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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい
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「だから、何をするんだ……」
「そうですね。まずは手始めに、射精管理からはじめましょうか。イきたくてもギリギリで寸止めさせて、絶対にイカせませんよ」
意味深に瞳を細めて明堂を見つめたら、唖然とした表情のまま唇を戦慄かせる。
「なんだよ、それ。そんなことされたら――」
「相当つらいでしょうね。しかもさきほどから、ずっと我慢しているのですから余計に」
ベニーは少しだけ下半身に隙間を作り、明堂のベルトに触れた。わざとカチャカチャ音をたてて外してみせると、「やめろ、やめてくれ!」なんていう上擦った声をあげる。
「君は弘泰と私の邪魔をすると言ってたくせに、自分だけおいしい経験をしようとするなんて、本当にズルいですよね」
「おいしい経験なんて、これっぽちも望んじゃいねぇよ!」
「別に、私はかまわないんです。だってこの躰は弘泰なんですから。中身が違っていても、感じさせたい相手ですしね」
難なくベルトを外したあと、スラックスのボタンを手際よく外して、ゆっくりチャックを下ろす。
「ぃ、いいい嫌だっ!」
顔を青ざめさせながら両目をつぶった明堂の躰が、ぎゅっと硬直した。ベニーはスラックスの中に侵入しかけた手を寸前で止める。
「弘泰……弘泰!」
何度か名前を呼んでみると、一瞬だけ眉根を寄せてからまぶたを開けて、自分を切なげに見上げる明堂と目が合った。
「ベニー先生……?」
目つきの変化とかけられた言葉で、弘泰に変わったことを知り、心の底からほっとする。
「弘泰、よかった。戻って来たんですね」
慌てて目の前の躰を抱き起し、縛ったままでいた両手首の紐を解く。
「ベニー先生、これはいったい……」
「弘泰の中にいる、もうひとりの君との話し合いがうまくいかず、こんなことをしてしまいました。痛かったですよね、すみません」
「話し合い……というわりには、僕の服装が思いっきり乱れているような」
慌ててはだけたワイシャツをブレザーごと掴んで前を隠し、頬を赤く染める。そんな明堂を落ち着かせようと、優しく頭を撫でた。
「何も知らない弘泰に、すべてをお話しないといけませんね」
「お話の前に、その……。僕を抱いてくれませんか?」
好きな人が傍にいるせいで高鳴る胸の鼓動と、躰の事情が相まっているのをなんとかしたくて、思いきって明堂から誘いをかけた。
「それは――。真実を知ってからのほうがいいかと」
ベニーとしても、このまま続けたかったが、すべてを知ってからじゃないとショックを受けると考え、きちんと止めに入った。男爵のローランドが岐路に立った、あのときのように――伯爵に手をかけるか否かを選択させて、後悔を残さないようにした。
そして現在、ベニーと関係を持つことを明堂に後悔させないために、あえて考えさせる。
「そうですね。まずは手始めに、射精管理からはじめましょうか。イきたくてもギリギリで寸止めさせて、絶対にイカせませんよ」
意味深に瞳を細めて明堂を見つめたら、唖然とした表情のまま唇を戦慄かせる。
「なんだよ、それ。そんなことされたら――」
「相当つらいでしょうね。しかもさきほどから、ずっと我慢しているのですから余計に」
ベニーは少しだけ下半身に隙間を作り、明堂のベルトに触れた。わざとカチャカチャ音をたてて外してみせると、「やめろ、やめてくれ!」なんていう上擦った声をあげる。
「君は弘泰と私の邪魔をすると言ってたくせに、自分だけおいしい経験をしようとするなんて、本当にズルいですよね」
「おいしい経験なんて、これっぽちも望んじゃいねぇよ!」
「別に、私はかまわないんです。だってこの躰は弘泰なんですから。中身が違っていても、感じさせたい相手ですしね」
難なくベルトを外したあと、スラックスのボタンを手際よく外して、ゆっくりチャックを下ろす。
「ぃ、いいい嫌だっ!」
顔を青ざめさせながら両目をつぶった明堂の躰が、ぎゅっと硬直した。ベニーはスラックスの中に侵入しかけた手を寸前で止める。
「弘泰……弘泰!」
何度か名前を呼んでみると、一瞬だけ眉根を寄せてからまぶたを開けて、自分を切なげに見上げる明堂と目が合った。
「ベニー先生……?」
目つきの変化とかけられた言葉で、弘泰に変わったことを知り、心の底からほっとする。
「弘泰、よかった。戻って来たんですね」
慌てて目の前の躰を抱き起し、縛ったままでいた両手首の紐を解く。
「ベニー先生、これはいったい……」
「弘泰の中にいる、もうひとりの君との話し合いがうまくいかず、こんなことをしてしまいました。痛かったですよね、すみません」
「話し合い……というわりには、僕の服装が思いっきり乱れているような」
慌ててはだけたワイシャツをブレザーごと掴んで前を隠し、頬を赤く染める。そんな明堂を落ち着かせようと、優しく頭を撫でた。
「何も知らない弘泰に、すべてをお話しないといけませんね」
「お話の前に、その……。僕を抱いてくれませんか?」
好きな人が傍にいるせいで高鳴る胸の鼓動と、躰の事情が相まっているのをなんとかしたくて、思いきって明堂から誘いをかけた。
「それは――。真実を知ってからのほうがいいかと」
ベニーとしても、このまま続けたかったが、すべてを知ってからじゃないとショックを受けると考え、きちんと止めに入った。男爵のローランドが岐路に立った、あのときのように――伯爵に手をかけるか否かを選択させて、後悔を残さないようにした。
そして現在、ベニーと関係を持つことを明堂に後悔させないために、あえて考えさせる。
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