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番外編 運命の人
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♡♡♡
目を閉じて待っていると、扉の開閉する音を耳が捉えた。
「失礼いたします、ただいま戻りました」
きっと顔を向けないほうが喋りやすいと気を遣い、ベッドに横たわったまま、カールにいっさい目を合わせず、天井を見て口を開く。
「おかえり。それでは早速カールの過去の気持ちについて、詳しく語ってもらおうか」
「ううっ、はい。なんでも聞いてください……」
声色から、未だに吐露したくない感じが滲み出ているのを知る。
(本来は俺が虐められる役なのに、ずっとカールのことを虐めているような――)
「カール様はこれから、古城の主のなる身なんですよ。もっとしゃんとしてください」
いつも俺に小言を告げる、カールの口調を真似てやった。
「そうですね、しっかりしなければなりません」
天井からカールに視線を移す。しょんぼりした面持ちで肩を落としてる様子を、早急になんとかしなければと考えた。
「カール、とりあえず命令その1、鍵をかけてこい」
「はい、かしこまりました」
いつもなら反論する場面だったが、今回のやらかしのおかげで、俺の命令を素直に受け入れたらしい。すぐに踵を返し、鍵をかけてベッドの傍らに戻ってくる。
「命令その2、この中に入れ」
大きく布団を捲りあげ、中に入るように促した。途端に目の前で顔を曇らせる。
「そんな――」
「安心しろ。変なことはしない。ただ抱きしめるだけ」
口ではそう言ったが、簡単に流されるカールを知ってしまったゆえの密着作戦。両片想いから正式に恋人になったんだから、これくらいしてもいいと思うんだ。
「わかりました。失礼いたします」
丁寧に靴を脱ぎ、腰を屈めて布団の中に入り込んだ躰を、後ろから抱きしめた。首元に顔を寄せ、チュッとキスを落とす。
「ンンっ」
カールの香りを感じただけで、下半身がさらに硬くなってしまう。
「あの……アンドレア様のモノが大きいままでいらっしゃるのは、おつらくないのですか?」
「つらくないと言ったら嘘になるが」
「私の口で――」
俺に振り返りながら物欲しそうな瞳で見つめられたせいで、理性がグラつきそうになり、慌てて目を閉じる。
「おまえの口は、今そんなことに使わない。過去のことを言うように。誤魔化されないんだからな!」
カールが俺の躰におこなって、気持ちよかったことを率先してやろうとしたのを無にすべく、苦言を呈してやる。
「まったく。強情な方ですね」
「どっちがだよ!」
笑いながらカールの下半身に大きいのを押しつけ、激しくグラインドしてやった。
「わっ! 待ってくださいっ」
「これも意外と気持ちいいな。カールの尻が思ったより筋肉質で、反発するせいか」
「そんなことをされたら、またっ!」
「ひとりでイっちゃうのか? それは寂しいな」
どこも感じやすいカールにとって、ちょっとした刺激すらも快感に繋がってしまうのだろう。
目を閉じて待っていると、扉の開閉する音を耳が捉えた。
「失礼いたします、ただいま戻りました」
きっと顔を向けないほうが喋りやすいと気を遣い、ベッドに横たわったまま、カールにいっさい目を合わせず、天井を見て口を開く。
「おかえり。それでは早速カールの過去の気持ちについて、詳しく語ってもらおうか」
「ううっ、はい。なんでも聞いてください……」
声色から、未だに吐露したくない感じが滲み出ているのを知る。
(本来は俺が虐められる役なのに、ずっとカールのことを虐めているような――)
「カール様はこれから、古城の主のなる身なんですよ。もっとしゃんとしてください」
いつも俺に小言を告げる、カールの口調を真似てやった。
「そうですね、しっかりしなければなりません」
天井からカールに視線を移す。しょんぼりした面持ちで肩を落としてる様子を、早急になんとかしなければと考えた。
「カール、とりあえず命令その1、鍵をかけてこい」
「はい、かしこまりました」
いつもなら反論する場面だったが、今回のやらかしのおかげで、俺の命令を素直に受け入れたらしい。すぐに踵を返し、鍵をかけてベッドの傍らに戻ってくる。
「命令その2、この中に入れ」
大きく布団を捲りあげ、中に入るように促した。途端に目の前で顔を曇らせる。
「そんな――」
「安心しろ。変なことはしない。ただ抱きしめるだけ」
口ではそう言ったが、簡単に流されるカールを知ってしまったゆえの密着作戦。両片想いから正式に恋人になったんだから、これくらいしてもいいと思うんだ。
「わかりました。失礼いたします」
丁寧に靴を脱ぎ、腰を屈めて布団の中に入り込んだ躰を、後ろから抱きしめた。首元に顔を寄せ、チュッとキスを落とす。
「ンンっ」
カールの香りを感じただけで、下半身がさらに硬くなってしまう。
「あの……アンドレア様のモノが大きいままでいらっしゃるのは、おつらくないのですか?」
「つらくないと言ったら嘘になるが」
「私の口で――」
俺に振り返りながら物欲しそうな瞳で見つめられたせいで、理性がグラつきそうになり、慌てて目を閉じる。
「おまえの口は、今そんなことに使わない。過去のことを言うように。誤魔化されないんだからな!」
カールが俺の躰におこなって、気持ちよかったことを率先してやろうとしたのを無にすべく、苦言を呈してやる。
「まったく。強情な方ですね」
「どっちがだよ!」
笑いながらカールの下半身に大きいのを押しつけ、激しくグラインドしてやった。
「わっ! 待ってくださいっ」
「これも意外と気持ちいいな。カールの尻が思ったより筋肉質で、反発するせいか」
「そんなことをされたら、またっ!」
「ひとりでイっちゃうのか? それは寂しいな」
どこも感じやすいカールにとって、ちょっとした刺激すらも快感に繋がってしまうのだろう。
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