BL小説短編集

相沢蒼依

文字の大きさ
上 下
246 / 329
抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい

71

しおりを挟む
「やぁっあっ…んあっ、イくの止まらなぃっ」

 ひとりでシていたときとは明らかに違う絶頂に、わなわなと躰が打ち震える。そんな弘泰を見下ろすベニーは、中に挿れたモノを動かさずに、弘泰自身を容赦なく扱きあげた。

「あ……っは…ぁ、ん…っも…だめっ!」

「気持ちいいのに、駄目なんですか?」

「だっ、ダメ…イキすぎてっ変に…なるっ」

 弘泰は瞳からとめどなく涙を流し、声を枯らしながら必死に訴えた。自身を握りしめるベニーの手に、恐るおそる両手を添える。すると呆気なく放したので、表現しがたい絶頂から解放されることに安心して、ほっとしたその瞬間だった。

「ひいぃっ!」

 躊躇なく大きいのをぐぐっと最奥にねじ込まれた衝撃で、派手に腰が跳ねた。ベニーはその反動を利用して、弘泰の左右の太ももを掴み、ゆらゆらと前後に揺らす。

「やっ! そんなにっ、ゴシゴシしなぃれ」

「感じているのでしょう? 君の中が私のモノに、ねっとり絡んできますよ」

「らめっ…あぁん、そこっ当てないでっ」

 ベッドが軋む音と下半身からもたらされる水音が、弘泰の羞恥心を煽った。どうしていいかわからず、シーツを握りしめながら首を横に振る。

「毎回当てません。わざとズラしています」

「れもっ、当たっ…て。ひゃぁっ!」

「伯爵に与えられた快楽や、お兄さんから強引にされて感じさせられた行為も、すべて私が忘れさせてあげます」

「ベニーっ…はげしっ、僕…もたな――」

 息をするのがやっとの中で、自分の現状を告げると、目の前にある茶褐色の瞳がなぜだか赤く光る。見たことのないそれに、目が離せなくなった。ホラー映画に出てきそうなまなざしなのに、見つめられる視線からは恐怖心が沸かない。

「こんな綽然な動きが、激しいと思うとは。さて、どこまでピッチをあげたらいいのでしょうね」

 弘泰をさらに感じさせる言葉を発しているのに、不思議と違うものを要求されているような気がした。

「ベニー……」

「イキ狂ってください、弘泰。私なしではいられない躰にして差し上げましょう」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

男色官能小説短編集

明治通りの民
BL
男色官能小説の短編集です。

食事届いたけど配達員のほうを食べました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか? そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

甥の性奴隷に堕ちた叔父さま

月歌(ツキウタ)
BL
甥の性奴隷として叔父が色々される話

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

おしっこ8分目を守りましょう

こじらせた処女
BL
 海里(24)がルームシェアをしている新(24)のおしっこ我慢癖を矯正させるためにとあるルールを設ける話。

処理中です...