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両片想い
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「石川さ…冗談はやめてくださ、い。俺は鉄平以外と、へ、変なことをするつもりはな、ぃです……。だから」
「変なことなんて失礼だな。君は早く部署に戻らないと、白鷺課長に叱られる。だからこそ、手早くヌいてやるって言ってるんだよ。桜井くんは目をつぶって、俺を受け挿れるだけでいい」
「は? 受け挿れ――」
呟きながら顔を上げて俺を見る社長の息子の顔が、恐怖に青ざめているように見えた。
「自分が白鷺課長をヤってるからって、犯されない保障はどこにもないだろ。なぁに、先輩が新人に手をかけて、丹念に可愛がるだけのことさ」
顎に手をかけて固定し、キスしようとした。その瞬間、誰かの手によって片耳を強く引っ張られながら、ずるずると後退りさせられる。
「痛っつつっ!」
強引に耳を掴まれて引きずられる痛みのせいで、抵抗する力なんてものは皆無だった。自分を覆うように立ち塞がる大きな影の人物が、真上からじっと見下ろす。
「俺の壮馬に勝手に触るな。潰すぞ……」
片耳を引っ張りながら後方にある壁に押しつけられた途端に、白鷺課長の空いた手が俺の下半身を鷲掴みした。
「ひぃぃ! 痛い痛いっ、冗談ですって、ホントに!」
「冗談でやっていいことと駄目なことの分別くらい、石川にだってあるだろう?」
問いつめながらも白鷺課長の手は容赦なく、俺の分身を握りつぶしにかかる。怒りに血走った瞳は、絶対に職場では見られないものだった。
「鉄平、それくらいにしてやったら。俺は無事だったんだし」
「馬鹿野郎! 俺がここに乗り込んだとき、どんな気持ちになったか考えてみろ!! 全身の血の気が引いたんだぞ」
怒りを言葉に乗せて、それを爆発させたように叫んだ白鷺課長。この人の大事な恋人に手を出そうとしたんだから、当然のことだろう。
片耳を掴んでいた手が、上着の襟元をぎゅっと握りしめる。収まり切れない怒りが、震えになって伝わってきた。
下半身の痛みと、これからおこなわれることを予想しながら耐えていると、白鷺課長の顔が俺に近づいた。傍から見たら、キスシーンの寸前に捉えられるかもしれない。それくらい近くに、顔を寄せられた。
「変なことなんて失礼だな。君は早く部署に戻らないと、白鷺課長に叱られる。だからこそ、手早くヌいてやるって言ってるんだよ。桜井くんは目をつぶって、俺を受け挿れるだけでいい」
「は? 受け挿れ――」
呟きながら顔を上げて俺を見る社長の息子の顔が、恐怖に青ざめているように見えた。
「自分が白鷺課長をヤってるからって、犯されない保障はどこにもないだろ。なぁに、先輩が新人に手をかけて、丹念に可愛がるだけのことさ」
顎に手をかけて固定し、キスしようとした。その瞬間、誰かの手によって片耳を強く引っ張られながら、ずるずると後退りさせられる。
「痛っつつっ!」
強引に耳を掴まれて引きずられる痛みのせいで、抵抗する力なんてものは皆無だった。自分を覆うように立ち塞がる大きな影の人物が、真上からじっと見下ろす。
「俺の壮馬に勝手に触るな。潰すぞ……」
片耳を引っ張りながら後方にある壁に押しつけられた途端に、白鷺課長の空いた手が俺の下半身を鷲掴みした。
「ひぃぃ! 痛い痛いっ、冗談ですって、ホントに!」
「冗談でやっていいことと駄目なことの分別くらい、石川にだってあるだろう?」
問いつめながらも白鷺課長の手は容赦なく、俺の分身を握りつぶしにかかる。怒りに血走った瞳は、絶対に職場では見られないものだった。
「鉄平、それくらいにしてやったら。俺は無事だったんだし」
「馬鹿野郎! 俺がここに乗り込んだとき、どんな気持ちになったか考えてみろ!! 全身の血の気が引いたんだぞ」
怒りを言葉に乗せて、それを爆発させたように叫んだ白鷺課長。この人の大事な恋人に手を出そうとしたんだから、当然のことだろう。
片耳を掴んでいた手が、上着の襟元をぎゅっと握りしめる。収まり切れない怒りが、震えになって伝わってきた。
下半身の痛みと、これからおこなわれることを予想しながら耐えていると、白鷺課長の顔が俺に近づいた。傍から見たら、キスシーンの寸前に捉えられるかもしれない。それくらい近くに、顔を寄せられた。
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