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絶望からの光
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俊哉さんが作ってくれた、から揚げ中心の晩ご飯に舌鼓を打ち、一緒に仲良く後片付けをしてから、落ち着いたところでコーヒー片手に昨日の話をする。なんだかんだで盛り上がっていたら、互いの名前を言っても照れることはなくなっていた。
「今回元彼が突然現れた原因が、私の住所と行動履歴を印刷した紙が元彼の自宅のポストに投函されていたようで、私を恨んでる人がいないかを刑事さんに聞かれました」
壁を背にして並んで座る私たちの隙間はほとんどなく、俊哉さんのぬくもりが触れているところから、ほんのり伝わってきた。
「個人的な恨みか。元彼のことを知ってる人物は、社内でいるのか?」
「プライベートをあまり知られたくなかったので、このことを社内で知っているのは斎藤ちゃんくらいです」
元彼のモラハラのことを、周りに知られたくなかったゆえに、ほかの人には言えなかった。
「そうだな可能性のひとつとして、俺と付き合ったことを恨み、金を使って笑美の身辺を調べて、間接的に手をくだすという手もある」
「澄司さんの女性関係も、捜査対象になっているようです」
言い終えてからコーヒーを飲むと、隣でうんと嫌そうな表情を顔に滲ませた俊哉さんが、げんなりしながら口を開く。
「まぁ、あの見た目だしな。恨みのひとつやふたつ、みっつやそれ以上買っていて、笑美に飛び火した可能性もなくはないか」
「そうですね……」
「あのさ、このこと俺も調べてみてもいいか?」
さっきよりも低い声で訊ねる俊哉さんを不思議に思って、横目で顔を見てみる。メガネの奥にある瞳が微妙に揺れ動いていて、どこか真剣みを帯びたそれに、不安が募ってしまった。
「俊哉さんが調べることで、危ない目に遭ったりしませんか?」
私が質問で返したことで、俊哉さんはハッとして、取り繕うような笑みを頬に浮かべた。
「大丈夫、俺が直接調べるわけじゃない。素人には無理なことだろう?」
「確かに……。調べるにしても限界があります」
「知り合いに頼んでみようと思ってさ。だけど笑美個人のことだから、本人の確認をとらなきゃなぁと思って聞いてみたんだ。不安にさせて悪かったな」
俊哉さんが作ってくれた、から揚げ中心の晩ご飯に舌鼓を打ち、一緒に仲良く後片付けをしてから、落ち着いたところでコーヒー片手に昨日の話をする。なんだかんだで盛り上がっていたら、互いの名前を言っても照れることはなくなっていた。
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壁を背にして並んで座る私たちの隙間はほとんどなく、俊哉さんのぬくもりが触れているところから、ほんのり伝わってきた。
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「澄司さんの女性関係も、捜査対象になっているようです」
言い終えてからコーヒーを飲むと、隣でうんと嫌そうな表情を顔に滲ませた俊哉さんが、げんなりしながら口を開く。
「まぁ、あの見た目だしな。恨みのひとつやふたつ、みっつやそれ以上買っていて、笑美に飛び火した可能性もなくはないか」
「そうですね……」
「あのさ、このこと俺も調べてみてもいいか?」
さっきよりも低い声で訊ねる俊哉さんを不思議に思って、横目で顔を見てみる。メガネの奥にある瞳が微妙に揺れ動いていて、どこか真剣みを帯びたそれに、不安が募ってしまった。
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私が質問で返したことで、俊哉さんはハッとして、取り繕うような笑みを頬に浮かべた。
「大丈夫、俺が直接調べるわけじゃない。素人には無理なことだろう?」
「確かに……。調べるにしても限界があります」
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※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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