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番外編
番外編:意外な一面(宮本目線)
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夢を見ていた――大好きな江藤さんにキスをしようとしたら、グーでかなぁり強くいなされた。それでも俺は負けじとその身体を抱き寄せたんだ。
鼻に香ってくる柑橘系の香水で恋人が傍にいる幸せを感じつつ、困った顔した江藤さんの表情も何気に可愛くて。パンチを受けた頬に痛みが残っていたけど、それすらも愛おしいと強く思ったっけ。
「おい、起きろ! 朝だぞ!!」
江藤さんの声と共にこめかみに痛みを感じて、パッと目が覚める。目の前には眉間にシワを寄せ、朝から不機嫌満載の美麗な顔があった。
こめかみの痛みは江藤さんが両手で、ぐりぐりしていたせいだったりする……
「おはようございます。ってあれ?」
足と頭の位置が逆になっていた。これはまた相当、暴れちゃったみたいだな。
「あれじゃねぇよ、まったく。どうしてお前は寝相が悪いんだ。一緒に寝てる俺様の身にもなってみろ」
「すんません……寝てるときの記憶が全然なくって。また何かやらかしましたか?」
後頭部を掻きながら起き上がると俺を見下ろしながら何かを言いたげな顔して、両腕を組む江藤さん。
「記憶がない、ねぇ。そりゃ幸せなこった」
思いっきり顔を引きつらせながら、吐き出すように告げられた言葉。かなり不機嫌な様子に、ビビリまくるしかない。
「で、でも夢はしっかり覚えてるんです! 江藤さんすっげぇ可愛くてその……」
「……俺様に可愛いとか、口走ってんじゃねぇよコラ!」
眉間にシワを寄せて怒っても赤ら顔なので、威力が半減された。だって可愛いもんは可愛いワケだし。
だから昨日の夜もついつい『可愛い』を連呼して怒られた。でもそれを言うといちいち動きが止まって、俺の好きにできることが分かったので、あえて使わせてもらったんだ。
『江藤さん、こっち向いて。可愛いから』
『う、うっせぇな。イヤだっ』
『可愛い顔を見せてくれなきゃ、ココをこうしちゃうけど……』
『ううっ……。やめ、おいっ……あぁあっ、待て、って』
昨夜のやり取りをぼんやりと思い出していたら右手を振りかぶり、勢いよく頭を叩いてきた。
ばこんっ!
「いてっ!」
「何、朝っぱらから卑猥なこと考えて、鼻の下びろーんと伸ばしてんだ、お前は。早く顔を洗ってメシ食えよ。そろって遅刻してしまうだろ」
身を翻し寝室を出て行く背中を見送っていたら、いきなり顔だけで振り向いた。
「……?」
「一応確認しておくが今の一撃が超気持ちいいと、激しく感じたりしてねぇよな?」
江藤さんの意外すぎる言葉に、首を傾げるしかない。一体、何だっていうんだ?
「普通に痛かったですけど。思いっきり叩きましたよね?」
「お前は手のかかる可愛い部下だからな、当然だろ」
(手のかかる可愛い部下、か――)
江藤さんの言葉に俯いて、内心ガックリしてしまった。
「表向きの話だよ、バカ。いちいち真に受けるな」
夢で見た、照れながら困惑している顔が現実に見られた。そんな江藤さんの表情が無性に嬉しくて微笑みながらじっと見つめると、目元をぽっと赤らめさせながら急ぎ足で寝室を出て行く。
「やっぱ可愛い――」
前は怒ってばかりで見られなかった意外な一面。朝から幸せな気持ちを抱えて、ベッドから勢いよく立ち上がったのだった。
つづく(・∀・)
鼻に香ってくる柑橘系の香水で恋人が傍にいる幸せを感じつつ、困った顔した江藤さんの表情も何気に可愛くて。パンチを受けた頬に痛みが残っていたけど、それすらも愛おしいと強く思ったっけ。
「おい、起きろ! 朝だぞ!!」
江藤さんの声と共にこめかみに痛みを感じて、パッと目が覚める。目の前には眉間にシワを寄せ、朝から不機嫌満載の美麗な顔があった。
こめかみの痛みは江藤さんが両手で、ぐりぐりしていたせいだったりする……
「おはようございます。ってあれ?」
足と頭の位置が逆になっていた。これはまた相当、暴れちゃったみたいだな。
「あれじゃねぇよ、まったく。どうしてお前は寝相が悪いんだ。一緒に寝てる俺様の身にもなってみろ」
「すんません……寝てるときの記憶が全然なくって。また何かやらかしましたか?」
後頭部を掻きながら起き上がると俺を見下ろしながら何かを言いたげな顔して、両腕を組む江藤さん。
「記憶がない、ねぇ。そりゃ幸せなこった」
思いっきり顔を引きつらせながら、吐き出すように告げられた言葉。かなり不機嫌な様子に、ビビリまくるしかない。
「で、でも夢はしっかり覚えてるんです! 江藤さんすっげぇ可愛くてその……」
「……俺様に可愛いとか、口走ってんじゃねぇよコラ!」
眉間にシワを寄せて怒っても赤ら顔なので、威力が半減された。だって可愛いもんは可愛いワケだし。
だから昨日の夜もついつい『可愛い』を連呼して怒られた。でもそれを言うといちいち動きが止まって、俺の好きにできることが分かったので、あえて使わせてもらったんだ。
『江藤さん、こっち向いて。可愛いから』
『う、うっせぇな。イヤだっ』
『可愛い顔を見せてくれなきゃ、ココをこうしちゃうけど……』
『ううっ……。やめ、おいっ……あぁあっ、待て、って』
昨夜のやり取りをぼんやりと思い出していたら右手を振りかぶり、勢いよく頭を叩いてきた。
ばこんっ!
「いてっ!」
「何、朝っぱらから卑猥なこと考えて、鼻の下びろーんと伸ばしてんだ、お前は。早く顔を洗ってメシ食えよ。そろって遅刻してしまうだろ」
身を翻し寝室を出て行く背中を見送っていたら、いきなり顔だけで振り向いた。
「……?」
「一応確認しておくが今の一撃が超気持ちいいと、激しく感じたりしてねぇよな?」
江藤さんの意外すぎる言葉に、首を傾げるしかない。一体、何だっていうんだ?
「普通に痛かったですけど。思いっきり叩きましたよね?」
「お前は手のかかる可愛い部下だからな、当然だろ」
(手のかかる可愛い部下、か――)
江藤さんの言葉に俯いて、内心ガックリしてしまった。
「表向きの話だよ、バカ。いちいち真に受けるな」
夢で見た、照れながら困惑している顔が現実に見られた。そんな江藤さんの表情が無性に嬉しくて微笑みながらじっと見つめると、目元をぽっと赤らめさせながら急ぎ足で寝室を出て行く。
「やっぱ可愛い――」
前は怒ってばかりで見られなかった意外な一面。朝から幸せな気持ちを抱えて、ベッドから勢いよく立ち上がったのだった。
つづく(・∀・)
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