夢で逢えたら

相沢蒼依

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理想と現実の狭間で

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「んっ……」

「僕で貴方を満たしたい。どれだけ貴方のことが好きなのかを、その身に知らしめたいから」

「ちょっ、待っ」

 敦士のセリフに躊躇した夢の番人の声も聞かずに、強引にその場へ押し倒した。

「あつ、し?」

「もう我慢しません。番人さま、すみませんっ」

 言いながら、いきなり服の裾を両手で勢いよく引き上げ、それを夢の番人の口に押し込んだ。外気と敦士の目に晒された裸体は、ぶるりと小さく震える。

 そんな躰をあたためるように、夢の番人の膝を割った敦士が抱きしめながら唇で肌をなぞった。

「ぅんっ、くぅっ」

 敦士が敏感な部分を舌で入念に責めると、夢の番人は咥えさせられた裾を噛みながら、何度も甘い吐息を漏らした。それを聞くだけで、敦士の腰から下がじんじんと疼き、挿入したくて堪らない気持ちになっていく。

「番人さま、たくさん感じてください。僕の手や舌で気持ちよくなって……」

 躰をまさぐっていた片手が、夢の番人の下半身に伸ばされた。完勃ちしている先端を、敦士はいやらしくぐりぐり弄り倒す。

「ンンっ!」

 夢の番人が感じて腰を上げた刹那、地面がぐにゃりと変形し、両膝をついていた敦士の躰がその不安定さに大きく揺れた。慌てて夢の番人の躰を抱きしめると、変形した周りの景色が見覚えのある部屋に早変わりする。

「ここは僕の部屋だ。どうして――」

 腕の中にいる夢の番人に触れることができているので、現実世界じゃないことはすぐに理解した。

「おまえ、俺を抱きながら、考え事でもしていなかったか?」

 ちょっとだけ掠れた声を出した夢の番人が訊ねる。

「考えてました。この場所で番人さまを抱いたら、背中が痛いだろうなと。だから途中で、体勢を変えなければいけないって、いろいろ思って」

「その考えで、おまえの部屋にこうして飛ばされたってわけだ。良かったな、敦士の好きな体位ができるじゃないか」

 敦士の胸を押しながら起き上がった夢の番人が、着ていた服を脱ぐのに、細かいボタンを外しはじめた。

「僕の好きな体位?」

 きょとんとする敦士を尻目に、さっさとボタンを外し終えて服を脱ぎ捨てた夢の番人が、両手で強引に押し倒した。

「わっ!」

「俺を感じさせてくれるんだろう? 早くおまえのモノで、この身を満たしてくれないか」

 夢の番人の唇が敦士の唇を塞ぎ、ねっとりと舌を絡める。

 仕切り直しになった自分の部屋での行為は、朝になって目が覚めるまでの間中、ずっとおこなわれたのだった。
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