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想いの変化
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「俺は聖哉の演奏をはじめて聞いたときに、才能があることがわかったけどな」
(そういえば石崎さんは、コンテストに落ちて荒れていた僕の演奏を聞いて、お店で弾いてみないかって誘ってくれたんだった)
出逢ったときのことを思い出し、目を瞬かせる僕を見ながら、石崎さんは喋り続ける。
「俺はどがつくほどの素人だし、耳の肥えた音楽家と聞こえてる部分が違うのかもしれないが、聖哉の演奏は、耳の奥に残るメロディの余韻が印象的だと思ったんだ」
「メロディの余韻?」
不思議顔で訊ねると、石崎さんは持っていたペットボトルを床に置き、僕の肩を抱き寄せた。
「まったく知らない曲なのに、耳の奥に残る感じというか余韻というか。んー、なんて表現をしたら、聖哉にそれが伝わるんだろう?」
困った口調で訊ねると、なぜか僕の唇に触れるだけのキスをする。すぐに離れていく顔を見つめたら、困った表情で首を傾げた。
「本当に難しいな。想いと同じで、音も目に見えないものだろ。それを言葉で表現できないのが、ものすごくもどかしい」
そう言って、ふたたび僕にキスをした。
「石崎さん、さっきからなんですか」
「智之っ!」
石崎さんは、名前をいきなり口に出した。
「えっ? なん?」
「聖哉にそろそろ、俺の名前を呼んでほしいなぁと、思っちゃダメか?」
「うっ……」
抱き寄せてる僕の躰を少しだけ揺さぶりながら、無理なおねだりをされてしまって、ものすごく困惑する。恥ずかしさのあまりに俯いて、顔を見えないようにした僕を、石崎さんはどんな顔で眺めているのやら。
「大好きな聖哉に、名前で呼ばれたい。智之、好きだよって」
(名前を呼ぶだけでもドキドキするのに、それに告白をまじえるとか、絶対に無理!)
「ぁあっ、あの……えっと呼び捨てはちょっと。僕は年下ですし、石崎さんは店のオーナーで偉い人だから」
ほかにも理由をつけて、両手を意味なく握りしめた。こんなことをして落ち着こうとしても、胸が痛いくらいに高鳴ってしまい、余計に口にすることができない。
「聖哉、オーナーの命令は、きちんときかなきゃダメだろ?」
口角のあがった唇が、ふたたび僕の唇に押しつけられて、早く言えと催促した。
「ううっ、と、智之…さんっ」
「なんだ?」
ちょっとだけ顔をあげて、石崎さんを眺める。どこか嬉しそうに瞳を細めながら、じいっと見つめ返されてしまった。
「智之さんが、すっ、好きです」
思いきって告げた瞬間、頬に熱をもったのがわかった。顔の全部が熱くて、どうにかなってしまいそう。
「俺のどこが好き?」
「へっ?」
「俺が好きなんだろ? どこら辺が好きなのかなぁと思ったんだけど?」
「ドッ、どこが、好きとかなんて」
「俺のココ?」
肩を掴んでいた手が、僕の利き手を素早くぎゅっと握りしめ、石崎さんの下半身に近づけた時点で、その力に慌てて抗った。
「ちがっ、違います~っ!」
「俺は聖哉のココも好きだよ。しゃぶるとビクビク感じて、汁がたくさん出るところとか」
「やめ、そんなこと、言われたらすごく恥ずかしぃ……」
「聖哉が俺の好きなところを言わないから、俺が無駄に披露してるんだけど? 言わないと、もっと卑猥なコトを言うかもしれない」
なんていう、信じられない脅しをかけられてしまった。
(そういえば石崎さんは、コンテストに落ちて荒れていた僕の演奏を聞いて、お店で弾いてみないかって誘ってくれたんだった)
出逢ったときのことを思い出し、目を瞬かせる僕を見ながら、石崎さんは喋り続ける。
「俺はどがつくほどの素人だし、耳の肥えた音楽家と聞こえてる部分が違うのかもしれないが、聖哉の演奏は、耳の奥に残るメロディの余韻が印象的だと思ったんだ」
「メロディの余韻?」
不思議顔で訊ねると、石崎さんは持っていたペットボトルを床に置き、僕の肩を抱き寄せた。
「まったく知らない曲なのに、耳の奥に残る感じというか余韻というか。んー、なんて表現をしたら、聖哉にそれが伝わるんだろう?」
困った口調で訊ねると、なぜか僕の唇に触れるだけのキスをする。すぐに離れていく顔を見つめたら、困った表情で首を傾げた。
「本当に難しいな。想いと同じで、音も目に見えないものだろ。それを言葉で表現できないのが、ものすごくもどかしい」
そう言って、ふたたび僕にキスをした。
「石崎さん、さっきからなんですか」
「智之っ!」
石崎さんは、名前をいきなり口に出した。
「えっ? なん?」
「聖哉にそろそろ、俺の名前を呼んでほしいなぁと、思っちゃダメか?」
「うっ……」
抱き寄せてる僕の躰を少しだけ揺さぶりながら、無理なおねだりをされてしまって、ものすごく困惑する。恥ずかしさのあまりに俯いて、顔を見えないようにした僕を、石崎さんはどんな顔で眺めているのやら。
「大好きな聖哉に、名前で呼ばれたい。智之、好きだよって」
(名前を呼ぶだけでもドキドキするのに、それに告白をまじえるとか、絶対に無理!)
「ぁあっ、あの……えっと呼び捨てはちょっと。僕は年下ですし、石崎さんは店のオーナーで偉い人だから」
ほかにも理由をつけて、両手を意味なく握りしめた。こんなことをして落ち着こうとしても、胸が痛いくらいに高鳴ってしまい、余計に口にすることができない。
「聖哉、オーナーの命令は、きちんときかなきゃダメだろ?」
口角のあがった唇が、ふたたび僕の唇に押しつけられて、早く言えと催促した。
「ううっ、と、智之…さんっ」
「なんだ?」
ちょっとだけ顔をあげて、石崎さんを眺める。どこか嬉しそうに瞳を細めながら、じいっと見つめ返されてしまった。
「智之さんが、すっ、好きです」
思いきって告げた瞬間、頬に熱をもったのがわかった。顔の全部が熱くて、どうにかなってしまいそう。
「俺のどこが好き?」
「へっ?」
「俺が好きなんだろ? どこら辺が好きなのかなぁと思ったんだけど?」
「ドッ、どこが、好きとかなんて」
「俺のココ?」
肩を掴んでいた手が、僕の利き手を素早くぎゅっと握りしめ、石崎さんの下半身に近づけた時点で、その力に慌てて抗った。
「ちがっ、違います~っ!」
「俺は聖哉のココも好きだよ。しゃぶるとビクビク感じて、汁がたくさん出るところとか」
「やめ、そんなこと、言われたらすごく恥ずかしぃ……」
「聖哉が俺の好きなところを言わないから、俺が無駄に披露してるんだけど? 言わないと、もっと卑猥なコトを言うかもしれない」
なんていう、信じられない脅しをかけられてしまった。
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