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レクチャーⅣ:そういうことだよ!?
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――マジでヤバい。
肩で息をしながら顔を真っ赤にして善がる江藤の姿を、鏡越しで見るだけで躰の芯がぶわっと熱くなる。
普段、鬼のような形相で叱り飛ばす姿からは想像できない、すげぇエロっエロな顔して甘えるような高い声をあげる大好きなこの人に、悲しいくらい骨抜きにされていると思う。
しかもこんな姿が見られるの、自分だけなんだよな。――誰にも渡さねぇ、俺だけの江藤さんだ。
躰に回した腕に力を入れて抱きしめ直し、耳元にそっとささやく。
「江藤さん、好き――」
「あぁっ、んんっ……も、ダメ……はぁっ……イッちまうっ!!」
全身を痙攣させて先にイッたのを確認してから、すぐに中で達した。何とも言えない気持ちよさに、言葉も出てこない。
全身を襲う虚脱感で、お互いその場にずるずると座り込む。まさに息も絶えだえ状態だ。
放心している宮本に江藤がすり寄って、耳元に顔を寄せてきた。
「あんなに腰を激しく振りながら俺様をたくさんかわいがってくれて、どうもありがとな。このお礼はキッチリ、次で返してやるよ。ベッドの中で!」
愛の告白でもしてくれるんだと思ったのに、何を言い出すんだろう?
「はい?」
しかも今まで聞いたことのない低い声色で告げられたせいで、ビビりながら横目で見るとニッコリ笑ってた。
額に青筋を何本も立てながら怒りに目を吊り上げ、唇が片側にひん曲がっている笑顔だった――
「さっきはおまえに、手の込んだサービスばかりさせたからな。次は俺様直々に、いろんなことを教えてやるよ。まずは躰を洗うところからスタート!」
「けけけ、結構ですぅ。自分のことは、自分でできちゃうみたいな?」
「バーロー、俺様の恩をあだで返すのか、コラ」
いつの間にか手を泡だらけにして、ずんずん迫ってくる。
この人の用意周到さは、いつものことだけど……怖い、超絶怖すぎる! あの泡を目の中に入れられたりしたら、悶絶すること間違いなしだ。
つぅか、絶対に狙ってるだろ! 狙い澄ました鋭いまなざしが、すべてを語ってる!!
「すんません、本当に結構なんでっ!」
「すんませんじゃねぇだろ、すみませんだっ。社会人なんだから、もう少し言葉遣いに――」
「そっそれじゃ江藤さんのバーローも、正しくはバカ野郎なんだから。そういうことだろ?」
じりじりと迫られる距離に、焦るしかない。前後左右を見渡しても、狭い風呂場で逃げることができるわけもなく――
しかも両想いなのに、どうして甘い雰囲気にならないんだ、どういうことだよ!?
「まったくおまえときたら、俺様に対して変なツッコミばかりしやがって。オラオラ覚悟しろ!!」
かくて浴室から、宮本の断末魔が響き渡ったのだった。
肩で息をしながら顔を真っ赤にして善がる江藤の姿を、鏡越しで見るだけで躰の芯がぶわっと熱くなる。
普段、鬼のような形相で叱り飛ばす姿からは想像できない、すげぇエロっエロな顔して甘えるような高い声をあげる大好きなこの人に、悲しいくらい骨抜きにされていると思う。
しかもこんな姿が見られるの、自分だけなんだよな。――誰にも渡さねぇ、俺だけの江藤さんだ。
躰に回した腕に力を入れて抱きしめ直し、耳元にそっとささやく。
「江藤さん、好き――」
「あぁっ、んんっ……も、ダメ……はぁっ……イッちまうっ!!」
全身を痙攣させて先にイッたのを確認してから、すぐに中で達した。何とも言えない気持ちよさに、言葉も出てこない。
全身を襲う虚脱感で、お互いその場にずるずると座り込む。まさに息も絶えだえ状態だ。
放心している宮本に江藤がすり寄って、耳元に顔を寄せてきた。
「あんなに腰を激しく振りながら俺様をたくさんかわいがってくれて、どうもありがとな。このお礼はキッチリ、次で返してやるよ。ベッドの中で!」
愛の告白でもしてくれるんだと思ったのに、何を言い出すんだろう?
「はい?」
しかも今まで聞いたことのない低い声色で告げられたせいで、ビビりながら横目で見るとニッコリ笑ってた。
額に青筋を何本も立てながら怒りに目を吊り上げ、唇が片側にひん曲がっている笑顔だった――
「さっきはおまえに、手の込んだサービスばかりさせたからな。次は俺様直々に、いろんなことを教えてやるよ。まずは躰を洗うところからスタート!」
「けけけ、結構ですぅ。自分のことは、自分でできちゃうみたいな?」
「バーロー、俺様の恩をあだで返すのか、コラ」
いつの間にか手を泡だらけにして、ずんずん迫ってくる。
この人の用意周到さは、いつものことだけど……怖い、超絶怖すぎる! あの泡を目の中に入れられたりしたら、悶絶すること間違いなしだ。
つぅか、絶対に狙ってるだろ! 狙い澄ました鋭いまなざしが、すべてを語ってる!!
「すんません、本当に結構なんでっ!」
「すんませんじゃねぇだろ、すみませんだっ。社会人なんだから、もう少し言葉遣いに――」
「そっそれじゃ江藤さんのバーローも、正しくはバカ野郎なんだから。そういうことだろ?」
じりじりと迫られる距離に、焦るしかない。前後左右を見渡しても、狭い風呂場で逃げることができるわけもなく――
しかも両想いなのに、どうして甘い雰囲気にならないんだ、どういうことだよ!?
「まったくおまえときたら、俺様に対して変なツッコミばかりしやがって。オラオラ覚悟しろ!!」
かくて浴室から、宮本の断末魔が響き渡ったのだった。
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