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両片想い
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「酔っ払いでっ…悪かった、な」
気持ちのいいところが分かっているんだろう。壮馬の指がそこを執拗に突くせいで、感じるたびに腰を仰け反らしながら、両足でシーツを蹴りまくった。
「あっ、もぉいいだろ、早くお前のを挿れて」
「ワインを空っぽにしたり、こんなふうに淫らになるなんて変だ。なんでこんなにヤケになってんだよ、らしくねぇな」
俺の心情を言い当てた壮馬の言葉に、顔を横に向けて視線を逸らした。それを合図にしたのか指を抜いて、隣に横たわりながら躰をぎゅっと抱きしめる。
「壮馬、せっかくいいところなのに、水を差すようなことを言うな。ヤル気が失せるだろ」
「……親父が課長に見合いの話をしたこと、もう言わないように俺からも言っておく」
「だからそのことは――」
見えないように隠していた顔を動かして壮馬を見たら、えらく真剣みを帯びたまなざしとぶつかった。
分からない仕事にぶち当たり、オロオロして困っているときとはまったく違うそれに、縋りつきたい衝動に駆られた。
いろんなことで自分の心がかなり動揺していたのを、改めて再認識する。
「課長の嫌がることをしないように、きっちり注意しておく。だから安心して」
「壮馬……。お前が社長に俺のことを言わなくても、自分で対処するからいいって」
「好きな人が困ってるのを、そのまま見過ごすなんてできるわけないだろ」
「んぅっ!」
俺の苦情を塞ぐためなのか、荒っぽいキスで唇を重ねられた。
(先のことやコイツとの関係や面倒くさいこと全部、このまま何も考えずに済んだら、本当に楽なんだろうな)
壮馬の頬に片手を添えたら、目の前にあった顔が遠のいた。
「鉄平のことを大事にしたい。だけど今の俺には、できることが限られているのがすっげぇ悔しいんだけどさ。それでも、自分がやれるところからはじめようって決めたんだ」
なんだか調子が狂ってしまう。いつの間に壮馬は、こんなにも頼りがいのある恋人になってしまったんだろう。
気持ちのいいところが分かっているんだろう。壮馬の指がそこを執拗に突くせいで、感じるたびに腰を仰け反らしながら、両足でシーツを蹴りまくった。
「あっ、もぉいいだろ、早くお前のを挿れて」
「ワインを空っぽにしたり、こんなふうに淫らになるなんて変だ。なんでこんなにヤケになってんだよ、らしくねぇな」
俺の心情を言い当てた壮馬の言葉に、顔を横に向けて視線を逸らした。それを合図にしたのか指を抜いて、隣に横たわりながら躰をぎゅっと抱きしめる。
「壮馬、せっかくいいところなのに、水を差すようなことを言うな。ヤル気が失せるだろ」
「……親父が課長に見合いの話をしたこと、もう言わないように俺からも言っておく」
「だからそのことは――」
見えないように隠していた顔を動かして壮馬を見たら、えらく真剣みを帯びたまなざしとぶつかった。
分からない仕事にぶち当たり、オロオロして困っているときとはまったく違うそれに、縋りつきたい衝動に駆られた。
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「課長の嫌がることをしないように、きっちり注意しておく。だから安心して」
「壮馬……。お前が社長に俺のことを言わなくても、自分で対処するからいいって」
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「んぅっ!」
俺の苦情を塞ぐためなのか、荒っぽいキスで唇を重ねられた。
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