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番外編
ざんげ
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ラブホではじめて学くんとひとつになり、その後学くんの家でも濃厚な行為に及んだ関係で、急きょお泊まりすることになった。
(――細身の体形の学くんのシャツだけど、私が着てもやっぱり大きいんだな)
細身でも身長が高いので、長い袖を折って対処する。裾は太ももの半分くらい覆われていた。
「美羽姉、早く休まないと、今日の仕事が大変になるぞ」
ベッドで待っている学くんが、私に声をかけた。学くんの想いを全力で受け止めた結果、ヨロヨロに疲れた私。それに対して凄十という怪しげなドリンクをドーピングした学くんは、午前様だというのに心も体も全力で元気なままだった。
室内の電気を消して、学くんが待つベッドに入り込んだのだけれど、抱きついてきた学くんの下半身が大きくて、ぎょっとするしかない。
「学くんが落ち着かないと、安心して寝られないよ……」
抱きしめられる腕の中から、一応苦情を伝える。ぐいぐい押しつけられるわけではないものの、大きさゆえに主張が激しい。
「だって俺のシャツを着た美羽姉が無性にかわいいし、こんなふうに一緒に寝るとか夢みたいで興奮が抑えられなくて」
「じゃあ、帰ったほうがいい?」
「帰さない。というか、オレの懺悔を聞いて」
「ざんげ?」
この状況には似つかわしくない言葉に、頭の中に疑問符が浮かんだ。
「俺の精通のキッカケ……」
「私の制服姿だったり、下着がチラッと見えたのがキッカケだったとか?」
私をオカズにしていたと事前に告白されていたからこそ、当時の学くんが興奮しそうなことを告げてみたのに、目に映る顔は曇ったままだった。
「俺は犯罪をおかしました。だからずっとずっと、心が痛くてさ」
「いったい、なにをしたの?」
犯罪なんて物騒なセリフに、瞳を何度も瞬かせた。
「小学6年の夏休み、まぁ小学生の頃は夏休みの宿題を、美羽姉に見てもらっていただろ?」
懐かしい話題に、子どもの頃の学くんの顔が、ぼんやりとまぶたの裏に浮かぶ。
「そういえば学くんが小学生の頃は、何度かウチに来ていたよね。でも冬休みは、あまり来なかったっけ」
「俺が行かないようにした。ふたりきりになったら、美羽姉を襲うかもしれないと思って」
「襲うって、学くんは小学生なのに」
「襲える体になったから、行かなかったんだって」
襲える体というワードで、なんとなくそれを納得した。
「小学6年でもう?」
「全員がそうじゃないけど、友達の何人かは精通しててさ。部屋にそれ系の本があって、ゲームそっちのけで盛りあがっていたのを覚えてる」
「学くんも盛りあがったんだ?」
「表面上だけ。仲間はずれにされたくなかったし。しかもそのときはまだ精通してなかったし、ほかの女の裸を見ても、いまいちピンとこなかったんだけど」
「うん……」
らしくないくらいに暗い学くんの口調に、ごくりと喉を鳴らした。
「夏休みに宿題を見てもらってる最中に、美羽姉がトイレかな、部屋を出て行ったのを見て、辺りを見渡してタンスに目が留まったんだ」
「タンス。もしかして――」
「興味本位で開けた。まずは水色のブラジャーを手に取った」
そのときのことをちゃんと覚えてる学くんの記憶力に、感嘆の声をあげる。
「色まで覚えてるの、なんかすごい!」
「しちゃいけないことを隠れてやらかしてるから、子ども心に鮮明に覚えてる。それにこの時点で、はじめて勃起したし」
「それからどうしたの?」
沈んだ口調の学くんとは裏腹な私の声。興味津々なのが、伝わってしまうかもしれない。
「ブラジャーを手の中に握りしめて、すぐに戻した。美羽姉が戻ってくるかもと思って」
「うん」
「階段から聞こえてくる音に気をつけながら、ピンク色のパンツを取り出して、そのままズボンのポケットに突っ込んだ」
「あー、それで犯罪って」
「パンツがなくなったの、気がついた?」
暗がりでもわかる学くんの苦悩する表情に、首を横に振ってみせた。
「気がついてない。その頃はブラとショーツをセットで買うことがあまりなかったし、枚数もそれなりにあったでしょ。なくなっても気づかなかったよ」
「俺としては、パンツがなくなったことを聞かれたらどうしようかと思ったのに。あのときはどうしても、美羽姉のパンツがほしくて」
私を抱きしめる学くんの腕の力が強まる。それに合わせて、寄り添うように体をくっつけてあげた。私は嫌っていないよって伝えるように。
「その下着はどうしたの?」
「聞くまでもないだろ。家に持ち帰って、自分の部屋で匂いを嗅ぎながらオナった。友達の家で見た裸よりも興奮してるのは、大好きな美羽姉のものだからなんだろうなって」
「学くんエロすぎ。子どもながらに、それはヤバいでしょ」
「でも次の日に、隙を見てちゃんと返した。匂いを嗅いだだけだったけど、きちんと洗ったから大丈夫!」
「まったく! ほかに懺悔することはない?」
呆れ果てた私の声が、寝室に妙に響いた。
「ん~、ほかにやった危ないコト。思いつかないな」
「ホントかしら……」
「だけどこれからは、美羽姉にしたいと思ったことを、じゃんじゃんしていくからさ。アブナイことも含めて」
チュッ(*´(〃 )と触れるだけのキスをして、腕の力を緩めながら私を抱きしめて寝る学くんに、危ないコトはほどほどにしてねと一言添えて、この日は就寝したのでした。
愛でたし♡愛でたし
(――細身の体形の学くんのシャツだけど、私が着てもやっぱり大きいんだな)
細身でも身長が高いので、長い袖を折って対処する。裾は太ももの半分くらい覆われていた。
「美羽姉、早く休まないと、今日の仕事が大変になるぞ」
ベッドで待っている学くんが、私に声をかけた。学くんの想いを全力で受け止めた結果、ヨロヨロに疲れた私。それに対して凄十という怪しげなドリンクをドーピングした学くんは、午前様だというのに心も体も全力で元気なままだった。
室内の電気を消して、学くんが待つベッドに入り込んだのだけれど、抱きついてきた学くんの下半身が大きくて、ぎょっとするしかない。
「学くんが落ち着かないと、安心して寝られないよ……」
抱きしめられる腕の中から、一応苦情を伝える。ぐいぐい押しつけられるわけではないものの、大きさゆえに主張が激しい。
「だって俺のシャツを着た美羽姉が無性にかわいいし、こんなふうに一緒に寝るとか夢みたいで興奮が抑えられなくて」
「じゃあ、帰ったほうがいい?」
「帰さない。というか、オレの懺悔を聞いて」
「ざんげ?」
この状況には似つかわしくない言葉に、頭の中に疑問符が浮かんだ。
「俺の精通のキッカケ……」
「私の制服姿だったり、下着がチラッと見えたのがキッカケだったとか?」
私をオカズにしていたと事前に告白されていたからこそ、当時の学くんが興奮しそうなことを告げてみたのに、目に映る顔は曇ったままだった。
「俺は犯罪をおかしました。だからずっとずっと、心が痛くてさ」
「いったい、なにをしたの?」
犯罪なんて物騒なセリフに、瞳を何度も瞬かせた。
「小学6年の夏休み、まぁ小学生の頃は夏休みの宿題を、美羽姉に見てもらっていただろ?」
懐かしい話題に、子どもの頃の学くんの顔が、ぼんやりとまぶたの裏に浮かぶ。
「そういえば学くんが小学生の頃は、何度かウチに来ていたよね。でも冬休みは、あまり来なかったっけ」
「俺が行かないようにした。ふたりきりになったら、美羽姉を襲うかもしれないと思って」
「襲うって、学くんは小学生なのに」
「襲える体になったから、行かなかったんだって」
襲える体というワードで、なんとなくそれを納得した。
「小学6年でもう?」
「全員がそうじゃないけど、友達の何人かは精通しててさ。部屋にそれ系の本があって、ゲームそっちのけで盛りあがっていたのを覚えてる」
「学くんも盛りあがったんだ?」
「表面上だけ。仲間はずれにされたくなかったし。しかもそのときはまだ精通してなかったし、ほかの女の裸を見ても、いまいちピンとこなかったんだけど」
「うん……」
らしくないくらいに暗い学くんの口調に、ごくりと喉を鳴らした。
「夏休みに宿題を見てもらってる最中に、美羽姉がトイレかな、部屋を出て行ったのを見て、辺りを見渡してタンスに目が留まったんだ」
「タンス。もしかして――」
「興味本位で開けた。まずは水色のブラジャーを手に取った」
そのときのことをちゃんと覚えてる学くんの記憶力に、感嘆の声をあげる。
「色まで覚えてるの、なんかすごい!」
「しちゃいけないことを隠れてやらかしてるから、子ども心に鮮明に覚えてる。それにこの時点で、はじめて勃起したし」
「それからどうしたの?」
沈んだ口調の学くんとは裏腹な私の声。興味津々なのが、伝わってしまうかもしれない。
「ブラジャーを手の中に握りしめて、すぐに戻した。美羽姉が戻ってくるかもと思って」
「うん」
「階段から聞こえてくる音に気をつけながら、ピンク色のパンツを取り出して、そのままズボンのポケットに突っ込んだ」
「あー、それで犯罪って」
「パンツがなくなったの、気がついた?」
暗がりでもわかる学くんの苦悩する表情に、首を横に振ってみせた。
「気がついてない。その頃はブラとショーツをセットで買うことがあまりなかったし、枚数もそれなりにあったでしょ。なくなっても気づかなかったよ」
「俺としては、パンツがなくなったことを聞かれたらどうしようかと思ったのに。あのときはどうしても、美羽姉のパンツがほしくて」
私を抱きしめる学くんの腕の力が強まる。それに合わせて、寄り添うように体をくっつけてあげた。私は嫌っていないよって伝えるように。
「その下着はどうしたの?」
「聞くまでもないだろ。家に持ち帰って、自分の部屋で匂いを嗅ぎながらオナった。友達の家で見た裸よりも興奮してるのは、大好きな美羽姉のものだからなんだろうなって」
「学くんエロすぎ。子どもながらに、それはヤバいでしょ」
「でも次の日に、隙を見てちゃんと返した。匂いを嗅いだだけだったけど、きちんと洗ったから大丈夫!」
「まったく! ほかに懺悔することはない?」
呆れ果てた私の声が、寝室に妙に響いた。
「ん~、ほかにやった危ないコト。思いつかないな」
「ホントかしら……」
「だけどこれからは、美羽姉にしたいと思ったことを、じゃんじゃんしていくからさ。アブナイことも含めて」
チュッ(*´(〃 )と触れるだけのキスをして、腕の力を緩めながら私を抱きしめて寝る学くんに、危ないコトはほどほどにしてねと一言添えて、この日は就寝したのでした。
愛でたし♡愛でたし
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