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特別番外編【兄貴の愛情の表し方】
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♡***♡***♡
(少しでも休憩を挟むと、ふたりの映像が頭にバーン・ドーン・ガーンっていう感じで流れるせいで、ぶっ続けで勉強しちゃった)
それでも途中で晩ご飯を食べて、さっさとシャワーを浴び、すぐに机に向かって集中した。そのおかげで、質のいい勉強ができたと思われる。
本当は、県内トップクラスの進学校に推薦で行けるくらいの学力を持っていたのを、兄貴と同じ学校に通うために、微調整を繰り返した結果が現在の学力である。当然手を抜いているわけだから、落ちることろまで落ちる。
「さすがに疲れちゃったな。少しだけ横になろう……」
躰を投げ出すようにベッドに横たわり、目を閉じた。頭を使いすぎているせいか、兄貴と箱崎の絡みは浮かばなかったものの、以前抱き潰されたことが思い出された。
兄貴からの荒々しいキスや躰をまさぐる手のほかに、挿入された硬くて大きなモノが、僕の躰に刺激を与える。
(あのときみたいに、兄貴に抱かれたい――)
そんなことを考えていると、閉じている瞼が開かなくなるくらいの重みを覚える。部屋の電気がつけっぱなしになっちゃうが、もういいやと諦めて微睡みの中に身を投じた。
どれくらいの時間が経ったのか、さっぱりわからない。目を開けたのに部屋の電気が消されているらしく、真っ暗闇だった。
目が使えないからこそ、すぐにわかった。うなじにかかる吐息と、背中に伝わってくるぬくもり。僕を腕枕してくれる、逞しい二の腕の持ち主は――。
「兄貴っ?」
(どうして僕の部屋にいるんだ? だって、約束を守れなかったはずなのに)
「辰之、起きたのか?」
「起きたというか、少しだけ休憩するつもりで、横になっていたんだよ」
「どこが少しだけ休憩なんだ。俺が声をかけても起きなかったくせに」
僕の耳朶に兄貴の唇が優しく触れた。一瞬触れただけなのに、そこから全身に熱がいきわたる。
「辰之ごめんな。どうしても部活のことで、箱崎と話さなきゃならない内容だったから、おまえを追い出したんだ」
「バレー部のことなら仕方ないよ……」
「でもかなり怒っていたよな。怒っていたというか、嫉妬しまくってた感じ?」
「嫉妬するに決まってるだろ。理由もわからず追い出されたんだし」
兄貴に聞きたいことがあるのに、うまく言葉にできない。だって兄貴の空いた片手が、室内着の裾から忍んで、僕の肌にやんわりと触れるせいで、呼吸が簡単に乱れてしまう。
指先を使って脇腹から上へと、肌をゆっくりなぞられていく。
「ぁあっ……んっ」
布団を噛んで声を出さないようにしたら、兄貴が背後で小さく笑った。
「もうみんな寝てるから、少しくらいなら声を出しても大丈夫」
「少し…じゃなくて、たくさん出ちゃう」
僕としてはこの日を待ち望んでいた。兄貴に触れられたくて堪らなかったから。
(少しでも休憩を挟むと、ふたりの映像が頭にバーン・ドーン・ガーンっていう感じで流れるせいで、ぶっ続けで勉強しちゃった)
それでも途中で晩ご飯を食べて、さっさとシャワーを浴び、すぐに机に向かって集中した。そのおかげで、質のいい勉強ができたと思われる。
本当は、県内トップクラスの進学校に推薦で行けるくらいの学力を持っていたのを、兄貴と同じ学校に通うために、微調整を繰り返した結果が現在の学力である。当然手を抜いているわけだから、落ちることろまで落ちる。
「さすがに疲れちゃったな。少しだけ横になろう……」
躰を投げ出すようにベッドに横たわり、目を閉じた。頭を使いすぎているせいか、兄貴と箱崎の絡みは浮かばなかったものの、以前抱き潰されたことが思い出された。
兄貴からの荒々しいキスや躰をまさぐる手のほかに、挿入された硬くて大きなモノが、僕の躰に刺激を与える。
(あのときみたいに、兄貴に抱かれたい――)
そんなことを考えていると、閉じている瞼が開かなくなるくらいの重みを覚える。部屋の電気がつけっぱなしになっちゃうが、もういいやと諦めて微睡みの中に身を投じた。
どれくらいの時間が経ったのか、さっぱりわからない。目を開けたのに部屋の電気が消されているらしく、真っ暗闇だった。
目が使えないからこそ、すぐにわかった。うなじにかかる吐息と、背中に伝わってくるぬくもり。僕を腕枕してくれる、逞しい二の腕の持ち主は――。
「兄貴っ?」
(どうして僕の部屋にいるんだ? だって、約束を守れなかったはずなのに)
「辰之、起きたのか?」
「起きたというか、少しだけ休憩するつもりで、横になっていたんだよ」
「どこが少しだけ休憩なんだ。俺が声をかけても起きなかったくせに」
僕の耳朶に兄貴の唇が優しく触れた。一瞬触れただけなのに、そこから全身に熱がいきわたる。
「辰之ごめんな。どうしても部活のことで、箱崎と話さなきゃならない内容だったから、おまえを追い出したんだ」
「バレー部のことなら仕方ないよ……」
「でもかなり怒っていたよな。怒っていたというか、嫉妬しまくってた感じ?」
「嫉妬するに決まってるだろ。理由もわからず追い出されたんだし」
兄貴に聞きたいことがあるのに、うまく言葉にできない。だって兄貴の空いた片手が、室内着の裾から忍んで、僕の肌にやんわりと触れるせいで、呼吸が簡単に乱れてしまう。
指先を使って脇腹から上へと、肌をゆっくりなぞられていく。
「ぁあっ……んっ」
布団を噛んで声を出さないようにしたら、兄貴が背後で小さく笑った。
「もうみんな寝てるから、少しくらいなら声を出しても大丈夫」
「少し…じゃなくて、たくさん出ちゃう」
僕としてはこの日を待ち望んでいた。兄貴に触れられたくて堪らなかったから。
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