どういうことだよ!?

相沢蒼依

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番外編

心に秘めた想い(宮本目線)2

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「感じ足りなかったのか?」

(不機嫌な顔してるのに、動かしてる手元がエロすぎるっちゅーの!)

 確実に気持ちいい部分を絶妙な握力を使って、やらしく擦るなんて――

「足りてたんですけどね……。ちょっといろいろ考えることがあって」

「へえぇ、考え事ねぇ。たとえば、俺様がお前を抱いてみたり?」

「は?」

 思いもしなかったことを唐突に言われ、驚きながら江藤さんの顔を見つめたら、俺を見ている眼差しが異様にギラギラしていることに気がついた。まるで、取って食ってやるみたいな感じ。

 こういう表情をするのを時折垣間見ていた。それでもいつもは俺が抱いていたから、その雰囲気に飲まれないように頑張っていたのだけれど――物足りなさを感じた江藤さんが、ついに俺を抱きたいと思ったのだろうか。

「分かりやすいな、お前。手の中のものがどんどん小さくなってるぞ」

 いつもは見惚れてしまう、くっきりした二重瞼が意味深に細められるそれに、恐怖しか感じない!!

「ぇ、江藤さんは俺のことを抱きたいの?」

 上擦っている声での問いかけを聞いた途端に、寝室中に響き渡るような大きな声でカラカラ笑う。

「そうだな。抱いてみたい、かも?」

「ええっ!?」

「しかしそれをしちまうと、お腹を下しかねん恐れがあるからやらない」

 笑いを堪えながら告げられた言葉は俺をおちょくっているのか、はたまた本心からなのかが、さっぱり分からない。呆然と江藤さんを見上げたら、ふっと真顔になる。

「だが佑輝くんがそれを求めるなら、してやってもかまわない」

 俺が江藤さんを求める――抱いてくれって求めらたら、どんな風に抱かれるんだろう? 考えるだけでも恐ろしい行為かも……間違いなくひーひー言わされそうだ。

「なーんてな!」

 言うや否や俺の分身を握りしめている手に、じわじわと力を込めてきた。

「ふぎょっ! 痛い痛い痛いっ!!」

「お前には選択権なんて、最初っからないんだ。大人しく抱かれている俺様に感謝しやがれ、コラ」

 全然っ大人しくないじゃないか。もっと感じさせろとか腰の使い方が甘いとか、文句ばっかり言ってくるくせに!

「感じ足りねぇなら、この身を使って感じさせてやる。覚悟しやがれ」

 手荒に布団を捲りあげ、さっさと跨ってきた江藤さん。妖艶な笑みを浮かべる姿を見ただけで、胸の中に何とも言えない気持ちが沸き上がっていく。

 俺様だけど見た目以上にナイーブで、すぐに乱暴なことをするくせにフォローも完璧にこなしてしまう、俺には勿体ないくらいの恋人。

「江藤さん、大好き……」

 七三分けになっている長い前髪に手を伸ばして、美麗な顔をよく見えるようにしてみた。すると江藤さんも俺の頬に手を伸ばす。

「感じ足りなかったらすぐに言えよ。大好きなお前の感じるところを見るのが、俺様の快感に繋がるんだから。いつだってこの躰を提供してやる、好きにしろ」

「好きにする。んもぅ滅茶苦茶に抱いてやるから!」

 伸ばしていた手で江藤さんの頭を引き寄せて、荒々しく口づけしてやった。そして江藤さんが満足するまで、自分の躰を快く提供してあげようと心に決めた。だって感じさせないと、あとから絶対に文句を言われたり殴られたりするしな。

 恋人として全身全霊で、江藤正晴に尽くすことをここに誓います!

 愛でたし愛でたし!
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