16 / 42
第四章 かめが舞う舞踏会
芋虫が変身するわよ!
しおりを挟む
昨日、旧公爵邸で不審な事件と怪しげな暗号が見つかったせいで、あたしはてっきり今日の舞踏会は中止にするものだと思っていたの。
だから朝餉を済ませた後、新三郎が菊子様の部屋にイブニングドレスを持ってきた時は死ぬほど驚いたわ。
もしかしたら、犬養兄弟の間で事件の共有ができていないのかしら?
「新一から、昨日のことを聞いていないの?」
不安になって問いかけると、予想の斜め上の答えが返ってきた。
「もちろん聞いております。
ただ、昨日の時点で例え何が起ころうとも、舞踏会の中止はしないというのがご当主様の判断でした。」
新三郎の真面目で純真な声で言われると『それ正解!』って言いたくなるんだけど、ちょっと待ってよ、そんなの普通じゃないわ。
「その何かが起こっちゃまずいから、中止にするべきだと思うのよ。
しかも相手は銃を持っているのよ。
襲撃されたら危ないじゃない!」
「今回の舞踏会には多くの協賛企業がつき、数十件もの皇室及び華族の方々と外国の来賓をご招待しています。
お分かりになりますか?単価の種類が違うのです。
これは私の推測ですが・・・今夜はかなりの額の金が動くのでしょう。」
「かなりって、どれくらい?」
「おそらく億単位かと。
そう易々とは舞踏会を反古に出来ないはずです。」
億って・・・。
あたしは絶句した。
億って何銭のこと⁉
「今夜は監視と警備をを万全にして対応するとのこと。
なので土壇場での中止はあり得ないのです。」
襲撃の危険>億単位の金 ってわけなのね。
いやいや、でもでも、さすがに異常でしょ。
人の命はお金じゃ買えないわよッ!
「さすがに標的である皇太子様は来ないわよね。」
「そうですね。
残念ですが、皇太子様だけは今回の参加は見送る方針になりました。」
ホッ、良かった。
皇太子の周辺はまともな人で。
それでも、またあの覆面の男たちが現れたらと思うと、あたしは胸のつっかえが残る気がしてやるせなかった。
「すみません。
時間がありませんので、お話はここまでにしましょう。
それでは菊子様、下着とズロース姿になっていただけますか?」
新三郎は風呂敷包みからコルセットを手に取った。
ああ、忘れてたわ。
ドレスを着るには、これを締めなきゃいけないのよね。
それにしてもこの兄弟、いつも平気で乙女に『脱げ』って言ってくるんだけど、羞恥心はないのかしら。
葛丸様が19歳で、ご学友の新一も同い年なはずだから、弟である新二と新三郎の歳はあたしと大差ないはず。
いくら色男でも世間は許されないのよ、逮捕案件よ。
大蒼なんて、あたしを抱きしめたくらいで真っ赤になっていたのにさッ。
そこまで考えると、また昨日の温もりを思い出して、あたしはたちまち茹でタコのようになってしまった。
ああ、なぜかしら。
大蒼のことを考えると、自然と頬が緩んでニヤけてしまうわ!
もしかして・・・これが恋のはじまり⁉
「おや、あまり苦しそうじゃないですね。もう少し強く締めましょうか。」
その言葉の意味を理解した時にはすでに遅し。
新三郎が力の限りに腰のコルセットの紐を締めあげているところだった。
ぐえぇえ・・・。
やり過ぎ、やり過ぎなのよぉ。
お肉が、脂が、みんな絞り出されていく・・・。
し、新三郎。
もう少し女の扱いには気をつけないと、モテないわよ・・・。
※
「では、次に寝台にうつ伏せに寝てください。」
え?
コルセットを着けたら、すぐにドレスに着せ替えられて化粧と髪結いをするのだと思っていたのに、どういうこと?
あたしが横になるのをためらっていると、ノックの音がして新一が姿を現した。
でも、あたしと新三郎が居る衝立の中を覗いた瞬間、すぐに顔をひっこめたのよ。
「新三郎、かめに掛布をかけてやってくれ。卑猥だ。」
どこまでも失礼な男ね。
ブスとかデブならともかく、卑猥なんて言葉を浴びせられたのは、生まれて初めてよ。
むくれながらうつ伏せになると、新三郎が下半身に掛布をかけてくれた。
ようやく衝立の中に入って来た新一は、蒸気が昇る蒸しタオルをあたしの肩に乗せた。
はわわ・・・じんわり温かくて、いい気持ち♪
あたしは新二に、顔のお手入れをされた時のことを思い出した。
いつかの朝みたいに、肌を蒸してお手入れをしてくれるということなのかしら?
「過去に顔や背中、胸元の産毛を剃ったことはあるか?」
「顔に毛なんてないから、剃ったことなんてないわよ。
動物じゃあるまいし。」
あたしがそう返すと、新一はムッとしながら陶器の器に粉石鹸を入れ、茶筅のような太い筆でかき混ぜだした。
「細いからあまり気にならないかもしれないが、産毛はないわけじゃない。間違いなく誰にでもあるんだよ。
ちなみに言うと、人間も動物だからな。」
へえ。知らなかったわ。
確かに男性は髭があるもんね。
試しに鼻の下から5ミリ上を指先を立てて引っ張ってみると、毛が引き攣れる感覚があった。
痛い! 思ったよりびっしり生えていたわ‼
新一がかき混ぜるにつれ次第にきめ細かい泡が立って、石鹸の良い匂いが辺りに立ち込めた。
「イブニングドレスは胸元と背中が大きく露出するので、産毛を剃る必要があるんだ。」
「剃るとどうなるの?」
「第一に肌の明るさが上がる。
次にくすみが無くなり艶が出る。
最後は化粧のノリが良くなる。」
いいことずくめね!
「私と新三郎が勝手に施術するから、お前は黙って寝ていればいい。」
きめの細かい泡をあたしの背中や腕や足にすうっと乗せるのがくすぐったくて、あたしは派手に動いてしまい新一に怒られてしまった。
だ、駄目よ、これを我慢できる人なんて居る?
「これから日本剃刀で産毛を剃る。
三枚おろしになりたくなかったら、大人しくしろ。」
鈍く光る銀色の鋼を目の前にチラつかせる新一の目が本気すぎて怖い・・・。
一大興行を控えているせいか、今日は1ミリの優しさも感じられないのよ~!
仕方なくあたしはムグッと息を止めて、泡を塗る時間を耐えたのよ。
新三郎が分厚い日本剃刀をなめし革でササッと何回かなめすと、新一に渡した。
切れ味は抜群ね。
あたしは緊張して背中に力を入れた。
だって、あんな分厚い幅広の刃物で剃られたら、大根の皮みたいに肌もカツラ剥きにされるかもしれないじゃない。
想像しただけで痛そうだし、怖いわ。
そしてついに、剃刀の冷たい刃があたしの背中に当てられた。
ヒッ。
痛ッ・・・
く・・・
ない⁉
それは想像していたよりもずっと滑らかで、まるで肌を撫でられているような感覚だった。
これは・・・新感覚‼
揉捻にも似た気持ちよさの中に、剃られた後のヒリリとした爽快感がクセになるわ。
同時に、新三郎が足のすね毛と腕の毛の処理もしてくれて、あたしはあまりの気持良さに眠気を催した。
朝から二度寝なんてしたことのなかったあたしが、気づくといつの間にか眠りに落ちていたのよ、ぐぅ。
ZZZZZZ
そして起こされて目覚めた時、大きな姿見鏡を見せられたあたしは、驚愕のあまり固まってしまった。
鏡よ鏡。
この鏡に映っているのは一体、誰?
だから朝餉を済ませた後、新三郎が菊子様の部屋にイブニングドレスを持ってきた時は死ぬほど驚いたわ。
もしかしたら、犬養兄弟の間で事件の共有ができていないのかしら?
「新一から、昨日のことを聞いていないの?」
不安になって問いかけると、予想の斜め上の答えが返ってきた。
「もちろん聞いております。
ただ、昨日の時点で例え何が起ころうとも、舞踏会の中止はしないというのがご当主様の判断でした。」
新三郎の真面目で純真な声で言われると『それ正解!』って言いたくなるんだけど、ちょっと待ってよ、そんなの普通じゃないわ。
「その何かが起こっちゃまずいから、中止にするべきだと思うのよ。
しかも相手は銃を持っているのよ。
襲撃されたら危ないじゃない!」
「今回の舞踏会には多くの協賛企業がつき、数十件もの皇室及び華族の方々と外国の来賓をご招待しています。
お分かりになりますか?単価の種類が違うのです。
これは私の推測ですが・・・今夜はかなりの額の金が動くのでしょう。」
「かなりって、どれくらい?」
「おそらく億単位かと。
そう易々とは舞踏会を反古に出来ないはずです。」
億って・・・。
あたしは絶句した。
億って何銭のこと⁉
「今夜は監視と警備をを万全にして対応するとのこと。
なので土壇場での中止はあり得ないのです。」
襲撃の危険>億単位の金 ってわけなのね。
いやいや、でもでも、さすがに異常でしょ。
人の命はお金じゃ買えないわよッ!
「さすがに標的である皇太子様は来ないわよね。」
「そうですね。
残念ですが、皇太子様だけは今回の参加は見送る方針になりました。」
ホッ、良かった。
皇太子の周辺はまともな人で。
それでも、またあの覆面の男たちが現れたらと思うと、あたしは胸のつっかえが残る気がしてやるせなかった。
「すみません。
時間がありませんので、お話はここまでにしましょう。
それでは菊子様、下着とズロース姿になっていただけますか?」
新三郎は風呂敷包みからコルセットを手に取った。
ああ、忘れてたわ。
ドレスを着るには、これを締めなきゃいけないのよね。
それにしてもこの兄弟、いつも平気で乙女に『脱げ』って言ってくるんだけど、羞恥心はないのかしら。
葛丸様が19歳で、ご学友の新一も同い年なはずだから、弟である新二と新三郎の歳はあたしと大差ないはず。
いくら色男でも世間は許されないのよ、逮捕案件よ。
大蒼なんて、あたしを抱きしめたくらいで真っ赤になっていたのにさッ。
そこまで考えると、また昨日の温もりを思い出して、あたしはたちまち茹でタコのようになってしまった。
ああ、なぜかしら。
大蒼のことを考えると、自然と頬が緩んでニヤけてしまうわ!
もしかして・・・これが恋のはじまり⁉
「おや、あまり苦しそうじゃないですね。もう少し強く締めましょうか。」
その言葉の意味を理解した時にはすでに遅し。
新三郎が力の限りに腰のコルセットの紐を締めあげているところだった。
ぐえぇえ・・・。
やり過ぎ、やり過ぎなのよぉ。
お肉が、脂が、みんな絞り出されていく・・・。
し、新三郎。
もう少し女の扱いには気をつけないと、モテないわよ・・・。
※
「では、次に寝台にうつ伏せに寝てください。」
え?
コルセットを着けたら、すぐにドレスに着せ替えられて化粧と髪結いをするのだと思っていたのに、どういうこと?
あたしが横になるのをためらっていると、ノックの音がして新一が姿を現した。
でも、あたしと新三郎が居る衝立の中を覗いた瞬間、すぐに顔をひっこめたのよ。
「新三郎、かめに掛布をかけてやってくれ。卑猥だ。」
どこまでも失礼な男ね。
ブスとかデブならともかく、卑猥なんて言葉を浴びせられたのは、生まれて初めてよ。
むくれながらうつ伏せになると、新三郎が下半身に掛布をかけてくれた。
ようやく衝立の中に入って来た新一は、蒸気が昇る蒸しタオルをあたしの肩に乗せた。
はわわ・・・じんわり温かくて、いい気持ち♪
あたしは新二に、顔のお手入れをされた時のことを思い出した。
いつかの朝みたいに、肌を蒸してお手入れをしてくれるということなのかしら?
「過去に顔や背中、胸元の産毛を剃ったことはあるか?」
「顔に毛なんてないから、剃ったことなんてないわよ。
動物じゃあるまいし。」
あたしがそう返すと、新一はムッとしながら陶器の器に粉石鹸を入れ、茶筅のような太い筆でかき混ぜだした。
「細いからあまり気にならないかもしれないが、産毛はないわけじゃない。間違いなく誰にでもあるんだよ。
ちなみに言うと、人間も動物だからな。」
へえ。知らなかったわ。
確かに男性は髭があるもんね。
試しに鼻の下から5ミリ上を指先を立てて引っ張ってみると、毛が引き攣れる感覚があった。
痛い! 思ったよりびっしり生えていたわ‼
新一がかき混ぜるにつれ次第にきめ細かい泡が立って、石鹸の良い匂いが辺りに立ち込めた。
「イブニングドレスは胸元と背中が大きく露出するので、産毛を剃る必要があるんだ。」
「剃るとどうなるの?」
「第一に肌の明るさが上がる。
次にくすみが無くなり艶が出る。
最後は化粧のノリが良くなる。」
いいことずくめね!
「私と新三郎が勝手に施術するから、お前は黙って寝ていればいい。」
きめの細かい泡をあたしの背中や腕や足にすうっと乗せるのがくすぐったくて、あたしは派手に動いてしまい新一に怒られてしまった。
だ、駄目よ、これを我慢できる人なんて居る?
「これから日本剃刀で産毛を剃る。
三枚おろしになりたくなかったら、大人しくしろ。」
鈍く光る銀色の鋼を目の前にチラつかせる新一の目が本気すぎて怖い・・・。
一大興行を控えているせいか、今日は1ミリの優しさも感じられないのよ~!
仕方なくあたしはムグッと息を止めて、泡を塗る時間を耐えたのよ。
新三郎が分厚い日本剃刀をなめし革でササッと何回かなめすと、新一に渡した。
切れ味は抜群ね。
あたしは緊張して背中に力を入れた。
だって、あんな分厚い幅広の刃物で剃られたら、大根の皮みたいに肌もカツラ剥きにされるかもしれないじゃない。
想像しただけで痛そうだし、怖いわ。
そしてついに、剃刀の冷たい刃があたしの背中に当てられた。
ヒッ。
痛ッ・・・
く・・・
ない⁉
それは想像していたよりもずっと滑らかで、まるで肌を撫でられているような感覚だった。
これは・・・新感覚‼
揉捻にも似た気持ちよさの中に、剃られた後のヒリリとした爽快感がクセになるわ。
同時に、新三郎が足のすね毛と腕の毛の処理もしてくれて、あたしはあまりの気持良さに眠気を催した。
朝から二度寝なんてしたことのなかったあたしが、気づくといつの間にか眠りに落ちていたのよ、ぐぅ。
ZZZZZZ
そして起こされて目覚めた時、大きな姿見鏡を見せられたあたしは、驚愕のあまり固まってしまった。
鏡よ鏡。
この鏡に映っているのは一体、誰?
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様
オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる