒険やアマツ世界のことに関する勉強にも熱心だったけど、それと同じくらい、えっちで女の子を気持ち良くさせるための勉強にも熱心だったのよ。実際、訓練生時代にきよたんの相手をしていたみなみちゃんや瑞穂ちゃんは、きよたんがえっちの勉強に熱心で、しかもテクニックがどんどん上手くなっていくから、まだ挿入も済ませていないのに、きよたんとのえっちに病みつきになっちゃってたし」
「・・・・・・そうなの?」
僕の問いに、みなみちゃんと瑞穂は揃って頷いた。
「それに、さっき見せてもらったきよたんのスキルレベルだって、名槍レベル13があまりに規格外だからあまり目立たないけど、若干16歳で転生後わずか1ヶ月半、転生前のえっち経験無しという男の子が性愛レベル17っていうのも、先生がこれまで見たこと無いくらい、凄い伸び方なのよ。例えばヨーイチ君は、性愛レベル11でお亡くなりになっちゃったし、先生が見てきた他の男の子も、大体卒業後1ヶ月だと、性愛レベルはせいぜい11か12くらいが普通ね」
「・・・・・・そんなもんなんですか?」
「そんなものなのよ。ほとんどの男の子は、童貞を卒業するとえっちで自分が気持ち良くなることばかりに夢中になって、女の子を気持ち良くさせることなんて気にもしないから、そういう身勝手な男の子にならないように、男子の訓練生には私やコハルさんが性の手ほどきをしてきたのよ。でも、きよたんにはそういう心配は必要なかったわね。性愛レベル17って、実は結構なえっちのテクニシャンとしてそれなりに通用するレベルよ。絶倫君の上にテクニックもあるなら、同じパーティーの3人が揃ってきよたんとのえっちに夢中になっちゃうのも、むしろ当然のことだと思うわよ」
「・・・・・・はあ」
「それときよたん、もしきよたんが日本で死ぬこと無く、健康な身体を持ったみなみちゃんと出会って、えっちする恋人関係になったとします。でも、当のみなみちゃんは自分とのえっちにいまいち満足できていなくて、その原因はどうやら、きよたんの精力不足が原因のようだったとします。そういうとき、きよたんだったらどうする?」
「・・・・・・それはもちろん、みなみちゃんを満足させられないのは自分の責任ですから、どんな手段を使っても鍛えようとすると思います」
「いい答えね。でも、ほとんどの男の人は、そんな風には考えないのよ。男の人にとってえっちは、自分が射精して満足したらそれで終わり。たとえ自分のお嫁さんが、自分とのえっちに満足できずオナニーしていても、嫁がオナニーしてうるさいって言うだけ。きよたんみたいに、自分のパートナーが性欲をもてあましていたら、多少無理してでもえっちで鎮めてあげようなんて考える優しい男の子は、滅多にいないのよ」
「つまり、僕が女の子の世話を焼き過ぎだって言いたいんですか?」
「いえ、先生もきよたんが女の子に優しいのは、むしろ良いことだと思うのよ。でもね、このペースできよたんが成長を続けたら、そのうちきよたんが絶倫になり過ぎて、女の子3人じゃ足りなくなっちゃうわよ。今のうちに、追加メンバーの女の子を募集しておかない?」
「今いる3人の相手をするのも大変なのに、女の子を追加しろって言うんですか!?」
「今のきよたんは、童貞を卒業したばかりで持久力が足りてないから大変なだけで、たぶん1年もしたら、えっちで3人とも気絶させてまだ足りないって状態になりかねないのよ。きよたんの性格からして、性欲を持て余しても行きずりの女の子をナンパするのは難しそうだし、素性の知れない女の子とえっちしまくるのは、悪質なハニートラップに引っ掛かったり性病をもらっちゃったりする危険もあってあまりお勧めできないから、今のうちに追加メンバー候補を探しておいた方が良いと思うわよ。例えば、きよたんのパーティーにいない、探検家と商人の女の子はどう?」
「うーん、正直なところ、追加の女の子が必要だとは思いませんけど、本職の探検家と商人は、ひょっとしたら必要じゃ無いかって思ってます」
「あら、考えが変わったみたいね。前は要らないって言ってたのに」
「確かに、訓練生だった頃は別に要らないと思っていたんですけど、卒業した後上級職のスキルについて自分で勉強しているうちに、考えが変わってきたんです。訓練生だった頃には知らなかった、上級職になると自分の戦闘能力なんかを底上げしてくれる便利そうな中級スキルっていうものが実は結構沢山あって、そういうスキルを取ろうとすると、探検家の上級職であるトレジャーハンターや、商人の上級職であるグレートマーチャントのスキルを取るにはSPが全然足りないってことに気付いたんです」
「そうね。この世界の冒険者スキルって、もえちゃんみたいに得意分野が限られている子ならSPが余りがちになるけど、きよたんみたいな万能型の子だと、SPはいくらあっても足りないわよね」
「はい。特に、商人系のスキルで、自分で武器や防具を作れる『鍛冶』スキルとか、火薬を作れるようになる『火薬』スキルとか、ミスリル製の武器や防具を作れるようになる『ミスリル製作』スキルとかが気になっているんですけど」
「どういう意味で?」
「僕たち、今のレベル帯で必要な装備はドンキで揃えられましたけど、もっとレベルが上がって、もっと強い敵と戦う段階になって必要な武器や防具って、ドンキに限らずトーキョー・シティーのどこに行っても、売ってないらしいんです。冒険を進めて他の町に行けば買えるというなら問題無いんですけど、もしこのアマツが、そういう高性能な武器や防具はお金では買えなくて、もし魔軍相手にも通用するような武器や防具が欲しいなら、そういうスキルを習得して自分で作るしか無いっていう世界だったら、本職の商人を早いうちからパーティーに入れて育てておかないと詰んじゃうような気がするんです」
「えーと、先生もこのアマツ世界のすべてを知っているわけじゃ無いから、確たることは言えないけど、たぶんそういうスキルを持ったメンバーは必要だと思った方が良いわよ」
「・・・・・・やっぱり必要ですか?」
「たぶん、20年くらい前だったら、今と違って最上級職の冒険者も結構いたらしいから、自分のパーティーに商人系の冒険者がいなくても、お金で買うなり他のパーティーメンバーから譲ってもらうなりで、それなりにやり繰り出来たと思うわよ。でも、きよたんはアマツ史の授業で習ったと思うけど、アマツでは今からちょうど20年前に、『カジノ戦争』とか『七年戦争』とか呼ばれている人類同士の長い戦争があって、その間に最上級職の冒険者は大半が死に絶えてしまった上に、その後に魔軍の襲来があって、今ではアマツ最大の都市であるこのトーキョー・シティーでさえも、既に最上級職の冒険者はゼロ。それどころか、今では火薬やミスリルを扱える冒険者もいなくなってしまって、例えばトーキョー・シティーの城壁には結構な数の古い大砲が備え付けられているんだけど、火薬を作れる人がいないから今では使用不能、クロスボウで代用するしか無いというのが実情なのよ。ミスリル製の武器も、今ではもう作れる人がいないから、たまに発見されるミスリル製の剣がもの凄い高値で取引されていたりするのよ。特にミスリル製作って、必要なレベルも結構高かったわよね?」
「上級職のレベル40以上です」
「そんな高レベルのグレートマーチャント、少なくともトーキョー界隈にはいないわよ。今時の商人系冒険者って、上級職のレベル12になって『テレポート』と『操船術』まで覚えれば、その後は死の危険を冒してレベルを上げるより、そうしたスキルを活かして交易業で儲けて悠々自適の生活を送ろうって人たちばかりだから。必要なら自前で育てるしか無いわよ」
「そうなると、やっぱりメンバーを追加するしかなさそうですね・・・・・・」
「じゃあ、早速追加メンバーの募集掛けとく? 人数は探検家系1名、商人系1名でいいかしら?」
「それでお願いします」
「応募要件は? やっぱり、きよたん好みの美少女が良い?」
「そういう事にはこだわりませんけど、僕たちは他のパーティーと違って、最終的には全員最上級職までレベルアップし、自分たちの手で魔軍を滅ぼしアマツ世界に平和を取り戻すことを目標にしているガチ勢なので、そういう方針に付いて来られる人というのが最低条件です。出来れば即戦力になれる人が望ましいので、冒険者としてのレベルや基本能力が高ければそれに越したことはありませんが、そういう応募者がいないのであれば、やる気さえあれば低レベルの冒険者さんでも差し支えありません」
「見た目とかの要件はいいの? 応募してくるのは基本的に女の子だから、パーティーに加えたらその子たちとも連日えっちすることになるのよ?」
「いりません! 僕が求めているのは、あくまで魔軍討滅の戦力になってくれる人なので、きちんと戦力になってくれる人であれば、見た目が多少悪くても問題ありません!」
「分かったわ。じゃあ、そういう要件で募集掛けて、先生の方で適当な候補者を見繕っておくわね。でも、人選にはある程度時間が掛かるから、今日明日中にとか、次のクエストに間に合うようにっていうのはさすがに無理よ。それでも構わない?」
「構いません。今すぐに必要というわけじゃないんで、むしろ1ヶ月か2ヶ月くらい掛けて、ゆっくり探してください」
◇◇◇◇◇◇
「きよたんと話したいことはまだ色々あるんだけど、フナバシから帰ったばかりで疲れているだろうから、今日はあと1つだけにしておくわ。実は、きよたんにお願いしたいことがあるのよ」
「僕のパーティーじゃなくて、僕個人にお願いしたい事ですか?」
「そうなの。たぶん、きよたんにしか出来ない事だから」
「どんな事ですか?」
「きよたんには、とある女の子とのひーりんぐえっちをお願いしたいのよ」
(第26話に続く)
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