恋の誘導尋問~恋に不器用な先輩に捕われたい~♡

相沢蒼依

文字の大きさ
上 下
60 / 141
うまくいかない日々の果てに――

24

しおりを挟む
***

「オーバーな動きは、隙を作ることに繋がるんですよ」

 綾瀬川は鼻で笑いながら、見知らぬ男が振り下ろしたナイフを片腕で易々と受け止め、背後で倒れた彼女に視線を向けた。

「笑美さん気を失っちゃったのか。僕の勇姿を見せられなくて残念だなぁ」

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇぞ!」

 彼女に気を取られて、腕の力が抜けたのを感じた弘明は、空いた手で綾瀬川のボディを殴りつける。それなりの力を拳に込めたハズなのに、砂を殴ったような手応えを感じ、まったく効いていないことを身をもって知った。

「笑美さんになら、喜んで痛めつけられてもいいんですけど、君のようなろくでなしでは、僕の相手にもなりません」

 綾瀬川が見知らぬ男を掴んだ腕をぱっと放したら、その反動でナイフを持つ弘明の手の動きが不安定になり、綾瀬川の頬を傷つけた。

「ありがとう。名誉のキズをつけてくれて♡」

「な、なんで礼なんか言うんだ?」

 弘明は両手でナイフを持ち直し、綾瀬川から地面に横たわっている彼女に狙いをつけた。注がれる視線でそのことを悟った綾瀬川は、さりげなく彼女の前に立ちつくす。

「弱いものいじめしかできない君に、笑美さんを傷つけることなんてさせません。僕の最愛の人に手を出すな!」

 弘明が動く前に綾瀬川が反撃し、腕を負傷しながらも取り押さえることに成功した。

「放しやがれ!」

「君がこの場で、笑美さんを殺しちゃったりしたら、僕を罵る貴重な人間がいなくなるでしょう。それはとても困るんです」

 楽しげに言い放ちつつ、柔道の絞め技で失神させる。その後自ら警察を呼び、彼女と一緒に病院に運ばれたのだった。

※※※※
 いつも閲覧と☆やページのリアクションありがとうございます。内容がないよう!だけに、毎日しおりが剥がれていくことを目の当たりにして、号泣しながら執筆しております。

 書けば書くほどしおりが剥がれるなんて、なんてドMな作業!と思いながら書いてる最中に、if物語を思いつきました。ハッキリ言ってくだらない(そしてまたしおりが剥がれる)お話ですが、お暇な方は読んでくれると嬉しいです(・▽・)はじまりはじまり

♡☆♡☆

(題)低レベルな言い争いに佐々木が加わり、低スペックな争いに発展して、主人公が失神する話w

「やっと見つけた。置手紙を残して、出て行くなんて驚いたんだぞ。もう怖いことしないから、やり直そう?」

「笑美さんの元彼さんですか? 残念ですけど、今は僕と付き合っているので、復縁は無理です。諦めてください」

「綾瀬川なに言ってるんだ。松尾の彼氏は俺だ。勝手に彼氏ヅラするな」

「結局どっちが今彼なんだよ。そしてどうして笑美は、イケメンばかりに好かれてるんだ」

「イケメンばかりにって、元彼さんのその顔では、僕らの仲間に入れませんよ」

「松尾の元彼ヤバいな。さりげなく自分をイケメン呼ばわりするなんて、びっくりだ」

「いやいやいや、俺入ったつもりないし。それに俺は笑美と別れたわけじゃないからな。黙って笑美を寄越せ」

「元彼さん嫌われているというのに、お持ち帰りして、笑美さんになにをしようとしてるんですか。ちなみに僕が先に、お持ち帰りするんですよ。(ΦωΦ)フフフ…」

「綾瀬川のその顔、なんか意味深だな。元彼はアレだろ、松尾が別れたことをネタに罵りながら暴力する気だろ…」

「そんなことはもうしない。そこは優しく問いただす感じで、いろいろするつもりだって」

「ダメですよ。それは笑美さんが僕に対して、おこなう行為なんですから。ちなみに優しさは不要です。激しく叱責してほしい♡」

「おかしいだろ。お持ち帰りと言えば、アレしかないだろ。どう考えたってアレ一択だろ!」

「おまえたち、なに言ってんだ? 話が全然見えねぇんだけどよ」

「笑美さんに蔑んだ目で見られながら、罵られることを妄想しただけで、あーヤバい!」

「普通にナニをしようとした俺が、一番マトモに見える件」

「違うだろ、笑美と優しく話し合う俺が一番マトモだって」

「そんなこと言ってるくせに、笑美さんにちゃっかり暴力をふるうんですよね。いろいろするって言ってる時点でお察しです」

「別れているのに、こうして追いかけて来ること自体、ストーカーだろ。松尾の恐怖を考えろ」

「お、俺よりも、そこの外人の方がヤバいだろ。笑美に罵られたいなんて、普通じゃねぇって」

「綾瀬川の見た目が良すぎるだけに、気持ち悪さが倍増するな」

「僕よりも、佐々木さんの方が残念男子ですよね。会社の先輩に、元カノを寝盗られたっていうことの調べがついているんです。絶対に僕よりも下手なんですよ」

「あ~そりゃご愁傷さま。男としてないな」

「いいや、モラハラDVは松尾を傷つけることに繋がる。この中で一番最低なのは元彼のおまえだ!」

「ということで、僕が一番人畜無害決定ですね。笑美さん、一緒に帰りますよ」

「綾瀬川待てコラ! 変態のおまえに松尾は渡さない!」

「今彼だかなんだか知らないが、そこのメガネもダメに決まってるだろ。エッチが下手な男のせいで、笑美が不感症になったらどうするんだ?」

「……もう嫌だ。最低な男たちに翻弄されるなんて、お先真っ暗じゃないの」

「笑美!?」

「松尾っ!」

「笑美さーん、気を失う前に僕を叱って!」

 こうして男たちのバトルは倒れた主人公の取り合いに発展し、終わることがなかった。

(○・ω・)ノ----end-----
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

二人の甘い夜は終わらない

藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい* 年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ 慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。    その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは 仕事上でしか接点のない上司だった。 思っていることを口にするのが苦手 地味で大人しい司書 木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)      × 真面目で優しい千紗子の上司 知的で容姿端麗な課長 雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29) 胸を締め付ける切ない想いを 抱えているのはいったいどちらなのか——— 「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」 「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」 「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」 真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。 ********** ►Attention ※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです) ※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。 ※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

処理中です...