121 / 141
番外編
11
しおりを挟む
♡♡♡
千田課長が松尾を応接室へと、個人的に呼び出した――それを目の当たりにして、心がいやおうなしに波立つ。それは過去に、自分の彼女に手を出されたことがあるせいだった。
書類作成のために動かしていた指が、どんどん重くなっていき、打ち込む速度が格段に遅くなる。背後にある応接室が気になって仕方がない。
あえて目につくように皆の前で呼び出し、俺が気にすることを想定しての呼び出しだろう。あの人はそういうことを平気でする男だ。
『新入社員の佐々木くんだっけ? 社内の噂になるくらいにイケメンだね、本当に。あ、俺は隣の課にいる千田っていうんだけど』
初対面で千田先輩に話しかけられた印象は、あまりよくなかった。言葉では褒めているのに、ヘラヘラしながら俺に笑いかける様子から、バカにしている感じが伝わってきて、対処にえらく困った記憶がある。あのときは、お礼を言うのが精いっぱいだった。
『君を噂している女子社員が、俺の周りにたくさんいてね。目の保養に、同じ職場で働きたかったってさ』
「そうでしたか……」
『それでも社内で大きな仕事をするときは、一緒になるかもしれないなと思って、声をかけたわけ。よろしくね』
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そんな当たり障りのないやり取りをした。その後、当時の付き合っていた彼女の教育係が千田先輩だと聞いたときは、なんとなく嫌な予感がしたからこそ『気をつけたほうがいい』のひとことだけを言い伝えた。
新入社員として自分も働いている以上、教育係を変えてくれなんていうワガママを言える立場でもないので、隣の課で働きながら、彼女を見守るしかできなかった。
『佐々木くん、ごちそうさまでした。美味しかったよ』
初対面から3ヶ月後。すれ違いざまに言われた千田先輩のセリフの意味がわからなくて、その場に立ち止まった。振り返りながらメガネのフレームを上げたら、千田先輩は背中を向けたまま告げる。
『本当はもっと早くに、報告したかったんだけど。お互い忙しくて、なかなか逢う機会がなかったもんな』
「……なんのことですか?」
俺からの問いかけで、ちょっとだけ振り向いた千田先輩は横目で見るなり、意地の悪そうな笑みを頬に滲ませた。
『佐々木くん、新人の中でも結構仕事ができるんだってね。先輩方からも聞いてるし、君の彼女からも聞いていたんだよ。自慢の彼氏だって』
千田先輩の口から彼女のことを言われただけで、イラっとする気持ちに拍車がかかる。怒りをやり過ごすために、両手に拳を作ってなきものにした。
『背が高くてイケメンで仕事のできる忙しい君の代わりに、俺が彼女を慰めたってわけ』
「慰め、た?」
千田先輩のほうが話を長くしているのに、俺の声だけなぜだか廊下に響く。動揺した印のように、語尾がいつもよりあがってしまったせいだろう。
『言っておくけど、先に手を出したのは俺じゃあない。「寂しいんです」って、彼女からまたがってきたんだからさ。仕事ばかりして彼女を放っておいたら、ダメじゃないか』
千田先輩はショックで固まる俺の首に腕を回して、耳元に顔を寄せた。振り解きたいのに力が入らなくて、されるがままだった。
『佐々木くんにかまってもらえなくて、すっごく溜まっていたんだろうね。濡れ方がハンパじゃなかったし、挿れた途端に彼女が先にイったよ。君よりも、俺のほうが相性いいってさ』
まったく、かまっていなかったわけではない。昼休みは一緒に飯を食って、残業がなければデートを兼ねて夕飯を食べたあとに、夜を共に過ごしていた。毎回寝ていたわけではないが、ちゃんと彼氏らしいことだってしていたというのに――。
『イケメンの佐々木くんよりも、テクニックが上でごめんねぇ。それじゃあ事後報告ってことで!』
俺の首を絞めるように腕の力を込めてから、放り出す感じで突き放し、自分の部署に戻って行く千田先輩。あのとき俺を見下すように眺める千田先輩の表情と、「僕のほうがうまいですよ」と得意げに言った綾瀬川の顔が重なった。
(また俺は千田課長に、彼女を奪われるのかもしれない――)
千田課長は現在既婚者なので一般的な倫理観が備わっていれば、松尾に手を出さないだろうが、綾瀬川を使って俺たちの仲を裂いて楽しむという手があるだけに、油断できない。だからこそ――。
松尾を助けるべく腰をあげた瞬間、ふたりが閉じこもっていた応接室の扉が開き、千田課長だけ出てきた。椅子から腰をあげた俺を見るなり、顎で外に出ろと促す。
メガネのフレームを上げながらフロアから出ると、自分の肩に手をやり、首を左右に動かす千田課長が待っていた。
「あ~すげぇ疲れる。なんで松尾の彼氏が佐々木なわけ? 俺の手を煩わせるために、わざと付き合ってるんだろ?」
「わざと付き合うなんて、そんなことありません。誰だって恋愛くらい、自由にするものじゃないですか」
「俺としては意外だなぁと思っただけ。おまえの元カノと松尾じゃ、全然タイプが違うだろ。しかも綾瀬川さんまでアイツに目をつけるなんて、華やかさのない地味な女が今の流行りなのか?」
どこか呆れた様子で語る千田課長に苛立ちを隠しながら、淡々と答える。
「松尾の人の良さは、日頃のおこないで証明されてます。見る人が見ればわかるかと」
「説得力ないなぁ。俺に見る目がないって、ちゃっかり口撃してる?」
「そんなつもりは、まったくないです」
「またまたぁ! 佐々木の目が怒ってるって。『俺の松尾に、応接室でエッチなことをしたんじゃないか』って、本当は聞きたいくせに!」
腰に手を当てながら、俺の顔を覗き込む千田課長の態度と言動は、明らかな挑発行為だったが、これに飲み込まれたら最後、余計にめんどくさいことになる。
「わざわざ不貞行為をして、課長の座をなくすような馬鹿な真似をしないと知ってます」
上司の性格を持ちあげる部下を、しれっと演じた。
「佐々木ってば、そんなに俺のことを理解してるんだ。それじゃこれから俺がお願いすることだって、わかっちゃう感じ?」
「なんでしょうね。全然違わかりません」
俺の怒りを煽ることしか言わないこの人の前で、自分の意見を言うだけ、無駄なことくらい承知している。
「松尾の通勤時間帯は、綾瀬川さんが送り迎えをすることになった。ふたりの逢う時間がそれくらいしか作れないのは、すごく可哀想だろ?」
「短時間で彼氏持ちを口説くには、なかなか難しいと思いますけどね」
平然と答えても、千田課長は表情ひとつ変えずに、至近距離で俺を下から凝視する。どいつもこいつも野郎の顔を近くで眺めて、なにが楽しいんだか。こういうことをする綾瀬川と千田課長の行動の意味が、さっぱり理解できない。
「松尾のヤツ、綾瀬川さんと初対面で逢ったとき、食い入るように見つめていたぞ。ハーフのイケメン御曹司なんて、飛びつかない女はいない。俺が女なら自分が彼氏持ちだろうと、迷わず乗り換える」
「松尾は千田課長と違います」
捨てたりしないと断言した松尾を、俺は信じているので、ハッキリと言ってやった。
「そんなんだから、足元すくわれるんだよ。別に女なんてそこら辺にいるんだし、綾瀬川さんに松尾をくれてやってもいいだろ。おまえの見てくれに騙されて、付き合ってくれる女だっているだろうしさ」
「嫌です。松尾はこの世にひとりしかいません」
「へぇ、俺のアドバイスを無にするんだ。いいけどさ、とにかく綾瀬川さんの邪魔をするんじゃないぞ!」
平然を装い続けた俺の態度に、苛立ったんだろう。千田課長は舌打ちしながら、部署に戻って行った。
「邪魔なのは綾瀬川よりも、おまえの存在だ」
ボソッと悪口を呟いてから、部署に戻る。多分同じことを言われて気落ちしてるであろう、松尾を気にしながら。
千田課長が松尾を応接室へと、個人的に呼び出した――それを目の当たりにして、心がいやおうなしに波立つ。それは過去に、自分の彼女に手を出されたことがあるせいだった。
書類作成のために動かしていた指が、どんどん重くなっていき、打ち込む速度が格段に遅くなる。背後にある応接室が気になって仕方がない。
あえて目につくように皆の前で呼び出し、俺が気にすることを想定しての呼び出しだろう。あの人はそういうことを平気でする男だ。
『新入社員の佐々木くんだっけ? 社内の噂になるくらいにイケメンだね、本当に。あ、俺は隣の課にいる千田っていうんだけど』
初対面で千田先輩に話しかけられた印象は、あまりよくなかった。言葉では褒めているのに、ヘラヘラしながら俺に笑いかける様子から、バカにしている感じが伝わってきて、対処にえらく困った記憶がある。あのときは、お礼を言うのが精いっぱいだった。
『君を噂している女子社員が、俺の周りにたくさんいてね。目の保養に、同じ職場で働きたかったってさ』
「そうでしたか……」
『それでも社内で大きな仕事をするときは、一緒になるかもしれないなと思って、声をかけたわけ。よろしくね』
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そんな当たり障りのないやり取りをした。その後、当時の付き合っていた彼女の教育係が千田先輩だと聞いたときは、なんとなく嫌な予感がしたからこそ『気をつけたほうがいい』のひとことだけを言い伝えた。
新入社員として自分も働いている以上、教育係を変えてくれなんていうワガママを言える立場でもないので、隣の課で働きながら、彼女を見守るしかできなかった。
『佐々木くん、ごちそうさまでした。美味しかったよ』
初対面から3ヶ月後。すれ違いざまに言われた千田先輩のセリフの意味がわからなくて、その場に立ち止まった。振り返りながらメガネのフレームを上げたら、千田先輩は背中を向けたまま告げる。
『本当はもっと早くに、報告したかったんだけど。お互い忙しくて、なかなか逢う機会がなかったもんな』
「……なんのことですか?」
俺からの問いかけで、ちょっとだけ振り向いた千田先輩は横目で見るなり、意地の悪そうな笑みを頬に滲ませた。
『佐々木くん、新人の中でも結構仕事ができるんだってね。先輩方からも聞いてるし、君の彼女からも聞いていたんだよ。自慢の彼氏だって』
千田先輩の口から彼女のことを言われただけで、イラっとする気持ちに拍車がかかる。怒りをやり過ごすために、両手に拳を作ってなきものにした。
『背が高くてイケメンで仕事のできる忙しい君の代わりに、俺が彼女を慰めたってわけ』
「慰め、た?」
千田先輩のほうが話を長くしているのに、俺の声だけなぜだか廊下に響く。動揺した印のように、語尾がいつもよりあがってしまったせいだろう。
『言っておくけど、先に手を出したのは俺じゃあない。「寂しいんです」って、彼女からまたがってきたんだからさ。仕事ばかりして彼女を放っておいたら、ダメじゃないか』
千田先輩はショックで固まる俺の首に腕を回して、耳元に顔を寄せた。振り解きたいのに力が入らなくて、されるがままだった。
『佐々木くんにかまってもらえなくて、すっごく溜まっていたんだろうね。濡れ方がハンパじゃなかったし、挿れた途端に彼女が先にイったよ。君よりも、俺のほうが相性いいってさ』
まったく、かまっていなかったわけではない。昼休みは一緒に飯を食って、残業がなければデートを兼ねて夕飯を食べたあとに、夜を共に過ごしていた。毎回寝ていたわけではないが、ちゃんと彼氏らしいことだってしていたというのに――。
『イケメンの佐々木くんよりも、テクニックが上でごめんねぇ。それじゃあ事後報告ってことで!』
俺の首を絞めるように腕の力を込めてから、放り出す感じで突き放し、自分の部署に戻って行く千田先輩。あのとき俺を見下すように眺める千田先輩の表情と、「僕のほうがうまいですよ」と得意げに言った綾瀬川の顔が重なった。
(また俺は千田課長に、彼女を奪われるのかもしれない――)
千田課長は現在既婚者なので一般的な倫理観が備わっていれば、松尾に手を出さないだろうが、綾瀬川を使って俺たちの仲を裂いて楽しむという手があるだけに、油断できない。だからこそ――。
松尾を助けるべく腰をあげた瞬間、ふたりが閉じこもっていた応接室の扉が開き、千田課長だけ出てきた。椅子から腰をあげた俺を見るなり、顎で外に出ろと促す。
メガネのフレームを上げながらフロアから出ると、自分の肩に手をやり、首を左右に動かす千田課長が待っていた。
「あ~すげぇ疲れる。なんで松尾の彼氏が佐々木なわけ? 俺の手を煩わせるために、わざと付き合ってるんだろ?」
「わざと付き合うなんて、そんなことありません。誰だって恋愛くらい、自由にするものじゃないですか」
「俺としては意外だなぁと思っただけ。おまえの元カノと松尾じゃ、全然タイプが違うだろ。しかも綾瀬川さんまでアイツに目をつけるなんて、華やかさのない地味な女が今の流行りなのか?」
どこか呆れた様子で語る千田課長に苛立ちを隠しながら、淡々と答える。
「松尾の人の良さは、日頃のおこないで証明されてます。見る人が見ればわかるかと」
「説得力ないなぁ。俺に見る目がないって、ちゃっかり口撃してる?」
「そんなつもりは、まったくないです」
「またまたぁ! 佐々木の目が怒ってるって。『俺の松尾に、応接室でエッチなことをしたんじゃないか』って、本当は聞きたいくせに!」
腰に手を当てながら、俺の顔を覗き込む千田課長の態度と言動は、明らかな挑発行為だったが、これに飲み込まれたら最後、余計にめんどくさいことになる。
「わざわざ不貞行為をして、課長の座をなくすような馬鹿な真似をしないと知ってます」
上司の性格を持ちあげる部下を、しれっと演じた。
「佐々木ってば、そんなに俺のことを理解してるんだ。それじゃこれから俺がお願いすることだって、わかっちゃう感じ?」
「なんでしょうね。全然違わかりません」
俺の怒りを煽ることしか言わないこの人の前で、自分の意見を言うだけ、無駄なことくらい承知している。
「松尾の通勤時間帯は、綾瀬川さんが送り迎えをすることになった。ふたりの逢う時間がそれくらいしか作れないのは、すごく可哀想だろ?」
「短時間で彼氏持ちを口説くには、なかなか難しいと思いますけどね」
平然と答えても、千田課長は表情ひとつ変えずに、至近距離で俺を下から凝視する。どいつもこいつも野郎の顔を近くで眺めて、なにが楽しいんだか。こういうことをする綾瀬川と千田課長の行動の意味が、さっぱり理解できない。
「松尾のヤツ、綾瀬川さんと初対面で逢ったとき、食い入るように見つめていたぞ。ハーフのイケメン御曹司なんて、飛びつかない女はいない。俺が女なら自分が彼氏持ちだろうと、迷わず乗り換える」
「松尾は千田課長と違います」
捨てたりしないと断言した松尾を、俺は信じているので、ハッキリと言ってやった。
「そんなんだから、足元すくわれるんだよ。別に女なんてそこら辺にいるんだし、綾瀬川さんに松尾をくれてやってもいいだろ。おまえの見てくれに騙されて、付き合ってくれる女だっているだろうしさ」
「嫌です。松尾はこの世にひとりしかいません」
「へぇ、俺のアドバイスを無にするんだ。いいけどさ、とにかく綾瀬川さんの邪魔をするんじゃないぞ!」
平然を装い続けた俺の態度に、苛立ったんだろう。千田課長は舌打ちしながら、部署に戻って行った。
「邪魔なのは綾瀬川よりも、おまえの存在だ」
ボソッと悪口を呟いてから、部署に戻る。多分同じことを言われて気落ちしてるであろう、松尾を気にしながら。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

二人の甘い夜は終わらない
藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい*
年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる