23 / 90
どういうことだよ!? 第2幕
1
しおりを挟む
(せっかく――せっかく江藤さんに告白されて両想いになり、熱い夜をふたりきりで過ごしたというのに、次の日には忘れ去られてしまったすべての情事――)
『あっ……佑輝くんの、っ……挿いって、るぅっ。気持ちいいっ……もっと、あぁっ!』
両手で膝裏を持ち上げ、押し込むような形で無理やり挿入したのに、奥を突いてくれと言わんばかりに、両足が躰に絡みついてきた。
「江藤さん、痛くない? 大丈夫?」
『んんっ、らいじょう、ぶ。ぁあ~っ、そこ! もっと激しくぅ!!』
言いながら俺自身をこれでもかと中で締めあげ、両手はシーツをぎゅっと掴んで腰をしならせる。つらそうに息を切らしているけれど、まなざしが妙にギラついて見えた。
きっと快感を貪っているんだろう。欲望には素直に従う人だから。
そういう姿を目の前で見せられているからこそ、さらに快感を与えるべくここぞとばかりに必死になったのだが、もっとやれとせがんできて本当に困ってしまった。
「江藤さん、腰の動きを緩めて。くぅっ……。気持ち良すぎてすぐにイっちゃうから」
『む、無理に……んっ、決まってる、だろ。やっとひとつになれた、んだ。それを感じなくてどうする、よ?』
「感じさせたくても、こんな風に締められたら何もできないって」
俺自身を離さないと言わんばかりに包み込むだけじゃなく、時折ヒクつく動きは早くイケと促されてるみたいだ。
「俺様だって、おまえを感じさせたい。好きなヤツを……ぉ、追いつめて、とことんまで、あぁっ、感じさせてやりたいじゃないか。もっと感じやがれ!」
責めてるはずの自分が、なぜだか江藤さんによって責められてる気がするのは、どうしてなんだ!?
「はぁっ……佑輝くんの大きくなって、るから、気持ちいいとこに、ぐりぐりあた、るぅ」
我慢しているそばから、この人は――眉間にシワを寄せて、長いまつ毛をぴくぴくさせながら唇をほころばせるなんて。
あー、もう駄目。かわいすぎる。めちゃくちゃにしてやりたいのに、下半身の事情でそれができないなんて、情けないにも程がある――
「江藤さん、俺……俺は」
持っていた足を放り出し、しがみつくように躰をぎゅっと抱きしめた。鼻先に香ってくる匂いを思いっきり吸い込む。
『何やってんだよ、おまえ。鼻をそんなにくんくんさせて。俺様の匂いが、そんなにいいのか?』
「好きなんだ。江藤さんの匂いだけじゃなく全部が好き。愛おしくて堪らない」
感極まって告げた言葉に、躰の間に挟まっている江藤のナニがピクピクと反応した。
『……好きなヤツからそうやって想いを込めて好きって言われるの、結構クるもんだな。抱き合ってひとつになっているせいか、躰と一緒に心も満たされちまう』
「江藤さん、俺も同じです」
『そんな気持ちに応えてやりたい、丸ごと受け止めてやる。好きなだけ俺様のことを抱いてみろ!』
どこかくすぐったそうに告げてから、力いっぱいに抱きしめ返してきた大好きな先輩を、一晩かけて思う存分に抱きしめてしまった。
今まで反発し合っていた分ちょっとだけ、離れていた互いの距離が縮まったかも。
そう思ったのは、自分だけだったみたいだ――全部忘れちまうなんてこんなオチ、普通ならありえないだろ。どういうことだよ!?
『あっ……佑輝くんの、っ……挿いって、るぅっ。気持ちいいっ……もっと、あぁっ!』
両手で膝裏を持ち上げ、押し込むような形で無理やり挿入したのに、奥を突いてくれと言わんばかりに、両足が躰に絡みついてきた。
「江藤さん、痛くない? 大丈夫?」
『んんっ、らいじょう、ぶ。ぁあ~っ、そこ! もっと激しくぅ!!』
言いながら俺自身をこれでもかと中で締めあげ、両手はシーツをぎゅっと掴んで腰をしならせる。つらそうに息を切らしているけれど、まなざしが妙にギラついて見えた。
きっと快感を貪っているんだろう。欲望には素直に従う人だから。
そういう姿を目の前で見せられているからこそ、さらに快感を与えるべくここぞとばかりに必死になったのだが、もっとやれとせがんできて本当に困ってしまった。
「江藤さん、腰の動きを緩めて。くぅっ……。気持ち良すぎてすぐにイっちゃうから」
『む、無理に……んっ、決まってる、だろ。やっとひとつになれた、んだ。それを感じなくてどうする、よ?』
「感じさせたくても、こんな風に締められたら何もできないって」
俺自身を離さないと言わんばかりに包み込むだけじゃなく、時折ヒクつく動きは早くイケと促されてるみたいだ。
「俺様だって、おまえを感じさせたい。好きなヤツを……ぉ、追いつめて、とことんまで、あぁっ、感じさせてやりたいじゃないか。もっと感じやがれ!」
責めてるはずの自分が、なぜだか江藤さんによって責められてる気がするのは、どうしてなんだ!?
「はぁっ……佑輝くんの大きくなって、るから、気持ちいいとこに、ぐりぐりあた、るぅ」
我慢しているそばから、この人は――眉間にシワを寄せて、長いまつ毛をぴくぴくさせながら唇をほころばせるなんて。
あー、もう駄目。かわいすぎる。めちゃくちゃにしてやりたいのに、下半身の事情でそれができないなんて、情けないにも程がある――
「江藤さん、俺……俺は」
持っていた足を放り出し、しがみつくように躰をぎゅっと抱きしめた。鼻先に香ってくる匂いを思いっきり吸い込む。
『何やってんだよ、おまえ。鼻をそんなにくんくんさせて。俺様の匂いが、そんなにいいのか?』
「好きなんだ。江藤さんの匂いだけじゃなく全部が好き。愛おしくて堪らない」
感極まって告げた言葉に、躰の間に挟まっている江藤のナニがピクピクと反応した。
『……好きなヤツからそうやって想いを込めて好きって言われるの、結構クるもんだな。抱き合ってひとつになっているせいか、躰と一緒に心も満たされちまう』
「江藤さん、俺も同じです」
『そんな気持ちに応えてやりたい、丸ごと受け止めてやる。好きなだけ俺様のことを抱いてみろ!』
どこかくすぐったそうに告げてから、力いっぱいに抱きしめ返してきた大好きな先輩を、一晩かけて思う存分に抱きしめてしまった。
今まで反発し合っていた分ちょっとだけ、離れていた互いの距離が縮まったかも。
そう思ったのは、自分だけだったみたいだ――全部忘れちまうなんてこんなオチ、普通ならありえないだろ。どういうことだよ!?
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる