35 / 74
現の夢
4
しおりを挟む
***
目の前で一筋の涙を流す夢の番人の綺麗な瞳に、敦士は心が囚われた気がした。
普段はまったく見る機会のないプラチナブロンドは、柔らかな髪質を表すように、ちょっとした動きでふわっと揺らめく。その下にある顔は男とは思えないほどすごく整っているだけじゃなく、妙な色香を放っていて、見つめられるだけで誘われる錯覚に陥りそうになった。
さきほど背中に触れた肌も、なんとも言えないしなやかさをてのひらに感じてしまい、敦士はドキドキをひた隠すのにかなり苦労した。
「おまえの熱を直に感じたい。キスして……」
「夢の番人さまに、キス、なんてそんな、大それたことっ」
「大それたことじゃない。俺のはじめてを敦士にあげるだけだ」
自分よりも背の高い彼は、跪いた状態でも目の上に顔があった。大きな瞳から流れた涙を拭ったばかりで、ちょうど頬に手を添えている。その手を使って、キスすることは可能だった。
女のように美しい色をした唇に狙いを定めながら、すくい上げる感じで触れるだけのキスをしてみた。
(柔らかくてしっとりした唇を自分の唇で受け止めるには、刺激がありすぎる!)
敦士は得も言われぬものを感じて、頬に添えていた手を退けながら、慌てて顔を背けた。それなのに夢の番人は敦士を捕まえたことを示すように、躰に回した両腕の力を抜かなかった。
「は、放してください。これ以上はもうできませんっ」
「初心だな。触れただけの口づけで、こんなになるなんて……」
耳元で囁かれた事実に、敦士の顔全部が熱くなる。そんなことに気を取られて油断していると、夢の番人の片手が下半身に伸ばされた。カタチが変わって敏感になっている部分に、自分よりも小さな手を使って擦るように上下に弄られる。
「やめてくださぃ、嫌です!」
「適度に太くて長い、いいモノを持っているというのに、童貞なんてな」
履いているスラックスの上から感じるように触れられるだけで、夢の番人の腕を振り解く力が削がれていく。
「やぁっ、あっ、んあっ……」
自分でするよりも気持ちのいいそれに身を任せた瞬間、その場に押し倒された。したたかに打ちつけた頭の痛みに顔を歪ませている間にベルトを外され、スラックスと下着が一気に下ろされてしまった。
「このまま大人しく寝転がっていろ。もっと気持ちよくしてやるから」
夢の番人は、ついさっきまで涙を流していたとは思えないくらいの得意げな笑みを顔面にありありと浮かべながら、敦士をじっと見下ろした。
「こんなの嫌です。まるで逆レイ――」
「敦士、よく考えてみるんだな。キスを仕掛けたのは、おまえからじゃないか」
「それは、その……。番人さまの言葉に、思わずしてしまっただけで」
「確かに誘ったのは俺からだ。しかし行動に移したのは敦士、おまえからじゃないか。あのときの俺は、指一本動かしてはいない」
夢の番人によって突きつけられた事実に、敦士は反論できなくなった。上にワイシャツ、膝元に衣類を固めたまま困り果てていると、勝ち誇った顔の夢の番人が、ここぞとばかりに跨ってきた。
「俺のはじめてをやるんだから、悦んで受け入れろ」
言うなり熱り勃った敦士自身を手荒に掴み、入り口付近に先端を押しつけて、馴染ませるように動かされた。ぐちゅぐちゅという水音が、敦士の羞恥心をここぞとばかりに煽る。
「んんっ……ぁっ、っぁあ!」
「人間の精を受け入れないとやっていけないこの躰に、不自由さを感じてはいたが、手間のかかる面倒くさいことを自動的にやってくれるのは、やっぱり楽だな」
番人が腰を下ろしていくと共に、自身が中にズルズル挿いっていくのが分かった。
「じっ自動的!?」
夢の番人が告げた言葉に敦士は驚き、思わず腰を横に引いてしまった。
「おっと! 勘違いするな、馬鹿っ」
敦士が腰を引いたことにより、半分まで挿いっていたモノが抜けかけた。番人が慌てて手を使って、抜けないように施す。
「だって自動的って、なんか怖い……」
「まったく。男同士でヤる場合、挿れる穴はひとつしかないだろ。そこは女みたいに濡れることもなければ、普段は硬く閉じているから、解さないとすぐには挿入できないんだ」
説明を聞いてる間に、敦士のモノが夢の番人の中に全部飲み込まれてしまった。
(番人さまの中は、すっごくあったかくて気持ちいい。躰の表面は肌の色白さを表すようにとても冷たくて、氷みたいだったのに――)
目の前で一筋の涙を流す夢の番人の綺麗な瞳に、敦士は心が囚われた気がした。
普段はまったく見る機会のないプラチナブロンドは、柔らかな髪質を表すように、ちょっとした動きでふわっと揺らめく。その下にある顔は男とは思えないほどすごく整っているだけじゃなく、妙な色香を放っていて、見つめられるだけで誘われる錯覚に陥りそうになった。
さきほど背中に触れた肌も、なんとも言えないしなやかさをてのひらに感じてしまい、敦士はドキドキをひた隠すのにかなり苦労した。
「おまえの熱を直に感じたい。キスして……」
「夢の番人さまに、キス、なんてそんな、大それたことっ」
「大それたことじゃない。俺のはじめてを敦士にあげるだけだ」
自分よりも背の高い彼は、跪いた状態でも目の上に顔があった。大きな瞳から流れた涙を拭ったばかりで、ちょうど頬に手を添えている。その手を使って、キスすることは可能だった。
女のように美しい色をした唇に狙いを定めながら、すくい上げる感じで触れるだけのキスをしてみた。
(柔らかくてしっとりした唇を自分の唇で受け止めるには、刺激がありすぎる!)
敦士は得も言われぬものを感じて、頬に添えていた手を退けながら、慌てて顔を背けた。それなのに夢の番人は敦士を捕まえたことを示すように、躰に回した両腕の力を抜かなかった。
「は、放してください。これ以上はもうできませんっ」
「初心だな。触れただけの口づけで、こんなになるなんて……」
耳元で囁かれた事実に、敦士の顔全部が熱くなる。そんなことに気を取られて油断していると、夢の番人の片手が下半身に伸ばされた。カタチが変わって敏感になっている部分に、自分よりも小さな手を使って擦るように上下に弄られる。
「やめてくださぃ、嫌です!」
「適度に太くて長い、いいモノを持っているというのに、童貞なんてな」
履いているスラックスの上から感じるように触れられるだけで、夢の番人の腕を振り解く力が削がれていく。
「やぁっ、あっ、んあっ……」
自分でするよりも気持ちのいいそれに身を任せた瞬間、その場に押し倒された。したたかに打ちつけた頭の痛みに顔を歪ませている間にベルトを外され、スラックスと下着が一気に下ろされてしまった。
「このまま大人しく寝転がっていろ。もっと気持ちよくしてやるから」
夢の番人は、ついさっきまで涙を流していたとは思えないくらいの得意げな笑みを顔面にありありと浮かべながら、敦士をじっと見下ろした。
「こんなの嫌です。まるで逆レイ――」
「敦士、よく考えてみるんだな。キスを仕掛けたのは、おまえからじゃないか」
「それは、その……。番人さまの言葉に、思わずしてしまっただけで」
「確かに誘ったのは俺からだ。しかし行動に移したのは敦士、おまえからじゃないか。あのときの俺は、指一本動かしてはいない」
夢の番人によって突きつけられた事実に、敦士は反論できなくなった。上にワイシャツ、膝元に衣類を固めたまま困り果てていると、勝ち誇った顔の夢の番人が、ここぞとばかりに跨ってきた。
「俺のはじめてをやるんだから、悦んで受け入れろ」
言うなり熱り勃った敦士自身を手荒に掴み、入り口付近に先端を押しつけて、馴染ませるように動かされた。ぐちゅぐちゅという水音が、敦士の羞恥心をここぞとばかりに煽る。
「んんっ……ぁっ、っぁあ!」
「人間の精を受け入れないとやっていけないこの躰に、不自由さを感じてはいたが、手間のかかる面倒くさいことを自動的にやってくれるのは、やっぱり楽だな」
番人が腰を下ろしていくと共に、自身が中にズルズル挿いっていくのが分かった。
「じっ自動的!?」
夢の番人が告げた言葉に敦士は驚き、思わず腰を横に引いてしまった。
「おっと! 勘違いするな、馬鹿っ」
敦士が腰を引いたことにより、半分まで挿いっていたモノが抜けかけた。番人が慌てて手を使って、抜けないように施す。
「だって自動的って、なんか怖い……」
「まったく。男同士でヤる場合、挿れる穴はひとつしかないだろ。そこは女みたいに濡れることもなければ、普段は硬く閉じているから、解さないとすぐには挿入できないんだ」
説明を聞いてる間に、敦士のモノが夢の番人の中に全部飲み込まれてしまった。
(番人さまの中は、すっごくあったかくて気持ちいい。躰の表面は肌の色白さを表すようにとても冷たくて、氷みたいだったのに――)
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
孤高の羊王とはぐれ犬
藤間留彦
BL
クール美形α×元気で小柄なΩ。
母の言いつけを守り、森の中で独り暮らしてきた犬族のロポ。
突然羊族の国に連れて来られてしまう。
辿り着いたのは、羊族唯一のαの王、アルダシール十九世の住まう塔だった。
番候補として連れて来られたロポと孤高の王アルダシールに恋心は芽生えるのか?
※αΩに対して優性劣性という独自設定あり。ご注意下さい。
素敵な表紙イラストをこまざき様(@comazaki)に描いて頂きました!ありがとうございます✨
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる