闇より深い暗い闇

伊皿子 魚籃

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闇−142

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「あ、あの!」
「んぁ、なんだよ?」

 舞踏会の会場から突然、王城内の滅多に利用されないアレックスの私室へ移動したことにツキヨは咎める。
「まだ、終わっていないのに勝手に出てしまって……」
「あー、あれだけ朝からずーっと出ずっぱりだったんだから、こんぐらいで帰っても文句ないだろ。新婚夫婦の初夜をこれ以上邪魔をしたらキレるぜ」
 困り顔のツキヨの唇をニヤリと笑いながら噛みつくように奪う。
「んッ!!ふ!」
 それでもツキヨは物理的に口を封じられて文句も言えなかった。
 先程まで甘いデザートを口にしていたせいかアレックスはその甘さの入り混じる唾液をねっとりを堪能するとちゅぷ……ちゅ……と水音が広い室内に響く。
 菓子をねだる子のように肉厚な舌がツキヨの小鳥のような口のまた奥にうにゅる……侵入すると、水量が増した水音が更に響く。
 舌はねろりと小さな舌を追い詰めて絡めとり、じっくり、じっくりと味わう……一通り味わうと次は一つ一つの歯を擽るようにちろちろと舐めて、歯並びの良さを楽しみ溢れる甘い唾液も全て啜る。
「ふ………ぅん」
 舌に翻弄されて思わず腰が抜けそうになりツキヨはアレックスに縋りつくと待っていたかのように、口づけたままツキヨを横抱きにして寝室へ向かう。
 その意図がツキヨに伝わるとアレックスから顔を逸らそうとするが当然それが許されることはなくいつもより広く、豪奢な作りの寝台へ降ろされる。

 アレックスがツキヨをそっと押し倒し、月色のオリエ布のドレスの上から常日頃から慈しんでいる双丘をすくい上げるように柔らかく揉むと首元を飾るネックレスが猫の首輪の鈴のようにチリと鳴る。
「ん……あン……」
「もっと……それよりも豪華な首わ……いや、二度と外せないネックレスが必要だな」 
 切ない声が発せられ始めると布越しに双丘の熱と先端の頂の固い尖りがアレックスの手に主張を始める。
「いつも柔らかいはずなのにだんだん固くなってきてるぜ」
 布地をピンと押し上げる左右の尖りを平等に人差し指で押すとツキヨは朱に染まる顔を左右に振り否定をする。
「知らぬ存ぜぬ……か?こんなコリコリに固くしてよ」
 二つの尖りをくりくりと摘む。
「あっ……ぁンっっ!!」
 我慢ができずに声を上げると気を良くしたアレックスは摘んでより固くしてから尖端をコリコリと爪で掻く。
「新婚さんだからな。今後のためにも奥様の弱点をしっかり把握しねぇとな。それが努力っていうやつだ」
「あっ!そ、そんなぁっ…あ!!掻い……ちゃ……だめ……んぁ」
 謎の努力と無駄な努力がぶつかり合う。ツキヨはわかっていても無駄な努力で身を捩るがアレックスの筋肉に覆われた巨体に敵うことはない。
 固くなった尖りはアレックスの整えられた爪先でコリコリと刺激を与えられながらツキヨの形のいい耳をぬちゅりぬちゅりと舐り、そのまま血脈に沿うように舌を首にどろりと這わせ、不意にやんわり鎖骨に八重歯を当てて違う刺激を与えるとピクリとツキヨは無意識に腰を誘うように振る。
「そんなに俺を誘って……どうするんだ?」
「あ、ちが……ン」
 胸元の大きく開いたドレスをデザインしたエリザベスに感謝をしながらアレックスはチリチリと首元や胸元に赤い花びらを撒き散らすことに夢中になっていると尖りが限界まで主張していた。
「こんなに固くして……いやらしい乳首になったな。これからもっといやらしい奥様にしてやるからな」
 ドレスの胸元をぐいっと下げると豊かな胸を押さえつけていた支えが無くなり、白くぷるんとした双丘が一気にむき出しになる。すでに真っ赤に尖った頂が嫌でもツキヨの目に写る。
「そんな……ぁや……だ……あぁっ!!」
 そこをねろりとアレックスの舌が舐めると体中に快楽という毒の入りの熱が行き渡り、最後に艶めかしい声に変わる。
「んふぁあっ!!ああっ……あん!!」
 片方をじゅるじゅると吸われながらをチロチロと舐められると反対側は爪先で尖端をカリカリと掻く。
「ああっん!!ヒッ……だ、駄目ぇぇぇ」
「何を言ってるのかわかんねぇなぁ」
 本能で逃れようと背を逸らすがアレックスに柔らかい胸を押し付けるだけで意味はない。

 無駄な努力に感謝をした。

 そのまま、ツキヨは嬌声を上げながらビクリと身体を震わせるとアレックスが満足そうにまた貪るように口づけながら乱れたドレスをサッと脱がしてしまう。
 胸元には豪奢なネックレス―――首輪と赤い花びらのような所有印をつけられて、下半身は絹の長靴下と靴下留めと心許ない薄いレースの白い下着だけのあられもない姿になる。
 突然、いつもより淫らな姿になったように感じたツキヨは身を隠そうとするがアレックスが長い足で足を絡めるように捕えて両膝を立たせる。そして、最近学んだ寝技の多い体術に感謝をしたいと心の底から思う。
「あ、や……」
 上半身を起こして隠そうとしても器用に絡まった長い足のせいで上手く起こせない。
「ちぃっと、待ってろよ。白いレースがびっちょり濡れて透けてるぜ」
 バサリと上着を脱ぎ捨て、シャツを着崩して袖をまくると、ちらと透けて見える黒い下生えを人差し指でスーッと二回、三回となぞり柔らかい媚肉に触れると動きに合わせて染みがどんどん広がる様子を楽しむ。
「はあぁんっ!」
「あと何回なぞったら敷布を濡らすんだろうな……濡らしたらお仕置きだぞっ★」
 四回、五回……と数えながらアレックスは楽しそうになぞり続けていた。
 もどかしいような快感がツキヨの腹の奥に熱に変換されて溜まる。
 止め処なく蜜が溢れ出て媚肉と下生えが濡れ、未だにアレックスも未踏の後孔にも垂れて塗れたときには、ほぼ透けて丸見えとなり小さな芯がプクリと膨れた瞬間だった。
 ツキヨは尻の下辺りに当たる寝台が濡れているような感触になっていることに気がついた。


「んー……十回か。おめでとう!約束を守る優しい紳士な俺はスケベな奥様にはお仕置きだ」
 楽しそうな無慈悲な声で告げられるとプニュン!と小さな芯を押された。
「ヒッ……あっぁぁぁっン!」
「おっと、押しただけなのにまたたくさん漏らしたなぁ。悪い奥様だ」
「ちが、ぅう……ひゃぁぁっんん!!」
 小さな芯をトントンと優しく叩くとプクリと更に膨らみが増す。
「あっあっあぁぁんっ!イィやぁあっ!」
 熱の篭もった吐息と声がツキヨから発せられると敷布は濡れた面積を広げていく。
「俺に秘密で軽くイッたな?」
「やぁっ!ィってな…いンっっ!あっぁぁやぁぁ!」
 膨らみを指先で上下に弾くとツキヨは腰を振りながらビクビクと震える。
「イくときは、イくって言わないと駄目だっていつも言ってるだろ?」
「んぁあっ!ごめ、ごめんなっさぃっ!!」
 下着越しでもわかるほどの蜜を垂れ流しながらアレックスの手を濡らす。
「んー、俺の可愛い奥様はやっぱりここが弱いんだな」
 ピンッと可愛らしい膨みを何度か続けて弾く。
「ひィ!イや……っ!!あっあっ……ィやぁっイく……イっちゃうぅっ!!」
 ツキヨは続けざまに気を遣り蜜壺から大量の蜜汁を垂れ流した。

 弛緩して足を押さえなくてもよくなると、靴下留めから長靴下を外し、ずぶ濡れで役に立たなくなったレースの下着はアレックスが手早く脱がしてしまう。
「あん……やぁ……」
 靴下留めと長靴下だけを残した両足を左右にぐっと広げるとくちゅりに蜜壺の蓋が開き中から蜜が零れる。
 花芯はぷっくりと膨らみながらも包皮が邪魔をするようにしっかりと包まれ苦しそうに藻掻いていた。

「ここは、包茎ちんぽみたいで相変わらず苦しそうでかわいそうだな……俺が毎日勃起させて丁寧にかわいがってやらないと……包茎で垢が溜まって病気になるぜ」

 ぐぢっ……とツキヨの花芯を大切に守る最後の砦である包皮をアレックスはいとも容易く攻略して、剥き出しにする。
「ンぐっ!あああっっ!!!」
 刺激によって血流が集まり真っ赤に染まった芯がピンッとそそり勃つ……外気に晒されてそれも刺激となり襲いかかる。
 初めてツキヨと結ばれた日からアレックスはより卑猥に……淫らに……艶々に育つようにと慈しんできたが、その時より感度も上がり、少し大きくなったと感慨深くなる。
「やぁ!そ、そこ……き、嫌いぃ……っっ!!!」
 与えられる快楽の凄まじさの予感に怯える姿も愛おしいアレックスは肉棒に熱が集まるのを感じて、すぐにでも蜜壺に叩きつけたくなるが、それを我慢をして何度もイかせて肉棒を蜜まみれにしてからじっくり挿入して、蕩けるツキヨを愛でるのが楽しみである。
 いくら嫌いと言われても、アレックスには絶対に負けられない試合があるのだ。

 余るほど垂れ流されている蜜を掬い、花芯の先端にたっぷりと塗りたくり、中指の腹でそっと円を描くように優しく―――ツキヨにしたら拷問にも等しい―――にゅりにゅりと触れる。
「ひぃっ!それいやぁっっっ!」
「んー、ただ優しくやさしーーく触れているだけだぞ」
 その声とは裏腹に花芯は撫で続ける自称・優しい指先に嬉しそうにピクピクと身を委ねる。
「ああああっんんんっ!!!触るのっ、だめぇぇっっ!ああっ!」
 花芯も満足そうなツキヨの様子に嬉しそうにまた膨らんだ。

 いつもは包皮に包んで優しく扱くことが多いが、新婚初夜の気まぐれに剥き出しにされた花芯は突如、クニッと摘まれて肉棒を扱くのと同じようにシコシコと上下に扱かれる。
「それよりもこっちのほうがお好みかな?俺の奥様は……」
「――――――イィっっっく!!!あーーーっっっ!ひぃんっっ!!」
 快楽から逃げようとしているのか、身を捩るツキヨだったが、その身を捉えるのも快楽でもあった。
 そのまま、アレックスは軽く押さえつけシコシコ扱き続ける。
「これも大好きだろ?」
「あーーーーっ!!!イっちゃいますぅっ!ひぁぁんっ、や、やぁぁっ!たく…さんっ!ィイっ、イっちゃう!」
「何度でもイけ!俺がいないと生きていけない身体になれ。永遠に逃れられない、離れられないくらい愛してる」
「ひっ!ぁぁあいして……ますっ!ぁアレッ……ク……っさまぁぁぁっ!ンぁああ!またイィ……くっ!!やぁぁんんん」
 真っ赤になった花芯がビクンと大きく震えると蜜壺から、ドプリと蜜が溢れ、駄目押しに扱き続けるとツキヨは気を失うように目を閉じて、ピュチュ!と潮を吹いた。

 せっかく用意した上等なシャツやトラウザーズが潮で濡れてしまってもアレックスは新妻のあられもない姿に満足をしていた。
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