32 / 35
恋のマッチアップ番外編 膠着状態11
しおりを挟む
「笹良も一緒に気持ちよくなろう?」
小さく笑いながら腰に押し当てていたモノを、わざわざ移動して俺のに押しつける。
「やっ、やめっ」
「布地越しでもわかる。笹良のすげぇ熱くなってる」
「あっあっ、動かすな」
上半身をキツく抱きしめられているので、これ以上は逃げられない。というか逃げようとした時点で加賀谷のモノに擦れてしまって、自ら感じることになってしまう。
「加賀谷、こんなふうに無理やりは嫌だ……」
震える笹良の声に、加賀谷の動きがぴたりと止まった。
「笹良は俺のこと、嫌いじゃないんだろう?」
顔に寄せられる加賀屋の顔。まっすぐ視線を注がれるせいで、逸らすことができない。
「き、嫌いじゃないけど……」
「けど?」
「気になる存在というか、なんというか――」
口ごもる笹良に、加賀屋は柔らかく微笑みかけた。
「笹良、どうしたら俺のことが好きに変わる?」
「無理に変えなくても、このままでいいんじゃないかと」
他にもなにか言いわけめいたことを告げた笹良に、加賀谷はまっすぐな視線を送りながら語りかけた。
「俺は笹良が好きだよ。だから笹良にも同じ気持ちをもってほしい」
「うっ!」
唐突な告白に頬を赤らめた笹良は、視線を右往左往させる。
「笹良、大好き」
そんな隙だらけの笹良に、加賀屋はゆっくり顔を近づけてキスをする。
今までされた中で、それは一番優しいキスだった。押しつけられる唇はとても軽く、笹良にとってはそれがなぜだか不安になる。
「か、がや……」
喋れるくらいに余裕ありすぎるキスの最中、思わず話しかけた笹良に、加賀屋は少しだけ距離をあけた。だけどそれは近くて、笹良の目に加賀屋の顔がぼやけて映る。
「笹良?」
「そんなキスじゃ嫌だ……」
思わず口走った自分の言葉に笹良は驚きを隠せず、慌てて両手で顔を覆い隠した。
「どうした?」
「なんでもない! 間違っただけだから!」
「間違ったって、なにが?」
「やっ、えっとそのぅ」
間髪入れずに問いかける加賀屋に、笹良の頭の中は混乱をきたした。愛の告白をされただけでも返事に困ったというのに、自らキスを強請ってしまったことについて、説明のしようがない。
「笹良は意外とエッチだからな、激しいのが好みなんだろう?」
「そんなことないっ! 絶対に!」
「そんなことあるって。体育館で抱き合ったときも――」
「終わったことをグチグチ言うなよ!」
覆い隠した顔の熱が、てのひらにじわっと感じた。いろんなことが恥ずかしくて、どうにも手を外せない。
「言うに決まってるだろ。照れる笹良やエロい笹良も、俺の好みだし」
「やめろって!」
「ちなみに笹良が好きな俺って、どんなところ?」
不意に問われた言葉に、笹良は頭を切り替えて真剣に考える。目に浮かぶ加賀屋の姿を、淀みのない言の葉で告げる。
「……迷いなく相手陣地に向かって、ひとりで乗り込む勇敢なところだったり、どんな状況でもスリーを決めるところ」
小さく笑いながら腰に押し当てていたモノを、わざわざ移動して俺のに押しつける。
「やっ、やめっ」
「布地越しでもわかる。笹良のすげぇ熱くなってる」
「あっあっ、動かすな」
上半身をキツく抱きしめられているので、これ以上は逃げられない。というか逃げようとした時点で加賀谷のモノに擦れてしまって、自ら感じることになってしまう。
「加賀谷、こんなふうに無理やりは嫌だ……」
震える笹良の声に、加賀谷の動きがぴたりと止まった。
「笹良は俺のこと、嫌いじゃないんだろう?」
顔に寄せられる加賀屋の顔。まっすぐ視線を注がれるせいで、逸らすことができない。
「き、嫌いじゃないけど……」
「けど?」
「気になる存在というか、なんというか――」
口ごもる笹良に、加賀屋は柔らかく微笑みかけた。
「笹良、どうしたら俺のことが好きに変わる?」
「無理に変えなくても、このままでいいんじゃないかと」
他にもなにか言いわけめいたことを告げた笹良に、加賀谷はまっすぐな視線を送りながら語りかけた。
「俺は笹良が好きだよ。だから笹良にも同じ気持ちをもってほしい」
「うっ!」
唐突な告白に頬を赤らめた笹良は、視線を右往左往させる。
「笹良、大好き」
そんな隙だらけの笹良に、加賀屋はゆっくり顔を近づけてキスをする。
今までされた中で、それは一番優しいキスだった。押しつけられる唇はとても軽く、笹良にとってはそれがなぜだか不安になる。
「か、がや……」
喋れるくらいに余裕ありすぎるキスの最中、思わず話しかけた笹良に、加賀屋は少しだけ距離をあけた。だけどそれは近くて、笹良の目に加賀屋の顔がぼやけて映る。
「笹良?」
「そんなキスじゃ嫌だ……」
思わず口走った自分の言葉に笹良は驚きを隠せず、慌てて両手で顔を覆い隠した。
「どうした?」
「なんでもない! 間違っただけだから!」
「間違ったって、なにが?」
「やっ、えっとそのぅ」
間髪入れずに問いかける加賀屋に、笹良の頭の中は混乱をきたした。愛の告白をされただけでも返事に困ったというのに、自らキスを強請ってしまったことについて、説明のしようがない。
「笹良は意外とエッチだからな、激しいのが好みなんだろう?」
「そんなことないっ! 絶対に!」
「そんなことあるって。体育館で抱き合ったときも――」
「終わったことをグチグチ言うなよ!」
覆い隠した顔の熱が、てのひらにじわっと感じた。いろんなことが恥ずかしくて、どうにも手を外せない。
「言うに決まってるだろ。照れる笹良やエロい笹良も、俺の好みだし」
「やめろって!」
「ちなみに笹良が好きな俺って、どんなところ?」
不意に問われた言葉に、笹良は頭を切り替えて真剣に考える。目に浮かぶ加賀屋の姿を、淀みのない言の葉で告げる。
「……迷いなく相手陣地に向かって、ひとりで乗り込む勇敢なところだったり、どんな状況でもスリーを決めるところ」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる