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貴方に逢えたから
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「健吾さんの手でこんなふうに触れられたら、同じことをしたくなります。僕を誘っているんですよね?」
敦士の目の端に、高橋の空いてる手が映った。それは躰に触れることなく、まっすぐ敦士の下半身に向かって伸ばされる。慌てて高橋の手首を掴んで、動きを封じることに成功した。
「敦士、止めるな。俺は確かめたかっただけなんだ」
「なにをですか?」
窺う視線で敦士を見つめる、高橋のまなざし。目の前にある瞳から不安が滲み出ていたので、敦士はあえて微笑んでみせた。
「おまえが創造主に、変なことをされていないか心配になって。あとは――」
「はい……」
「こうしておまえに触れられるのは俺だけだって、アイツに見せつけてやろうと思った」
「大丈夫ですよ、健吾さん。僕は貴方だけしか見えていないんですから。たとえ創造主さまに誘われても、ちゃんと断ることができます」
敦士は掴んでいた高橋の手首をぱっと放して、卑猥に隆起した愛しい人の下半身に素早く触れる。
「うぅっ!」
腰を引きながら小さく呻いた高橋の声を耳にしただけで、容赦なくもっともっと責めたくなった。敦士が責めたくなったもうひとつの理由は昨夜、互いを貪り合ったせいで手の中にある高橋のモノが、ちょっとだけしかカタチを変えていなかったから。
「健吾さんの言うとおりに、今からしちゃいましょうか。創造主さまが妬いてしまうくらいの熱いコトを」
敦士が下半身をまさぐっていると高橋の力が抜けるので、簡単にマウントをとることができた。そのまま高橋にのしかかると、ベッドが軋んだ音を出し、それが部屋に響く。
「んんっ…ヤるのはいいが、時間、は大丈夫なのか?」
時間を気にする高橋の言葉で、敦士は部屋にある掛け時計に視線を飛ばした。
「あと1時間弱あるんで余裕です。それよりも健吾さんの躰のほうが心配なんですが、大丈夫ですか?」
腰がつって目が覚めたという彼の躰を心配したのに、高橋は大丈夫なことを証明するためなのか、下半身を責める敦士の手の動きに合わせて、腰をいやらしく上下させた。
「おまえが俺を求め続けるのなら、いくらでも提供できる体力くらいはあるからな。遠慮なく愛してくれ」
高橋の両腕が敦士の首に絡まり、ぐいっと顔に引き寄せられた。
「敦士、愛してる……」
「僕も健吾さんを愛してます。貴方に逢えて幸せです」
敦士は胸に溢れる想いを込めて、高橋に唇を押しつける。何度もキスを交わしているというのに、高橋から与えられるものは、毎回ドキドキしてしまって翻弄されてばかりだった。
「敦士…んっ、もっと――」
(貴方に逢えて、求められる喜びを知った。愛される幸せを知ることができた――)
「健吾さん大好きです。これからもこうして、貴方を愛し続けていきます。死が僕らを分かつまで――」
ふたりの荒い息遣いと軋むベッドの音が、残り時間ギリギリまで聞こえたことは言うまでもない。
お終い
最後まで閲覧、ありがとうございました。
敦士の目の端に、高橋の空いてる手が映った。それは躰に触れることなく、まっすぐ敦士の下半身に向かって伸ばされる。慌てて高橋の手首を掴んで、動きを封じることに成功した。
「敦士、止めるな。俺は確かめたかっただけなんだ」
「なにをですか?」
窺う視線で敦士を見つめる、高橋のまなざし。目の前にある瞳から不安が滲み出ていたので、敦士はあえて微笑んでみせた。
「おまえが創造主に、変なことをされていないか心配になって。あとは――」
「はい……」
「こうしておまえに触れられるのは俺だけだって、アイツに見せつけてやろうと思った」
「大丈夫ですよ、健吾さん。僕は貴方だけしか見えていないんですから。たとえ創造主さまに誘われても、ちゃんと断ることができます」
敦士は掴んでいた高橋の手首をぱっと放して、卑猥に隆起した愛しい人の下半身に素早く触れる。
「うぅっ!」
腰を引きながら小さく呻いた高橋の声を耳にしただけで、容赦なくもっともっと責めたくなった。敦士が責めたくなったもうひとつの理由は昨夜、互いを貪り合ったせいで手の中にある高橋のモノが、ちょっとだけしかカタチを変えていなかったから。
「健吾さんの言うとおりに、今からしちゃいましょうか。創造主さまが妬いてしまうくらいの熱いコトを」
敦士が下半身をまさぐっていると高橋の力が抜けるので、簡単にマウントをとることができた。そのまま高橋にのしかかると、ベッドが軋んだ音を出し、それが部屋に響く。
「んんっ…ヤるのはいいが、時間、は大丈夫なのか?」
時間を気にする高橋の言葉で、敦士は部屋にある掛け時計に視線を飛ばした。
「あと1時間弱あるんで余裕です。それよりも健吾さんの躰のほうが心配なんですが、大丈夫ですか?」
腰がつって目が覚めたという彼の躰を心配したのに、高橋は大丈夫なことを証明するためなのか、下半身を責める敦士の手の動きに合わせて、腰をいやらしく上下させた。
「おまえが俺を求め続けるのなら、いくらでも提供できる体力くらいはあるからな。遠慮なく愛してくれ」
高橋の両腕が敦士の首に絡まり、ぐいっと顔に引き寄せられた。
「敦士、愛してる……」
「僕も健吾さんを愛してます。貴方に逢えて幸せです」
敦士は胸に溢れる想いを込めて、高橋に唇を押しつける。何度もキスを交わしているというのに、高橋から与えられるものは、毎回ドキドキしてしまって翻弄されてばかりだった。
「敦士…んっ、もっと――」
(貴方に逢えて、求められる喜びを知った。愛される幸せを知ることができた――)
「健吾さん大好きです。これからもこうして、貴方を愛し続けていきます。死が僕らを分かつまで――」
ふたりの荒い息遣いと軋むベッドの音が、残り時間ギリギリまで聞こえたことは言うまでもない。
お終い
最後まで閲覧、ありがとうございました。
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