BL小説短編集

相沢蒼依

文字の大きさ
上 下
36 / 329
両片想い

34

しおりを挟む
 たった一瞬だけだったのに感じるトコロに擦れた刹那、俺自身が爆ぜてしまった。まだ挿入途中だというのにだ。

「鉄平、イクの早っ。俺まで巻き込もうとしてるだろ」

「ちがっ……、そんなんじゃ、ない。ぅんっ!」

 二度目だと思えない白濁の量に、何だか気恥ずかしくなってしまう。しかも快感が未だに躰を駆け巡っているせいで、まともな受け答えができずにいた。

「ただでさえ締まりがいいのに、イキながらぎゅんぎゅん絞めつけられたら、俺だってヤバかった」

 言いながら腹の上にぶちまけた白濁を、傍にあったティッシュで綺麗に拭い取ってくれる。

「挿れてる最中なのに悪い……」

「鉄平の中に、俺のが馴染む時間だと思えばいいかなって。動いても大丈夫?」

「好きにしっ――んあっ!」

 俺が答えかけたときには、壮馬のモノが更に奥を目指して、ぐいっと強引に押し込まれた。

「そう言うと思ってた」

「っ、だからって、いきなり動くなんて、すっ…するな」

 ぐちゅぐちゅという音とベッドの軋む音が、一緒になって響き渡る。あまりの激しさに、眩暈がしそうな勢いだった。

「もうそれ以上挿らないっ、そんなに突くな!! あぁっ!」

(俺の馬鹿! どうしてワインのボトルを、全部空けちゃったんだ。酔ってるせいでイったばかりだというのに、すごく気持ちよすぎる)

「好きにしろって言ったのは、鉄平からなのに。こうして貫かれるのが、たまらなくイイんでしょ?」

 壮馬は両手で持ってる俺の両膝を軽々と持ち上げながら角度をつけるなり、上から突き刺すように激しく出し挿れする。

「あ……やぁっ、あああぁ!」

 繋がってる部分から、壮馬の熱が想いと重なって、俺の躰にじわじわと伝わってきた。全部が蕩けそうなほどの熱量に、喘ぎ声が止まらない。

「そぉまっ、壮馬す、好き……、愛して、るっ。ん、ふ、あぁ……もっと俺で、感じて」

「本当は鉄平が感じやすい、バックからしてあげたいけどっ。エロい顔が見られないのが嫌だから、これでたくさん、感じて、くれよな」

「恥ずっ…じっと見ないで、やぁっあっ…」

 顔を横に向けても、壮馬の視線は俺に釘付けなのは必然で――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

処理中です...