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第1章 訓練生編 『目指せ、アマツ世界を救う冒険者!』
第8話 さようなら、夜のお友達
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第8話 さようなら、夜のお友達
『特別授業』と題する、とんでもないセクハラ授業があった日の午後。
授業が終わって拘束を解かれた当初は、もう恥ずかしすぎて女の子たちとは顔を合わせられないと思っていたのだが、そんな理由で訓練を休むことも出来ないので、表向きは何もなかったかのように平然とした態度を装って、午後の実技訓練に臨んだ。幸いなことに、栗林さんや瑞穂も同じような態度を取っていたので、午後の訓練自体は比較的何事もなく進んだ。むしろ、午前中に5回も射精させられたせいか、僕自身は性欲がいくらか発散されて、むしろいつもより訓練に集中できたような気がした。
そのせいか、一部の訓練で使うヨッシー君2号の顔を見ながら、日本のあの人はまだ総理をやっているんだろうか、などと考える余裕も出てきた。日本の政治情勢に関する僕の記憶は、あの総理が横浜市長選に自分の側近を送り込んで必勝の態勢で臨んだものの、野党候補に惨敗したというあたりで終わっている。
たぶん、あんな総理だからそんなに長続きはしないだろうという想像は出来るが、日本では既に亡くなりアマツ世界へ転生してきた身である以上、その後の日本がどうなっているかについては知る術もない。もはや、僕としては日本の政治情勢なんかよりも、弟の泰隆が僕の分まで日本で幸せになってくれるかどうか、そして僕自身がアマツ世界で生き残れるかの方がよほど大事だ。
ただし、上水流さんが訓練中、顔を真っ赤にして「きよたん、あたしはオナニーなんかしてないからね!」などとしつこいくらい念を押してくるので、適当に相槌を打っておいた。上水流さん自身が僕とえっちな関係を望んでいるならともかく、そうでないのであれば、僕としては女の子のプライベートな事情に立ち入る気はない。
もっとも、僕も午後の訓練が終わって夕食を取り、お風呂から上がった頃になると、午前中の恥ずかしい思い出が色々と蘇ってきて、性欲がまた昂ってきてしまった。自分の部屋に戻ってから、これまでオナニーに使っていた公園の場所はばれているようなので、今夜は別の場所を探そうかなどと考えていると、僕の部屋にコハルさんと瑞穂が入ってきた。ちなみに、2人とも服装は浴衣1枚のみで、瑞穂はいつもの眼帯も付けていない。
「きよたかさん、こんばんは~。今夜は、きよたかさんの健康診断をさせて頂きますね~」
おっとりした口調で、コハルさんがそんなことを告げてきた。
「健康診断?」
「はい。瑞穂ちゃんには、私の助手をして頂きます~」
「よろしくね、お兄ちゃん」
「はあ」
一応相槌を打ったものの、一体何の健康診断をするのか、瑞穂が助手として何の役に立つのか、さっぱり理解できない。
「それではまず、きよたかさんはこのポーションを飲んでくださいね~」
コハルさんはそう言って、僕に何らかの薬らしき液体が入った瓶を差し出してきた。瓶の形状自体は見慣れたもので、女の子たちが飲んでいる避妊ポーションとか、訓練中にMPが減ってしまった場合に飲むマナポーションとかが入っている瓶と同じものだった。
「これ、何のポーションなんですか?」
「健康診断用のポーションです~」
「バリウムみたいなものですか?」
「バリウムではありませんが、似たようなものだと思って頂ければ結構です~」
「分かりました」
僕はさして疑うこともせず、コハルさんに指示されるがまま、そのポーションを飲み干した。
「はい、ちゃんと飲んで頂けましたね。それではまず、今の体調についてお伺いします。お身体の具合はいかがですか~?」
「特に悪いところはありませんけど」
「下半身の具合はいかがですか~? 今すぐにでも射精したいくらい溜まっちゃってますか~?」
「い、いったいどういう内容の診断なんですか!?」
「質問を質問で返すのはよくないですね~。きよたかさんのが、かなり勃起しちゃっているのは見ればわかりますから、1回射精しないと我慢できないか、それとももう少し我慢できそうかで、診断のやり方が変わってくるんですよ?」
・・・・・・どうやら、かなりえっちな内容の健康診断のようだ。
僕が、コハルさんの質問にどう答えようか迷っていると、午前中の『特別授業』でコハルさんにされたフェラチオを思い出し、僕の下半身が激しく反応してしまった。
「名槍清隆丸さんは、正直に『今すぐ射精させてほしい』とおねだりしちゃってますね~。それじゃあ、1回気持ちよくしてあげますね~」
コハルさんはそう言って、僕にフェラチオを始めた。
・・・・・・以前の僕なら抵抗したかもしれないけど、もう、こういう展開には慣れてしまっているし、ちょうどオナニーしたいと思っていた時だし、それならコハルさんに抜いてもらった方が気持ちいいし、僕の下半身はむしろコハルさんにご奉仕されることを喜んでしまっているし・・・・・・ということで、僕は抵抗らしい抵抗もせず、コハルさんのフェラチオを受け容れてしまっていた。
そして、感じるところをねっとりと責められるコハルさんの絶品フェラで僕がイキそうになると、コハルさんは突然、フェラチオを止めてしまった。
「え? こ、コハルさん・・・・・・? 何で止めちゃうんですか?」
「ここからが健康診断の始まりです~。きよたかさん、ここから自分でオナニーして射精してみてくださいね~」
僕は内心で不服を感じながらも、言われたとおりイク寸前の状態になっている自分のモノを右手でしごいてみたら、なぜかどうしてもイクことができない。普段なら確実にイクほどの射精衝動がこみ上げているのに、なぜか射精してくれない。これでは、欲求を鎮めるどころか、行き場のない性的欲求で気が狂いそうになる。
「こ、コハルさん、なぜかイケないです・・・・・・」
「はーい、では瑞穂ちゃん、きよたかさんのおちん○んを扱いてあげてくださいね」
瑞穂が無言でうなずくと、僕のモノにおそるおそるといった感じで触り始めた。
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
そして触られた瞬間、僕は何かのリミッターが外れたように、ものすごい勢いで射精してしまった。コハルさんは、まるで僕が射精するのを知っていたかのように、瑞穂が触るのとほぼ同時に、僕のおちん○んを口にくわえ、当然のように精液を飲み干してしまった。
「どうやら、ポーションは正常に機能しているようですね~」
「ポーションって、さっき僕に飲ませたやつですよね!? 一体、どういう効果があるポーションなんですか!?」
「その前に、このトーキョー・シティーでのルールを説明しますね~。本来、このアマツでは男女ともにオナニーは自由だったんですけど、長期にわたった人類同士の内紛や戦争、魔軍の襲来、そしてモンスターの被害などにより、アマツの男性人口は極端に減少してしまい、アマツの人類は滅亡の危機に陥ってしまったのです~。
そこで、トーキョー・シティーでは、こうした人類滅亡を回避するため、5年前に『少子化対策特別措置法』という法律が制定され、15歳以上40歳未満の男性については、心身の障害により女性との性的行為ができないと認められる特段の事情がある場合をのぞき、当分の間オナニーは禁止されることになってしまったんです~。要するに、オナニーするほど精力が有り余っているなら、その分女性とえっちして少子化対策に貢献しなさいということですね~」
「え!? ということは、アマツではオナニー自体が法律で禁止されているんですか?」
「そうです~。そして一昨日、このセンターからほど近い公園内の林で、オナニーの痕跡と認められる大量の精液が発見されまして、警察が少子化対策特別措置法違反の容疑で捜査を始めたんですよ~」
「それで、オナニーして警察に捕まると、どういう罰を受けるんですか?」
「まず、再犯防止のために男性用の『オナニー防止ポーション』を飲まされます~。これを飲むと、女性の身体に触っている状態でないと射精できなくなり、その効果は一生続きますので、1人でオナニーすることは不可能になりますね~。効果は一生そして2週間ほど特別矯正施設に拘束され、女性とのえっちについて実践的な講習を受けさせられ、きちんと女性の膣内で射精できるようになったと証明できるまで、釈放してもらえないんですよ~」
「・・・・・・もしかして、僕がさっき飲んだポーションって、その『オナニー防止ポーション』なんですか?」
「そのとおりです~。そしてトーキョー・シティーの警察は、精液の量があまりに多いので複数人物による犯行とみて捜査をしているようですが、わたしとタマキ先生はおそらくきよたかさんが犯人だと察したので、もしきよたかさんが犯人なら、きよたかさんは日本から来たばかりでまだこの世界に馴染んでいないので、きよたかさんに必要な性教育はセンターの方で引き受けるということで、警察と交渉しているところなのですけど~、公園でオナニーしちゃったのは、きよたかさんで間違いありませんか?」
「・・・・・・間違いありません」
僕は素直に認めた。午前中の特別授業でもオナニーを認めてしまった以上、ここで否認しても意味はない。
「まあ、きよたかさんには『少子化対策特別措置法』について何も教えていませんでしたから、その点は責められないですね~。ただ、これまで日本人向けの訓練でそうした法律を教えてこなかったのは、えっちの相手をしてくれる女性がセンター内にいくらでもいるのに、えっちを拒否しつつ毎晩オナニーする変わった子なんて、きよたかさんが初めての例なので、教える必要はないと思われていたからなのですよ~。そこで、これから私が、どうして女の子とえっちできないのか、詳しく診断させて頂きますね~。ちなみに、今回はきよたかさんに拒否権はありません」
「わかりました」
僕は観念した。オナニー自体が違法行為で、しかもポーションの力でオナニー自体が不可能になってしまったのでは、もはや女の子とのえっちから逃げることは出来ない。
・・・・・・思春期の男の子には必須だった夜のお友達とは、永遠にさようならを告げるしかなくなってしまったようだ。
◇◇◇◇◇◇
コハルさんは、肩から上着を脱いで、上半身裸の姿になった。コハルさんの、かなり豊満な胸が露わになる。
「それではきよたかさん、私のおっぱいを揉んでみてくださいね~」
「・・・・・・」
「どうしたんですか? 遠慮せずに触っていいんですよ?」
「・・・・・・えーと、コハルさん」
「はい?」
「おっぱいって、どうやって触ればいいんですか?」
僕がそう質問したところ、なぜかその場が凍り付いたような空気になった。コハルさんだけでなく、その場にいた瑞穂でさえも、僕が何を言っているのか理解できないという顔をしている。
「・・・・・・えーと、きよたかさん? その質問は要するに、おっぱいを触ることで女性が気持ちよくなるには、どういう触り方をすればよいかということを聞きたいんですか?」
「もちろん、そういう意味なんですけど」
「私、童貞の男の子に筆おろしをしてあげたことは結構ありますけど、そういう質問をしてきた子は、きよたかさんが初めてですね~。まあ、男性の大半は、おっぱいなんて自分の触りたいように触ればいいとしか思っていないんですけど、本当に女性が気持ちよくなるようにおっぱいを触るには、色々コツがあって意外と難しいんですよ~」
「そうなんですか」
「はい。まず、私のようにえっちに慣れている大人の女性を相手にするときには、最初からおっぱいに触ってもいいですけど、えっちが初めての子や慣れていない子を相手にするときは、キスから始めるのが定番ですね~」
「キスから始めるのがいいんですか」
「そうです~。女性は男性と違って、リラックスできる状態でないとあまり感じることが出来ないので、まずは舌を絡み合わせる濃厚なキスをして、さらに髪を撫でたり頭を撫でたりして、女性を安心させることが必要なんですよ~」
「なるほど」
「そして、おっぱいの上手な触り方ですけど、これはいきなり乳首を触るんじゃなくて、乳房の脇とか、おっぱいの下側にも感じるところがあるので、そういうところを優しく触りながら、徐々に乳首へ迫っていくような触り方がいいですね~。あと、単に触るだけじゃなくて、唇や舌を使って舐めるのも効果的ですよ~。それじゃあ、実際にやってみましょうね~」
僕は、コハルさんに促されるがまま、コハルさんの胸を指示どおりに触り始めると、次第にコハルさんがえっちな声を出すようになってきた。なるほど、女の人ってこういうところを触ると気持ち良くなるのか。
コハルさんの反応に僕が気を良くして、コハルさんの乳首を触ったり舐めたりしていると、急にコハルさんからストップがかかった。
「き、きよたかさん、もうおっぱいはそのくらいにして、今度は下の方を触ってください・・・・・・。私、もう我慢できません・・・・・・」
「え? 僕のやり方、良くありませんでした!?」
「いえ、むしろきよたかさんが上手過ぎて、私のお股がウズウズしてきちゃったから、今度はそっちを触って欲しいんです・・・・・・」
そう説明するコハルさんが、かなり切羽詰まっている様子だったので、僕はコハルさんの浴衣をはだけさせて、コハルさんの股間に手を忍ばせた。股間は、すでにびしょ濡れになっていた。
「そう、そこです、そこをもっと触ってください・・・・・・。あああっ!」
コハルさんは、かなりえっちな声を上げつつ、自分でも腰を動かして刺激を求めていた。僕が手を動かすうち、コハルさんの嬌声が次第に大きくなってきた。そのうち、コハルさんが腰をくねらせて快感から逃れようとするので、思わず僕はコハルさんの腰を羽交い締めにして、今まで指で触っていた場所を舌で舐めてみた。すると、
「ああああああああっ!!」
コハルさんが、ひときわ大きな嬌声を上げ、全身を大きく震わせた。
これが、えっちな動画なんかで見たことのある「イク」ってことなのかな? 動画と違ってコハルさんあまり喋らないから、よく分からないけど。
「・・・・・・コハルさん、気持ちよくなれました?」
「はあはあ、気持ちよいどころか、イカされちゃいましたよ・・・・・・。きよたかさんって、実はえっちの才能あるんじゃないですか? 私が指示してもいないのに、クンニまでしてくるなんて」
「いやその、僕もスマホなんかでえっちな動画くらいは見たことあるんで、それでクリトリスも、触るより舐める方が気持ちいいのかなと思いまして」
「まあいいでしょう。それではきよたかさん、お楽しみの時間ですよ。わたしのおま○こで、いっぱい気持ちよくなってくださいね」
そう言って、コハルさんは妖艶な笑みを浮かべてきた。
「こ、コハルさん、それはちょっと・・・・・・」
「きよたかさん、えっちはここからが本番ですよ。それにきよたかさんの名槍清隆丸も、やる気満々じゃないですか。私から挿れさせてあげますね」
コハルさんはそう言って、僕を押し倒して仰向けにした後、強引に僕の貞操を奪おうとしてきた。
「やめて~~~~~~~!!!」
僕が思わず悲鳴を上げると、コハルさんはなんとか挿入を止めてくれた。
「きよたかさん、どうして泣いてまで挿入を嫌がるんですか? 女の子ならまだ分かりますけど、男の子は気持ち良いだけですよ?」
「そういう問題じゃなくて、初めては好きな人としたいんです・・・・・・。こんな、授業の一環みたいな感じで初めてを奪われるのは嫌なんです・・・・・・」
「うーん、きよたかさんはかなり面倒くさい子ですね~。どうしましょうか・・・・・・」
コハルさんがそう言って悩み始めると、それまで黙って成り行きを見守っていた瑞穂が、僕に問いかけてきた。
「お兄ちゃん、初めては瑞穂じゃダメなの?」
「瑞穂!?」
「・・・・・・瑞穂、お兄ちゃんのこと大好きなの。お兄ちゃんは、瑞穂が車に轢かれそうになったとき、身体を張って助けてくれたし、瑞穂にとって本当のお兄ちゃんじゃないのに、瑞穂のお兄ちゃんになってくれたの。それに、瑞穂が勝手に『魔眼』のスキルなんか取っちゃって、これからもお兄ちゃんにいっぱい迷惑かけちゃうと思うから、その分お兄ちゃんの役に立ちたいの。あと・・・・・・、この前キスだけで終わっちゃって、それから何もしてくれないから、瑞穂にえっちの続きをしてほしいの。ダメ?」
瑞穂が、ほんのりと頬を赤らめ、僕を上目遣いで見つめながら、そう語りかけてくる。
普段は、どうしようもない中二病の女の子としか見ていなかったが、こういうときの瑞穂はめっちゃ可愛い。
「う、うん・・・・・・。瑞穂が、そんなに僕のことを好きになってくれるなら、僕も初めては瑞穂にあげてもいい」
「・・・・・・お兄ちゃん、もえお姉ちゃんやみなみお姉ちゃんのことはえっちな目で見てるみたいだけど、瑞穂でもえっちな気分になれる?」
「い、いや、普段の瑞穂は眼帯付けてる上に、全然色気のないローブ着てるから、そういう気分になれないってだけで、今の瑞穂なら、十分過ぎるほどえっちな気分になれる。というか、えっちしたくなっちゃう」
「仕方ないですね~。じゃあ、瑞穂ちゃんとえっちしてごらんなさい。途中で分からなくなったら私が教えてあげるから。瑞穂ちゃんは初めてだから、えっちはちゃんとキスから始めてね」
コハルさんにそう促され、僕は瑞穂と熱いキスを交わした。最初にしたキスと異なり、お互いに舌を絡め合う濃厚なディープキス。それだけでえっちな気分が高まってきた。
◇◇◇◇◇◇
「お兄ちゃん、・・・・・・瑞穂の頭、なでなでしてほしい」
「分かった」
僕が、瑞穂の頭を優しく撫でてあげると、瑞穂はとても満足そうな顔になった。
「瑞穂は、頭を撫でられるのが好きなの?」
「うん。お兄ちゃんに頭なでなでされると、気持ちいい」
僕としては、このまま瑞穂の頭を撫で続けたい気持ちもあったが、先ほどのディープキスでえっちな気分になってしまい、瑞穂にえっちなことをしたい気分の方が強くなってしまった。
やがて、瑞穂もそれを察したのか、
「お兄ちゃん、瑞穂にもっとえっちなこと、・・・・・・していいよ」
瑞穂の方から先を促してくれたので、僕は少しずつ瑞穂の浴衣を脱がせた。瑞穂の綺麗な柔肌と、まだ膨らみかけといった感じの可愛いおっぱいが露わになる。
「きゃん!」
僕が、先ほどコハルさんに教わったとおり、瑞穂の胸の感じやすそうなところに手を触れると、瑞穂はそのたびに身体をびくんとさせ、驚いたような声を上げる。傍目に見れば、まだ子供といって良い少女に対し、ものすごく悪いことをしているのは明らかなのだが、なぜかその罪悪感が、僕の性的興奮をさらに高めてしまう。
「瑞穂、ちゃんと気持ちよくなれてる?」
僕の問いに、瑞穂は首を横に振った。
「ううん。気持ち良いというより、なんか身体がびくんってする感じ」
僕が、このまま続けるべきか、それともやり方を変えるべきか迷っていると、コハルさんが声を掛けてきた。
「きよたかさん。瑞穂ちゃんが気持ちよくなれないのは、まだ身体が開発されていないからですよ~」
「開発?」
「女の子の身体は、男の人に身体を触られたり、オナニーしたりを繰り返すことで、徐々に性感帯が開発され、気持ちよくなれる身体になっていくのですよ。最初のうちは気持ちよくなれなくても、毎日きよたかさんが瑞穂ちゃんの身体をそうして触り続けていれば、そのうち瑞穂ちゃんも気持ち良くなれますよ」
「じゃあ、このまま続けた方がいいってことですか?」
「それでも良いですが、瑞穂ちゃんに早く気持ちよくなってほしい、大人の身体になってほしいということであれば、瑞穂ちゃんに『アローズ』の魔法をかけるのが効果的ですよ」
「わかりました」
僕は、部屋に置いてあったアテナイス・ソードを取り出し、瑞穂に『アローズ』の魔法を掛けた。練習のためヨッシー君2号に掛けてみたことはあるけど、女の子相手に『アローズ』を使うのは今回が初めてだ。
「瑞穂、気分はどう?」
「お兄ちゃん、身体が熱くなってきて、じんじんする・・・・・・」
そう答える瑞穂は頬を赤らめ、身体をムズムズさせるようになった。先ほどとは明らかに様子が違う。
「きよたかさんの『アローズ』は、熟練度はまだ10ですけど、もともとのINTが高いですから、かなり効いていますね。もう一度触ってみたら、瑞穂ちゃんも少しは気持ちよくなれるはずですよ」
コハルさんにそう助言され、再び瑞穂の身体を触り始めたところ、瑞穂は明らかに甘い声を上げるようになった。
「瑞穂ちゃんくらいの年齢の女の子とえっちするのは、日本では犯罪になってしまいますけど、アマツでは普通に行われていることですし、きよたかさんも冒険者として名前が売れるようになれば、12~13歳くらいの女の子との初えっちを依頼されることも多くなりますから、瑞穂ちゃんでやり方を覚えておくといいですよ~」
「・・・・・・そんなによくあることなんですか?」
「日本と違って、アマツではそのくらいの年齢が、女の子の初体験適齢期と考えられていますから、強くてえっちの上手い冒険者さんに初えっちの相手をしてほしいという需要が結構あるんですよ~。男の人も、そのくらいの年齢の女の子とのえっちには特別な快感を感じるようで、『こんな楽しみを覚えてしまったら、もう日本には帰れない』なんて言う男の人も結構いますけど、これまでの記憶を保持したまま日本に帰る方法はどうせありませんから、どんどん楽しんじゃっていいですよ~」
コハルさんに解説されるまでもなく、瑞穂の初々しい反応に僕の性的興奮はいよいよ高まってしまい、もう止めることは不可能になっていた。
「きよたかさん、もうおちん○んが限界のようですね~。瑞穂ちゃんのひざにこすりつけちゃってますよ~」
「あっ」
コハルさんに指摘され、僕は無意識のうちに、おちん○んを瑞穂の柔らかなひざにこすりつけてしまっていることに気づいた。
「そういうときはですね、おちん○んを瑞穂ちゃんのお股にこすりつけるといいですよ。そうすると、瑞穂ちゃんのクリトリスも刺激されて、2人とも気持ちよくなれましからね」
コハルさんがそう言うと、瑞穂はどうぞと言わんばかりに、自分からお股を広げてくれた。僕の眼前に、瑞穂の可愛らしい割れ目が露わになる。瑞穂も興奮しているのか、割れ目は結構濡れている。
興奮が限界に達していた僕は、迷わず瑞穂の股に自分のモノをこすりつけ、そのまま腰を振り始めた。初めて経験する快感に、今まで堪えていた射精衝動が急速に高まっていく。
「お、お兄ちゃん、ダメ!」
唐突に、瑞穂がそんなことを言い出したものの、今更止めることは不可能だ。
「瑞穂、ごめん!」
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
ぶしゃああああっ!
僕が、もはや全裸となっていた瑞穂のお腹に精液をまき散らすのと、瑞穂のお股から黄色い液体が漏れ出るのが、ほぼ同時だった。
「う、うえええええん・・・・・・。瑞穂、おしっこ漏らしちゃったよう・・・・・・。お兄ちゃんの身体におしっこかけちゃったよう・・・・・・」
「み、瑞穂、別に泣かなくたって・・・・・・。僕も、瑞穂の身体に精液かけちゃったし、お互い様ってことで」
「きよたかさん、瑞穂ちゃん。男の人と違って、女の子がえっちの最中にお漏らししちゃうことは、結構あるんですよ。女の子がおしっこを出す穴は、膣口の少し上あたりにあるんですけど、男の人と違ってえっちの最中におしっこが出なくなる仕組みにはなっていませんから、えっちで気持ちよくなると、愛液なんかと一緒におしっこも出やすくなってしまうんですよ~。えっちでお漏らししないようにするには、えっちの前におトイレを済ませておくとか、色々気をつけておく必要があるんですけど、中にはそれでもお漏らししちゃう女の子もいますから、きよたかさんも女の子のお漏らしは、気持ちよくなっている証拠だと思って、大目に見てあげてくださいね~」
「ほら瑞穂、コハルさんもこう言っていることだし、僕も気にしてないから、もう泣かないで」
「う、うん・・・・・・」
「とは言え、2人とも身体がびちゃびちゃになってますね~。そのまま、2人で一緒にお風呂へ行って身体を洗って、お風呂で好きなだけイチャイチャやえっちなことして、気が済んだら一緒に眠って親睦を深めるといいですよ~。あと、今の瑞穂ちゃんだと、名槍清隆丸は大きすぎてたぶん入らないと思いますけど、毎晩クリトリスをいじりながら瑞穂ちゃんの膣穴に指を入れて、指を2本余裕で入れられるくらいになったら、挿入を試してみてもいいかもしれませんね~。おそらく、何日もかかるとは思いますし、それまではきよたかさんもさっきの素股で我慢するしかありませんが、挿入まで時間をかけたカップルは長続きしやすいとも言いますし、初えっちに愛やムードを求めるきよたかさんの性格だと、むしろそういう初体験の方が良いかもしれませんね~。後のことは、お二人にお任せしますけど、えっちのことで何か分からなくなったら、遠慮なく私に聞いてくださいね~」
「コハルさん、もう行っちゃうんですか?」
「はい。大人の階段を登った瑞穂ちゃんのために、これからきよたかさんを誘惑できる新しい衣装を作ってあげることにします。それと・・・・・・」
「それと?」
「今夜は、私もこの身体で名槍清隆丸を味わえると期待していたのに、きよたかさんに振られてしまって、しかも瑞穂ちゃんとのラブラブえっちを見せつけられて、もう身体が火照って仕方ないので、一人でオナニーして鎮めてきます。きよたかさんは、明らかに私より若い瑞穂ちゃんの方がお気に入りのようですね。一応、私もきよたかさんにえっちを断られて、それなりに傷ついているんですよ?」
「・・・・・・すみません」
いつになく拗ねた表情で性事情を話すコハルさんに、僕は平謝りするしかなかった。
◇◇◇◇◇◇
センター内のお風呂は、女子の時間と男子の時間が終わった後は、男女どちらが入ってもよいフリーの時間になっていて、深夜の時間帯にはほぼ誰もいない。アマツのお風呂は男女混浴が普通で、恥ずかしがり屋の日本人訓練生のためにセンター内では女子のみ、男子のみの時間帯が設けられているが、フリーの時間帯は訓練生のカップルが、好きなだけえっちを楽しんでくださいという趣旨の時間になっているらしい。
僕と瑞穂は、一緒に風呂場へ入って身体を洗ったものの、瑞穂の綺麗な身体を見て僕が再び欲情してしまい、素股で射精しては身体を洗ってを繰り返した結果、僕は風呂場の中で瑞穂に向けて3回も射精してしまった。
ちなみに、コハルさんに言われた方法で、瑞穂の膣内に挿入できるかどうかも一応試してみたものの、まだ小さい瑞穂の膣内には、指を一本入れるのも難しい状態だったので、挿入は当分先の話になりそうだ。まあ、素股でも十分気持ち良かったから、すぐに挿入できなくても不満はないけど。
「お兄ちゃん、これで朝まで一緒に過ごせるね♪」
僕と一緒にお風呂から戻ってきた瑞穂は、いつになくご機嫌の様子だった。
「そんなに、僕と一緒に過ごしたかったの?」
「うん! お兄ちゃんと朝までいっぱいおしゃべりして、お兄ちゃんと仲良くなりたかったの。でも、コハルお姉さんから、お兄ちゃんは瑞穂と二人きりになるとたぶんえっちなことがしたくなるから、仲良くなるにはお兄ちゃんとえっちするしかないよって言われて、だから今日、瑞穂は勇気を出して、お兄ちゃんとえっちしたいって手を上げたんだよ。そうしたらコハルお姉さんが、こうやってお兄ちゃんとえっちなことが出来るように手配してくれたんだよ」
「そうだったんだ・・・・・・」
「お兄ちゃん、今夜からもうお兄ちゃんはオナニー出来ないけど、これからは瑞穂が右手の代わりになってあげるから、えっちしたくなっちゃったときは瑞穂に言ってね」
内心、身体はまだ子供のくせに結構ませてるなあと思いつつも、ポーションの効果でオナニーが出来なくなってしまった以上、今後の性処理は瑞穂に委ねるしかないので、結局僕は「よろしくお願いします」と答えるしかなかった。
「でもお兄ちゃん、挿入はまだ出来なくてもいいの? コハルお姉さん、男の人は女の人のおま○この中におちん○んを挿入して、中でびゅーって精液を出すのが一番気持ち良いって言ってたけど」
「コハルさん、そんなことまで瑞穂に教えてたのか・・・・・・。確かに、挿入した方が気持ちいいのかもしれないけど、今夜覚えた素股でも十分気持ちよくなれるから、急がなくても当分は素股で十分だよ」
「でも、お兄ちゃんは、みなみお姉ちゃんのことが好きなんだよね? そのうち、みなみお姉ちゃんともえっちするんでしょ?」
「え!? でも、そうしたら瑞穂と二股かけちゃうことに・・・・・・」
「瑞穂のことは気にしなくていいよ。みなみお姉ちゃんとは、どっちが先にお兄ちゃんとえっちすることになっても、独り占めはしないって約束してるから。同じパーティーで一緒に冒険するのに、お兄ちゃんがどっちか一人だけど仲良くなって取り残されるのは嫌だから、二人揃ってお兄ちゃんに可愛がってもらおうって決めてるの。だから、みなみお姉ちゃんがお兄ちゃんのお嫁さんになって、瑞穂はお兄ちゃんとみなみお姉ちゃんの妹になるのが夢なんだよ」
「瑞穂はそれでいいの?」
「うん。単なるお嫁さんよりは、妹の方が上だから。お嫁さんは、お兄ちゃんがえっち出来なくなったらもうそれまでの関係だけど、瑞穂はお兄ちゃんの妹だから、お兄ちゃんが年を取ってえっちできなくなったとしても、最後まで一緒にいてあげるよ」
おませさんにも程がある瑞穂の言葉に、僕は苦笑するしかなかった。
「瑞穂はまだ小さいのに、結構先のことまで考えてくれてるんだね。あと、栗林さんとは仲良くやってるみたいだけど、上水流さんとはどうなの?」
「ううん、もえお姉ちゃんは、ちょっと怖い。瑞穂が話しかけても睨まれるだけで相手にしてくれないし。お兄ちゃん、もえお姉ちゃんも連れて行くつもりなの?」
「そのつもりだよ。僕としても、上水流さんはちょっと取っつきにくいところはあるけど、冒険者になるということは、いつ死ぬか分からない戦いの日々に身を置くということになるし、僕たちが頑張らないとこのアマツ世界自体が見捨てられ、僕たちを含め人類そのものが滅びちゃうんだから、性格的に多少問題があろうと、優秀なモンクである上水流さんはパーティーに欠かせない存在になると思う。だから瑞穂も、上水流さんとはできる限り仲良くしてあげてね」
「・・・・・・そうだね。瑞穂たち、お兄ちゃんと楽しい結婚生活を送りにいくんじゃなくて、戦いに行くんだよね。それだったら、怖くても強いもえお姉ちゃんの存在は欠かせないよね」
「うん。瑞穂も、分かってくれればそれでいいから」
その後は、瑞穂と他愛のない雑談が続いた。僕と別メニューの訓練になってから、お料理の練習で成功したとか失敗したとか、栗林さんは僧侶なのに、裁縫の練習で誤って自分の指を刺してしまい、魔法を使えば傷くらい簡単に治せるのにそのことも忘れて泣いていたとか、一緒に訓練しているアマツ出身の女の子たちは、料理や裁縫は得意だけどみんなえっちなお話ばかりしていて、夜になるとえっちの相手を探しに町へ繰り出す人もいるとか。
そのうち、僕は瑞穂についてちょっとした疑問が沸き、この際だからと思って質問することにした。
「ところで瑞穂、聞きたいことがあるんだけど」
「なに、お兄ちゃん?」
「瑞穂が普段やってる、我こそは聖なる邪神バロールだとかいう設定、日本にいた頃からやってたの?」
「違うよ。ここで着る服を選んでるときに、ちょうど格好良いのがあったから、それに合わせて急いで設定を考えたの。だから、まだ細かい設定が固まってないから、お兄ちゃんも一緒に瑞穂の設定考えて欲しいの」
・・・・・・最近の日本では、中二病の女の子はあまり珍しくもなくなってきた感があるけど、こうもあっさり設定だと認めた上で、一緒に設定を考えてと言ってくる中二病娘というのは、さすがにレアではないかという気がする。
「うーん、瑞穂は『魔眼』スキル取っちゃったから、いまさら設定を止めるわけには行かないんだよね」
「でもお兄ちゃん、『魔眼』スキルって本当に効果あるのかなあ? お兄ちゃんに協力してもらって、頑張ってスキルレベルを上げても、結局何の効果もありませんでしたじゃ、さすがに申し訳ないかも・・・・・・」
「確かに・・・・・・。いや、考えてみれば確認する手っ取り早い手段があるじゃないか」
◇◇◇◇◇◇
僕は、アテナイス・ソードを手に取り、剣に向かって話し掛けた。
「アテナイスさん、聞こえますか?」
「すみません、ただいまアテナイス様はお休み中です。アテナイス様に代わって、天使アズリエルが対応させて頂きます」
ああ、転生のときに会った出来る方の天使さんか。
「じゃあ、アズリエルさんにも分かる範囲で結構なんですけど、瑞穂が取った『魔眼』ってスキル、熟練度レベルを30以上にまで上げると、言われているような効果が本当にあるんでしょうか?」
「この賢い天使アズリエルは、いずれきよたかさんからその質問が来るだろうと予期しておりました。そして、アマツ世界に関する記録を調べ上げ、ご質問に答える準備は完璧にできております」
なんとなく、勿体ぶったアズリエルさんの言い方が若干気になったが、僕は話の続きを促した。
「では、その調査結果はいかがでしたか?」
「結論から先に申し上げますと、『魔眼』スキルを実際に習得された冒険者は過去に誰もおりませんでしたが、『魔眼』スキルには確かに、説明文にあるような効果が設定されています。最初のうちは何の役にも立ちませんが、粘り強く熟練度レベルを上げれば、後に魔軍との戦いで有効な切り札になり得るでしょう」
「おお」
「アマツ世界における冒険者の職業やスキルは、アテナイス様から数えて5代ほど前にこの世界を管理されていた、女神イザナミ様の時代にその基礎が作られたのですが、イザナミ様はちょっとした冗談のおつもりで、『魔眼』スキルを創られたそうです。私からイザナミ様に直接確認したところ、『ああ、あのスキルね。まさか、実際に取る人がいるとは思いませんでしたけど、ちゃんと額面どおりの効果は付けてありますし、『魔眼』スキルを取っていないと転職できない特殊な職業も設定してありますよ』とのお答えでしたので、間違いないかと存じます」
「それはどうも。ところで、授業で習ったアマツの歴史によると、このアマツ世界を管理する女神様はちょくちょく代わっていて、現在はアテナイス108年っていう年号がついているんですけど、どうして女神様がそんなに代わるんですか?」
「それはまあ、神界において小規模なD級世界の管理というのは、いわゆる閑職に過ぎませんので、D級世界の管理で高い実績を挙げた女神は昇進してより重要な世界の管理を任され、逆にへまをやらかした女神は降格されるといった感じの人事異動があるわけです。日本におけるサラリーマンの人事異動と似たようなものです」
「・・・・・・何というか、神界も結構世知辛い世界なんですね」
「ついでに申し上げますと、このアズリエルは5年ほど前にアテナイス様付きの天使となったばかりですが、調べれば調べるほどアテナイス様の管理は杜撰極まりないもので、アマツ世界の方々には申し訳ないと思うと同時に、内心で強い怒りを感じております。私としては、賢い出来る天使としてきよたかさん一行を助け、やがてはアテナイス様に代わってアマツ世界を管理する女神となり、E級世界に落ちる寸前のアマツ世界を再び繁栄に導いて実績を上げ、さらなる昇進を目指したいと考えております。つきましては、アマツ世界再興の切り札となるきよたかさんとその一行には、可能な限りの協力を惜しまない所存でございます」
・・・・・・ずいぶん野心的な天使さんだな。いずれ、アテナイスさんを追い落として自分がアマツ世界の女神になろうとしているのだろうか。
「それじゃあついでに、その出来る天使のアズリエルさんに、いくつか聞きたいことがあるんですけど」
「承りましょう」
「僕のお父さん、お母さん、そして弟の泰隆は、今も日本で元気に暮らしていますか?」
「お三方ともご健在ですが、未だきよたかさんを失った悲しみから抜け出せないようです。また、きよたかさんが亡くなる原因となった交通事故について、きよたかさんと瑞穂さんの信号無視が事故の原因だから加害者は責任なしとの判断が出されたため、特にお父上は怒り狂っておいでのようです」
「・・・・・・えっと、僕や瑞穂って、本当に信号を無視していたんですか?」
「いえ、少なくともこの私が判断する限り、赤信号を無視していたのはむしろダンプカーのはずなのですが、日本の交通事故に関する事件処理の実務では、被害者が死亡している事件だと加害者側の言い分がそのまま通ってしまう傾向があるようです。だからこそ、きよたかさんのお父上は、保険会社の判断に納得がいかず、訴訟も辞さないとお怒りになられているようですが」
僕が死んだ後の日本では、そんな話になっていたのか。そんな泥沼の話、むしろ聞かない方が良かったかも。
「分かりました。その話はもういいです。あと、日本のスガ総理って、まだ総理の座に居座っていますか?」
「おたずねの人物については、まだ内閣総理大臣の職にありますが、次の総裁選には立候補しない旨を表明しており、事実上辞任する意向のようです」
「そうなんですか。でも、日本であの総理が辞任すると、ひょっとしてこの世界のガースー総統も辞任しちゃったりするんですかね?」
「日本の政治情勢と、アマツ世界の情勢に直接の関連性はありませんが、私が調べているところによりますと、どうやらそうなる可能性も皆無ではなさそうです」
「というと?」
「現在、アマツ世界の大半を実効支配している『魔軍』ですが、魔軍というのは人類側の呼称で、彼ら自身は『民主自由党』を自称しており、やがてはトーキョー・シティーを含むすべての人類都市を、選挙によって自分たちの手先を知事や市長と言った役職に選ばせることによって、合法的に自分たちの支配下に置くことを目標にしているようです」
「どうしてそんなことを」
「どうやら、彼らにとって人類は搾取の対象であり、絶滅すると搾取の対象がいなくなって自分たちも困るので、人類を生かさず殺さずといった感じで完全に奴隷化したいのでしょう。実際、アマツ世界にあるいくつかの都市では、抵抗を諦めた人類により魔軍の有力者が首長に選ばれてしまったところもあるようです」
「・・・・・・厄介な連中ですね」
「はい。そしてガースー総統は、自らの側近であるオーコノギ氏を、次期のヨコハマ・シティーの市長に当選させようと目論んでおり、魔軍への不服従を主張するヤマナカ氏と激しい選挙戦になりそうです。ガースー総統は、自分が関与すればオーコノギ氏の当選は確実と考えているようですが、万一オーコノギ氏が敗れれば、魔軍の内部におけるガースー総統の権威は失墜し、総統辞任に追い込まれる可能性もゼロではありません」
「・・・・・・それってもう、近いうちにガースー総統は辞任すると言っているようなものだと思いますけど」
「情報の評価についての判断はきよたかさんにお任せします。ほかに、この出来る天使アズリエルに聞いておきたいことはありませんか?」
「後は、えーと・・・・・・、瑞穂が取った『魔眼』スキルの熟練度を、効率的に上げるコツなどがあれば、教えてほしいです」
「そうですね、『魔眼』スキルは、単に一人で魔眼ごっこをしているよりも、同じパーティーの仲間に付き合ってもらい、決め台詞などについても創意工夫を重ねると、熟練度レベルが上がりやすい仕組みになっているようです。確かに、冗談で創られたスキルなので、熟練度の上げ方については判断が難しいと思いますが、きよたかさんも瑞穂さんに付きあってさしあげることをお勧めいたします」
「分かりました。色々教えて頂いてありがとうございます」
「いいえ、こちらこそ。アテナイス様が起きておられる間は私が出しゃばることは出来ませんが、お休みになられているときは好き放題言わせて頂きますので」
こうして、僕とアズリエルさんとの会話は終わった。
「ねえお兄ちゃん、結果はどうだったの? 瑞穂にはほとんど分からなかったんだけど」
「簡単に言うと、『魔眼』スキルは伝えられているとおりの効果があるから、頑張って熟練度レベルを上げれば魔王討伐の切り札になるって」
「本当!?」
「本当みたい。そして、熟練度レベルを上げるには、どうやら僕なんかも協力して、一緒に格好良い台詞を考えたり、やりとりに付き合ったりすると効率が良いみたい。まあ、それ以外の話も結構したけど、瑞穂にはほとんど関係ない話だからどうでもいいよ」
「はーい! じゃあお兄ちゃん、瑞穂の格好良い設定考えるの手伝ってね」
「はいはい」
こうして、僕は眠りに落ちるまで、瑞穂の中二病設定を一緒に考えさせられることになった。
もっとも、お互い下半身裸の姿で瑞穂と一晩を過ごしたことで、朝方にはムラムラして瑞穂とまたえっちなことをしてしまい、身体を洗うため朝風呂に入ることになった。
瑞穂との関係が深まり、えっちなことも出来るようになったから、全体としてはむしろ役得か。
(第9話に続く)
『特別授業』と題する、とんでもないセクハラ授業があった日の午後。
授業が終わって拘束を解かれた当初は、もう恥ずかしすぎて女の子たちとは顔を合わせられないと思っていたのだが、そんな理由で訓練を休むことも出来ないので、表向きは何もなかったかのように平然とした態度を装って、午後の実技訓練に臨んだ。幸いなことに、栗林さんや瑞穂も同じような態度を取っていたので、午後の訓練自体は比較的何事もなく進んだ。むしろ、午前中に5回も射精させられたせいか、僕自身は性欲がいくらか発散されて、むしろいつもより訓練に集中できたような気がした。
そのせいか、一部の訓練で使うヨッシー君2号の顔を見ながら、日本のあの人はまだ総理をやっているんだろうか、などと考える余裕も出てきた。日本の政治情勢に関する僕の記憶は、あの総理が横浜市長選に自分の側近を送り込んで必勝の態勢で臨んだものの、野党候補に惨敗したというあたりで終わっている。
たぶん、あんな総理だからそんなに長続きはしないだろうという想像は出来るが、日本では既に亡くなりアマツ世界へ転生してきた身である以上、その後の日本がどうなっているかについては知る術もない。もはや、僕としては日本の政治情勢なんかよりも、弟の泰隆が僕の分まで日本で幸せになってくれるかどうか、そして僕自身がアマツ世界で生き残れるかの方がよほど大事だ。
ただし、上水流さんが訓練中、顔を真っ赤にして「きよたん、あたしはオナニーなんかしてないからね!」などとしつこいくらい念を押してくるので、適当に相槌を打っておいた。上水流さん自身が僕とえっちな関係を望んでいるならともかく、そうでないのであれば、僕としては女の子のプライベートな事情に立ち入る気はない。
もっとも、僕も午後の訓練が終わって夕食を取り、お風呂から上がった頃になると、午前中の恥ずかしい思い出が色々と蘇ってきて、性欲がまた昂ってきてしまった。自分の部屋に戻ってから、これまでオナニーに使っていた公園の場所はばれているようなので、今夜は別の場所を探そうかなどと考えていると、僕の部屋にコハルさんと瑞穂が入ってきた。ちなみに、2人とも服装は浴衣1枚のみで、瑞穂はいつもの眼帯も付けていない。
「きよたかさん、こんばんは~。今夜は、きよたかさんの健康診断をさせて頂きますね~」
おっとりした口調で、コハルさんがそんなことを告げてきた。
「健康診断?」
「はい。瑞穂ちゃんには、私の助手をして頂きます~」
「よろしくね、お兄ちゃん」
「はあ」
一応相槌を打ったものの、一体何の健康診断をするのか、瑞穂が助手として何の役に立つのか、さっぱり理解できない。
「それではまず、きよたかさんはこのポーションを飲んでくださいね~」
コハルさんはそう言って、僕に何らかの薬らしき液体が入った瓶を差し出してきた。瓶の形状自体は見慣れたもので、女の子たちが飲んでいる避妊ポーションとか、訓練中にMPが減ってしまった場合に飲むマナポーションとかが入っている瓶と同じものだった。
「これ、何のポーションなんですか?」
「健康診断用のポーションです~」
「バリウムみたいなものですか?」
「バリウムではありませんが、似たようなものだと思って頂ければ結構です~」
「分かりました」
僕はさして疑うこともせず、コハルさんに指示されるがまま、そのポーションを飲み干した。
「はい、ちゃんと飲んで頂けましたね。それではまず、今の体調についてお伺いします。お身体の具合はいかがですか~?」
「特に悪いところはありませんけど」
「下半身の具合はいかがですか~? 今すぐにでも射精したいくらい溜まっちゃってますか~?」
「い、いったいどういう内容の診断なんですか!?」
「質問を質問で返すのはよくないですね~。きよたかさんのが、かなり勃起しちゃっているのは見ればわかりますから、1回射精しないと我慢できないか、それとももう少し我慢できそうかで、診断のやり方が変わってくるんですよ?」
・・・・・・どうやら、かなりえっちな内容の健康診断のようだ。
僕が、コハルさんの質問にどう答えようか迷っていると、午前中の『特別授業』でコハルさんにされたフェラチオを思い出し、僕の下半身が激しく反応してしまった。
「名槍清隆丸さんは、正直に『今すぐ射精させてほしい』とおねだりしちゃってますね~。それじゃあ、1回気持ちよくしてあげますね~」
コハルさんはそう言って、僕にフェラチオを始めた。
・・・・・・以前の僕なら抵抗したかもしれないけど、もう、こういう展開には慣れてしまっているし、ちょうどオナニーしたいと思っていた時だし、それならコハルさんに抜いてもらった方が気持ちいいし、僕の下半身はむしろコハルさんにご奉仕されることを喜んでしまっているし・・・・・・ということで、僕は抵抗らしい抵抗もせず、コハルさんのフェラチオを受け容れてしまっていた。
そして、感じるところをねっとりと責められるコハルさんの絶品フェラで僕がイキそうになると、コハルさんは突然、フェラチオを止めてしまった。
「え? こ、コハルさん・・・・・・? 何で止めちゃうんですか?」
「ここからが健康診断の始まりです~。きよたかさん、ここから自分でオナニーして射精してみてくださいね~」
僕は内心で不服を感じながらも、言われたとおりイク寸前の状態になっている自分のモノを右手でしごいてみたら、なぜかどうしてもイクことができない。普段なら確実にイクほどの射精衝動がこみ上げているのに、なぜか射精してくれない。これでは、欲求を鎮めるどころか、行き場のない性的欲求で気が狂いそうになる。
「こ、コハルさん、なぜかイケないです・・・・・・」
「はーい、では瑞穂ちゃん、きよたかさんのおちん○んを扱いてあげてくださいね」
瑞穂が無言でうなずくと、僕のモノにおそるおそるといった感じで触り始めた。
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
そして触られた瞬間、僕は何かのリミッターが外れたように、ものすごい勢いで射精してしまった。コハルさんは、まるで僕が射精するのを知っていたかのように、瑞穂が触るのとほぼ同時に、僕のおちん○んを口にくわえ、当然のように精液を飲み干してしまった。
「どうやら、ポーションは正常に機能しているようですね~」
「ポーションって、さっき僕に飲ませたやつですよね!? 一体、どういう効果があるポーションなんですか!?」
「その前に、このトーキョー・シティーでのルールを説明しますね~。本来、このアマツでは男女ともにオナニーは自由だったんですけど、長期にわたった人類同士の内紛や戦争、魔軍の襲来、そしてモンスターの被害などにより、アマツの男性人口は極端に減少してしまい、アマツの人類は滅亡の危機に陥ってしまったのです~。
そこで、トーキョー・シティーでは、こうした人類滅亡を回避するため、5年前に『少子化対策特別措置法』という法律が制定され、15歳以上40歳未満の男性については、心身の障害により女性との性的行為ができないと認められる特段の事情がある場合をのぞき、当分の間オナニーは禁止されることになってしまったんです~。要するに、オナニーするほど精力が有り余っているなら、その分女性とえっちして少子化対策に貢献しなさいということですね~」
「え!? ということは、アマツではオナニー自体が法律で禁止されているんですか?」
「そうです~。そして一昨日、このセンターからほど近い公園内の林で、オナニーの痕跡と認められる大量の精液が発見されまして、警察が少子化対策特別措置法違反の容疑で捜査を始めたんですよ~」
「それで、オナニーして警察に捕まると、どういう罰を受けるんですか?」
「まず、再犯防止のために男性用の『オナニー防止ポーション』を飲まされます~。これを飲むと、女性の身体に触っている状態でないと射精できなくなり、その効果は一生続きますので、1人でオナニーすることは不可能になりますね~。効果は一生そして2週間ほど特別矯正施設に拘束され、女性とのえっちについて実践的な講習を受けさせられ、きちんと女性の膣内で射精できるようになったと証明できるまで、釈放してもらえないんですよ~」
「・・・・・・もしかして、僕がさっき飲んだポーションって、その『オナニー防止ポーション』なんですか?」
「そのとおりです~。そしてトーキョー・シティーの警察は、精液の量があまりに多いので複数人物による犯行とみて捜査をしているようですが、わたしとタマキ先生はおそらくきよたかさんが犯人だと察したので、もしきよたかさんが犯人なら、きよたかさんは日本から来たばかりでまだこの世界に馴染んでいないので、きよたかさんに必要な性教育はセンターの方で引き受けるということで、警察と交渉しているところなのですけど~、公園でオナニーしちゃったのは、きよたかさんで間違いありませんか?」
「・・・・・・間違いありません」
僕は素直に認めた。午前中の特別授業でもオナニーを認めてしまった以上、ここで否認しても意味はない。
「まあ、きよたかさんには『少子化対策特別措置法』について何も教えていませんでしたから、その点は責められないですね~。ただ、これまで日本人向けの訓練でそうした法律を教えてこなかったのは、えっちの相手をしてくれる女性がセンター内にいくらでもいるのに、えっちを拒否しつつ毎晩オナニーする変わった子なんて、きよたかさんが初めての例なので、教える必要はないと思われていたからなのですよ~。そこで、これから私が、どうして女の子とえっちできないのか、詳しく診断させて頂きますね~。ちなみに、今回はきよたかさんに拒否権はありません」
「わかりました」
僕は観念した。オナニー自体が違法行為で、しかもポーションの力でオナニー自体が不可能になってしまったのでは、もはや女の子とのえっちから逃げることは出来ない。
・・・・・・思春期の男の子には必須だった夜のお友達とは、永遠にさようならを告げるしかなくなってしまったようだ。
◇◇◇◇◇◇
コハルさんは、肩から上着を脱いで、上半身裸の姿になった。コハルさんの、かなり豊満な胸が露わになる。
「それではきよたかさん、私のおっぱいを揉んでみてくださいね~」
「・・・・・・」
「どうしたんですか? 遠慮せずに触っていいんですよ?」
「・・・・・・えーと、コハルさん」
「はい?」
「おっぱいって、どうやって触ればいいんですか?」
僕がそう質問したところ、なぜかその場が凍り付いたような空気になった。コハルさんだけでなく、その場にいた瑞穂でさえも、僕が何を言っているのか理解できないという顔をしている。
「・・・・・・えーと、きよたかさん? その質問は要するに、おっぱいを触ることで女性が気持ちよくなるには、どういう触り方をすればよいかということを聞きたいんですか?」
「もちろん、そういう意味なんですけど」
「私、童貞の男の子に筆おろしをしてあげたことは結構ありますけど、そういう質問をしてきた子は、きよたかさんが初めてですね~。まあ、男性の大半は、おっぱいなんて自分の触りたいように触ればいいとしか思っていないんですけど、本当に女性が気持ちよくなるようにおっぱいを触るには、色々コツがあって意外と難しいんですよ~」
「そうなんですか」
「はい。まず、私のようにえっちに慣れている大人の女性を相手にするときには、最初からおっぱいに触ってもいいですけど、えっちが初めての子や慣れていない子を相手にするときは、キスから始めるのが定番ですね~」
「キスから始めるのがいいんですか」
「そうです~。女性は男性と違って、リラックスできる状態でないとあまり感じることが出来ないので、まずは舌を絡み合わせる濃厚なキスをして、さらに髪を撫でたり頭を撫でたりして、女性を安心させることが必要なんですよ~」
「なるほど」
「そして、おっぱいの上手な触り方ですけど、これはいきなり乳首を触るんじゃなくて、乳房の脇とか、おっぱいの下側にも感じるところがあるので、そういうところを優しく触りながら、徐々に乳首へ迫っていくような触り方がいいですね~。あと、単に触るだけじゃなくて、唇や舌を使って舐めるのも効果的ですよ~。それじゃあ、実際にやってみましょうね~」
僕は、コハルさんに促されるがまま、コハルさんの胸を指示どおりに触り始めると、次第にコハルさんがえっちな声を出すようになってきた。なるほど、女の人ってこういうところを触ると気持ち良くなるのか。
コハルさんの反応に僕が気を良くして、コハルさんの乳首を触ったり舐めたりしていると、急にコハルさんからストップがかかった。
「き、きよたかさん、もうおっぱいはそのくらいにして、今度は下の方を触ってください・・・・・・。私、もう我慢できません・・・・・・」
「え? 僕のやり方、良くありませんでした!?」
「いえ、むしろきよたかさんが上手過ぎて、私のお股がウズウズしてきちゃったから、今度はそっちを触って欲しいんです・・・・・・」
そう説明するコハルさんが、かなり切羽詰まっている様子だったので、僕はコハルさんの浴衣をはだけさせて、コハルさんの股間に手を忍ばせた。股間は、すでにびしょ濡れになっていた。
「そう、そこです、そこをもっと触ってください・・・・・・。あああっ!」
コハルさんは、かなりえっちな声を上げつつ、自分でも腰を動かして刺激を求めていた。僕が手を動かすうち、コハルさんの嬌声が次第に大きくなってきた。そのうち、コハルさんが腰をくねらせて快感から逃れようとするので、思わず僕はコハルさんの腰を羽交い締めにして、今まで指で触っていた場所を舌で舐めてみた。すると、
「ああああああああっ!!」
コハルさんが、ひときわ大きな嬌声を上げ、全身を大きく震わせた。
これが、えっちな動画なんかで見たことのある「イク」ってことなのかな? 動画と違ってコハルさんあまり喋らないから、よく分からないけど。
「・・・・・・コハルさん、気持ちよくなれました?」
「はあはあ、気持ちよいどころか、イカされちゃいましたよ・・・・・・。きよたかさんって、実はえっちの才能あるんじゃないですか? 私が指示してもいないのに、クンニまでしてくるなんて」
「いやその、僕もスマホなんかでえっちな動画くらいは見たことあるんで、それでクリトリスも、触るより舐める方が気持ちいいのかなと思いまして」
「まあいいでしょう。それではきよたかさん、お楽しみの時間ですよ。わたしのおま○こで、いっぱい気持ちよくなってくださいね」
そう言って、コハルさんは妖艶な笑みを浮かべてきた。
「こ、コハルさん、それはちょっと・・・・・・」
「きよたかさん、えっちはここからが本番ですよ。それにきよたかさんの名槍清隆丸も、やる気満々じゃないですか。私から挿れさせてあげますね」
コハルさんはそう言って、僕を押し倒して仰向けにした後、強引に僕の貞操を奪おうとしてきた。
「やめて~~~~~~~!!!」
僕が思わず悲鳴を上げると、コハルさんはなんとか挿入を止めてくれた。
「きよたかさん、どうして泣いてまで挿入を嫌がるんですか? 女の子ならまだ分かりますけど、男の子は気持ち良いだけですよ?」
「そういう問題じゃなくて、初めては好きな人としたいんです・・・・・・。こんな、授業の一環みたいな感じで初めてを奪われるのは嫌なんです・・・・・・」
「うーん、きよたかさんはかなり面倒くさい子ですね~。どうしましょうか・・・・・・」
コハルさんがそう言って悩み始めると、それまで黙って成り行きを見守っていた瑞穂が、僕に問いかけてきた。
「お兄ちゃん、初めては瑞穂じゃダメなの?」
「瑞穂!?」
「・・・・・・瑞穂、お兄ちゃんのこと大好きなの。お兄ちゃんは、瑞穂が車に轢かれそうになったとき、身体を張って助けてくれたし、瑞穂にとって本当のお兄ちゃんじゃないのに、瑞穂のお兄ちゃんになってくれたの。それに、瑞穂が勝手に『魔眼』のスキルなんか取っちゃって、これからもお兄ちゃんにいっぱい迷惑かけちゃうと思うから、その分お兄ちゃんの役に立ちたいの。あと・・・・・・、この前キスだけで終わっちゃって、それから何もしてくれないから、瑞穂にえっちの続きをしてほしいの。ダメ?」
瑞穂が、ほんのりと頬を赤らめ、僕を上目遣いで見つめながら、そう語りかけてくる。
普段は、どうしようもない中二病の女の子としか見ていなかったが、こういうときの瑞穂はめっちゃ可愛い。
「う、うん・・・・・・。瑞穂が、そんなに僕のことを好きになってくれるなら、僕も初めては瑞穂にあげてもいい」
「・・・・・・お兄ちゃん、もえお姉ちゃんやみなみお姉ちゃんのことはえっちな目で見てるみたいだけど、瑞穂でもえっちな気分になれる?」
「い、いや、普段の瑞穂は眼帯付けてる上に、全然色気のないローブ着てるから、そういう気分になれないってだけで、今の瑞穂なら、十分過ぎるほどえっちな気分になれる。というか、えっちしたくなっちゃう」
「仕方ないですね~。じゃあ、瑞穂ちゃんとえっちしてごらんなさい。途中で分からなくなったら私が教えてあげるから。瑞穂ちゃんは初めてだから、えっちはちゃんとキスから始めてね」
コハルさんにそう促され、僕は瑞穂と熱いキスを交わした。最初にしたキスと異なり、お互いに舌を絡め合う濃厚なディープキス。それだけでえっちな気分が高まってきた。
◇◇◇◇◇◇
「お兄ちゃん、・・・・・・瑞穂の頭、なでなでしてほしい」
「分かった」
僕が、瑞穂の頭を優しく撫でてあげると、瑞穂はとても満足そうな顔になった。
「瑞穂は、頭を撫でられるのが好きなの?」
「うん。お兄ちゃんに頭なでなでされると、気持ちいい」
僕としては、このまま瑞穂の頭を撫で続けたい気持ちもあったが、先ほどのディープキスでえっちな気分になってしまい、瑞穂にえっちなことをしたい気分の方が強くなってしまった。
やがて、瑞穂もそれを察したのか、
「お兄ちゃん、瑞穂にもっとえっちなこと、・・・・・・していいよ」
瑞穂の方から先を促してくれたので、僕は少しずつ瑞穂の浴衣を脱がせた。瑞穂の綺麗な柔肌と、まだ膨らみかけといった感じの可愛いおっぱいが露わになる。
「きゃん!」
僕が、先ほどコハルさんに教わったとおり、瑞穂の胸の感じやすそうなところに手を触れると、瑞穂はそのたびに身体をびくんとさせ、驚いたような声を上げる。傍目に見れば、まだ子供といって良い少女に対し、ものすごく悪いことをしているのは明らかなのだが、なぜかその罪悪感が、僕の性的興奮をさらに高めてしまう。
「瑞穂、ちゃんと気持ちよくなれてる?」
僕の問いに、瑞穂は首を横に振った。
「ううん。気持ち良いというより、なんか身体がびくんってする感じ」
僕が、このまま続けるべきか、それともやり方を変えるべきか迷っていると、コハルさんが声を掛けてきた。
「きよたかさん。瑞穂ちゃんが気持ちよくなれないのは、まだ身体が開発されていないからですよ~」
「開発?」
「女の子の身体は、男の人に身体を触られたり、オナニーしたりを繰り返すことで、徐々に性感帯が開発され、気持ちよくなれる身体になっていくのですよ。最初のうちは気持ちよくなれなくても、毎日きよたかさんが瑞穂ちゃんの身体をそうして触り続けていれば、そのうち瑞穂ちゃんも気持ち良くなれますよ」
「じゃあ、このまま続けた方がいいってことですか?」
「それでも良いですが、瑞穂ちゃんに早く気持ちよくなってほしい、大人の身体になってほしいということであれば、瑞穂ちゃんに『アローズ』の魔法をかけるのが効果的ですよ」
「わかりました」
僕は、部屋に置いてあったアテナイス・ソードを取り出し、瑞穂に『アローズ』の魔法を掛けた。練習のためヨッシー君2号に掛けてみたことはあるけど、女の子相手に『アローズ』を使うのは今回が初めてだ。
「瑞穂、気分はどう?」
「お兄ちゃん、身体が熱くなってきて、じんじんする・・・・・・」
そう答える瑞穂は頬を赤らめ、身体をムズムズさせるようになった。先ほどとは明らかに様子が違う。
「きよたかさんの『アローズ』は、熟練度はまだ10ですけど、もともとのINTが高いですから、かなり効いていますね。もう一度触ってみたら、瑞穂ちゃんも少しは気持ちよくなれるはずですよ」
コハルさんにそう助言され、再び瑞穂の身体を触り始めたところ、瑞穂は明らかに甘い声を上げるようになった。
「瑞穂ちゃんくらいの年齢の女の子とえっちするのは、日本では犯罪になってしまいますけど、アマツでは普通に行われていることですし、きよたかさんも冒険者として名前が売れるようになれば、12~13歳くらいの女の子との初えっちを依頼されることも多くなりますから、瑞穂ちゃんでやり方を覚えておくといいですよ~」
「・・・・・・そんなによくあることなんですか?」
「日本と違って、アマツではそのくらいの年齢が、女の子の初体験適齢期と考えられていますから、強くてえっちの上手い冒険者さんに初えっちの相手をしてほしいという需要が結構あるんですよ~。男の人も、そのくらいの年齢の女の子とのえっちには特別な快感を感じるようで、『こんな楽しみを覚えてしまったら、もう日本には帰れない』なんて言う男の人も結構いますけど、これまでの記憶を保持したまま日本に帰る方法はどうせありませんから、どんどん楽しんじゃっていいですよ~」
コハルさんに解説されるまでもなく、瑞穂の初々しい反応に僕の性的興奮はいよいよ高まってしまい、もう止めることは不可能になっていた。
「きよたかさん、もうおちん○んが限界のようですね~。瑞穂ちゃんのひざにこすりつけちゃってますよ~」
「あっ」
コハルさんに指摘され、僕は無意識のうちに、おちん○んを瑞穂の柔らかなひざにこすりつけてしまっていることに気づいた。
「そういうときはですね、おちん○んを瑞穂ちゃんのお股にこすりつけるといいですよ。そうすると、瑞穂ちゃんのクリトリスも刺激されて、2人とも気持ちよくなれましからね」
コハルさんがそう言うと、瑞穂はどうぞと言わんばかりに、自分からお股を広げてくれた。僕の眼前に、瑞穂の可愛らしい割れ目が露わになる。瑞穂も興奮しているのか、割れ目は結構濡れている。
興奮が限界に達していた僕は、迷わず瑞穂の股に自分のモノをこすりつけ、そのまま腰を振り始めた。初めて経験する快感に、今まで堪えていた射精衝動が急速に高まっていく。
「お、お兄ちゃん、ダメ!」
唐突に、瑞穂がそんなことを言い出したものの、今更止めることは不可能だ。
「瑞穂、ごめん!」
ぶるっ! びゅるるるるるっ!!
ぶしゃああああっ!
僕が、もはや全裸となっていた瑞穂のお腹に精液をまき散らすのと、瑞穂のお股から黄色い液体が漏れ出るのが、ほぼ同時だった。
「う、うえええええん・・・・・・。瑞穂、おしっこ漏らしちゃったよう・・・・・・。お兄ちゃんの身体におしっこかけちゃったよう・・・・・・」
「み、瑞穂、別に泣かなくたって・・・・・・。僕も、瑞穂の身体に精液かけちゃったし、お互い様ってことで」
「きよたかさん、瑞穂ちゃん。男の人と違って、女の子がえっちの最中にお漏らししちゃうことは、結構あるんですよ。女の子がおしっこを出す穴は、膣口の少し上あたりにあるんですけど、男の人と違ってえっちの最中におしっこが出なくなる仕組みにはなっていませんから、えっちで気持ちよくなると、愛液なんかと一緒におしっこも出やすくなってしまうんですよ~。えっちでお漏らししないようにするには、えっちの前におトイレを済ませておくとか、色々気をつけておく必要があるんですけど、中にはそれでもお漏らししちゃう女の子もいますから、きよたかさんも女の子のお漏らしは、気持ちよくなっている証拠だと思って、大目に見てあげてくださいね~」
「ほら瑞穂、コハルさんもこう言っていることだし、僕も気にしてないから、もう泣かないで」
「う、うん・・・・・・」
「とは言え、2人とも身体がびちゃびちゃになってますね~。そのまま、2人で一緒にお風呂へ行って身体を洗って、お風呂で好きなだけイチャイチャやえっちなことして、気が済んだら一緒に眠って親睦を深めるといいですよ~。あと、今の瑞穂ちゃんだと、名槍清隆丸は大きすぎてたぶん入らないと思いますけど、毎晩クリトリスをいじりながら瑞穂ちゃんの膣穴に指を入れて、指を2本余裕で入れられるくらいになったら、挿入を試してみてもいいかもしれませんね~。おそらく、何日もかかるとは思いますし、それまではきよたかさんもさっきの素股で我慢するしかありませんが、挿入まで時間をかけたカップルは長続きしやすいとも言いますし、初えっちに愛やムードを求めるきよたかさんの性格だと、むしろそういう初体験の方が良いかもしれませんね~。後のことは、お二人にお任せしますけど、えっちのことで何か分からなくなったら、遠慮なく私に聞いてくださいね~」
「コハルさん、もう行っちゃうんですか?」
「はい。大人の階段を登った瑞穂ちゃんのために、これからきよたかさんを誘惑できる新しい衣装を作ってあげることにします。それと・・・・・・」
「それと?」
「今夜は、私もこの身体で名槍清隆丸を味わえると期待していたのに、きよたかさんに振られてしまって、しかも瑞穂ちゃんとのラブラブえっちを見せつけられて、もう身体が火照って仕方ないので、一人でオナニーして鎮めてきます。きよたかさんは、明らかに私より若い瑞穂ちゃんの方がお気に入りのようですね。一応、私もきよたかさんにえっちを断られて、それなりに傷ついているんですよ?」
「・・・・・・すみません」
いつになく拗ねた表情で性事情を話すコハルさんに、僕は平謝りするしかなかった。
◇◇◇◇◇◇
センター内のお風呂は、女子の時間と男子の時間が終わった後は、男女どちらが入ってもよいフリーの時間になっていて、深夜の時間帯にはほぼ誰もいない。アマツのお風呂は男女混浴が普通で、恥ずかしがり屋の日本人訓練生のためにセンター内では女子のみ、男子のみの時間帯が設けられているが、フリーの時間帯は訓練生のカップルが、好きなだけえっちを楽しんでくださいという趣旨の時間になっているらしい。
僕と瑞穂は、一緒に風呂場へ入って身体を洗ったものの、瑞穂の綺麗な身体を見て僕が再び欲情してしまい、素股で射精しては身体を洗ってを繰り返した結果、僕は風呂場の中で瑞穂に向けて3回も射精してしまった。
ちなみに、コハルさんに言われた方法で、瑞穂の膣内に挿入できるかどうかも一応試してみたものの、まだ小さい瑞穂の膣内には、指を一本入れるのも難しい状態だったので、挿入は当分先の話になりそうだ。まあ、素股でも十分気持ち良かったから、すぐに挿入できなくても不満はないけど。
「お兄ちゃん、これで朝まで一緒に過ごせるね♪」
僕と一緒にお風呂から戻ってきた瑞穂は、いつになくご機嫌の様子だった。
「そんなに、僕と一緒に過ごしたかったの?」
「うん! お兄ちゃんと朝までいっぱいおしゃべりして、お兄ちゃんと仲良くなりたかったの。でも、コハルお姉さんから、お兄ちゃんは瑞穂と二人きりになるとたぶんえっちなことがしたくなるから、仲良くなるにはお兄ちゃんとえっちするしかないよって言われて、だから今日、瑞穂は勇気を出して、お兄ちゃんとえっちしたいって手を上げたんだよ。そうしたらコハルお姉さんが、こうやってお兄ちゃんとえっちなことが出来るように手配してくれたんだよ」
「そうだったんだ・・・・・・」
「お兄ちゃん、今夜からもうお兄ちゃんはオナニー出来ないけど、これからは瑞穂が右手の代わりになってあげるから、えっちしたくなっちゃったときは瑞穂に言ってね」
内心、身体はまだ子供のくせに結構ませてるなあと思いつつも、ポーションの効果でオナニーが出来なくなってしまった以上、今後の性処理は瑞穂に委ねるしかないので、結局僕は「よろしくお願いします」と答えるしかなかった。
「でもお兄ちゃん、挿入はまだ出来なくてもいいの? コハルお姉さん、男の人は女の人のおま○この中におちん○んを挿入して、中でびゅーって精液を出すのが一番気持ち良いって言ってたけど」
「コハルさん、そんなことまで瑞穂に教えてたのか・・・・・・。確かに、挿入した方が気持ちいいのかもしれないけど、今夜覚えた素股でも十分気持ちよくなれるから、急がなくても当分は素股で十分だよ」
「でも、お兄ちゃんは、みなみお姉ちゃんのことが好きなんだよね? そのうち、みなみお姉ちゃんともえっちするんでしょ?」
「え!? でも、そうしたら瑞穂と二股かけちゃうことに・・・・・・」
「瑞穂のことは気にしなくていいよ。みなみお姉ちゃんとは、どっちが先にお兄ちゃんとえっちすることになっても、独り占めはしないって約束してるから。同じパーティーで一緒に冒険するのに、お兄ちゃんがどっちか一人だけど仲良くなって取り残されるのは嫌だから、二人揃ってお兄ちゃんに可愛がってもらおうって決めてるの。だから、みなみお姉ちゃんがお兄ちゃんのお嫁さんになって、瑞穂はお兄ちゃんとみなみお姉ちゃんの妹になるのが夢なんだよ」
「瑞穂はそれでいいの?」
「うん。単なるお嫁さんよりは、妹の方が上だから。お嫁さんは、お兄ちゃんがえっち出来なくなったらもうそれまでの関係だけど、瑞穂はお兄ちゃんの妹だから、お兄ちゃんが年を取ってえっちできなくなったとしても、最後まで一緒にいてあげるよ」
おませさんにも程がある瑞穂の言葉に、僕は苦笑するしかなかった。
「瑞穂はまだ小さいのに、結構先のことまで考えてくれてるんだね。あと、栗林さんとは仲良くやってるみたいだけど、上水流さんとはどうなの?」
「ううん、もえお姉ちゃんは、ちょっと怖い。瑞穂が話しかけても睨まれるだけで相手にしてくれないし。お兄ちゃん、もえお姉ちゃんも連れて行くつもりなの?」
「そのつもりだよ。僕としても、上水流さんはちょっと取っつきにくいところはあるけど、冒険者になるということは、いつ死ぬか分からない戦いの日々に身を置くということになるし、僕たちが頑張らないとこのアマツ世界自体が見捨てられ、僕たちを含め人類そのものが滅びちゃうんだから、性格的に多少問題があろうと、優秀なモンクである上水流さんはパーティーに欠かせない存在になると思う。だから瑞穂も、上水流さんとはできる限り仲良くしてあげてね」
「・・・・・・そうだね。瑞穂たち、お兄ちゃんと楽しい結婚生活を送りにいくんじゃなくて、戦いに行くんだよね。それだったら、怖くても強いもえお姉ちゃんの存在は欠かせないよね」
「うん。瑞穂も、分かってくれればそれでいいから」
その後は、瑞穂と他愛のない雑談が続いた。僕と別メニューの訓練になってから、お料理の練習で成功したとか失敗したとか、栗林さんは僧侶なのに、裁縫の練習で誤って自分の指を刺してしまい、魔法を使えば傷くらい簡単に治せるのにそのことも忘れて泣いていたとか、一緒に訓練しているアマツ出身の女の子たちは、料理や裁縫は得意だけどみんなえっちなお話ばかりしていて、夜になるとえっちの相手を探しに町へ繰り出す人もいるとか。
そのうち、僕は瑞穂についてちょっとした疑問が沸き、この際だからと思って質問することにした。
「ところで瑞穂、聞きたいことがあるんだけど」
「なに、お兄ちゃん?」
「瑞穂が普段やってる、我こそは聖なる邪神バロールだとかいう設定、日本にいた頃からやってたの?」
「違うよ。ここで着る服を選んでるときに、ちょうど格好良いのがあったから、それに合わせて急いで設定を考えたの。だから、まだ細かい設定が固まってないから、お兄ちゃんも一緒に瑞穂の設定考えて欲しいの」
・・・・・・最近の日本では、中二病の女の子はあまり珍しくもなくなってきた感があるけど、こうもあっさり設定だと認めた上で、一緒に設定を考えてと言ってくる中二病娘というのは、さすがにレアではないかという気がする。
「うーん、瑞穂は『魔眼』スキル取っちゃったから、いまさら設定を止めるわけには行かないんだよね」
「でもお兄ちゃん、『魔眼』スキルって本当に効果あるのかなあ? お兄ちゃんに協力してもらって、頑張ってスキルレベルを上げても、結局何の効果もありませんでしたじゃ、さすがに申し訳ないかも・・・・・・」
「確かに・・・・・・。いや、考えてみれば確認する手っ取り早い手段があるじゃないか」
◇◇◇◇◇◇
僕は、アテナイス・ソードを手に取り、剣に向かって話し掛けた。
「アテナイスさん、聞こえますか?」
「すみません、ただいまアテナイス様はお休み中です。アテナイス様に代わって、天使アズリエルが対応させて頂きます」
ああ、転生のときに会った出来る方の天使さんか。
「じゃあ、アズリエルさんにも分かる範囲で結構なんですけど、瑞穂が取った『魔眼』ってスキル、熟練度レベルを30以上にまで上げると、言われているような効果が本当にあるんでしょうか?」
「この賢い天使アズリエルは、いずれきよたかさんからその質問が来るだろうと予期しておりました。そして、アマツ世界に関する記録を調べ上げ、ご質問に答える準備は完璧にできております」
なんとなく、勿体ぶったアズリエルさんの言い方が若干気になったが、僕は話の続きを促した。
「では、その調査結果はいかがでしたか?」
「結論から先に申し上げますと、『魔眼』スキルを実際に習得された冒険者は過去に誰もおりませんでしたが、『魔眼』スキルには確かに、説明文にあるような効果が設定されています。最初のうちは何の役にも立ちませんが、粘り強く熟練度レベルを上げれば、後に魔軍との戦いで有効な切り札になり得るでしょう」
「おお」
「アマツ世界における冒険者の職業やスキルは、アテナイス様から数えて5代ほど前にこの世界を管理されていた、女神イザナミ様の時代にその基礎が作られたのですが、イザナミ様はちょっとした冗談のおつもりで、『魔眼』スキルを創られたそうです。私からイザナミ様に直接確認したところ、『ああ、あのスキルね。まさか、実際に取る人がいるとは思いませんでしたけど、ちゃんと額面どおりの効果は付けてありますし、『魔眼』スキルを取っていないと転職できない特殊な職業も設定してありますよ』とのお答えでしたので、間違いないかと存じます」
「それはどうも。ところで、授業で習ったアマツの歴史によると、このアマツ世界を管理する女神様はちょくちょく代わっていて、現在はアテナイス108年っていう年号がついているんですけど、どうして女神様がそんなに代わるんですか?」
「それはまあ、神界において小規模なD級世界の管理というのは、いわゆる閑職に過ぎませんので、D級世界の管理で高い実績を挙げた女神は昇進してより重要な世界の管理を任され、逆にへまをやらかした女神は降格されるといった感じの人事異動があるわけです。日本におけるサラリーマンの人事異動と似たようなものです」
「・・・・・・何というか、神界も結構世知辛い世界なんですね」
「ついでに申し上げますと、このアズリエルは5年ほど前にアテナイス様付きの天使となったばかりですが、調べれば調べるほどアテナイス様の管理は杜撰極まりないもので、アマツ世界の方々には申し訳ないと思うと同時に、内心で強い怒りを感じております。私としては、賢い出来る天使としてきよたかさん一行を助け、やがてはアテナイス様に代わってアマツ世界を管理する女神となり、E級世界に落ちる寸前のアマツ世界を再び繁栄に導いて実績を上げ、さらなる昇進を目指したいと考えております。つきましては、アマツ世界再興の切り札となるきよたかさんとその一行には、可能な限りの協力を惜しまない所存でございます」
・・・・・・ずいぶん野心的な天使さんだな。いずれ、アテナイスさんを追い落として自分がアマツ世界の女神になろうとしているのだろうか。
「それじゃあついでに、その出来る天使のアズリエルさんに、いくつか聞きたいことがあるんですけど」
「承りましょう」
「僕のお父さん、お母さん、そして弟の泰隆は、今も日本で元気に暮らしていますか?」
「お三方ともご健在ですが、未だきよたかさんを失った悲しみから抜け出せないようです。また、きよたかさんが亡くなる原因となった交通事故について、きよたかさんと瑞穂さんの信号無視が事故の原因だから加害者は責任なしとの判断が出されたため、特にお父上は怒り狂っておいでのようです」
「・・・・・・えっと、僕や瑞穂って、本当に信号を無視していたんですか?」
「いえ、少なくともこの私が判断する限り、赤信号を無視していたのはむしろダンプカーのはずなのですが、日本の交通事故に関する事件処理の実務では、被害者が死亡している事件だと加害者側の言い分がそのまま通ってしまう傾向があるようです。だからこそ、きよたかさんのお父上は、保険会社の判断に納得がいかず、訴訟も辞さないとお怒りになられているようですが」
僕が死んだ後の日本では、そんな話になっていたのか。そんな泥沼の話、むしろ聞かない方が良かったかも。
「分かりました。その話はもういいです。あと、日本のスガ総理って、まだ総理の座に居座っていますか?」
「おたずねの人物については、まだ内閣総理大臣の職にありますが、次の総裁選には立候補しない旨を表明しており、事実上辞任する意向のようです」
「そうなんですか。でも、日本であの総理が辞任すると、ひょっとしてこの世界のガースー総統も辞任しちゃったりするんですかね?」
「日本の政治情勢と、アマツ世界の情勢に直接の関連性はありませんが、私が調べているところによりますと、どうやらそうなる可能性も皆無ではなさそうです」
「というと?」
「現在、アマツ世界の大半を実効支配している『魔軍』ですが、魔軍というのは人類側の呼称で、彼ら自身は『民主自由党』を自称しており、やがてはトーキョー・シティーを含むすべての人類都市を、選挙によって自分たちの手先を知事や市長と言った役職に選ばせることによって、合法的に自分たちの支配下に置くことを目標にしているようです」
「どうしてそんなことを」
「どうやら、彼らにとって人類は搾取の対象であり、絶滅すると搾取の対象がいなくなって自分たちも困るので、人類を生かさず殺さずといった感じで完全に奴隷化したいのでしょう。実際、アマツ世界にあるいくつかの都市では、抵抗を諦めた人類により魔軍の有力者が首長に選ばれてしまったところもあるようです」
「・・・・・・厄介な連中ですね」
「はい。そしてガースー総統は、自らの側近であるオーコノギ氏を、次期のヨコハマ・シティーの市長に当選させようと目論んでおり、魔軍への不服従を主張するヤマナカ氏と激しい選挙戦になりそうです。ガースー総統は、自分が関与すればオーコノギ氏の当選は確実と考えているようですが、万一オーコノギ氏が敗れれば、魔軍の内部におけるガースー総統の権威は失墜し、総統辞任に追い込まれる可能性もゼロではありません」
「・・・・・・それってもう、近いうちにガースー総統は辞任すると言っているようなものだと思いますけど」
「情報の評価についての判断はきよたかさんにお任せします。ほかに、この出来る天使アズリエルに聞いておきたいことはありませんか?」
「後は、えーと・・・・・・、瑞穂が取った『魔眼』スキルの熟練度を、効率的に上げるコツなどがあれば、教えてほしいです」
「そうですね、『魔眼』スキルは、単に一人で魔眼ごっこをしているよりも、同じパーティーの仲間に付き合ってもらい、決め台詞などについても創意工夫を重ねると、熟練度レベルが上がりやすい仕組みになっているようです。確かに、冗談で創られたスキルなので、熟練度の上げ方については判断が難しいと思いますが、きよたかさんも瑞穂さんに付きあってさしあげることをお勧めいたします」
「分かりました。色々教えて頂いてありがとうございます」
「いいえ、こちらこそ。アテナイス様が起きておられる間は私が出しゃばることは出来ませんが、お休みになられているときは好き放題言わせて頂きますので」
こうして、僕とアズリエルさんとの会話は終わった。
「ねえお兄ちゃん、結果はどうだったの? 瑞穂にはほとんど分からなかったんだけど」
「簡単に言うと、『魔眼』スキルは伝えられているとおりの効果があるから、頑張って熟練度レベルを上げれば魔王討伐の切り札になるって」
「本当!?」
「本当みたい。そして、熟練度レベルを上げるには、どうやら僕なんかも協力して、一緒に格好良い台詞を考えたり、やりとりに付き合ったりすると効率が良いみたい。まあ、それ以外の話も結構したけど、瑞穂にはほとんど関係ない話だからどうでもいいよ」
「はーい! じゃあお兄ちゃん、瑞穂の格好良い設定考えるの手伝ってね」
「はいはい」
こうして、僕は眠りに落ちるまで、瑞穂の中二病設定を一緒に考えさせられることになった。
もっとも、お互い下半身裸の姿で瑞穂と一晩を過ごしたことで、朝方にはムラムラして瑞穂とまたえっちなことをしてしまい、身体を洗うため朝風呂に入ることになった。
瑞穂との関係が深まり、えっちなことも出来るようになったから、全体としてはむしろ役得か。
(第9話に続く)
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