70 / 90
番外編
心に秘めた想い(宮本目線)2
しおりを挟む
「感じ足りなかったのか?」
(不機嫌な顔してるのに、動かしてる手元がエロすぎるっちゅーの!)
確実に気持ちいい部分を絶妙な握力を使って、やらしく擦るなんて――
「足りてたんですけどね……。ちょっといろいろ考えることがあって」
「へえぇ、考え事ねぇ。たとえば、俺様がお前を抱いてみたり?」
「は?」
思いもしなかったことを唐突に言われ、驚きながら江藤さんの顔を見つめたら、俺を見ている眼差しが異様にギラギラしていることに気がついた。まるで、取って食ってやるみたいな感じ。
こういう表情をするのを時折垣間見ていた。それでもいつもは俺が抱いていたから、その雰囲気に飲まれないように頑張っていたのだけれど――物足りなさを感じた江藤さんが、ついに俺を抱きたいと思ったのだろうか。
「分かりやすいな、お前。手の中のものがどんどん小さくなってるぞ」
いつもは見惚れてしまう、くっきりした二重瞼が意味深に細められるそれに、恐怖しか感じない!!
「ぇ、江藤さんは俺のことを抱きたいの?」
上擦っている声での問いかけを聞いた途端に、寝室中に響き渡るような大きな声でカラカラ笑う。
「そうだな。抱いてみたい、かも?」
「ええっ!?」
「しかしそれをしちまうと、お腹を下しかねん恐れがあるからやらない」
笑いを堪えながら告げられた言葉は俺をおちょくっているのか、はたまた本心からなのかが、さっぱり分からない。呆然と江藤さんを見上げたら、ふっと真顔になる。
「だが佑輝くんがそれを求めるなら、してやってもかまわない」
俺が江藤さんを求める――抱いてくれって求めらたら、どんな風に抱かれるんだろう? 考えるだけでも恐ろしい行為かも……間違いなくひーひー言わされそうだ。
「なーんてな!」
言うや否や俺の分身を握りしめている手に、じわじわと力を込めてきた。
「ふぎょっ! 痛い痛い痛いっ!!」
「お前には選択権なんて、最初っからないんだ。大人しく抱かれている俺様に感謝しやがれ、コラ」
全然っ大人しくないじゃないか。もっと感じさせろとか腰の使い方が甘いとか、文句ばっかり言ってくるくせに!
「感じ足りねぇなら、この身を使って感じさせてやる。覚悟しやがれ」
手荒に布団を捲りあげ、さっさと跨ってきた江藤さん。妖艶な笑みを浮かべる姿を見ただけで、胸の中に何とも言えない気持ちが沸き上がっていく。
俺様だけど見た目以上にナイーブで、すぐに乱暴なことをするくせにフォローも完璧にこなしてしまう、俺には勿体ないくらいの恋人。
「江藤さん、大好き……」
七三分けになっている長い前髪に手を伸ばして、美麗な顔をよく見えるようにしてみた。すると江藤さんも俺の頬に手を伸ばす。
「感じ足りなかったらすぐに言えよ。大好きなお前の感じるところを見るのが、俺様の快感に繋がるんだから。いつだってこの躰を提供してやる、好きにしろ」
「好きにする。んもぅ滅茶苦茶に抱いてやるから!」
伸ばしていた手で江藤さんの頭を引き寄せて、荒々しく口づけしてやった。そして江藤さんが満足するまで、自分の躰を快く提供してあげようと心に決めた。だって感じさせないと、あとから絶対に文句を言われたり殴られたりするしな。
恋人として全身全霊で、江藤正晴に尽くすことをここに誓います!
愛でたし愛でたし!
(不機嫌な顔してるのに、動かしてる手元がエロすぎるっちゅーの!)
確実に気持ちいい部分を絶妙な握力を使って、やらしく擦るなんて――
「足りてたんですけどね……。ちょっといろいろ考えることがあって」
「へえぇ、考え事ねぇ。たとえば、俺様がお前を抱いてみたり?」
「は?」
思いもしなかったことを唐突に言われ、驚きながら江藤さんの顔を見つめたら、俺を見ている眼差しが異様にギラギラしていることに気がついた。まるで、取って食ってやるみたいな感じ。
こういう表情をするのを時折垣間見ていた。それでもいつもは俺が抱いていたから、その雰囲気に飲まれないように頑張っていたのだけれど――物足りなさを感じた江藤さんが、ついに俺を抱きたいと思ったのだろうか。
「分かりやすいな、お前。手の中のものがどんどん小さくなってるぞ」
いつもは見惚れてしまう、くっきりした二重瞼が意味深に細められるそれに、恐怖しか感じない!!
「ぇ、江藤さんは俺のことを抱きたいの?」
上擦っている声での問いかけを聞いた途端に、寝室中に響き渡るような大きな声でカラカラ笑う。
「そうだな。抱いてみたい、かも?」
「ええっ!?」
「しかしそれをしちまうと、お腹を下しかねん恐れがあるからやらない」
笑いを堪えながら告げられた言葉は俺をおちょくっているのか、はたまた本心からなのかが、さっぱり分からない。呆然と江藤さんを見上げたら、ふっと真顔になる。
「だが佑輝くんがそれを求めるなら、してやってもかまわない」
俺が江藤さんを求める――抱いてくれって求めらたら、どんな風に抱かれるんだろう? 考えるだけでも恐ろしい行為かも……間違いなくひーひー言わされそうだ。
「なーんてな!」
言うや否や俺の分身を握りしめている手に、じわじわと力を込めてきた。
「ふぎょっ! 痛い痛い痛いっ!!」
「お前には選択権なんて、最初っからないんだ。大人しく抱かれている俺様に感謝しやがれ、コラ」
全然っ大人しくないじゃないか。もっと感じさせろとか腰の使い方が甘いとか、文句ばっかり言ってくるくせに!
「感じ足りねぇなら、この身を使って感じさせてやる。覚悟しやがれ」
手荒に布団を捲りあげ、さっさと跨ってきた江藤さん。妖艶な笑みを浮かべる姿を見ただけで、胸の中に何とも言えない気持ちが沸き上がっていく。
俺様だけど見た目以上にナイーブで、すぐに乱暴なことをするくせにフォローも完璧にこなしてしまう、俺には勿体ないくらいの恋人。
「江藤さん、大好き……」
七三分けになっている長い前髪に手を伸ばして、美麗な顔をよく見えるようにしてみた。すると江藤さんも俺の頬に手を伸ばす。
「感じ足りなかったらすぐに言えよ。大好きなお前の感じるところを見るのが、俺様の快感に繋がるんだから。いつだってこの躰を提供してやる、好きにしろ」
「好きにする。んもぅ滅茶苦茶に抱いてやるから!」
伸ばしていた手で江藤さんの頭を引き寄せて、荒々しく口づけしてやった。そして江藤さんが満足するまで、自分の躰を快く提供してあげようと心に決めた。だって感じさせないと、あとから絶対に文句を言われたり殴られたりするしな。
恋人として全身全霊で、江藤正晴に尽くすことをここに誓います!
愛でたし愛でたし!
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

僕の部下がかわいくて仕方ない
まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?
Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました
葉月めいこ
BL
紳士系ヤクザ×ツンデレ大学生の年の差ラブストーリー
最悪な展開からの運命的な出会い
年の瀬――あとひと月もすれば今年も終わる。
そんな時、新庄天希(しんじょうあまき)はなぜかヤクザの車に乗せられていた。
人生最悪の展開、と思ったけれど。
思いがけずに運命的な出会いをしました。
恋なし、風呂付き、2LDK
蒼衣梅
BL
星座占いワースト一位だった。
面接落ちたっぽい。
彼氏に二股をかけられてた。しかも相手は女。でき婚するんだって。
占い通りワーストワンな一日の終わり。
「恋人のフリをして欲しい」
と、イケメンに攫われた。痴話喧嘩の最中、トイレから颯爽と、さらわれた。
「女ったらしエリート男」と「フラれたばっかの捨てられネコ」が始める偽同棲生活のお話。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる