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ノンケの先輩を堕とすためのミッション♡
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「島田先輩のことは、第一営業部で僕のご指導をしてくださっている林さんに、お話を伺っているんです。気の利く、とてもいいヤツだって」
澱みなくスラスラ語られる新人のセリフは、まるで予め用意していたように、俺の耳には聞こえた。
「大和、こちらは俺のひとつ上の先輩で、加納さん。おまえに買い物の荷物持ちをしてほしいそうだ。手伝ってあげてくれ」
「わかりました。島田先輩は、なにか買ってきてほしいものはないですか?」
俺からなされた加納さんの紹介で、新人に向かって笑いかける彼女を、大和は見事にスルーし、なぜか買い出しを訊ねられたことで、変な声が出そうになった。
「俺はなにもないから、ほら、加納さんと打ち合わせして、買い物に行ってくれ……」
新人の塩対応のせいで、引きつり笑いに変化した加納さんを見、俺は新人の背中を押して、買い物に行くように急かす。
「僕の仕事、ちゃんと残しておいてくださいね」
「わかった、わかった。行ってらっしゃい……」
右手を振ってバイバイした後に、自分のデスクに腰かけた。
「なんでこう、朝から疲労困憊なんだよ。勘弁してくれ」
大きなため息を吐きながら、パソコンの電源をオンにしたとき。
「島田、悪い! 例のコピー機が、またご機嫌斜めになった」
今回のプロジェクトのリーダーにあたる大槌先輩が、困った顔で俺を呼ぶ。
「きっといつも以上に、こき使ったせいでしょう。確か前回も、会議前に調子が悪かったですよね」
疲れた体を引きずるように立ち上がり、コピー機のもとに向かう。
「昨日のうちにやっつけようと思ったのに、修正箇所を見つけちまってさ。島田、すぐに直せそうか?」
「それは見てみないと、なんとも言えません」
「あのっ!」
ワイシャツの袖をまくっていると、なぜか新人が傍に現れた。
「おまえ、まだいたのか。早く加納さんと、買い物に行けよ」
「コピーする書類、午後からの会議に使うんですよね?」
新人の言葉に大槌先輩はキョトンとしてから、頷いてみせた。
「ああ、第一回目の会議の担当がウチだから」
「僕のPCに書類を転送してください。第一営業部でコピーしてきます」
「大和、買い物はいいのか?」
話の腰を折るようで申し訳なかったが、加納さんに睨まれたくない一心で訊ねてしまった。
「加納先輩には、用事が済んだら行きましょうと言いました。トラブル解決が優先ですから」
「花園くん、よく午後から会議があることを知っていたね?」
「新人の僕のせいで、第二営業部の方々に迷惑をかけられません。スケジュール管理の一環で、会議の日程を掌握しました」
蛍光灯の光が新人のメガネのフレームを輝かせることで、できるビジネスマンの照明のような役割をする。
「さすがは第一営業部のホープ、恐れ入ったよ。早速だけど、コピー頼んでいいかな?」
「はい、PCが立ち上がったら手を挙げます」
俺の真向かいの席が新人のデスクになったらしく、大槌先輩とほかにも楽しげに喋りながら、コピー機の前から消えていった。
「第一営業部のホープか。俺が新人のときに、あんなふうに立ち回ることなんて、絶対にできなかっただろうな」
新人が買い物に行きたがった加納さんを黙らせつつ、コピー機の不調を察知し、代替案をさらりと提示したことに、舌を巻くしかなかった。
澱みなくスラスラ語られる新人のセリフは、まるで予め用意していたように、俺の耳には聞こえた。
「大和、こちらは俺のひとつ上の先輩で、加納さん。おまえに買い物の荷物持ちをしてほしいそうだ。手伝ってあげてくれ」
「わかりました。島田先輩は、なにか買ってきてほしいものはないですか?」
俺からなされた加納さんの紹介で、新人に向かって笑いかける彼女を、大和は見事にスルーし、なぜか買い出しを訊ねられたことで、変な声が出そうになった。
「俺はなにもないから、ほら、加納さんと打ち合わせして、買い物に行ってくれ……」
新人の塩対応のせいで、引きつり笑いに変化した加納さんを見、俺は新人の背中を押して、買い物に行くように急かす。
「僕の仕事、ちゃんと残しておいてくださいね」
「わかった、わかった。行ってらっしゃい……」
右手を振ってバイバイした後に、自分のデスクに腰かけた。
「なんでこう、朝から疲労困憊なんだよ。勘弁してくれ」
大きなため息を吐きながら、パソコンの電源をオンにしたとき。
「島田、悪い! 例のコピー機が、またご機嫌斜めになった」
今回のプロジェクトのリーダーにあたる大槌先輩が、困った顔で俺を呼ぶ。
「きっといつも以上に、こき使ったせいでしょう。確か前回も、会議前に調子が悪かったですよね」
疲れた体を引きずるように立ち上がり、コピー機のもとに向かう。
「昨日のうちにやっつけようと思ったのに、修正箇所を見つけちまってさ。島田、すぐに直せそうか?」
「それは見てみないと、なんとも言えません」
「あのっ!」
ワイシャツの袖をまくっていると、なぜか新人が傍に現れた。
「おまえ、まだいたのか。早く加納さんと、買い物に行けよ」
「コピーする書類、午後からの会議に使うんですよね?」
新人の言葉に大槌先輩はキョトンとしてから、頷いてみせた。
「ああ、第一回目の会議の担当がウチだから」
「僕のPCに書類を転送してください。第一営業部でコピーしてきます」
「大和、買い物はいいのか?」
話の腰を折るようで申し訳なかったが、加納さんに睨まれたくない一心で訊ねてしまった。
「加納先輩には、用事が済んだら行きましょうと言いました。トラブル解決が優先ですから」
「花園くん、よく午後から会議があることを知っていたね?」
「新人の僕のせいで、第二営業部の方々に迷惑をかけられません。スケジュール管理の一環で、会議の日程を掌握しました」
蛍光灯の光が新人のメガネのフレームを輝かせることで、できるビジネスマンの照明のような役割をする。
「さすがは第一営業部のホープ、恐れ入ったよ。早速だけど、コピー頼んでいいかな?」
「はい、PCが立ち上がったら手を挙げます」
俺の真向かいの席が新人のデスクになったらしく、大槌先輩とほかにも楽しげに喋りながら、コピー機の前から消えていった。
「第一営業部のホープか。俺が新人のときに、あんなふうに立ち回ることなんて、絶対にできなかっただろうな」
新人が買い物に行きたがった加納さんを黙らせつつ、コピー機の不調を察知し、代替案をさらりと提示したことに、舌を巻くしかなかった。
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