24 / 35
恋のマッチアップ番外編 膠着状態3
しおりを挟む
☆☆☆
『加賀屋のせいで、こんなに乱されるなんてっ、あぁっ!』
妄想によるイップスを、なんとしてでも攻略しようと真面目に考えているのに、笹良のエロい声がどこからともなく聞こえてきて、脳内に響き渡る。
『やっ、はじめてなの、にぃ…恥ずかしぃっ。こんな俺をっ、ンンっ! 加賀屋に見せたくない』
そのうち声だけじゃなく笹良本人の乱れた姿が、まぶたの裏にほわわ~んと映し出された。場所は更衣室。長椅子をベッド代わりにして、ユニフォームを捲りあげた笹良が、喘ぎ声と一緒に甘い吐息を漏らした。
俺だって、男を相手にするのははじめて。だからホモビで勉強しまくった。ナニをどうすれば感じるのか――そりゃあもう熱心に勉強した結果が、目の前に転がっている!
『やっ! 腰動かさないで! 変になるって』
そんなことをお願いしてるのに、自分から腰を動かす笹良。細い腰がしなるたびに俺のをぎゅんぎゅん締めつけて、絶頂に導こうとする。
ゴールを外すたびに見せていたつらそうな表情じゃなく、口を半開きにして息を切らすその面持ちは、淫靡な雰囲気をこれでもかと醸していた。
普段は見られない貴重な姿に、俺の中にあるボルテージが、否応なしに高まっていく。
とまぁこんなふうにものすごく詳細に妄想できるわけは、以前体育館にてふたりきりで話し合いをしたせいだ。
俺が見惚れたシュートをやってのけた笹良に抱きつき、熱のこもった肌に直接触れた。今まで抱いた女よりも肌質が極上で、むしゃぶりつきたい衝動に駆られてしまうレベルは、すごいことだと思う。
残念なことに中途半端で終わっているゆえに、妄想が暴走しているらしい。
与える快感に容易く流される笹良を知ったあのとき、ヤれるところまで突き進めば、こんなことにはならなかったかもしれない。
今の俺にとってコートでプレイしている笹良は、どんな表情でもあっち系に結びつけることが可能だし、スリーをしようとする右腕の筋肉のちょっとした動きや、ボールを放つ指先すらも、エロに紐付けすることができる。
(――俺ってば、マジで天才かもしれない!)
下半身おっ勃てたまま、そんなことを考えついてしまったゆえに、情けなさも手伝って、イップスを攻略してやるぞという気持ちだけが萎んでいった。
「それではここから、選抜メンバーを中心に練習試合をおこなう。解散!」
ぱんっと手拍子して解散を促した監督の声に、メンバーが体育館の端に移動をはじめた。
しょんぼりしながら歩いていたら、いきなり肩を叩かれた。反射的に笹良だと思い、嬉々として振り向くと、同期が心配そうな顔で俺を見上げる。
「大丈夫か? なんかつらそうな声が出てたけど。具合悪いとか?」
「声?」
「そう。うっ!とか、くうっ!なんていう呻き声みたいな感じ」
ジャージの裾を引っ張って前を隠しつつ、気だるそうに歩いてみせた。
「じ、実はちょっとだけ熱っぽくてさ」
笹良のエロい妄想のせいで声が出ていたとは、かなり恥ずかしい……。
「あ~、顔が赤くなってる。もしかして熱が上がってるかもよ?」
額に手を当てられそうになり、自分の手で慌てて額を覆い隠した。
「確かに上がってる! ヤバそうだから、このまま練習パスするわ。心配してくれてサンキューな!」
そそくさと同期の前から立ち去り、監督のもとに駆け寄った。
笹良の妄想から脱却するために、しばらく練習を休むことにしたのだった。
『加賀屋のせいで、こんなに乱されるなんてっ、あぁっ!』
妄想によるイップスを、なんとしてでも攻略しようと真面目に考えているのに、笹良のエロい声がどこからともなく聞こえてきて、脳内に響き渡る。
『やっ、はじめてなの、にぃ…恥ずかしぃっ。こんな俺をっ、ンンっ! 加賀屋に見せたくない』
そのうち声だけじゃなく笹良本人の乱れた姿が、まぶたの裏にほわわ~んと映し出された。場所は更衣室。長椅子をベッド代わりにして、ユニフォームを捲りあげた笹良が、喘ぎ声と一緒に甘い吐息を漏らした。
俺だって、男を相手にするのははじめて。だからホモビで勉強しまくった。ナニをどうすれば感じるのか――そりゃあもう熱心に勉強した結果が、目の前に転がっている!
『やっ! 腰動かさないで! 変になるって』
そんなことをお願いしてるのに、自分から腰を動かす笹良。細い腰がしなるたびに俺のをぎゅんぎゅん締めつけて、絶頂に導こうとする。
ゴールを外すたびに見せていたつらそうな表情じゃなく、口を半開きにして息を切らすその面持ちは、淫靡な雰囲気をこれでもかと醸していた。
普段は見られない貴重な姿に、俺の中にあるボルテージが、否応なしに高まっていく。
とまぁこんなふうにものすごく詳細に妄想できるわけは、以前体育館にてふたりきりで話し合いをしたせいだ。
俺が見惚れたシュートをやってのけた笹良に抱きつき、熱のこもった肌に直接触れた。今まで抱いた女よりも肌質が極上で、むしゃぶりつきたい衝動に駆られてしまうレベルは、すごいことだと思う。
残念なことに中途半端で終わっているゆえに、妄想が暴走しているらしい。
与える快感に容易く流される笹良を知ったあのとき、ヤれるところまで突き進めば、こんなことにはならなかったかもしれない。
今の俺にとってコートでプレイしている笹良は、どんな表情でもあっち系に結びつけることが可能だし、スリーをしようとする右腕の筋肉のちょっとした動きや、ボールを放つ指先すらも、エロに紐付けすることができる。
(――俺ってば、マジで天才かもしれない!)
下半身おっ勃てたまま、そんなことを考えついてしまったゆえに、情けなさも手伝って、イップスを攻略してやるぞという気持ちだけが萎んでいった。
「それではここから、選抜メンバーを中心に練習試合をおこなう。解散!」
ぱんっと手拍子して解散を促した監督の声に、メンバーが体育館の端に移動をはじめた。
しょんぼりしながら歩いていたら、いきなり肩を叩かれた。反射的に笹良だと思い、嬉々として振り向くと、同期が心配そうな顔で俺を見上げる。
「大丈夫か? なんかつらそうな声が出てたけど。具合悪いとか?」
「声?」
「そう。うっ!とか、くうっ!なんていう呻き声みたいな感じ」
ジャージの裾を引っ張って前を隠しつつ、気だるそうに歩いてみせた。
「じ、実はちょっとだけ熱っぽくてさ」
笹良のエロい妄想のせいで声が出ていたとは、かなり恥ずかしい……。
「あ~、顔が赤くなってる。もしかして熱が上がってるかもよ?」
額に手を当てられそうになり、自分の手で慌てて額を覆い隠した。
「確かに上がってる! ヤバそうだから、このまま練習パスするわ。心配してくれてサンキューな!」
そそくさと同期の前から立ち去り、監督のもとに駆け寄った。
笹良の妄想から脱却するために、しばらく練習を休むことにしたのだった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
若旦那からの甘い誘惑
すいかちゃん
BL
使用人として、大きな屋敷で長年奉公してきた忠志。ある日、若旦那が1人で淫らな事をしているのを見てしまう。おまけに、その口からは自身の名が・・・。やがて、若旦那の縁談がまとまる。婚礼前夜。雨宿りをした納屋で、忠志は若旦那から1度だけでいいと甘く誘惑される。いけないとわかっていながら、忠志はその柔肌に指を・・・。
身分差で、誘い受けの話です。
第二話「雨宿りの秘密」
新婚の誠一郎は、妻に隠れて使用人の忠志と関係を続ける。
雨の夜だけの関係。だが、忠志は次第に独占欲に駆られ・・・。
冒頭は、誠一郎の妻の視点から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる