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番外編
道具
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「あのさ美羽姉、時短のために道具を使っちゃダメ?」
「私は学くんの手がいいの! 初心者だからこそ、ここは道具に頼らない!」
「え~~~、それは難しいよ。ううっ……」
「最初が肝心だからね。コラコラ、恨めしそうに私の顔を見ない。手元から目を逸らさないで、しっかり顔を近づけて見る。角度を見極めて挿れないと」
「う~ん、角度角度。これくらいで大丈夫?」
「うん、大丈夫。その角度をキープして、ゆっくり丁寧に挿れないとね。どうしても抵抗を感じるから上下させつつ、急がず焦らずどんどん移動させて動かす」
「確かに。この間よりはいい感じ。するする挿いってく。この間は角度が深すぎてダメだったんだな」
「焦らずゆっくり動かして……そうそう、その調子! 見ていて危なさを感じない。安心する」
「ああ、綺麗に身が残ってる。皮も繋がってる!」
「油断しない、身がなくなっちゃうよ。風邪の引きはじめの私に、美味しいリンゴを食べさせたいんでしょ?」
「皮剥きするヤツを使えばもっと早いし、綺麗に身が残ると思うんだけど――」
「料理初心者なんだから、包丁の扱いに慣れたほうが、美味しいものが食べれることに繋がるんだよ」
「恋愛だけじゃなく料理も初心者な俺がねっこり指導されるなんて、美羽姉には本当に頭があがらないや……」
前回よりもうまくリンゴの皮をうまく剥くことができて、恋人に褒められた学。しかしながら彼の苦労は、まだまだ続くのであった。
「私は学くんの手がいいの! 初心者だからこそ、ここは道具に頼らない!」
「え~~~、それは難しいよ。ううっ……」
「最初が肝心だからね。コラコラ、恨めしそうに私の顔を見ない。手元から目を逸らさないで、しっかり顔を近づけて見る。角度を見極めて挿れないと」
「う~ん、角度角度。これくらいで大丈夫?」
「うん、大丈夫。その角度をキープして、ゆっくり丁寧に挿れないとね。どうしても抵抗を感じるから上下させつつ、急がず焦らずどんどん移動させて動かす」
「確かに。この間よりはいい感じ。するする挿いってく。この間は角度が深すぎてダメだったんだな」
「焦らずゆっくり動かして……そうそう、その調子! 見ていて危なさを感じない。安心する」
「ああ、綺麗に身が残ってる。皮も繋がってる!」
「油断しない、身がなくなっちゃうよ。風邪の引きはじめの私に、美味しいリンゴを食べさせたいんでしょ?」
「皮剥きするヤツを使えばもっと早いし、綺麗に身が残ると思うんだけど――」
「料理初心者なんだから、包丁の扱いに慣れたほうが、美味しいものが食べれることに繋がるんだよ」
「恋愛だけじゃなく料理も初心者な俺がねっこり指導されるなんて、美羽姉には本当に頭があがらないや……」
前回よりもうまくリンゴの皮をうまく剥くことができて、恋人に褒められた学。しかしながら彼の苦労は、まだまだ続くのであった。
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