243 / 329
抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい
68
しおりを挟む
ボタンを外してブレザーを脱がしかけた手が、ぴたりと止まる。
「ベニー?」
閉じていた目を開けた瞬間、下半身に手を伸ばされ、ぎゅっと掴まれた。カタチの変わったそれを爪を立てて強く握られることは、いつもなら痛くて嫌なことのひとつだった。
「あ……っは…ぁ、ああっ!」
兄にされた行為と同じことをされているのにも関わらず、ベニーの手からは痺れるような快感だけがあった。なけなしの理性を崩すそれが躰を駆け巡り、自然と両膝を擦り合わせてしまう。
「んんっ……ぁっ…っぁあ」
あられもない声をあげないように奥歯を噛んでみても、それを察知して手の動きを変え、僕自身をさらに気持ちよくした。
「やぁっあっ…べ、ベニーぃっ」
「布地越しでも伝わってますよ。君がイヤラしい染みを、たくさん作っていることを」
「くっ」
告げられたセリフに恥ずかしさを感じ、顔を真っ赤にして固まる弘泰を見ながら、ベニーは綺麗な二重まぶたを細めた。
「誰が弘泰を、そんな躰にしたんでしょうね」
「それは大好きなベニーが」
触れるからそのせいでと言いかけた途端に、ワイシャツを手荒に引き裂かれた。ビビッという生地の破れる音が、室内で妙に響いた。
「違います。君を淫らにしたのは、お兄さんのせいでしょう?」
「ちがっ」
「先ほど玄関で抱きあげただけで感じて躰を震わせたり、今もこうして布地越しで軽く触れているだけなのに、奥が疼いていますよね? 君はまだ未経験だというのに……」
僕自身を掴んでいた手が移動して、指摘した部分に触れる。
「ひぁっ」
スラックスと下着が間に挟まっている部分。そこを強くなぞられることに違和感はまったくなく、いいようのない快感を覚えて腰を上下させてしまった。
「マモルの記憶が君に宿った時点で、躰にもその影響が出るはずです。保健室で触れたときよりも、格段に感度が上がっていますしね」
「あっ、あっああっ…んあっ!」
「もっと早く出逢いたかったというのは、我儘なんでしょうね。私の手で最初から教えて差しあげたかった……」
快感に打ち震える弘泰の躰を、ベニーは両腕でぎゅっと抱きしめる。荒い呼吸をそのままに抱きしめられるだけで、躰は乱れているのに、不思議と心が穏やかになっていくのを感じた。
「僕も早くベニーに逢いたかった。綺麗な僕をベニーにあげたかったのに」
「君は充分綺麗ですよ。それにこれから弘泰が経験したことがないところを、探し当てる楽しみがあります」
ベニーは抱きしめた腕を緩めて、弘泰の耳元で囁いた。ふぅっと吐息をかけてから、耳朶を甘噛みする。
「ンンっ!」
「こうしてひとつひとつ探していきますので、覚悟してください」
「ベニー?」
閉じていた目を開けた瞬間、下半身に手を伸ばされ、ぎゅっと掴まれた。カタチの変わったそれを爪を立てて強く握られることは、いつもなら痛くて嫌なことのひとつだった。
「あ……っは…ぁ、ああっ!」
兄にされた行為と同じことをされているのにも関わらず、ベニーの手からは痺れるような快感だけがあった。なけなしの理性を崩すそれが躰を駆け巡り、自然と両膝を擦り合わせてしまう。
「んんっ……ぁっ…っぁあ」
あられもない声をあげないように奥歯を噛んでみても、それを察知して手の動きを変え、僕自身をさらに気持ちよくした。
「やぁっあっ…べ、ベニーぃっ」
「布地越しでも伝わってますよ。君がイヤラしい染みを、たくさん作っていることを」
「くっ」
告げられたセリフに恥ずかしさを感じ、顔を真っ赤にして固まる弘泰を見ながら、ベニーは綺麗な二重まぶたを細めた。
「誰が弘泰を、そんな躰にしたんでしょうね」
「それは大好きなベニーが」
触れるからそのせいでと言いかけた途端に、ワイシャツを手荒に引き裂かれた。ビビッという生地の破れる音が、室内で妙に響いた。
「違います。君を淫らにしたのは、お兄さんのせいでしょう?」
「ちがっ」
「先ほど玄関で抱きあげただけで感じて躰を震わせたり、今もこうして布地越しで軽く触れているだけなのに、奥が疼いていますよね? 君はまだ未経験だというのに……」
僕自身を掴んでいた手が移動して、指摘した部分に触れる。
「ひぁっ」
スラックスと下着が間に挟まっている部分。そこを強くなぞられることに違和感はまったくなく、いいようのない快感を覚えて腰を上下させてしまった。
「マモルの記憶が君に宿った時点で、躰にもその影響が出るはずです。保健室で触れたときよりも、格段に感度が上がっていますしね」
「あっ、あっああっ…んあっ!」
「もっと早く出逢いたかったというのは、我儘なんでしょうね。私の手で最初から教えて差しあげたかった……」
快感に打ち震える弘泰の躰を、ベニーは両腕でぎゅっと抱きしめる。荒い呼吸をそのままに抱きしめられるだけで、躰は乱れているのに、不思議と心が穏やかになっていくのを感じた。
「僕も早くベニーに逢いたかった。綺麗な僕をベニーにあげたかったのに」
「君は充分綺麗ですよ。それにこれから弘泰が経験したことがないところを、探し当てる楽しみがあります」
ベニーは抱きしめた腕を緩めて、弘泰の耳元で囁いた。ふぅっと吐息をかけてから、耳朶を甘噛みする。
「ンンっ!」
「こうしてひとつひとつ探していきますので、覚悟してください」
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる