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なおしたいコト
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――俺が愛する綺麗な華、葩御 稜。
彼の傍で成り行きを見守り、この身をかけて愛していく。尽きることのない愛を注ぎ続けるから、どうか君の夢を叶えてほしい。
その一心で彼に尽くしてきた。だがその一方で、俺の中にある不安の種がなくなることはない。
芸能界から政界へ華麗な転身を成し遂げた彼を、メディアはこぞって追いかけた。
ハードなスケジュールをこなしているところに向けられる、たくさんのカメラのファインダー。その中に納まる笑顔の彼に注意すべく、「ほどほどにしないと」なんていう言葉をかけたかった。
どんなに疲れていても微笑みを絶やさず、にこやかに対応する姿を見て、少しでも休憩がとれるようなスケジュール調整を、秘書としてアレコレ考えさせられる。
その他にも、厄介な問題があって――。
『芸能界で枕やってたんだって? こっちではやらないの?』
なんていうお誘いを、陵の腰に手を回しながらしてくる輩がいるのを、目の当たりにした。
しかも相手は、名のある某有名議員――恋人の俺がでしゃばり、ぶっ飛ばしていい相手ではない。
『僕のときのようにいちいち目くじらを立てていたら、稜さんが気を遣います。秘書さんは恋人なんですから、ただどんと構えていればいいだけですよ。あしらうことに長けている、彼に任せるべきです!』
なんていう入念とも言えるアドバイスを、二階堂からなされていたので、両手に拳を作ってその場をやり過ごすしかなかった。そりゃあもう、歯痒いったらありゃしない!
「貴方と寝てあげてもいいけど、現在進行形で俺にテレビカメラがついて回ってるんですよ。もしかしたら先ほどのことを、どこからか撮られているかもしれませんね。議員生命をかける覚悟は、おありなんでしょうか?」
腰に回された手をそのままに、両腕を組んで言い放つ稜の姿が、カッコイイのなんの。
声をかけた某議員は、慌てて周囲を見渡したのちに、脱兎のごとく逃げて行った。
ちなみに、こんなふうに誘ってくる議員の方々が結構いらっしゃって、俺の忍耐力が試されている気がしてならないのが現状だった。
――俺が愛する綺麗な華、葩御 稜。
彼の傍で成り行きを見守り、この身をかけて愛していく。尽きることのない愛を注ぎ続けるから、どうか君の夢を叶えてほしい。
その一心で彼に尽くしてきた。だがその一方で、俺の中にある不安の種がなくなることはない。
芸能界から政界へ華麗な転身を成し遂げた彼を、メディアはこぞって追いかけた。
ハードなスケジュールをこなしているところに向けられる、たくさんのカメラのファインダー。その中に納まる笑顔の彼に注意すべく、「ほどほどにしないと」なんていう言葉をかけたかった。
どんなに疲れていても微笑みを絶やさず、にこやかに対応する姿を見て、少しでも休憩がとれるようなスケジュール調整を、秘書としてアレコレ考えさせられる。
その他にも、厄介な問題があって――。
『芸能界で枕やってたんだって? こっちではやらないの?』
なんていうお誘いを、陵の腰に手を回しながらしてくる輩がいるのを、目の当たりにした。
しかも相手は、名のある某有名議員――恋人の俺がでしゃばり、ぶっ飛ばしていい相手ではない。
『僕のときのようにいちいち目くじらを立てていたら、稜さんが気を遣います。秘書さんは恋人なんですから、ただどんと構えていればいいだけですよ。あしらうことに長けている、彼に任せるべきです!』
なんていう入念とも言えるアドバイスを、二階堂からなされていたので、両手に拳を作ってその場をやり過ごすしかなかった。そりゃあもう、歯痒いったらありゃしない!
「貴方と寝てあげてもいいけど、現在進行形で俺にテレビカメラがついて回ってるんですよ。もしかしたら先ほどのことを、どこからか撮られているかもしれませんね。議員生命をかける覚悟は、おありなんでしょうか?」
腰に回された手をそのままに、両腕を組んで言い放つ稜の姿が、カッコイイのなんの。
声をかけた某議員は、慌てて周囲を見渡したのちに、脱兎のごとく逃げて行った。
ちなみに、こんなふうに誘ってくる議員の方々が結構いらっしゃって、俺の忍耐力が試されている気がしてならないのが現状だった。
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