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うまくいかない日々の果てに――
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「オーバーな動きは、隙を作ることに繋がるんですよ」
綾瀬川は鼻で笑いながら、見知らぬ男が振り下ろしたナイフを片腕で易々と受け止め、背後で倒れた彼女に視線を向けた。
「笑美さん気を失っちゃったのか。僕の勇姿を見せられなくて残念だなぁ」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞ!」
彼女に気を取られて、腕の力が抜けたのを感じた弘明は、空いた手で綾瀬川のボディを殴りつける。それなりの力を拳に込めたハズなのに、砂を殴ったような手応えを感じ、まったく効いていないことを身をもって知った。
「笑美さんになら、喜んで痛めつけられてもいいんですけど、君のようなろくでなしでは、僕の相手にもなりません」
綾瀬川が見知らぬ男を掴んだ腕をぱっと放したら、その反動でナイフを持つ弘明の手の動きが不安定になり、綾瀬川の頬を傷つけた。
「ありがとう。名誉のキズをつけてくれて♡」
「な、なんで礼なんか言うんだ?」
弘明は両手でナイフを持ち直し、綾瀬川から地面に横たわっている彼女に狙いをつけた。注がれる視線でそのことを悟った綾瀬川は、さりげなく彼女の前に立ちつくす。
「弱いものいじめしかできない君に、笑美さんを傷つけることなんてさせません。僕の最愛の人に手を出すな!」
弘明が動く前に綾瀬川が反撃し、腕を負傷しながらも取り押さえることに成功した。
「放しやがれ!」
「君がこの場で、笑美さんを殺しちゃったりしたら、僕を罵る貴重な人間がいなくなるでしょう。それはとても困るんです」
楽しげに言い放ちつつ、柔道の絞め技で失神させる。その後自ら警察を呼び、彼女と一緒に病院に運ばれたのだった。
※※※※
いつも閲覧と☆やページのリアクションありがとうございます。内容がないよう!だけに、毎日しおりが剥がれていくことを目の当たりにして、号泣しながら執筆しております。
書けば書くほどしおりが剥がれるなんて、なんてドMな作業!と思いながら書いてる最中に、if物語を思いつきました。ハッキリ言ってくだらない(そしてまたしおりが剥がれる)お話ですが、お暇な方は読んでくれると嬉しいです(・▽・)はじまりはじまり
♡☆♡☆
(題)低レベルな言い争いに佐々木が加わり、低スペックな争いに発展して、主人公が失神する話w
「やっと見つけた。置手紙を残して、出て行くなんて驚いたんだぞ。もう怖いことしないから、やり直そう?」
「笑美さんの元彼さんですか? 残念ですけど、今は僕と付き合っているので、復縁は無理です。諦めてください」
「綾瀬川なに言ってるんだ。松尾の彼氏は俺だ。勝手に彼氏ヅラするな」
「結局どっちが今彼なんだよ。そしてどうして笑美は、イケメンばかりに好かれてるんだ」
「イケメンばかりにって、元彼さんのその顔では、僕らの仲間に入れませんよ」
「松尾の元彼ヤバいな。さりげなく自分をイケメン呼ばわりするなんて、びっくりだ」
「いやいやいや、俺入ったつもりないし。それに俺は笑美と別れたわけじゃないからな。黙って笑美を寄越せ」
「元彼さん嫌われているというのに、お持ち帰りして、笑美さんになにをしようとしてるんですか。ちなみに僕が先に、お持ち帰りするんですよ。(ΦωΦ)フフフ…」
「綾瀬川のその顔、なんか意味深だな。元彼はアレだろ、松尾が別れたことをネタに罵りながら暴力する気だろ…」
「そんなことはもうしない。そこは優しく問いただす感じで、いろいろするつもりだって」
「ダメですよ。それは笑美さんが僕に対して、おこなう行為なんですから。ちなみに優しさは不要です。激しく叱責してほしい♡」
「おかしいだろ。お持ち帰りと言えば、アレしかないだろ。どう考えたってアレ一択だろ!」
「おまえたち、なに言ってんだ? 話が全然見えねぇんだけどよ」
「笑美さんに蔑んだ目で見られながら、罵られることを妄想しただけで、あーヤバい!」
「普通にナニをしようとした俺が、一番マトモに見える件」
「違うだろ、笑美と優しく話し合う俺が一番マトモだって」
「そんなこと言ってるくせに、笑美さんにちゃっかり暴力をふるうんですよね。いろいろするって言ってる時点でお察しです」
「別れているのに、こうして追いかけて来ること自体、ストーカーだろ。松尾の恐怖を考えろ」
「お、俺よりも、そこの外人の方がヤバいだろ。笑美に罵られたいなんて、普通じゃねぇって」
「綾瀬川の見た目が良すぎるだけに、気持ち悪さが倍増するな」
「僕よりも、佐々木さんの方が残念男子ですよね。会社の先輩に、元カノを寝盗られたっていうことの調べがついているんです。絶対に僕よりも下手なんですよ」
「あ~そりゃご愁傷さま。男としてないな」
「いいや、モラハラDVは松尾を傷つけることに繋がる。この中で一番最低なのは元彼のおまえだ!」
「ということで、僕が一番人畜無害決定ですね。笑美さん、一緒に帰りますよ」
「綾瀬川待てコラ! 変態のおまえに松尾は渡さない!」
「今彼だかなんだか知らないが、そこのメガネもダメに決まってるだろ。エッチが下手な男のせいで、笑美が不感症になったらどうするんだ?」
「……もう嫌だ。最低な男たちに翻弄されるなんて、お先真っ暗じゃないの」
「笑美!?」
「松尾っ!」
「笑美さーん、気を失う前に僕を叱って!」
こうして男たちのバトルは倒れた主人公の取り合いに発展し、終わることがなかった。
(○・ω・)ノ----end-----
「オーバーな動きは、隙を作ることに繋がるんですよ」
綾瀬川は鼻で笑いながら、見知らぬ男が振り下ろしたナイフを片腕で易々と受け止め、背後で倒れた彼女に視線を向けた。
「笑美さん気を失っちゃったのか。僕の勇姿を見せられなくて残念だなぁ」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞ!」
彼女に気を取られて、腕の力が抜けたのを感じた弘明は、空いた手で綾瀬川のボディを殴りつける。それなりの力を拳に込めたハズなのに、砂を殴ったような手応えを感じ、まったく効いていないことを身をもって知った。
「笑美さんになら、喜んで痛めつけられてもいいんですけど、君のようなろくでなしでは、僕の相手にもなりません」
綾瀬川が見知らぬ男を掴んだ腕をぱっと放したら、その反動でナイフを持つ弘明の手の動きが不安定になり、綾瀬川の頬を傷つけた。
「ありがとう。名誉のキズをつけてくれて♡」
「な、なんで礼なんか言うんだ?」
弘明は両手でナイフを持ち直し、綾瀬川から地面に横たわっている彼女に狙いをつけた。注がれる視線でそのことを悟った綾瀬川は、さりげなく彼女の前に立ちつくす。
「弱いものいじめしかできない君に、笑美さんを傷つけることなんてさせません。僕の最愛の人に手を出すな!」
弘明が動く前に綾瀬川が反撃し、腕を負傷しながらも取り押さえることに成功した。
「放しやがれ!」
「君がこの場で、笑美さんを殺しちゃったりしたら、僕を罵る貴重な人間がいなくなるでしょう。それはとても困るんです」
楽しげに言い放ちつつ、柔道の絞め技で失神させる。その後自ら警察を呼び、彼女と一緒に病院に運ばれたのだった。
※※※※
いつも閲覧と☆やページのリアクションありがとうございます。内容がないよう!だけに、毎日しおりが剥がれていくことを目の当たりにして、号泣しながら執筆しております。
書けば書くほどしおりが剥がれるなんて、なんてドMな作業!と思いながら書いてる最中に、if物語を思いつきました。ハッキリ言ってくだらない(そしてまたしおりが剥がれる)お話ですが、お暇な方は読んでくれると嬉しいです(・▽・)はじまりはじまり
♡☆♡☆
(題)低レベルな言い争いに佐々木が加わり、低スペックな争いに発展して、主人公が失神する話w
「やっと見つけた。置手紙を残して、出て行くなんて驚いたんだぞ。もう怖いことしないから、やり直そう?」
「笑美さんの元彼さんですか? 残念ですけど、今は僕と付き合っているので、復縁は無理です。諦めてください」
「綾瀬川なに言ってるんだ。松尾の彼氏は俺だ。勝手に彼氏ヅラするな」
「結局どっちが今彼なんだよ。そしてどうして笑美は、イケメンばかりに好かれてるんだ」
「イケメンばかりにって、元彼さんのその顔では、僕らの仲間に入れませんよ」
「松尾の元彼ヤバいな。さりげなく自分をイケメン呼ばわりするなんて、びっくりだ」
「いやいやいや、俺入ったつもりないし。それに俺は笑美と別れたわけじゃないからな。黙って笑美を寄越せ」
「元彼さん嫌われているというのに、お持ち帰りして、笑美さんになにをしようとしてるんですか。ちなみに僕が先に、お持ち帰りするんですよ。(ΦωΦ)フフフ…」
「綾瀬川のその顔、なんか意味深だな。元彼はアレだろ、松尾が別れたことをネタに罵りながら暴力する気だろ…」
「そんなことはもうしない。そこは優しく問いただす感じで、いろいろするつもりだって」
「ダメですよ。それは笑美さんが僕に対して、おこなう行為なんですから。ちなみに優しさは不要です。激しく叱責してほしい♡」
「おかしいだろ。お持ち帰りと言えば、アレしかないだろ。どう考えたってアレ一択だろ!」
「おまえたち、なに言ってんだ? 話が全然見えねぇんだけどよ」
「笑美さんに蔑んだ目で見られながら、罵られることを妄想しただけで、あーヤバい!」
「普通にナニをしようとした俺が、一番マトモに見える件」
「違うだろ、笑美と優しく話し合う俺が一番マトモだって」
「そんなこと言ってるくせに、笑美さんにちゃっかり暴力をふるうんですよね。いろいろするって言ってる時点でお察しです」
「別れているのに、こうして追いかけて来ること自体、ストーカーだろ。松尾の恐怖を考えろ」
「お、俺よりも、そこの外人の方がヤバいだろ。笑美に罵られたいなんて、普通じゃねぇって」
「綾瀬川の見た目が良すぎるだけに、気持ち悪さが倍増するな」
「僕よりも、佐々木さんの方が残念男子ですよね。会社の先輩に、元カノを寝盗られたっていうことの調べがついているんです。絶対に僕よりも下手なんですよ」
「あ~そりゃご愁傷さま。男としてないな」
「いいや、モラハラDVは松尾を傷つけることに繋がる。この中で一番最低なのは元彼のおまえだ!」
「ということで、僕が一番人畜無害決定ですね。笑美さん、一緒に帰りますよ」
「綾瀬川待てコラ! 変態のおまえに松尾は渡さない!」
「今彼だかなんだか知らないが、そこのメガネもダメに決まってるだろ。エッチが下手な男のせいで、笑美が不感症になったらどうするんだ?」
「……もう嫌だ。最低な男たちに翻弄されるなんて、お先真っ暗じゃないの」
「笑美!?」
「松尾っ!」
「笑美さーん、気を失う前に僕を叱って!」
こうして男たちのバトルは倒れた主人公の取り合いに発展し、終わることがなかった。
(○・ω・)ノ----end-----
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