僕の転生した世界があまりにも生々しい件

灯水汲火

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第2章 トーキョー編 目指せ! モンスター・ゼロ!

第21話 夜まで待てないっ!!

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第21話 夜まで待てないっ!!


「きよたん、いくらなんでも、初体験の女の子相手にあれはないでしょ」
 起きて早々、僕はもえちゃんに説教されていた。
 昨晩のえっちで、僕はみなみちゃんの処女をもらったのだが、その際何発でも出して良いと言われたので、僕は調子に乗って抜かずの4連発を敢行してしまい、挿入えっち初体験のみなみちゃんを失神させてしまったのだ。
「・・・・・・反省してます」
「あたしは、えっち歴3年くらいだからきよたんに連発されても平気だけど、初体験の女の子にあんな乱暴なえっちをしたら、壊れちゃうわよ! そもそも、最初のうちはみなみちゃんを労ってた感じだったのに、どうしてあんなこと始めちゃったのよ!?」
 どうやら、昨晩の僕とみなみちゃんのえっちは、もえちゃんと瑞穂もしっかり見ていたらしい。昨晩のみなみちゃんも、結構遠慮無くえっちな声を上げていたし、近くの林あたりから簡単に覗ける場所だったので、見られていたこと自体は、むしろ想定の範囲内である。
「すみません、僕はイクの早いから何発でも出して良いと言われて、つい調子に乗っちゃって・・・・・・」
「はい、どうやらわたしの言葉で、ちょっときよたかさんを怒らせちゃったみたいで・・・・・・」
 僕の弁解に、みなみちゃんも話を合わせる。ちなみに、今朝のみなみちゃんは、起きた当初股間が痛くて歩くことが出来ず、僕の『ヒール』でようやく歩けるようになったものの、まだ歩き方がぎこちない様子である。
「それできよたん、昨晩は合計何回出したの?」
 そう尋ねるもえちゃんの表情は、怒るより呆れるといった様子だった。
「8回。5回目からは抜かずの4連発で」
「きよたん。あたしが相手のときはともかく、みなみちゃんとがきんちょを相手にするときは、抜かずの連発はしばらく封印して、1回出したら少し休みなさい。あんたの名槍清隆丸は、えっちに慣れてるあたしでさえ結構刺激が強いんだから、初めての子には加減してあげなきゃだめよ」
「すみません、気をつけます」
「ところでもえさん、今朝はわたしだけじゃなくて、瑞穂ちゃんも何か痛そうな顔をしていましたけど、何があったんですか?」
「ああ、あのがきんちょはね、昨晩あんたたちのえっちを見ながら、ちょっと激しいオナニーをやり過ぎただけよ」
 当の瑞穂は、恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めたまま無言だった。瑞穂も起きた当初、痛くて歩けないと言っていたので、みなみちゃんと同様に『ヒール』で治療したのだが、痛くて歩けなくなるほどのオナニーって、一体どんなことをしたのだろう。


 気を取り直して、僕たちは北フナバシ採掘場跡への遠征2日目に入った。
 この日は前日と同じく、盗賊やモンスターたちを片っ端から駆除しつつ道を進んだのだが、僕の調子はイマイチで、何となく惰性で戦っているような感じだった。
「きよたん、ちゃんと戦いに集中できてるの? なんか、昨日より動きが良くないし、盗賊たちも結構取り逃がしちゃってるわよ」
 もえちゃんが、僕にそう声を掛けてきた。
「ご、ごめん。できる限り集中しようとは思っているんだけど」
「そんなに、あのがきんちょとえっちするのが楽しみなわけ?」
 もえちゃんが、いかにも不機嫌そうな顔をして、図星を指してきた。
「い、いや、楽しみというよりは、むしろ期待と不安が混じっているような感じで」
 昨晩は、初体験のみなみちゃんを相手に加減を誤り、激しくし過ぎてみなみちゃんを気絶させてしまった上に、僕も性欲を十分発散させることができず、朝から欲求不満でモヤモヤしているような状態だった。しかも、今日の相手は同じく初体験の瑞穂で、しかもみなみちゃんより幼く身体も小さいから、無事に挿入できるかどうかも分からない。
 瑞穂の身体に配慮しようとしても、今となっては挿入無しで満足できるかどうか分からないし、そもそも夜まで我慢できるかどうかも怪しい。確かに、今日の僕は敵との戦いより、瑞穂とのえっちの事で頭が一杯になっていた。
「きよたかさん、今日はあまり無理をしない方が良いのではないでしょうか。きよたかさんの調子もイマイチですけど、瑞穂ちゃんの調子はもっと悪いみたいですから」
 みなみちゃんが、会話に口を挟んできた。
「瑞穂が? 身体の具合でも悪いの?」
「いえ、瑞穂ちゃんは今日が挿入えっち初体験の日なので、かなり緊張しているみたいです。事あるごとに、きよたかさんの方を見ながら、身体をモジモジさせていますよ」
「そ、そんなことないよ。瑞穂はまだ大丈夫だよ」
 瑞穂がそう言ってきたが、いつもと違って中二病を気取る余裕も無いあたり、確かに本調子ではないのだろう。
「まあ、調子が悪いときに無理をしても仕方ない。急げば今日中に採掘場跡まで辿り着くことも不可能じゃ無いけど、採掘場跡への突入は明日に回そう。今日の戦いは、採掘場跡の手前くらいまで辿り着いたら終わりにする」
「それが良いかもね。この辺の敵は雑魚しかいないけど、採掘場跡に突入したら強力なボスが出てくるかも知れないし。きよたんとがきんちょがえっちしたくてモヤモヤしている状態で無理をするのは良くないわ」

 そんな事を喋りながらも、僕たちは結構な数のモンスターなどを倒し続け、昨日よりやや強いモンスターが多かったせいか、今日は全員のレベルが上がった。僕は騎士のレベル10に上がり、キュアの上位互換にあたる『ハイキュア』を習得した。『ハイキュア』は、アークプリーストならレベル1、騎士ならレベル10で習得できる回復魔法のスキルで、回復力が『キュア』の約5倍になる上に、『キュア』と異なり傷口なども塞いでくれるので、『ヒール』との使い分けも不要になる。
 なお、他職業の冒険者が『ハイキュア』を習得するにはSP5が必要で、かつ先に『キュア』を習得していないと『ハイキュア』は習得できないのだが、僕のように既にSP2を消費して『キュア』を習得していた場合には、『ハイキュア』を習得した時点で消費したSPが還元される仕組みになっている。
 そのため、僕の残りSPは、レベルアップで+2、『キュア』分の還元で+2されて12になったので、SP5を消費してアークプリーストの固有スキルである『リザレクション』を習得した。『リザレクション』は、死後24時間以内かつ遺体に大幅な損壊が無いという条件付きではあるが、死者を生き返らせることが出来る回復魔法で、僕がこの魔法を習得すればパーティー全体の生存確率は大幅に上がる。後は、レベル12になったら習得できる、アークウィザードの固有スキル『エヴァキュエイト』という緊急脱出用の魔法を習得すれば、上級職の冒険者として真っ先に取っておきたいスキルは押さえられるので、残りのSPは遠慮無く自分の強化に使うことができる。この時点で、僕の残りSPは7となった。
 もえちゃんは、モンクのレベル10に上がり、『気功弾』という固有スキルを習得した。『気功弾』は、気功の力で攻撃用の波動を放つという必殺技だが、魔法では無いのでMPの消費は無い。もえちゃんは、僕と違ってSPを貯めておく必要は無いので、レベル9に上がったとき『VIT上昇』、レベル10に上がったとき『DEX上昇』の中級スキルを習得し、残りSPは0。
 みなみちゃんは僧侶のレベル21に、瑞穂は魔術師のレベル21に上がったものの、二人とも採掘場跡への突入に備えて『暗視』を覚えておいた方が良いという話になり、みなみちゃんの残りSPは6、瑞穂の残りSPは8となった。
 ちなみに、僕たちの後を付いてきたフナバシ・タウンの兵士さんたちは、「あれで本調子じゃ無いって言うのかよ」などと噂しながら、顔色を蒼ざめさせていた。

◇◇◇◇◇◇

 ところが、戦い続けて疲れてきたので、そろそろお昼休憩にしようかというときに、事故が起きてしまった。これまでの僕は、前列でみなみちゃんや瑞穂を守りながら戦っていたので気付かなかったけど、今日の瑞穂はなぜかマントを着けていなかった。何とか色気を出そうと背伸びをしている瑞穂のスカートは極端に短く、背中にマントを着けていないと後ろから可愛いお尻が見えてしまう。
 そして、ちょうど僕の眼前で、瑞穂が荷馬車から昼食を取り出そうと前屈みになり、その態勢で瑞穂のお尻と大事なところが丸見えになったところで、僕の理性の糸は切れてしまった。
「瑞穂、ごめん。もう我慢できない!」
「えっ!? お兄ちゃん、ここでしちゃうの!?」
 突然背後から襲いかかってきた僕に、瑞穂は驚きの声を上げたものの、抵抗する様子はない。瑞穂の秘部は良い具合に濡れていたので、僕はズボンとパンツを脱ぐと、いきなりバックの姿勢で挿入を試みた。
 ずぷっ。
「うっ!?」
 ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
 瑞穂への挿入は、意外なほどスムーズに出来たものの、僕の愚息はきつく締め付けてくる快感に耐えられず、ものの数秒で射精してしまった。そして、一発だけでは満足できないので、当然のようにそのまま続けてしまう。その様子を見ながら、
「きよたん、真っ昼間から何やってるのよ。盛りのついた猫じゃあるまいし」
「似たようなものですよ。二人とも調子が悪かったのは、今までえっちしたいのを我慢していただけなんですから」
 もえちゃんとみなみちゃんに呆れられたものの、一度始めてしまったら途中で止めることは不可能だった。間もなく、僕は瑞穂の膣内に二発目を発射し、それで何とか収まりがついたものの、これが初体験になってしまった瑞穂は、ヘロヘロになってしまった。
「瑞穂、大丈夫!?」
「うん、お兄ちゃん、気持ち良かった・・・・・・」
「気持ち良かったのはいいけど、これから歩ける?」
「ううん、ちょっと無理、かも・・・・・・」
 夢見心地のような表情でそう呟く瑞穂に、僕は頭を抱えた。
 ・・・・・・どうしよう。午後にも戦いはあるだろうし、瑞穂抜きで戦うというわけにも行かないし。
「きよたかさん、初体験を済ませたばかりの女の子に、歩かせたり戦わせたりするのは無理ですよ。兵士さんたちの話だと、ここから少し進んだところに小川があり、そのあたりが野営に適しているそうです。その小川を越えれば、採掘場跡まではもう目と鼻の先ということなので、瑞穂ちゃんをここでしばらく休ませて、体力が回復したらその小川あたりまで進んで、今日はそこで野営にしたらどうでしょうか」
「みなみちゃん、分かった。それにしても、僕が理性を維持できなかったばっかりに、こんなことになっちゃって・・・・・・」
「それは、きよたかさんだけのせいじゃないですよ。さっきのは、むしろ瑞穂ちゃんが誘ったようなものですから」
 みなみちゃんがそう言って、落ち込んでいる僕を励ましてくれた。

◇◇◇◇◇◇

 みなみちゃんの勧めに従い、僕たちは瑞穂を少し休ませた後、先に進んで小川のある場所へ到達し、そこで野営することになった。もっとも、時間的にはまだ午後の3時くらいで、野営の準備をするには十分な余裕があった。その時間を使って、僕は休んでいる瑞穂に話し掛けることにした。
「瑞穂、もう大丈夫?」
「うん、まだちょっとあそこがヒリヒリするけど、だいぶ落ち着いてきたよ」
「それは何より。ところで瑞穂、ちょっと聞いていい?」
「何? お兄ちゃん」
「さっき瑞穂とえっちしたとき、処女膜が無かったような気がするんだけど」
「ああ、それはね、昨晩瑞穂が自分で破いちゃったの」
「・・・・・・自分で?」
「うん。昨晩、みなみお姉ちゃんが、えっちのときお兄ちゃんに処女膜を破られて痛そうにしてたから、痛いのを先に済ませておけばいいと思って」
「それ、瑞穂が自分で考えたの?」
「ううん、もえお姉ちゃんに教えてもらったの。お兄ちゃんのが入るかどうか心配なら、指を思いっきり突っ込んで処女膜を破って、膣内を触って慣らしておけば上手く行くわよって教えてくれたの」
「なんて無茶なことを・・・・・・。そんなことして、痛くなかった?」
「ものすごく痛かったよ。でもそのおかげで、お兄ちゃんとは最初から気持ち良くえっちできたから、満足だよ」
「何という荒っぽいやり方を・・・・・・」
 僕は思わず嘆息した。あのもえちゃんに、瑞穂の性教育を任せるのは色々と問題があり過ぎる。このままでは瑞穂の将来が心配だ。
「お兄ちゃん、瑞穂のやり方良くなかった?」
「結果的に、瑞穂とすんなりえっち出来たのは良かったけど、もえちゃんのやることはあまり真似しない方が良いと思うよ」
「どうして?」
「瑞穂がもえちゃんの真似をすると、大きくなったときえっちになりすぎて、手が付けられなくなっちゃうかも知れないから。出来れば、一人でオナニーするのはもう止めて、気持ち良くなるのは僕とえっちするときだけにして欲しいんだけど」
「・・・・・・お兄ちゃん、オナニーする女の子は嫌いなの?」
「女の子のオナニーを全否定するつもりはないけど、訓練の授業中にオナニーしちゃうとか、全く我慢できないのは問題だと思うよ。それに、瑞穂は僕にとって大事な妹で、僕の身体をいつも気遣ってくれているから、僕も同じように、瑞穂の身体を気遣ってあげたいと思って」
「それじゃあ、瑞穂が我慢できなくなったときは、どうすればいいの?」
「そうだね・・・・・・。我慢できなくなっちゃったときは、僕に『魔眼が疼く』って言えば、僕が気持ち良くさせてあげるよ。僕がいないときなんかに一人でしちゃったときは、後でその回数だけ教えてくれればいいから。オナニーを我慢できなかったときは仕方ないけど、我慢する努力はしてみて」
「うん。お兄ちゃんがそうして欲しいなら、頑張ってみる」
 瑞穂はそう答えると、気合いを入れ直したような様子を見せて、こう続けた。
「早速だが我が眷属よ、先ほどから我の魔眼が疼いて仕方ないのだ」
「もう!?」
「我が眷属よ、先ほど申したばかりであろう。我の魔眼が疼いているときには、我の滾る身体を鎮めてくれると」
 要するに、瑞穂はえっちの続きがしたいらしい。馬鹿馬鹿しいやりとりではあるが、自分から言い出したことなので、僕はいつも通り応じることにした。
「いかにも。では、偉大なる魔眼の女王バロールよ、その麗しき魔眼の力を、我に向かって開放されよ」
「心得た。我が眷属よ、魔眼の力とくと見よ!」
 瑞穂は、いつも通りの口上を述べて、おもむろに自分の眼帯を外した。
「おお、なんという力・・・・・・。僕は魔眼の魅力に魅入られてしまったようだ・・・・・・」
 傍目には馬鹿馬鹿しい子供の遊びにしか見えないだろうが、こういうやり取りは、訓練生時代から瑞穂とえっちなことをする前のお約束になっている。瑞穂が取っている『魔眼』スキルの熟練度を上げるには、こういうやり取りをするのが最も有効なのだ。

◇◇◇◇◇◇

 瑞穂の初体験が突発的な事故のような形になってしまったので、今回のえっちでは念入りに瑞穂の身体を愛撫し、まだ挿入に慣れていない瑞穂の身体を考慮して、2連続で中出しした後は、しばらく休憩にした。僕としては物足りないけど、瑞穂がえっちに慣れるまでは、我慢も必要だろう。
 その後、僕たちは全員揃って夕食を取ったのだが、そのときもえちゃんが僕に問い掛けてきた。
「ねえ、きよたん。これで、あたしとみなみちゃん、がきんちょと順番が一巡したけど、誰とのえっちが一番気持ち良かった?」
「いや、それはまだ、比べるのは早いよ。もえちゃんと違って、みなみちゃんと瑞穂は初体験を済ませたばかりなんだし」
「つまり、今の段階ではあたしの圧勝ってことね。あたしと違って、相手が初体験の女の子じゃあ、性欲旺盛なきよたんは満足できなかったでしょう?」
「いや、確かに今の段階ではそうだけど、そのうちみなみちゃんも瑞穂もえっちに慣れてきて、もえちゃんより上手くなるかも知れないし」
「それはあり得ないわ。あたしは、きよたんとえっちするときに備えて、『性愛』と『名器』のスキルを取っておいたから」
「『名器』? 『性愛』のスキルならタマキ先生の授業で教わったけど、他にも『名器』なんてスキルがあるの?」
「訓練生だったときに、あのフライヤから教わったのよ。『名器』のスキルを持っている女の子は、えっちをするたびにあそこが発達してきて、男をもっと気持ち良くすることが出来るらしいわよ。普通は、上級職にクラスチェンジしたときに、SP2を消費して習得するんだけど、中には生まれながらの名器の持ち主もいて、そういう子は最初から『名器』のスキルを持っているんですって。フライヤも『名器』持ちだけど、姉のエイルはミミズ千匹とかいう伝説級の名器の持ち主で、『名器』のスキルレベルが最初から55もあったんですって」
「はあ・・・・・・」
「あたしは、残念ながら生まれながらの『名器』持ちではなかったけど、既に上級職のモンクになって『名器』スキルを取ったから、きよたんとえっちすればするほど、あたしの『名器』スキルがどんどん上がり、きよたんをもっと気持ち良くさせることが出来るわ。でも、みなみちゃんとがきんちょはまだ基本職だから、クラスチェンジして『名器』のスキルを取れるようになるのは相当先の話だし、あたしと違ってえっちの回数もそんなにこなせないから、仮にクラスチェンジ後すぐに『名器』スキルを取ったとしても、あたしのスキルレベルには絶対追いつけないわ。これでもう、あたしの勝ちは確定ね」
 勝ち誇ったような笑みを浮かべるもえちゃんに対し、みなみちゃんと瑞穂は何も言い返すことが出来ず、ただ悔しそうにもえちゃんを睨み付けている。
「みなみちゃん、瑞穂。『名器』なんてそんなに気にする必要ないから。実際、僕は経験が浅くてすぐにイッちゃうから、相手の女の子が名器かどうかなんてほとんど関係ないし」
 僕が何とか二人を宥めようとしたところ、みなみちゃんがふと疑問を口にした。
「でも、『性愛』と違って、『名器』って明らかに女性向けのスキルですよね? 男性向けのスキルもあるんでしょうか?」
「さあ、どうだろう・・・・・・?」
 一応、僕はステータス画面で習得できるスキルを検索することにした。この世界の冒険者が習得できるスキルの種類は非常に多く、非常に役立つスキルもあれば、一体何のためにあるのかと思うようなネタスキルも多い。しかも、見習い冒険者の段階から習得できる初級スキルはともかく、上級職(一般にそう呼ばれているが、正式名称は中級職)にならないと習得できない中級スキルは、習得できる冒険者の数自体が少ないため、実態もよく分かっていないものが多いのだ。
「ひょっとして、これかな?」
 僕は、数ある習得可能スキル候補の中から、『名槍』というスキルを選び、説明文を読み上げてみた。
「『名槍』 男性のみが習得可能なスキル。このスキルを習得すると、性行為を重ねるごとに熟練度が上がり、男性器の勃起力、持久力、射精力などが大幅に向上し、加齢による衰えも防止することができる」
「たぶん、それですね」
 みなみちゃんが頷く。スキルの名称からして、最初は槍攻撃の威力がアップするスキルかと思っていたが、実は男性機能をアップさせるスキルだったのか。
「そんなスキルがあったのね。じゃあきよたん、早く『名槍』スキル取りなさいよ」
「いや、僕はただでさえ性欲が強すぎるくらいなんで、こんなスキルはたぶん必要無いかと・・・・・・。それに、他にも取りたい戦闘関連のスキルは山ほどあるし」
「きよたんは、性欲が強くても持久力がダメダメじゃないの。それに、自分のモノを名槍清隆丸なんて言っておきながら、『名槍』スキルを取ってないなんて、詐欺じゃないの?」
「いや、名槍清隆丸なんて言い出したのはタマキ先生で、僕自身はそんなこと、一言も言ってないから!」
「言い訳は要らないわよ。あたしたちを3人ともお嫁さんにしたいなら、きよたんもそれなりの努力はしなさいよ。きよたんが文字通りの名槍持ちになって、毎晩あたしたち3人の相手をできるようになれば、えっちの順番なんてまどろっこしい話は必要無くなるんだから」
「いや、それは、ええと・・・・・・」
 僕は、助けを求めるようにみなみちゃんと瑞穂の方を向いたが、二人ともむしろ期待に満ちた目で僕の方を見ている。どうやら二人とも、本当は僕と毎日えっちしたいらしい。
「・・・・・・分かったよ。取ればいいんでしょ」
 観念した僕は、その場でSP2を消費して『名槍』スキルを習得した。これで、僕の残りSPは5。レベル12になったときの『エヴァキュエイト』習得に支障は無いものの、万能型でSPが不足気味になっている僕としては、できればSPの浪費は避けたかった。

◇◇◇◇◇◇

 ともあれ、夕食が終わった後僕と瑞穂はえっちを再開したが、さすがに今日が初体験ではあまり無理をさせることは出来ず、休み休みでも僕が本日8発目を出した段階で瑞穂の体力が限界に達してしまったので、僕は欲求不満を残しつつも、瑞穂と一緒に野営用のテントへ戻り眠りに就いた。
 ところが、まだ朝にもならないうちに、僕は下半身に強烈な刺激を受け、それで目を覚ましてしまった。
「・・・・・・もえちゃん?」
 テントの中は真っ暗だが、『暗視』スキルのおかげで、僕の身体の上に跨がっているのがもえちゃんだと判別できた。どうやら僕が寝ている間に、もえちゃんが騎乗位で挿入してしまったらしい。
「シーッ! きよたん、大声出さないで。もう日付が変わったから、今日はあたしの順番よ。みなみちゃんやあのがきんちょ相手に満足できなかった分、あたしの中に好きなだけ出しちゃいなさい」
「そ、それはどうも・・・・・・」
「でも、勘違いしちゃだめよ。あたしは、あくまできよたんの欲求不満を鎮めてあげようとしただけで、別にきよたんと早くえっちしたくて、日付が変わるのを今か今かと待ちわびていたわけじゃないんだからね」
 口ではそう言っているが、僕の上に跨がっているもえちゃんの乱れっぷりを見る限り、どうやら日付が変わった時点で僕に襲いかかる気満々だったらしい。すぐに身体の限界が来るみなみちゃんや瑞穂と違い、もえちゃんは自分が満足するまで何度でも搾り取ろうとするので、僕はその夜、もはや出すものが無くなってもイカされ続け、ようやく解放されるとクタクタになって眠りに就いた。
 ・・・・・・性欲旺盛なもえちゃんを相手に、毎日絞り尽くされるのでは僕の身体が持たないので、みなみちゃんと瑞穂の日で適度に休める方が、少なくとも今の僕にとってはちょうど良いのかも知れない。

(第22話に続く)
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