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第2章 トーキョー編 目指せ! モンスター・ゼロ!
第20話 みなみちゃんの初体験
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第20話 みなみちゃんの初体験
フナバシ・タウンで、爆弾低気圧の暴風雨を避けるためノダ町長の屋敷に2泊させてもらい、フナバシ・タウンを脅しにやってきた、ユッキーナ組と名乗る盗賊の一団を壊滅させ、そしてもえちゃんと、地獄のように激しい騎乗位えっちをした翌朝。
僕は仲間たちを集め、今日から予定どおり、北フナバシ採掘場跡(仮名)への遠征を始めると告げようとしたのだが、僕が話を始めようとしたとき、みなみちゃんが僕に待ったを掛けた。
「きよたかさん、それともえさん、ちょっとお話があります」
「何? みなみちゃん」
僕は、一応聞き返したものの、若干怒り気味のみなみちゃんが話したいことは、大体察しが付いていた。僕が二晩連続でもえちゃんとえっちしてしまったので、みなみちゃんはそのことが不満なのだろう。しかし、もえちゃんもおそらく、簡単に僕を手放すつもりはない。僕は、修羅場になることを覚悟しつつ、みなみちゃんの言葉に耳を傾けた。
「もえさん! 昨日のもえさんの行為は、『もみみ協定』違反です!」
「・・・・・・はあ?」
僕は、思わず聞き返してしまった。何となく可愛らしいネーミングだけど、意味がさっぱり分からない。でも、名指しされたもえちゃんは、その言葉の意味を知っているらしく、うなだれながら沈黙を貫いている。
「もえさん、きよたかさんとの挿入えっちが気持ち良いからって、一昨日のみならず昨日までも、自分からきよたかさんを誘って、自分だけ気持ち良くなろうとしましたね!? このような行為は、もみみ協定の第2条、『美味しいものはみんなで仲良く分け合い、決して独り占めしない』に、明らかに反しています!」
「・・・・・・それ以前に、お兄ちゃんを独り占めしないっていう第3条にも反してるよ!」
瑞穂も言葉を続けた。どうやらこの3人は、僕の知らないうちにそのような取り決めをしていたらしい。
「それに、昨日のプレイは一体何ですか!? せっかくもえさんが馬乗りになって、もえさんが攻め、きよたかさんが受けという美味しいシチュエーションになったと思ったのに、途中からきよたかさんに逆転されちゃって! あれでは、きよたかさんの受け属性が台無しです!」
・・・・・・をい。
「それに、きよたかさんとのえっちで、もえさんが普段の顔からは想像もできないくらいのアへ顔になっているのを見て、そんなに挿入えっちが気持ち良いなら、わたしもきよたかさんに挿れてほしいなんて、ちょっと変な嗜好に目覚めちゃったじゃないですか!」
「えーと、それは別に、女の子として変な嗜好じゃないと思うわよ?」
みなみちゃんの天然発言に、思わずもえちゃんが突っ込むも、みなみちゃんは構わず続ける。ちなみに、もえちゃんの突っ込みに関しては、僕も全く同意見である。
「とにかく!! 今夜こそは、きよたかさんの相手を私に譲ってください! これ以上の独り占めは容認できません!」
「構わないわよ。あたしは、別にきよたんのことが好きなわけじゃないし。単に、きよたんがあたしとえっちしたいって言うから相手してやっただけで、独り占めなんかする気ないし。勝手にすれば?」
・・・・・・え!?
もえちゃんが僕のことを好きじゃ無いと聞かされて、動揺している僕をよそに、女の子たちの話はどんどん進んでいく。
「ふーん、そうなんですか。もえさんは別に、きよたかさんのことが好きなわけじゃ無くて、きよたかさんとえっちしたいわけでも無いんですか。でも、わたしと瑞穂ちゃんは、心の底からきよたかさんのことが好きで、きよたかさんとえっちしたいと思っていますから、今日からは私と瑞穂ちゃんで、きよたかさんとえっちすることにしますね」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! それはあんまりよ!」
「どこがあんまりなんですか? 別に、もえさんがきよたかさんを好きじゃないなら、問題ないと思いますけど」
「た、確かに、あたしはきよたんのことなんて、ちっとも好きじゃないわよ。でも、あたしは職業柄、VITが高い分性欲も強くて、あたしの性欲を発散するにはきよたんの名槍清隆丸がちょうど良いから、あたしも入れなさいよ! 美味しいものはみんなで分け合うんでしょ?」
・・・・・・もえちゃんが、若干頬を赤らめつつそんなことを言っているが、その理屈だと、もえちゃんは自分のことを痴女だと言っていることになってしまい、もっと恥ずかしいと思うのだが。
「分かりました。それなら、今夜はわたし、明日の夜は瑞穂ちゃん、明後日はもえさん、その次はまたわたしという感じで、順番にきよたかさんとえっちすることに決めますね」
「・・・・・・まあ、それなら良いわよ」
「ちょっと待って! みなみお姉ちゃん、もえお姉ちゃん」
みなみちゃんともえちゃんが、意外と妥当な線で同意したかと思いきや、今度は瑞穂が待ったを掛けた。
「お兄ちゃんは、ポーションの効果でオナニーが出来ないから、昼間でも、急にえっちしたくなっちゃったら、誰かとえっちしなきゃいけないんだよ! そういうときでも、当番の人以外は、お兄ちゃんとえっちしちゃいけないの?」
「別に、あたしたちが話しているのは、あくまできよたんの夜の相手だから、昼間にきよたんが急に発情しちゃったときは、その場にいる子が相手すればいいんじゃない?」
「わたしも、それで良いと思います。わたしが言っているのは、わたしにもきよたかさんとえっちする機会をくださいということだけで、基本的にきよたかさんが誰とえっちするかは、きよたかさんの自由だと思いますから」
「じゃあ、お兄ちゃんの緊急時には、誰がしてもいいってことで決まりだね!」
瑞穂の言葉で、意外と話自体は丸く収まったのだが、僕としては色々と、腑に落ちない点があった。
「ちょ、ちょっと待ってくれる?」
「なあに、お兄ちゃん?」
「えーと、もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂。結論自体は、僕も大体それでいいと思うんだけど、話の内容が色々と、突っ込みどころ満載というか・・・・・・。みなみちゃんは、僕ともえちゃんがえっちしているところ、いつどこで見ていたの?」
「瑞穂ちゃんと一緒に、きよたかさんの部屋から覗いてました。町長の奥さんから、きよたかさんの寝室ともえちゃんの寝室は続き部屋になっているから、きよたかさんの部屋に行けばカーテンの後ろから覗けますよって教えてもらえたので、一昨日は途中から、昨日は最初から最後まで全部、ばっちり見学させて頂きました」
「・・・・・・一体何のために?」
「きよたかさんと、挿入えっちをするときの参考になると思ったんです。それに、きよたかさんがもえさんの部屋に行って、もえさんがえっちな声を上げていたら、どうしても気になっちゃうじゃないですか。それに、もえさんのときだけじゃなくて、テントで野宿していたとき、きよたかさんが瑞穂ちゃんと、裸でマット遊びをしていたところも、わたしはテントの裏からばっちり見ていましたよ」
・・・・・・みなみちゃんって、BL趣味だけでは無くて、実は覗きの趣味もあったのか。
「そうですか・・・・・・。あと、さっき言っていた『もみみ協定』とかいうのは何?」
「ああ、それはですね。センターで卒業式があった日、わたしたち3人で、きよたかさんのことについて話し合ったんです。タマキ先生から、男の人をめぐる争いで、同じパーティーの女の人が、戦闘中に男の人を殺してしまって、そのせいでパーティーが全滅しちゃったという話を聞かされていましたから、わたしたちはきよたかさんをめぐる争いで、絶対にそんなことはしないように仲良くしよう、っていう話になったんです。その時の取り決めについて、もえちゃんの『も』、わたしの『み』、瑞穂ちゃんの『み』を合わせて、『もみみ協定』と呼ぶことになったんです」
「ああ、そういうことね。念のため、取り決めの内容も聞いておきたいんだけど」
「ふっ。我が眷属よ。無限の叡智を誇る魔眼の女王、バロール様が教えて進ぜよう。神聖なる『もみみ協定』の取り決めは、全部で3箇条。
第1条、我々は魔王ガースー、その他アマツ世界を脅かす邪悪な者どもを討ち滅ぼし、このアマツ世界に平和を取り戻すことを第一の使命とする。
第2条、我々は美味なるものの数々も、皆で仲良く分かち合い、決して独占しようなどと企んではならない。
第3条、我が眷属が、我々のうち誰を第一の嫁に選ぶかという問題については、第一の使命を果たすまで棚上げすることとし、それまでは我が眷属を独占しようとなどと企んではならない。
以上のとおりである」
みなみちゃんの代わりに、瑞穂が中二病モードで答えてくれた。
「・・・・・・もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂の言っている内容で合ってるの?」
「言い回しはともかく、内容は大体合ってるわよ」
「大体そんな感じです、きよたかさん」
「・・・・・・分かった」
なんか、ずいぶんアバウトな取り決めだなあとは思ったものの、3人ともパーティー内の平和を考えてくれているのは良いことなので、細かい点に突っ込むのは止めにした。
◇◇◇◇◇◇
この日の戦いは、徹底した掃討作戦となった。
センターから依頼を受けたクエストの内容自体は、北フナバシ採掘場跡から出現するスライムの討伐というものだが、そのクエストをトーキョー・シティーに依頼したノダ町長の目的は、採掘場跡に住み着きスライムを生み出している盗賊団の一味を成敗し、再び染物原料の採掘場に使えるようにするための戦いに力を貸して欲しいということ。そうであれば、フナバシ・タウンから採掘場跡に至る地域に住み着いている他の盗賊団やモンスターも倒し、その往復も安全にしないと目的は達成されない。
それに、僕も昨日の読書で初めて知ったのだが、トーキョー・シティーでは5年ほど前まで冒険者ギルドというものがあり、その運営は冒険者たちの自治で行われていたものの、ギルドやその周辺で酒に酔った冒険者たちが暴れたり、冒険者たちの犯罪を仲間同士のかばい合いで隠蔽したり、クエストの達成などもごまかしたりなど、ギルドの腐敗やそれによる治安の悪化が問題となっていたため、ユーリコ知事は5年ほど前に、それまでの冒険者ギルドを解体し、それに代わるものとして、トーキョー・シティーの強い監督下にある、現在の『冒険者人材育成センター』を創設することにしたのだという。
それまでは良いのだが、そのような改革は当然ながら既得権益を守ろうとする冒険者の多くが反対し、センターの所長に就任したタマキ先生が行った最初の大仕事は、自ら冒険者有志のほかトーキョー・シティーの防衛軍まで動員して、旧冒険者ギルドに立て籠もった反対派の冒険者たちを排除、すなわち皆殺しにすることだったという。
それによって、トーキョー・シティーの旧冒険者ギルド勢力は排除されたのだが、当時トーキョー・シティーにいなかったなどの理由で粛清を免れた冒険者たちの多くは、トーキョーの東部やチバ地方で盗賊と化し、それがこの地方における治安悪化の要因になっているとのこと。そうであれば、この地方における盗賊団を掃討するのは、僕たちを含めトーキョー・シティーに所属する冒険者たちの責務でもある。
また、今回の掃討作戦にあたり、盗賊団やモンスターに捕らえられた捕虜や、やむを得ない事情で盗賊団の一味に加わらざるを得なかった元冒険者などの投降者が出ることも予想されるため、僕はノダ町長に頼んで伝令用の騎兵を何人か付けてもらい、盗賊団やモンスターのアジトを制圧した後の事後処理は、フナバシ・タウンの兵士や住民たちに一任することにした。
それらのアジトを制圧した際、発見された金貨や銀貨、貴重な装飾品などは戦利品として僕たちがもらっていくが、それ以外の比較的価値の低い財貨、食料などはかさばるのでフナバシ・タウンに寄付することにした。こうした措置のおかげで、今日の僕たちは盗賊団やモンスターとの戦いに専念することができ、効率よく敵を狩ることができた。
「ふう。きよたん、今日は何だか大漁って感じね~。後のことは気にせずじゃんじゃん敵を狩れて、すっきりしたわ~! あたしも、明日くらいには次のレベルに上がりそうよ!」
そろそろ夕方になってきたので、ここらで野営しようという話になったとき、もえちゃんが満足そうな顔で、そんな話をしていた。
「そうですね。スライムを相手にするときには大人しくしていたもえさん以外、全員レベルが上がりましたからね。でもその代わり、もの凄く疲れました・・・・・・。1日で特濃マナポーションを5回も飲んだの、今回が初めてです」
「・・・・・・ふっ。偉大なる魔眼の女王にして、無敵の第六天魔王バロール様をもってしても、今日の戦いはいささか疲れたぞ」
瑞穂は、先日僕から聞いたばかりの、『第六天魔王』のフレーズを取り入れていた。よほど気に入ったのだろう。
ちなみに、瑞穂は魔術師のレベル19に上がったことで、一定時間敵に魔法を使えなくする『サイレント』の魔法を自動習得。貯まった残りSP(スキルポイント)8は、将来に備えて温存。みなみちゃんは僧侶のレベル19に上がったことで、微量だが味方1人のSTR、AGI、DEXまたはVITを成長させることができる『プロモート』の魔法を自動習得。さらに、SP2を消費して、『解錠』のスキルを習得してもらった。残りSPは6。
・・・・・・以前、ゴブリンのアジトにある食物倉庫の扉を、もえちゃんが力づくでぶっ壊した結果、食物倉庫ごと崩壊させてしまったことがある(第13話参照)ため、採掘場跡への侵攻に備え、僕に次いでDEXの高いみなみちゃんに、扉や宝箱の鍵をこじ開ける『解錠』のスキルを習得してもらったわけである。
そして、騎士のレベル9に上がった僕は、SP(スキルポイント)4を消費して『テレポート』を習得したが、安全に『テレポート』を使用するには、トーキョー・シティーの魔導士協会で技能講習を受ける必要があるということなので、現段階では、テレポートによる転移先の登録が出来るだけである。
「何が無敵の第六天魔王よ。今日の戦いでも、相手がスライムのとき以外は、比較的得意な攻撃魔法だって、あんたよりきよたんの方がずっと強かったじゃないの」
「まあ、瑞穂はまだ基本職のレベル19だから。レベル25で習得できる『攻撃系魔法効果上昇』と、アークウィザードにクラスチェンジすれば習得できる各種の強化スキルを習得し熟練度レベルを上げていけば、おそらくものすごい勢いで強くなっていくよ。みなみちゃんも状況的にはほぼ同じで、二人が上級職にクラスチェンジすれば、二人の使う魔法も大幅にパワーアップして、もっと難易度の高いクエストもこなせるようになると思うから」
「でも、わたしの仕事は、これで終わりじゃありません。野営の準備をして、みなさんの夕食を作って、食べた後にお片付けをして、それからきよたかさんと・・・・・・」
「あら、それは大変ね、みなみちゃん。全部こなすのが大変だったら、きよたんとのえっちは、あたしが代わってあげようか?」
「もえさん! 一番美味しいところを持って行こうとしないでください! 料理が出来ないのは分かっていますけど、せめて後片付けくらい手伝ってください!」
「・・・・・・みなみお姉ちゃん、後片付けは瑞穂一人でも出来るから、大丈夫だよ」
「すみません。それじゃあ、後片付けは瑞穂ちゃんにお任せしますね」
「こういうときは、瑞穂も本当に良い子だなって気がするよ」
「何よ、きよたん。あたしが悪い子だって言いたいの?」
「そうじゃないけど、仮にも女の子なら、もう少し家事が上手くてもいいんじゃないかって思ったりする」
「きよたん、『仮にも』って何よ!? あたしは、れっきとした女の子よ!」
「我、無限なる叡智の持ち主、魔眼の女王バロール様の観るところによれば、確かにもえ姉の身体は女性の形をしておるが、その身体には並の男など足許にも及ばぬほどの、漢の精神が宿っておるな。おそらくは、アテナイス様がおちん○んを付けるべきところに、間違っておま○こを付けてしまったのであろう」
瑞穂の言葉に、思わず僕とみなみちゃんは吹き出してしまった。
「きよたん、みなみちゃん、何がおかしいのよ!?」
「いえ、ふざけているようで、実は何となく当たっているような感じがしちゃいまして。特に、あのアテナイス様なら、そのくらいやっちゃいそうな気がしまして・・・・・・」
「もえちゃん、実は自分でも、本当は男に生まれたら良かったとか思ってるんじゃない?」
「きよたん。確かに、そう思ってた時期もあるけど、今のあたしはむしろ、女に生まれて良かったと思ってるわよ」
「どうして?」
「・・・・・・あたしが男だったら、きよたんとえっちして気持ち良くなれないじゃない」
ちょっと頬を赤らめて俯きながら、そんなことを呟くもえちゃんは、確かに女の子らしい顔をしていた。僕だけで無く、みなみちゃんと瑞穂もそのように感じたようで、この話題は自然と打ち切りになってしまった。
◇◇◇◇◇◇
「お待たせしました。今夜のメインディッシュは、キラータイガー肉の塩焼きと、キョン肉の煮込みです」
「・・・・・・みなみちゃん。キラータイガーは分かるけど、キョン肉って何よ?」
「今日何度も出てきた、あの鹿みたいなモンスターの肉だよ。昔はいなかったけど、最近になってチバ地方で急速に数を増やし、従来の鹿と違って植物なら何でも食べちゃうし繁殖力も強いから、人類を脅かす存在になっているんだって」
「はい。それできよたかさんが、キョンの毛皮と肉をフナバシの新しい特産品にしてしまえば、一石二鳥になるんじゃないかって話をして、今夜試食することになったんです」
そのあたりのことは、昼間僕が何度も話していたのに、全然覚えていないあたりは、さすがのもえちゃんクオリティである。
「ふーん。それじゃあ、とりあえず食べてみるわね。・・・・・・うん、鹿肉なんて食べたこと無かったけど、思ったより美味いわね」
「うん、美味しい。みなみちゃんの料理スキルも、確実に上がってきてるね」
「きよたかさんに褒めてもらえると、うれしいです!」
「お兄ちゃん、瑞穂もお料理手伝ったからね! ほめてほめて!」
「うん、瑞穂もよく頑張った。えらいえらい」
ちなみに、キョンはともかく、キラータイガーの肉は1頭分でも4人では食べきれないほどの分量があるので、今夜の料理はフナバシ・タウンの兵士さんたちにも振る舞っている。今日だけで潰したアジトの数は10を超え、そのことをフナバシ・タウンに伝える伝令兵の皆さんも大忙しだった。今夜一緒に泊まる伝令の兵士さんは、出発時と全員メンバーが入れ替わっている。確か、出発時には男性の兵士さんもいたけど、今は全員が女性だ。
でも、僕たちにとって今夜のメインイベントが何であるかは、兵士さんたちも含めて全員が分かっている。僕の下半身も、昨晩もえちゃんとの地獄えっちで空っぽにされたはずなのに、今ではもう準備万端。みなみちゃんの態度も、何となくソワソワしながら、時々僕の方を見つめていたりする。
そして、僕たちが夕食を食べ終わった頃、瑞穂が呟いた。
「みなみお姉ちゃん、もういいよ。後片付けは、瑞穂がやっておくから・・・・・・」
その言葉が合図となり、僕たちと一緒に夕食を食べていた兵士さんたちは、自分たちのテントへと戻っていった。もえちゃんも、近くの湖へ水浴びに行ってしまい、僕はみなみちゃんと二人きりになった。みなみちゃんとは、もう裸でえっちなことは何度もしている仲なのに、こういう状況になるとドキドキしてしまう。
「・・・・・・みなみちゃん、とりあえず僕、浴衣に着替えてくるね」
「きよたかさん。わたしも着替えた方が良いでしょうか?」
「うーん、みなみちゃんの服装は、そのままでお願い。でも、着替え用の浴衣は用意しておいて」
「え!? この服装のままで、その・・・・・・、しちゃうんですか!?」
「うん。今までセンターでしていたときは、浴衣姿か裸だったけど、実は巫女服姿のみなみちゃんと、えっちしてみたかったんだ」
「そ、そんな・・・・・・。これは神聖な巫女服で、えっちするための服じゃ・・・・・・」
「・・・・・・みなみちゃん、それ本気で言ってる?」
今みなみちゃんが着ている、オーダーメイドの巫女服は、デザインが可愛らしいだけでなく、スカート部分がギリギリまで短くなっている。巫女服の色に合わせた長めの靴下を穿いているものの、太もものきわどい部分は剥き出し。しかも、例によってスカートの下にパンツを穿いていないので、時々大事なところが見えそうになってしまう。
どう見ても、いつでも襲ってくださいと言わんばかりの服装であり、昼間に見るとそれだけで欲情してしまいそうなので、僕は昼間の戦闘中、できる限りみなみちゃんの方を見ないようにしているほどである。
僕がそのことを指摘すると、
「べ、別にきよたかさんを誘うために、こんな格好をしているわけじゃ・・・・・・。でも、きよたかさんがお望みなら、仕方ありません・・・・・・」
みなみちゃんは、下手な弁解をしつつも、結局は応じてくれた。
僕は、例の屋外えっち道具と、念のため鞘に入れた片手剣モードのアテナイス・ソードを持って、野営用のテントから少し離れた池のほとりに、マットを設置した。
「き、きよたかさん。こ、こんなところで、しちゃうんですか・・・・・・?」
「今夜は野営だから、えっちは外でするしか無いよ。今日は天気が良くて、裸でもそんなに寒くないし、星空もすごく綺麗で、結構ロマンチックな場所じゃ無い?」
「ええと、星空が綺麗なのは良いと思うんですけど・・・・・・、お星様のせいで、夜にしては結構明るいですし、こんなところでしちゃうと、誰かに見られちゃうんじゃないかと・・・・・・」
「まあ、瑞穂は片付けが終わったら、まず間違いなく見学に来るだろうね。ひょっとしたら、もえちゃんも昨日の仕返しとばかり、こっそり見に来るかも」
「そ、そんな、恥ずかしい・・・・・・」
僕は、みなみちゃんの答えを最後まで聞くこと無く、みなみちゃんにキスをして黙らせた。そのまま、お互い舌を入れてのディープキスに突入する。僕はいつものように、キスと一緒にみなみちゃんの首筋や髪を撫で、やがてキスを終えると、巫女服をはだけさせてみなみちゃんの胸を触り始めた。
「あ、ああん、きよたかさん・・・・・・」
みなみちゃんが、次第に甘い声を漏らし始める。もう少し愛撫を続けようと思ったのだが、みなみちゃんの方が、今までに無いおねだりをしてきた。
「きよたかさん。胸はもういいですから、早く下の方を・・・・・・」
「下の方? ここ?」
僕が、スカートの中に手を忍ばせると、みなみちゃんの大事なところは驚くほど濡れていた。
「なんか、すっごく濡れてるね。まだ、あんまり触ってないのに」
「・・・・・・きよたかさんのせいですよ。センターにいた頃は、2日に1度はわたしにいっぱいえっちなことをしてくれたのに、もう3日連続でお預けにされて、しかも、もえさんとのすっごいえっちまで見せつけられて、もうわたし、我慢できないんです」
別に、みなみちゃんに見せつけようとしたわけじゃないと内心思ったのだが、せっかくの良いムードなので、その点は敢えて突っ込まないことにした。
「じゃあ、ここを触ってほしい?」
「・・・・・・それより、早くきよたかさんのものを、挿れてほしいです」
「もう挿れちゃうの?」
「わたし、昨日の夜あたりから、きよたかさんに挿れてほしいって、今まで感じたことの無い気持ちになっちゃって、お腹の奥の方がジンジンしてるんです・・・・・・。きよたかさんも、早くわたしの膣内に入れたくてウズウズしてるんですよね?」
「う、うん。それは確かにそうだけど、みなみちゃん大丈夫? 痛くない?」
「やってみないと分かりませんけど、もう焦らさなくて良いですから、ひと思いにブスッとお願いします」
「・・・・・・分かった。みなみちゃん、服を脱いでマットの上に寝て。できるだけ痛くないように、挿れる前に全力で『アローズ』を掛けてあげるから」
「はい。お願いします」
こうして、みなみちゃんは巫女服を全部脱ぎ、一糸まとわぬ姿で、マットの上に横たわった。僕も、アテナイス・ソードを使ってみなみちゃんに『アローズ』を掛け、みなみちゃんが魔法の効果でさらに激しく発情したのを確認すると、浴衣を脱いで全裸となり、みなみちゃんの上に跨がった。
「みなみちゃん、今挿れるから、足を開いて」
「こ、こうですか?」
みなみちゃんが足を開き、大事なところがパックリと見えるようになった。早くみなみちゃんに挿れたい。僕の心は、みなみちゃん相手には今まで感じたことの無い、激しい性衝動に支配されていた。
「うん。これから挿れるよ」
僕は、その衝動の赴くままに、みなみちゃんの秘部へ挿入を試みた。今までは、そう簡単には挿入できないと思うと、あっさり諦めていたのだが、今夜の僕は違った。僕の愚息は、無理矢理にでも挿入しなければ気が済まないと猛り狂い、僕の理性もその欲求を止めることは出来なかった。
「いたあああああああああああああああっ!?」
「うううっ!?」
ぶるるっ! びゅるるるるるるるるっ!!
みなみちゃんが、痛みの悲鳴を発した瞬間、僕の愚息はみなみちゃんの膣内できつく締め上げられた。僕はその快感と刺激に耐えられず、間もなくみなみちゃんの膣内に、思いっきり射精してしまった。
「・・・・・・みなみちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です。そのまま、しばらく抜かないでください。痛いですけど、しばらくすれば慣れてくると思いますから」
みなみちゃんは、少し涙を流しながらも、僕にそう言ってくれた。僕としては、かなり強引に挿入してしまった上に、挿入から2秒も保たずに射精。みなみちゃんに申し訳ないと思うと同時に、あまりの早漏ぶりに情けない気持ちで一杯だった。
「うん、分かった。しばらくこのままにすればいいんだね」
「・・・・・・きよたかさん、わたしの膣内って、気持ち良いですか?」
「すっごく気持ち良いよ。気持ち良すぎて、もう挿れた途端に射精しちゃったし、このまま挿れ続けてると、また射精しちゃうかも」
「うれしいです・・・・・・。こうやって挿れられていると、きよたかさんのが、気持ち良いって喜んでるのを、身体で感じられます・・・・・・」
「みなみちゃん、何だか血が出てるみたいだけど、大丈夫? 本当は、すごく痛いんじゃない?」
「いえ、きよたかさんの、すっごく太くて固いものを挿れられて、すっごく痛くて苦しいんですけど・・・・・・。でも、なぜかそれが気持ち良くて・・・・・・、あっ」
「ごめん、みなみちゃん、もう我慢できない」
「きゃあああああああああん!」
僕は、みなみちゃんの膣内を味わいたい衝動を我慢できず、腰を振り始めてしまった。はじめはゆっくりと振るつもりだったが、一度腰を振り始めると、気持ち良すぎてもう止まらない。
ぶるっ! びゅるるるるるるっ!
間もなく、僕はみなみちゃんの膣内に、2発目を発射してしまった。
◇◇◇◇◇◇
「ごめん、みなみちゃん・・・・・・。大変そうだから、一旦抜くね」
「は、はい・・・・・・」
僕は、2発目を出した後、みなみちゃんの身体から僕の愚息を抜いた。挿入えっち初体験で、連続2発も出されてしまったみなみちゃんは、呼吸が息切れして苦しそうだし、僕もみなみちゃんの膣内に挿れたままだと、気持ち良すぎてそのまま何発も出してしまいそうになるからだ。もちろん、僕の愚息が満足したわけではないので、みなみちゃんの体力が回復するまで、えっちの続きは我慢。みなみちゃんのあられもない姿は、できるだけ見ないようにしないと。
「・・・・・・あっ」
僕が、敢えてよそ見をしようとしたとき、みなみちゃんが、ふと何かに気付いたような声を上げた。
「どうしたの?」
「今、何だか・・・・・・、わたしのレベルが上がったような・・・・・・」
「へ!?」
僕は、まさかとは思いつつ、念のためみなみちゃんのステータス画面を表示すると、確かにレベルが19から20に上がり、残りSPも6から7に増えている。
「確かに上がってる。みなみちゃん、さっきまでレベル19だったよね・・・・・・?」
「はい・・・・・・」
「確か、授業で習ったところによると、この世界における冒険者の経験値は、モンスターを倒したときにボーナスが入るけど、経験値を貯める方法はそれだけではなく、各種スキルの熟練度を上げるあらゆる行動で経験値が入る、極端なことを言えば『料理』や『裁縫』をしているときにも経験値が入るって話だったけど・・・・・・」
「それなら、えっちをすれば『性愛』スキルの熟練度が上がりますから、それでレベルが上がったのかもしれませんね」
「そんな馬鹿な・・・・・・」
僕は、思わず頭を抱えた。正直、18禁のエロゲーでも、そんな設定はあまり無いと思う。
「じゃあ、とりあえず検証してみようか」
僕は、自分のステータス画面で自分の経験値を確認すると、湯桶を使って近くの池から水を汲み、その中に海藻ローションを入れてかき混ぜた。
「きよたかさん、これから何をするんですか?」
「以前、瑞穂に使ったやつ。愛撫するときにこのローションを使うと、普段よりずっと気持ち良くなれるんだよ。ただ、出来れば暖めて使った方がいいんだけど」
「あ、それなら、わたしがやります」
みなみちゃんが軽く『ファイア』を唱えると、湯桶に入っていた水は、あっという間に適度な暖かさのお湯になった。
「みなみちゃん、『ファイア』って、こんな使い方もできるの?」
「はい。お料理なんかにも結構使えるんですよ。今夜のお料理を作るときには、いちいち薪なんかを集めてくるのが面倒なので、全部『ファイア』で済ませちゃいました。もっとも、効果を上手くコントロールするにはそれなりのテクニックが必要で、わたしも料理に使えるようになったのは、つい最近のことなんですけど・・・・・・」
「分かった。じゃあ、今からこのローションで、気持ち良くしてあげるね」
「えーと、わたしは何をすれば・・・・・・?」
「みなみちゃんは、そのままでいいよ。これからするのは、挿入えっちで気持ち良くさせてもらったお礼。僕が気持ち良くなるだけじゃ、みなみちゃんに申し訳ないから」
「そ、そんな・・・・・・」
みなみちゃんは、ちょっぴり頬を赤らめたものの、どうやら嫌がる様子は無い。早速、ローションでみなみちゃんの、小ぶりで可愛い胸をマッサージしようとすると、
「き、きよたかさん・・・・・・」
「何? みなみちゃん」
「胸を触る前に、もう1回キスしてください・・・・・・」
「いいよ」
僕は要望に応え、マットの上に横たわっているみなみちゃんと、熱いキスを交わした。
「きよたかさん。わたしは、その、もえさんとかとは違って、男の人とえっちなことをするのは、きよたかさんが初めてですからね?」
「分かってるよ」
「それだけじゃなくて、わたしは一生、きよたかさん以外の男の人と、えっちなことをするつもりはありませんから、その・・・・・・、わたしのことを、大事にしてくれると、助かります」
「ありがとう、みなみちゃん。一生大事にするよ」
僕は、もう一度みなみちゃんにキスをした後、ローションを使ってみなみちゃんの胸を愛撫し始めた。
「んんんんんんん、あああああああああああっ!」
みなみちゃんが、これまで聞いたことのない、激しい喘ぎ声を上げる。そのまま愛撫を続けると、
「あああああああああああっ!!」
みなみちゃんは、おおきな喘ぎ声と共に身体を大きく震えさせた。どうやら、胸の刺激だけでイッてしまったらしい。そして、みなみちゃんの下半身を見ると、クリトリスが勃起して、股間からは僕の精液とともに、みなみちゃんの愛液がドロドロと溢れだし、腰は快感を求めるようにモジモジしていた。
「次は、下も気持ち良くしてあげるね」
僕は、ローションを少し補充すると、続けてみなみちゃんのクリトリスを指で愛撫した。さすがに、みなみちゃんの股間が僕の精液でドロドロになっている状態では、舌で舐めてあげることは出来ないけど、指でも十分過ぎる程の効果があった。僕がクリトリスに触れると、みなみちゃんはそれを待っていたかのように自ら腰を振り始め、間もなく再び大きな喘ぎ声を出して、イッてしまった。
「どう、みなみちゃん? 満足できた?」
「きよたかさん・・・・・・。もう1回、挿れてください」
「挿入しちゃうの? 挿れて大丈夫?」
「大丈夫というか、挿入して奥まで気持ち良くしてもらわないと、わたし、もう満足できないです・・・・・・」
「分かった」
僕も、本当はもう一度挿入したいのを、みなみちゃんの身体を気遣って我慢していたところだ。当のみなみちゃんが挿入を望むなら、ためらう理由は無い。
2回目の挿入は、みなみちゃんがイッたことで力が抜けているせいか、それとも愛液やローションのせいか、比較的スムーズに進んだ。間もなく、僕は3発目の射精をしてしまうも、みなみちゃんが挿入の刺激に感じ始めているので、そのまま抜くこと無く再び腰を振り始め、みなみちゃんは次第に大きな喘ぎ声を上げるようになった。
「あ、ああっ、ああああああああああああああん!!」
「ううっ!?」
ぶるっ! びゅるるるるるるっ!!
みなみちゃんが絶頂に達すると、膣内がきつく締まり、その刺激で僕も4発目の射精をしてしまう。
・・・・・・何というか、えっちなゲームなんかでは、えっちは初体験のはずの男性主人公が、それなりに様になる初えっちを決めていたりしたけど、現実にはあんなの無理だ。もえちゃんと言い、みなみちゃんと言い、女の子の膣内は気持ち良すぎて、挿入するとあっという間にイカされてしまう。
幸か不幸か、僕の身体は1日に10発くらい射精できる絶倫になってしまったので、射精しても抜かずに連発することで何とかごまかせているが、もし日本にいたときのように普通レベルの精力しか無ければ、初エッチはほぼ一瞬で終了とか、ものすごく情けないことになっていたのではなかろうか。
内心そんなことを思いつつ、初めての中イキを経験したみなみちゃんの様子がかなり大変そうだったので、僕は愚息を一旦引き抜き、みなみちゃんに問いかけた。
「みなみちゃん、大丈夫?」
「・・・・・・ちょっと、休憩させてください」
「分かった」
僕は、みなみちゃんの横でしばらく寝そべることにした。
「きよたかさん、もう少し待っててくださいね」
「何を?」
「えっちの続きです。きよたかさんが、4回出したくらいで満足する人じゃ無いってことは、よく分かってますから。わたしの体力が回復したら、また挿れていいですよ」
「いいの? 相当痛いんじゃない?」
「その、確かに最初はすごく痛くて、今でも身体が疲れて大変なんですけど、それでもすごく気持ち良くて、とても幸せな感じで・・・・・・。少し身体が落ち着いたら、もう1回わたしの中に挿れて、好きなだけ出してほしいって感じなんです」
「・・・・・・中で出されるのが気持ち良いの?」
「はい。わたし口下手で、うまく説明できないんですけど、きよたかさんに何度も中出しされて喜んでいる、もえさんの気持ちがなんとなく分かったような気がします」
「そういうものなんだ・・・・・・」
「きよたかさん、もう少ししたら、わたしが『プロモート』の魔法を掛けてあげますね」
「ああ、今日覚えたばかりのやつ?」
「はい。身体能力を、少しずつですが恒常的に強化させる魔法です。1日1回掛けると効果的なんだそうです。長く続けると、STRやAGI、DEX、VITの値も結構伸びるそうですよ」
「そうなんだ。じゃあ、お願いするね」
「はい。ところで、きよたかさんの経験値は上がりましたか?」
「あっ! そうだった!」
色々気持ち良かったり考え事をしたりしてすっかり忘れていたけど、えっちで冒険者としての経験値が本当に上がるのか、検証することになっていたのだった。
僕は、ステータス画面で自分の経験値を確認すると、先ほどより1000Pほど上がっていた。雑魚のゴブリンにとどめを刺したときに入る経験値ボーナスが100Pだから、ゴブリン10匹分くらいか。
「うん、さっき確認したときより、確かに経験値が若干上がってる。ゴブリン10匹分くらいだけど」
「そうですか! それなら、きよたかさんと毎日えっちを続ければ、戦わなくてもわたしのレベルは上がっていくのでしょうか?」
「いや、さすがにそれは難しいと思うよ。経験値が入ると言っても、レベルを1つ上げるために年単位の時間がかかっちゃうくらいの量でしかないし」
「うーん、それは残念です・・・・・・」
みなみちゃんは、そう言いながらも顔は微笑んでいた。どうやら、今のは単なるジョークのつもりだったらしい。
そんな他愛も無い会話を続け、やがて挿入えっちの疲労から若干回復すると、みなみちゃんはマットから起き上がって、僕の身体に『プロモート』の魔法を掛け始めた。魔法は僕のほぼ全身に掛けるものらしいのだが、途中から掛け方が明らかにおかしくなった。
「・・・・・・みなみちゃん、さっきから僕の股間にばかり、魔法掛けてない?」
「はい。ここは大事なところですから、特に念入りに掛けていますよ」
「僕、『プロモート』の魔法についてはよく知らないけど、そうやって僕の大事なところを触りながら掛けるものなの? そんな触り方をされると、またえっちしたくなっちゃうんだけど」
「はい。魔法を掛け終わったら、またわたしに挿れて良いですよ。きよたかさんは、挿入だとすぐにイッてしまいますから、もっと沢山出せるようにしないと。そのための魔法ですから」
みなみちゃんの言葉に、僕は劣等感を強く刺激された。もえちゃんはともかく、初体験のみなみちゃんにまで、僕は早漏だと思われているのか。
「ふーん。じゃあ、次からは本気出すよ」
「どうぞ。好きなだけ、わたしの中でイッてくださいね」
挑発に乗った僕は、その後みなみちゃんを相手に抜かずの4連発をしてしまい、みなみちゃんを失神させてしまった。いくら僕だって、5発目以降となれば射精まで多少時間が掛かるようになるのだが、後日本人に確認したところ、みなみちゃんはそれを計算に入れておらず、何回連続で出されても平気だと思ってしまったらしい。
僕は、失神したみなみちゃんをテントに運びながら、初体験の女の子とのえっちは加減が難しいと、頭を悩ませることになった。
(第21話に続く)
フナバシ・タウンで、爆弾低気圧の暴風雨を避けるためノダ町長の屋敷に2泊させてもらい、フナバシ・タウンを脅しにやってきた、ユッキーナ組と名乗る盗賊の一団を壊滅させ、そしてもえちゃんと、地獄のように激しい騎乗位えっちをした翌朝。
僕は仲間たちを集め、今日から予定どおり、北フナバシ採掘場跡(仮名)への遠征を始めると告げようとしたのだが、僕が話を始めようとしたとき、みなみちゃんが僕に待ったを掛けた。
「きよたかさん、それともえさん、ちょっとお話があります」
「何? みなみちゃん」
僕は、一応聞き返したものの、若干怒り気味のみなみちゃんが話したいことは、大体察しが付いていた。僕が二晩連続でもえちゃんとえっちしてしまったので、みなみちゃんはそのことが不満なのだろう。しかし、もえちゃんもおそらく、簡単に僕を手放すつもりはない。僕は、修羅場になることを覚悟しつつ、みなみちゃんの言葉に耳を傾けた。
「もえさん! 昨日のもえさんの行為は、『もみみ協定』違反です!」
「・・・・・・はあ?」
僕は、思わず聞き返してしまった。何となく可愛らしいネーミングだけど、意味がさっぱり分からない。でも、名指しされたもえちゃんは、その言葉の意味を知っているらしく、うなだれながら沈黙を貫いている。
「もえさん、きよたかさんとの挿入えっちが気持ち良いからって、一昨日のみならず昨日までも、自分からきよたかさんを誘って、自分だけ気持ち良くなろうとしましたね!? このような行為は、もみみ協定の第2条、『美味しいものはみんなで仲良く分け合い、決して独り占めしない』に、明らかに反しています!」
「・・・・・・それ以前に、お兄ちゃんを独り占めしないっていう第3条にも反してるよ!」
瑞穂も言葉を続けた。どうやらこの3人は、僕の知らないうちにそのような取り決めをしていたらしい。
「それに、昨日のプレイは一体何ですか!? せっかくもえさんが馬乗りになって、もえさんが攻め、きよたかさんが受けという美味しいシチュエーションになったと思ったのに、途中からきよたかさんに逆転されちゃって! あれでは、きよたかさんの受け属性が台無しです!」
・・・・・・をい。
「それに、きよたかさんとのえっちで、もえさんが普段の顔からは想像もできないくらいのアへ顔になっているのを見て、そんなに挿入えっちが気持ち良いなら、わたしもきよたかさんに挿れてほしいなんて、ちょっと変な嗜好に目覚めちゃったじゃないですか!」
「えーと、それは別に、女の子として変な嗜好じゃないと思うわよ?」
みなみちゃんの天然発言に、思わずもえちゃんが突っ込むも、みなみちゃんは構わず続ける。ちなみに、もえちゃんの突っ込みに関しては、僕も全く同意見である。
「とにかく!! 今夜こそは、きよたかさんの相手を私に譲ってください! これ以上の独り占めは容認できません!」
「構わないわよ。あたしは、別にきよたんのことが好きなわけじゃないし。単に、きよたんがあたしとえっちしたいって言うから相手してやっただけで、独り占めなんかする気ないし。勝手にすれば?」
・・・・・・え!?
もえちゃんが僕のことを好きじゃ無いと聞かされて、動揺している僕をよそに、女の子たちの話はどんどん進んでいく。
「ふーん、そうなんですか。もえさんは別に、きよたかさんのことが好きなわけじゃ無くて、きよたかさんとえっちしたいわけでも無いんですか。でも、わたしと瑞穂ちゃんは、心の底からきよたかさんのことが好きで、きよたかさんとえっちしたいと思っていますから、今日からは私と瑞穂ちゃんで、きよたかさんとえっちすることにしますね」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! それはあんまりよ!」
「どこがあんまりなんですか? 別に、もえさんがきよたかさんを好きじゃないなら、問題ないと思いますけど」
「た、確かに、あたしはきよたんのことなんて、ちっとも好きじゃないわよ。でも、あたしは職業柄、VITが高い分性欲も強くて、あたしの性欲を発散するにはきよたんの名槍清隆丸がちょうど良いから、あたしも入れなさいよ! 美味しいものはみんなで分け合うんでしょ?」
・・・・・・もえちゃんが、若干頬を赤らめつつそんなことを言っているが、その理屈だと、もえちゃんは自分のことを痴女だと言っていることになってしまい、もっと恥ずかしいと思うのだが。
「分かりました。それなら、今夜はわたし、明日の夜は瑞穂ちゃん、明後日はもえさん、その次はまたわたしという感じで、順番にきよたかさんとえっちすることに決めますね」
「・・・・・・まあ、それなら良いわよ」
「ちょっと待って! みなみお姉ちゃん、もえお姉ちゃん」
みなみちゃんともえちゃんが、意外と妥当な線で同意したかと思いきや、今度は瑞穂が待ったを掛けた。
「お兄ちゃんは、ポーションの効果でオナニーが出来ないから、昼間でも、急にえっちしたくなっちゃったら、誰かとえっちしなきゃいけないんだよ! そういうときでも、当番の人以外は、お兄ちゃんとえっちしちゃいけないの?」
「別に、あたしたちが話しているのは、あくまできよたんの夜の相手だから、昼間にきよたんが急に発情しちゃったときは、その場にいる子が相手すればいいんじゃない?」
「わたしも、それで良いと思います。わたしが言っているのは、わたしにもきよたかさんとえっちする機会をくださいということだけで、基本的にきよたかさんが誰とえっちするかは、きよたかさんの自由だと思いますから」
「じゃあ、お兄ちゃんの緊急時には、誰がしてもいいってことで決まりだね!」
瑞穂の言葉で、意外と話自体は丸く収まったのだが、僕としては色々と、腑に落ちない点があった。
「ちょ、ちょっと待ってくれる?」
「なあに、お兄ちゃん?」
「えーと、もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂。結論自体は、僕も大体それでいいと思うんだけど、話の内容が色々と、突っ込みどころ満載というか・・・・・・。みなみちゃんは、僕ともえちゃんがえっちしているところ、いつどこで見ていたの?」
「瑞穂ちゃんと一緒に、きよたかさんの部屋から覗いてました。町長の奥さんから、きよたかさんの寝室ともえちゃんの寝室は続き部屋になっているから、きよたかさんの部屋に行けばカーテンの後ろから覗けますよって教えてもらえたので、一昨日は途中から、昨日は最初から最後まで全部、ばっちり見学させて頂きました」
「・・・・・・一体何のために?」
「きよたかさんと、挿入えっちをするときの参考になると思ったんです。それに、きよたかさんがもえさんの部屋に行って、もえさんがえっちな声を上げていたら、どうしても気になっちゃうじゃないですか。それに、もえさんのときだけじゃなくて、テントで野宿していたとき、きよたかさんが瑞穂ちゃんと、裸でマット遊びをしていたところも、わたしはテントの裏からばっちり見ていましたよ」
・・・・・・みなみちゃんって、BL趣味だけでは無くて、実は覗きの趣味もあったのか。
「そうですか・・・・・・。あと、さっき言っていた『もみみ協定』とかいうのは何?」
「ああ、それはですね。センターで卒業式があった日、わたしたち3人で、きよたかさんのことについて話し合ったんです。タマキ先生から、男の人をめぐる争いで、同じパーティーの女の人が、戦闘中に男の人を殺してしまって、そのせいでパーティーが全滅しちゃったという話を聞かされていましたから、わたしたちはきよたかさんをめぐる争いで、絶対にそんなことはしないように仲良くしよう、っていう話になったんです。その時の取り決めについて、もえちゃんの『も』、わたしの『み』、瑞穂ちゃんの『み』を合わせて、『もみみ協定』と呼ぶことになったんです」
「ああ、そういうことね。念のため、取り決めの内容も聞いておきたいんだけど」
「ふっ。我が眷属よ。無限の叡智を誇る魔眼の女王、バロール様が教えて進ぜよう。神聖なる『もみみ協定』の取り決めは、全部で3箇条。
第1条、我々は魔王ガースー、その他アマツ世界を脅かす邪悪な者どもを討ち滅ぼし、このアマツ世界に平和を取り戻すことを第一の使命とする。
第2条、我々は美味なるものの数々も、皆で仲良く分かち合い、決して独占しようなどと企んではならない。
第3条、我が眷属が、我々のうち誰を第一の嫁に選ぶかという問題については、第一の使命を果たすまで棚上げすることとし、それまでは我が眷属を独占しようとなどと企んではならない。
以上のとおりである」
みなみちゃんの代わりに、瑞穂が中二病モードで答えてくれた。
「・・・・・・もえちゃん、みなみちゃん、瑞穂の言っている内容で合ってるの?」
「言い回しはともかく、内容は大体合ってるわよ」
「大体そんな感じです、きよたかさん」
「・・・・・・分かった」
なんか、ずいぶんアバウトな取り決めだなあとは思ったものの、3人ともパーティー内の平和を考えてくれているのは良いことなので、細かい点に突っ込むのは止めにした。
◇◇◇◇◇◇
この日の戦いは、徹底した掃討作戦となった。
センターから依頼を受けたクエストの内容自体は、北フナバシ採掘場跡から出現するスライムの討伐というものだが、そのクエストをトーキョー・シティーに依頼したノダ町長の目的は、採掘場跡に住み着きスライムを生み出している盗賊団の一味を成敗し、再び染物原料の採掘場に使えるようにするための戦いに力を貸して欲しいということ。そうであれば、フナバシ・タウンから採掘場跡に至る地域に住み着いている他の盗賊団やモンスターも倒し、その往復も安全にしないと目的は達成されない。
それに、僕も昨日の読書で初めて知ったのだが、トーキョー・シティーでは5年ほど前まで冒険者ギルドというものがあり、その運営は冒険者たちの自治で行われていたものの、ギルドやその周辺で酒に酔った冒険者たちが暴れたり、冒険者たちの犯罪を仲間同士のかばい合いで隠蔽したり、クエストの達成などもごまかしたりなど、ギルドの腐敗やそれによる治安の悪化が問題となっていたため、ユーリコ知事は5年ほど前に、それまでの冒険者ギルドを解体し、それに代わるものとして、トーキョー・シティーの強い監督下にある、現在の『冒険者人材育成センター』を創設することにしたのだという。
それまでは良いのだが、そのような改革は当然ながら既得権益を守ろうとする冒険者の多くが反対し、センターの所長に就任したタマキ先生が行った最初の大仕事は、自ら冒険者有志のほかトーキョー・シティーの防衛軍まで動員して、旧冒険者ギルドに立て籠もった反対派の冒険者たちを排除、すなわち皆殺しにすることだったという。
それによって、トーキョー・シティーの旧冒険者ギルド勢力は排除されたのだが、当時トーキョー・シティーにいなかったなどの理由で粛清を免れた冒険者たちの多くは、トーキョーの東部やチバ地方で盗賊と化し、それがこの地方における治安悪化の要因になっているとのこと。そうであれば、この地方における盗賊団を掃討するのは、僕たちを含めトーキョー・シティーに所属する冒険者たちの責務でもある。
また、今回の掃討作戦にあたり、盗賊団やモンスターに捕らえられた捕虜や、やむを得ない事情で盗賊団の一味に加わらざるを得なかった元冒険者などの投降者が出ることも予想されるため、僕はノダ町長に頼んで伝令用の騎兵を何人か付けてもらい、盗賊団やモンスターのアジトを制圧した後の事後処理は、フナバシ・タウンの兵士や住民たちに一任することにした。
それらのアジトを制圧した際、発見された金貨や銀貨、貴重な装飾品などは戦利品として僕たちがもらっていくが、それ以外の比較的価値の低い財貨、食料などはかさばるのでフナバシ・タウンに寄付することにした。こうした措置のおかげで、今日の僕たちは盗賊団やモンスターとの戦いに専念することができ、効率よく敵を狩ることができた。
「ふう。きよたん、今日は何だか大漁って感じね~。後のことは気にせずじゃんじゃん敵を狩れて、すっきりしたわ~! あたしも、明日くらいには次のレベルに上がりそうよ!」
そろそろ夕方になってきたので、ここらで野営しようという話になったとき、もえちゃんが満足そうな顔で、そんな話をしていた。
「そうですね。スライムを相手にするときには大人しくしていたもえさん以外、全員レベルが上がりましたからね。でもその代わり、もの凄く疲れました・・・・・・。1日で特濃マナポーションを5回も飲んだの、今回が初めてです」
「・・・・・・ふっ。偉大なる魔眼の女王にして、無敵の第六天魔王バロール様をもってしても、今日の戦いはいささか疲れたぞ」
瑞穂は、先日僕から聞いたばかりの、『第六天魔王』のフレーズを取り入れていた。よほど気に入ったのだろう。
ちなみに、瑞穂は魔術師のレベル19に上がったことで、一定時間敵に魔法を使えなくする『サイレント』の魔法を自動習得。貯まった残りSP(スキルポイント)8は、将来に備えて温存。みなみちゃんは僧侶のレベル19に上がったことで、微量だが味方1人のSTR、AGI、DEXまたはVITを成長させることができる『プロモート』の魔法を自動習得。さらに、SP2を消費して、『解錠』のスキルを習得してもらった。残りSPは6。
・・・・・・以前、ゴブリンのアジトにある食物倉庫の扉を、もえちゃんが力づくでぶっ壊した結果、食物倉庫ごと崩壊させてしまったことがある(第13話参照)ため、採掘場跡への侵攻に備え、僕に次いでDEXの高いみなみちゃんに、扉や宝箱の鍵をこじ開ける『解錠』のスキルを習得してもらったわけである。
そして、騎士のレベル9に上がった僕は、SP(スキルポイント)4を消費して『テレポート』を習得したが、安全に『テレポート』を使用するには、トーキョー・シティーの魔導士協会で技能講習を受ける必要があるということなので、現段階では、テレポートによる転移先の登録が出来るだけである。
「何が無敵の第六天魔王よ。今日の戦いでも、相手がスライムのとき以外は、比較的得意な攻撃魔法だって、あんたよりきよたんの方がずっと強かったじゃないの」
「まあ、瑞穂はまだ基本職のレベル19だから。レベル25で習得できる『攻撃系魔法効果上昇』と、アークウィザードにクラスチェンジすれば習得できる各種の強化スキルを習得し熟練度レベルを上げていけば、おそらくものすごい勢いで強くなっていくよ。みなみちゃんも状況的にはほぼ同じで、二人が上級職にクラスチェンジすれば、二人の使う魔法も大幅にパワーアップして、もっと難易度の高いクエストもこなせるようになると思うから」
「でも、わたしの仕事は、これで終わりじゃありません。野営の準備をして、みなさんの夕食を作って、食べた後にお片付けをして、それからきよたかさんと・・・・・・」
「あら、それは大変ね、みなみちゃん。全部こなすのが大変だったら、きよたんとのえっちは、あたしが代わってあげようか?」
「もえさん! 一番美味しいところを持って行こうとしないでください! 料理が出来ないのは分かっていますけど、せめて後片付けくらい手伝ってください!」
「・・・・・・みなみお姉ちゃん、後片付けは瑞穂一人でも出来るから、大丈夫だよ」
「すみません。それじゃあ、後片付けは瑞穂ちゃんにお任せしますね」
「こういうときは、瑞穂も本当に良い子だなって気がするよ」
「何よ、きよたん。あたしが悪い子だって言いたいの?」
「そうじゃないけど、仮にも女の子なら、もう少し家事が上手くてもいいんじゃないかって思ったりする」
「きよたん、『仮にも』って何よ!? あたしは、れっきとした女の子よ!」
「我、無限なる叡智の持ち主、魔眼の女王バロール様の観るところによれば、確かにもえ姉の身体は女性の形をしておるが、その身体には並の男など足許にも及ばぬほどの、漢の精神が宿っておるな。おそらくは、アテナイス様がおちん○んを付けるべきところに、間違っておま○こを付けてしまったのであろう」
瑞穂の言葉に、思わず僕とみなみちゃんは吹き出してしまった。
「きよたん、みなみちゃん、何がおかしいのよ!?」
「いえ、ふざけているようで、実は何となく当たっているような感じがしちゃいまして。特に、あのアテナイス様なら、そのくらいやっちゃいそうな気がしまして・・・・・・」
「もえちゃん、実は自分でも、本当は男に生まれたら良かったとか思ってるんじゃない?」
「きよたん。確かに、そう思ってた時期もあるけど、今のあたしはむしろ、女に生まれて良かったと思ってるわよ」
「どうして?」
「・・・・・・あたしが男だったら、きよたんとえっちして気持ち良くなれないじゃない」
ちょっと頬を赤らめて俯きながら、そんなことを呟くもえちゃんは、確かに女の子らしい顔をしていた。僕だけで無く、みなみちゃんと瑞穂もそのように感じたようで、この話題は自然と打ち切りになってしまった。
◇◇◇◇◇◇
「お待たせしました。今夜のメインディッシュは、キラータイガー肉の塩焼きと、キョン肉の煮込みです」
「・・・・・・みなみちゃん。キラータイガーは分かるけど、キョン肉って何よ?」
「今日何度も出てきた、あの鹿みたいなモンスターの肉だよ。昔はいなかったけど、最近になってチバ地方で急速に数を増やし、従来の鹿と違って植物なら何でも食べちゃうし繁殖力も強いから、人類を脅かす存在になっているんだって」
「はい。それできよたかさんが、キョンの毛皮と肉をフナバシの新しい特産品にしてしまえば、一石二鳥になるんじゃないかって話をして、今夜試食することになったんです」
そのあたりのことは、昼間僕が何度も話していたのに、全然覚えていないあたりは、さすがのもえちゃんクオリティである。
「ふーん。それじゃあ、とりあえず食べてみるわね。・・・・・・うん、鹿肉なんて食べたこと無かったけど、思ったより美味いわね」
「うん、美味しい。みなみちゃんの料理スキルも、確実に上がってきてるね」
「きよたかさんに褒めてもらえると、うれしいです!」
「お兄ちゃん、瑞穂もお料理手伝ったからね! ほめてほめて!」
「うん、瑞穂もよく頑張った。えらいえらい」
ちなみに、キョンはともかく、キラータイガーの肉は1頭分でも4人では食べきれないほどの分量があるので、今夜の料理はフナバシ・タウンの兵士さんたちにも振る舞っている。今日だけで潰したアジトの数は10を超え、そのことをフナバシ・タウンに伝える伝令兵の皆さんも大忙しだった。今夜一緒に泊まる伝令の兵士さんは、出発時と全員メンバーが入れ替わっている。確か、出発時には男性の兵士さんもいたけど、今は全員が女性だ。
でも、僕たちにとって今夜のメインイベントが何であるかは、兵士さんたちも含めて全員が分かっている。僕の下半身も、昨晩もえちゃんとの地獄えっちで空っぽにされたはずなのに、今ではもう準備万端。みなみちゃんの態度も、何となくソワソワしながら、時々僕の方を見つめていたりする。
そして、僕たちが夕食を食べ終わった頃、瑞穂が呟いた。
「みなみお姉ちゃん、もういいよ。後片付けは、瑞穂がやっておくから・・・・・・」
その言葉が合図となり、僕たちと一緒に夕食を食べていた兵士さんたちは、自分たちのテントへと戻っていった。もえちゃんも、近くの湖へ水浴びに行ってしまい、僕はみなみちゃんと二人きりになった。みなみちゃんとは、もう裸でえっちなことは何度もしている仲なのに、こういう状況になるとドキドキしてしまう。
「・・・・・・みなみちゃん、とりあえず僕、浴衣に着替えてくるね」
「きよたかさん。わたしも着替えた方が良いでしょうか?」
「うーん、みなみちゃんの服装は、そのままでお願い。でも、着替え用の浴衣は用意しておいて」
「え!? この服装のままで、その・・・・・・、しちゃうんですか!?」
「うん。今までセンターでしていたときは、浴衣姿か裸だったけど、実は巫女服姿のみなみちゃんと、えっちしてみたかったんだ」
「そ、そんな・・・・・・。これは神聖な巫女服で、えっちするための服じゃ・・・・・・」
「・・・・・・みなみちゃん、それ本気で言ってる?」
今みなみちゃんが着ている、オーダーメイドの巫女服は、デザインが可愛らしいだけでなく、スカート部分がギリギリまで短くなっている。巫女服の色に合わせた長めの靴下を穿いているものの、太もものきわどい部分は剥き出し。しかも、例によってスカートの下にパンツを穿いていないので、時々大事なところが見えそうになってしまう。
どう見ても、いつでも襲ってくださいと言わんばかりの服装であり、昼間に見るとそれだけで欲情してしまいそうなので、僕は昼間の戦闘中、できる限りみなみちゃんの方を見ないようにしているほどである。
僕がそのことを指摘すると、
「べ、別にきよたかさんを誘うために、こんな格好をしているわけじゃ・・・・・・。でも、きよたかさんがお望みなら、仕方ありません・・・・・・」
みなみちゃんは、下手な弁解をしつつも、結局は応じてくれた。
僕は、例の屋外えっち道具と、念のため鞘に入れた片手剣モードのアテナイス・ソードを持って、野営用のテントから少し離れた池のほとりに、マットを設置した。
「き、きよたかさん。こ、こんなところで、しちゃうんですか・・・・・・?」
「今夜は野営だから、えっちは外でするしか無いよ。今日は天気が良くて、裸でもそんなに寒くないし、星空もすごく綺麗で、結構ロマンチックな場所じゃ無い?」
「ええと、星空が綺麗なのは良いと思うんですけど・・・・・・、お星様のせいで、夜にしては結構明るいですし、こんなところでしちゃうと、誰かに見られちゃうんじゃないかと・・・・・・」
「まあ、瑞穂は片付けが終わったら、まず間違いなく見学に来るだろうね。ひょっとしたら、もえちゃんも昨日の仕返しとばかり、こっそり見に来るかも」
「そ、そんな、恥ずかしい・・・・・・」
僕は、みなみちゃんの答えを最後まで聞くこと無く、みなみちゃんにキスをして黙らせた。そのまま、お互い舌を入れてのディープキスに突入する。僕はいつものように、キスと一緒にみなみちゃんの首筋や髪を撫で、やがてキスを終えると、巫女服をはだけさせてみなみちゃんの胸を触り始めた。
「あ、ああん、きよたかさん・・・・・・」
みなみちゃんが、次第に甘い声を漏らし始める。もう少し愛撫を続けようと思ったのだが、みなみちゃんの方が、今までに無いおねだりをしてきた。
「きよたかさん。胸はもういいですから、早く下の方を・・・・・・」
「下の方? ここ?」
僕が、スカートの中に手を忍ばせると、みなみちゃんの大事なところは驚くほど濡れていた。
「なんか、すっごく濡れてるね。まだ、あんまり触ってないのに」
「・・・・・・きよたかさんのせいですよ。センターにいた頃は、2日に1度はわたしにいっぱいえっちなことをしてくれたのに、もう3日連続でお預けにされて、しかも、もえさんとのすっごいえっちまで見せつけられて、もうわたし、我慢できないんです」
別に、みなみちゃんに見せつけようとしたわけじゃないと内心思ったのだが、せっかくの良いムードなので、その点は敢えて突っ込まないことにした。
「じゃあ、ここを触ってほしい?」
「・・・・・・それより、早くきよたかさんのものを、挿れてほしいです」
「もう挿れちゃうの?」
「わたし、昨日の夜あたりから、きよたかさんに挿れてほしいって、今まで感じたことの無い気持ちになっちゃって、お腹の奥の方がジンジンしてるんです・・・・・・。きよたかさんも、早くわたしの膣内に入れたくてウズウズしてるんですよね?」
「う、うん。それは確かにそうだけど、みなみちゃん大丈夫? 痛くない?」
「やってみないと分かりませんけど、もう焦らさなくて良いですから、ひと思いにブスッとお願いします」
「・・・・・・分かった。みなみちゃん、服を脱いでマットの上に寝て。できるだけ痛くないように、挿れる前に全力で『アローズ』を掛けてあげるから」
「はい。お願いします」
こうして、みなみちゃんは巫女服を全部脱ぎ、一糸まとわぬ姿で、マットの上に横たわった。僕も、アテナイス・ソードを使ってみなみちゃんに『アローズ』を掛け、みなみちゃんが魔法の効果でさらに激しく発情したのを確認すると、浴衣を脱いで全裸となり、みなみちゃんの上に跨がった。
「みなみちゃん、今挿れるから、足を開いて」
「こ、こうですか?」
みなみちゃんが足を開き、大事なところがパックリと見えるようになった。早くみなみちゃんに挿れたい。僕の心は、みなみちゃん相手には今まで感じたことの無い、激しい性衝動に支配されていた。
「うん。これから挿れるよ」
僕は、その衝動の赴くままに、みなみちゃんの秘部へ挿入を試みた。今までは、そう簡単には挿入できないと思うと、あっさり諦めていたのだが、今夜の僕は違った。僕の愚息は、無理矢理にでも挿入しなければ気が済まないと猛り狂い、僕の理性もその欲求を止めることは出来なかった。
「いたあああああああああああああああっ!?」
「うううっ!?」
ぶるるっ! びゅるるるるるるるるっ!!
みなみちゃんが、痛みの悲鳴を発した瞬間、僕の愚息はみなみちゃんの膣内できつく締め上げられた。僕はその快感と刺激に耐えられず、間もなくみなみちゃんの膣内に、思いっきり射精してしまった。
「・・・・・・みなみちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です。そのまま、しばらく抜かないでください。痛いですけど、しばらくすれば慣れてくると思いますから」
みなみちゃんは、少し涙を流しながらも、僕にそう言ってくれた。僕としては、かなり強引に挿入してしまった上に、挿入から2秒も保たずに射精。みなみちゃんに申し訳ないと思うと同時に、あまりの早漏ぶりに情けない気持ちで一杯だった。
「うん、分かった。しばらくこのままにすればいいんだね」
「・・・・・・きよたかさん、わたしの膣内って、気持ち良いですか?」
「すっごく気持ち良いよ。気持ち良すぎて、もう挿れた途端に射精しちゃったし、このまま挿れ続けてると、また射精しちゃうかも」
「うれしいです・・・・・・。こうやって挿れられていると、きよたかさんのが、気持ち良いって喜んでるのを、身体で感じられます・・・・・・」
「みなみちゃん、何だか血が出てるみたいだけど、大丈夫? 本当は、すごく痛いんじゃない?」
「いえ、きよたかさんの、すっごく太くて固いものを挿れられて、すっごく痛くて苦しいんですけど・・・・・・。でも、なぜかそれが気持ち良くて・・・・・・、あっ」
「ごめん、みなみちゃん、もう我慢できない」
「きゃあああああああああん!」
僕は、みなみちゃんの膣内を味わいたい衝動を我慢できず、腰を振り始めてしまった。はじめはゆっくりと振るつもりだったが、一度腰を振り始めると、気持ち良すぎてもう止まらない。
ぶるっ! びゅるるるるるるっ!
間もなく、僕はみなみちゃんの膣内に、2発目を発射してしまった。
◇◇◇◇◇◇
「ごめん、みなみちゃん・・・・・・。大変そうだから、一旦抜くね」
「は、はい・・・・・・」
僕は、2発目を出した後、みなみちゃんの身体から僕の愚息を抜いた。挿入えっち初体験で、連続2発も出されてしまったみなみちゃんは、呼吸が息切れして苦しそうだし、僕もみなみちゃんの膣内に挿れたままだと、気持ち良すぎてそのまま何発も出してしまいそうになるからだ。もちろん、僕の愚息が満足したわけではないので、みなみちゃんの体力が回復するまで、えっちの続きは我慢。みなみちゃんのあられもない姿は、できるだけ見ないようにしないと。
「・・・・・・あっ」
僕が、敢えてよそ見をしようとしたとき、みなみちゃんが、ふと何かに気付いたような声を上げた。
「どうしたの?」
「今、何だか・・・・・・、わたしのレベルが上がったような・・・・・・」
「へ!?」
僕は、まさかとは思いつつ、念のためみなみちゃんのステータス画面を表示すると、確かにレベルが19から20に上がり、残りSPも6から7に増えている。
「確かに上がってる。みなみちゃん、さっきまでレベル19だったよね・・・・・・?」
「はい・・・・・・」
「確か、授業で習ったところによると、この世界における冒険者の経験値は、モンスターを倒したときにボーナスが入るけど、経験値を貯める方法はそれだけではなく、各種スキルの熟練度を上げるあらゆる行動で経験値が入る、極端なことを言えば『料理』や『裁縫』をしているときにも経験値が入るって話だったけど・・・・・・」
「それなら、えっちをすれば『性愛』スキルの熟練度が上がりますから、それでレベルが上がったのかもしれませんね」
「そんな馬鹿な・・・・・・」
僕は、思わず頭を抱えた。正直、18禁のエロゲーでも、そんな設定はあまり無いと思う。
「じゃあ、とりあえず検証してみようか」
僕は、自分のステータス画面で自分の経験値を確認すると、湯桶を使って近くの池から水を汲み、その中に海藻ローションを入れてかき混ぜた。
「きよたかさん、これから何をするんですか?」
「以前、瑞穂に使ったやつ。愛撫するときにこのローションを使うと、普段よりずっと気持ち良くなれるんだよ。ただ、出来れば暖めて使った方がいいんだけど」
「あ、それなら、わたしがやります」
みなみちゃんが軽く『ファイア』を唱えると、湯桶に入っていた水は、あっという間に適度な暖かさのお湯になった。
「みなみちゃん、『ファイア』って、こんな使い方もできるの?」
「はい。お料理なんかにも結構使えるんですよ。今夜のお料理を作るときには、いちいち薪なんかを集めてくるのが面倒なので、全部『ファイア』で済ませちゃいました。もっとも、効果を上手くコントロールするにはそれなりのテクニックが必要で、わたしも料理に使えるようになったのは、つい最近のことなんですけど・・・・・・」
「分かった。じゃあ、今からこのローションで、気持ち良くしてあげるね」
「えーと、わたしは何をすれば・・・・・・?」
「みなみちゃんは、そのままでいいよ。これからするのは、挿入えっちで気持ち良くさせてもらったお礼。僕が気持ち良くなるだけじゃ、みなみちゃんに申し訳ないから」
「そ、そんな・・・・・・」
みなみちゃんは、ちょっぴり頬を赤らめたものの、どうやら嫌がる様子は無い。早速、ローションでみなみちゃんの、小ぶりで可愛い胸をマッサージしようとすると、
「き、きよたかさん・・・・・・」
「何? みなみちゃん」
「胸を触る前に、もう1回キスしてください・・・・・・」
「いいよ」
僕は要望に応え、マットの上に横たわっているみなみちゃんと、熱いキスを交わした。
「きよたかさん。わたしは、その、もえさんとかとは違って、男の人とえっちなことをするのは、きよたかさんが初めてですからね?」
「分かってるよ」
「それだけじゃなくて、わたしは一生、きよたかさん以外の男の人と、えっちなことをするつもりはありませんから、その・・・・・・、わたしのことを、大事にしてくれると、助かります」
「ありがとう、みなみちゃん。一生大事にするよ」
僕は、もう一度みなみちゃんにキスをした後、ローションを使ってみなみちゃんの胸を愛撫し始めた。
「んんんんんんん、あああああああああああっ!」
みなみちゃんが、これまで聞いたことのない、激しい喘ぎ声を上げる。そのまま愛撫を続けると、
「あああああああああああっ!!」
みなみちゃんは、おおきな喘ぎ声と共に身体を大きく震えさせた。どうやら、胸の刺激だけでイッてしまったらしい。そして、みなみちゃんの下半身を見ると、クリトリスが勃起して、股間からは僕の精液とともに、みなみちゃんの愛液がドロドロと溢れだし、腰は快感を求めるようにモジモジしていた。
「次は、下も気持ち良くしてあげるね」
僕は、ローションを少し補充すると、続けてみなみちゃんのクリトリスを指で愛撫した。さすがに、みなみちゃんの股間が僕の精液でドロドロになっている状態では、舌で舐めてあげることは出来ないけど、指でも十分過ぎる程の効果があった。僕がクリトリスに触れると、みなみちゃんはそれを待っていたかのように自ら腰を振り始め、間もなく再び大きな喘ぎ声を出して、イッてしまった。
「どう、みなみちゃん? 満足できた?」
「きよたかさん・・・・・・。もう1回、挿れてください」
「挿入しちゃうの? 挿れて大丈夫?」
「大丈夫というか、挿入して奥まで気持ち良くしてもらわないと、わたし、もう満足できないです・・・・・・」
「分かった」
僕も、本当はもう一度挿入したいのを、みなみちゃんの身体を気遣って我慢していたところだ。当のみなみちゃんが挿入を望むなら、ためらう理由は無い。
2回目の挿入は、みなみちゃんがイッたことで力が抜けているせいか、それとも愛液やローションのせいか、比較的スムーズに進んだ。間もなく、僕は3発目の射精をしてしまうも、みなみちゃんが挿入の刺激に感じ始めているので、そのまま抜くこと無く再び腰を振り始め、みなみちゃんは次第に大きな喘ぎ声を上げるようになった。
「あ、ああっ、ああああああああああああああん!!」
「ううっ!?」
ぶるっ! びゅるるるるるるっ!!
みなみちゃんが絶頂に達すると、膣内がきつく締まり、その刺激で僕も4発目の射精をしてしまう。
・・・・・・何というか、えっちなゲームなんかでは、えっちは初体験のはずの男性主人公が、それなりに様になる初えっちを決めていたりしたけど、現実にはあんなの無理だ。もえちゃんと言い、みなみちゃんと言い、女の子の膣内は気持ち良すぎて、挿入するとあっという間にイカされてしまう。
幸か不幸か、僕の身体は1日に10発くらい射精できる絶倫になってしまったので、射精しても抜かずに連発することで何とかごまかせているが、もし日本にいたときのように普通レベルの精力しか無ければ、初エッチはほぼ一瞬で終了とか、ものすごく情けないことになっていたのではなかろうか。
内心そんなことを思いつつ、初めての中イキを経験したみなみちゃんの様子がかなり大変そうだったので、僕は愚息を一旦引き抜き、みなみちゃんに問いかけた。
「みなみちゃん、大丈夫?」
「・・・・・・ちょっと、休憩させてください」
「分かった」
僕は、みなみちゃんの横でしばらく寝そべることにした。
「きよたかさん、もう少し待っててくださいね」
「何を?」
「えっちの続きです。きよたかさんが、4回出したくらいで満足する人じゃ無いってことは、よく分かってますから。わたしの体力が回復したら、また挿れていいですよ」
「いいの? 相当痛いんじゃない?」
「その、確かに最初はすごく痛くて、今でも身体が疲れて大変なんですけど、それでもすごく気持ち良くて、とても幸せな感じで・・・・・・。少し身体が落ち着いたら、もう1回わたしの中に挿れて、好きなだけ出してほしいって感じなんです」
「・・・・・・中で出されるのが気持ち良いの?」
「はい。わたし口下手で、うまく説明できないんですけど、きよたかさんに何度も中出しされて喜んでいる、もえさんの気持ちがなんとなく分かったような気がします」
「そういうものなんだ・・・・・・」
「きよたかさん、もう少ししたら、わたしが『プロモート』の魔法を掛けてあげますね」
「ああ、今日覚えたばかりのやつ?」
「はい。身体能力を、少しずつですが恒常的に強化させる魔法です。1日1回掛けると効果的なんだそうです。長く続けると、STRやAGI、DEX、VITの値も結構伸びるそうですよ」
「そうなんだ。じゃあ、お願いするね」
「はい。ところで、きよたかさんの経験値は上がりましたか?」
「あっ! そうだった!」
色々気持ち良かったり考え事をしたりしてすっかり忘れていたけど、えっちで冒険者としての経験値が本当に上がるのか、検証することになっていたのだった。
僕は、ステータス画面で自分の経験値を確認すると、先ほどより1000Pほど上がっていた。雑魚のゴブリンにとどめを刺したときに入る経験値ボーナスが100Pだから、ゴブリン10匹分くらいか。
「うん、さっき確認したときより、確かに経験値が若干上がってる。ゴブリン10匹分くらいだけど」
「そうですか! それなら、きよたかさんと毎日えっちを続ければ、戦わなくてもわたしのレベルは上がっていくのでしょうか?」
「いや、さすがにそれは難しいと思うよ。経験値が入ると言っても、レベルを1つ上げるために年単位の時間がかかっちゃうくらいの量でしかないし」
「うーん、それは残念です・・・・・・」
みなみちゃんは、そう言いながらも顔は微笑んでいた。どうやら、今のは単なるジョークのつもりだったらしい。
そんな他愛も無い会話を続け、やがて挿入えっちの疲労から若干回復すると、みなみちゃんはマットから起き上がって、僕の身体に『プロモート』の魔法を掛け始めた。魔法は僕のほぼ全身に掛けるものらしいのだが、途中から掛け方が明らかにおかしくなった。
「・・・・・・みなみちゃん、さっきから僕の股間にばかり、魔法掛けてない?」
「はい。ここは大事なところですから、特に念入りに掛けていますよ」
「僕、『プロモート』の魔法についてはよく知らないけど、そうやって僕の大事なところを触りながら掛けるものなの? そんな触り方をされると、またえっちしたくなっちゃうんだけど」
「はい。魔法を掛け終わったら、またわたしに挿れて良いですよ。きよたかさんは、挿入だとすぐにイッてしまいますから、もっと沢山出せるようにしないと。そのための魔法ですから」
みなみちゃんの言葉に、僕は劣等感を強く刺激された。もえちゃんはともかく、初体験のみなみちゃんにまで、僕は早漏だと思われているのか。
「ふーん。じゃあ、次からは本気出すよ」
「どうぞ。好きなだけ、わたしの中でイッてくださいね」
挑発に乗った僕は、その後みなみちゃんを相手に抜かずの4連発をしてしまい、みなみちゃんを失神させてしまった。いくら僕だって、5発目以降となれば射精まで多少時間が掛かるようになるのだが、後日本人に確認したところ、みなみちゃんはそれを計算に入れておらず、何回連続で出されても平気だと思ってしまったらしい。
僕は、失神したみなみちゃんをテントに運びながら、初体験の女の子とのえっちは加減が難しいと、頭を悩ませることになった。
(第21話に続く)
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