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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい
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「失礼! 2年の石井が、ここでサボってるって聞いて迎えに来た」
「バーンズ先生、わざわざお迎えご苦労様です」
保健室に入ってきたローランドを出迎えずに、明堂の手を繋いだまま、腰かけているベッドから顔をあげた。
いつもと様子の違うベニーを見て、ローランドは「おっ!」と短い声を発したのちに、石井という生徒が寝ているベッドに駆け寄る。
「俺の授業をサボっているだけじゃなく、具合の悪いふりして、忙しいベニーの手を煩わせやがって」
ローランドとしては、ふたりの事情を知っているゆえに、目を吊り上げながら、石井という生徒の首根っこを掴みあげ、無理やり引っ張り起こした。
「ローランド先生よりも、ロレザス先生と一緒にいたほうが、超絶楽しいんですって」
「保健室を利用する生徒は、怪我をしたとか、体調が悪いものと決まってるんだ。おまえの個人的な理由で、ここを使うんじゃない!」
他にもくどくど文句を言いながら、ふたり揃って保健室を出て行った。
「弘泰、やっとふたりきりになれましたね」
「僕は別に……。なんとも思わないです」
「ちょっと待っていてください。不在のカードにしてきます」
繋いでいる手を離そうとしたら、明堂の手がその動きを止める。
「弘泰?」
「離れたくない。このまま傍にいてください」
「私としては、邪魔が入らないようにしたいのですが」
「みんなから名前で呼ばれて、楽しそうにしてるベニー先生を、こうして独り占めしたいんです!」
やっと本音を吐露した明堂を、ベニーは笑いながら布団ごと抱きしめた。
「私だって、弘泰と同じ気持ちでいるのですよ」
「えっ?」
本当はこのまま、明堂を抱きしめていたかったが、いつ誰が入ってくるかわからない保健室では、それができない。ベニーは明堂が納得する言葉を、頭の中で必死に考える。
「最近の君の周りには、いつもクラスメートがいるじゃないですか。私が、妬かないとでも思ったんですか?」
「妬く必要ないのに。僕はベニー先生が好きだから」
「弘泰が私を好きでも、クラスメートが具合を悪くしてここで寝ている君を狙おうと、保健室にやって来たらどうします?」
「そんなこと、絶対にないですよ」
「私としては少しでも可能性がある限り、それを潰したいと思っているんです。不在のカードにしてきていいですね?」
否と言わせない視線を、明堂に注ぎながら告げると、渋々首を縦に振った。
「バーンズ先生、わざわざお迎えご苦労様です」
保健室に入ってきたローランドを出迎えずに、明堂の手を繋いだまま、腰かけているベッドから顔をあげた。
いつもと様子の違うベニーを見て、ローランドは「おっ!」と短い声を発したのちに、石井という生徒が寝ているベッドに駆け寄る。
「俺の授業をサボっているだけじゃなく、具合の悪いふりして、忙しいベニーの手を煩わせやがって」
ローランドとしては、ふたりの事情を知っているゆえに、目を吊り上げながら、石井という生徒の首根っこを掴みあげ、無理やり引っ張り起こした。
「ローランド先生よりも、ロレザス先生と一緒にいたほうが、超絶楽しいんですって」
「保健室を利用する生徒は、怪我をしたとか、体調が悪いものと決まってるんだ。おまえの個人的な理由で、ここを使うんじゃない!」
他にもくどくど文句を言いながら、ふたり揃って保健室を出て行った。
「弘泰、やっとふたりきりになれましたね」
「僕は別に……。なんとも思わないです」
「ちょっと待っていてください。不在のカードにしてきます」
繋いでいる手を離そうとしたら、明堂の手がその動きを止める。
「弘泰?」
「離れたくない。このまま傍にいてください」
「私としては、邪魔が入らないようにしたいのですが」
「みんなから名前で呼ばれて、楽しそうにしてるベニー先生を、こうして独り占めしたいんです!」
やっと本音を吐露した明堂を、ベニーは笑いながら布団ごと抱きしめた。
「私だって、弘泰と同じ気持ちでいるのですよ」
「えっ?」
本当はこのまま、明堂を抱きしめていたかったが、いつ誰が入ってくるかわからない保健室では、それができない。ベニーは明堂が納得する言葉を、頭の中で必死に考える。
「最近の君の周りには、いつもクラスメートがいるじゃないですか。私が、妬かないとでも思ったんですか?」
「妬く必要ないのに。僕はベニー先生が好きだから」
「弘泰が私を好きでも、クラスメートが具合を悪くしてここで寝ている君を狙おうと、保健室にやって来たらどうします?」
「そんなこと、絶対にないですよ」
「私としては少しでも可能性がある限り、それを潰したいと思っているんです。不在のカードにしてきていいですね?」
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