38 / 74
派遣オンザロック
しおりを挟む
今回の仕事はこれまでの仕事と比べて比較的楽と言えよう。とはいえ、多少運動しているからだろうか、 まだ寒い二月の半ばに、額汗なんていうものがにじみ出ている。トラックから荷物を下ろして台車で運んでいくというだけの作業。これで時給八百円、七時間で 五千六百円。生活の足しにはなる。僕は元々体が弱くて体を動かすような仕事はあまり好きではないのだが、このご時世に高卒という最終学歴を持つと、肉体労 働以外の仕事が廻ってこないのだ。それに加え今日仕事があったとして明日があるとは保証できない。僕は長期の仕事を一年も経たない内に辞め、生活に苦しく なってきたので日雇い派遣で働き、そして余裕ができてきだしたら長期の仕事に入るというのを長年暮らしてきているので、基本的にお金が無いのだ。十年来の 友人たちにも金の無心に走るほど金がない。あの時こうしておけばよかった、仕事辞めなければよかった、という後悔はその時だけで、一時間もすれば忘れてし まい、仕事を辞めた開放感に浸っている状況だった。
店内にいる人に呼ばれたので中へ行くと、もうほとんど出来上がっている状態の電気屋が見渡す ことができた。ダンボールに固いプラスティックの輪っかを商品にかけていく仕事をしてくれと言われた。僕と一緒にやるのは、若くて巨乳の女性だ。それを素 早く終わらせ、ここからは待機時間となった。
「何歳ですか?」
最初何のことだかわからなかった。僕は自慢するつもりはないけれど、これ までかつて知らない女の人に年齢を着買えるようなことはほとんどなかっただろう。僕は突然の状況に鼻水を飛ばしそうになりながら、ようやく「二十四歳で す」とだけ言い放った。そこで僕はひとつの間違いを犯している。聞かれた質問は聞き返す。これが基本的。あとはこの状況のまま女性の指先から頭の先までば れないように見回る。若い。
「十九ぐらいかな?」
「またまたぁ~。二十二ですよ」
「そうなんだ、若くみえるよ」
などと他愛もない話をしていると、上司がやってきたのでそれはお開きとなった。
そんな他愛もない話をしていただけでは終わらされたくない。これは男であれば誰でも思うであろう、つまり言うところのSEXなわけだが、あの娘をいくら探 してもいない。裏の喫煙所で探しがてら一服しようかと思っていたら、そこにいた若い男と僕の時とは全く違う満面の笑みでもって、まぁ、どうせ、所詮、男は 顔と金なんですよね。
休憩時間が終わり、中へ入ってみると、二人で何か作業をするということになった。これはあの娘と一緒にせねばならぬとじっ と気を伺っていたのだが、女がふよふよと僕の隣に立ち、「一緒にやろうよ」と言ってくれたことには絶賛のほかない。地べたに這いつくばって、私のような鼻 汁男が、となりたいところであるが、今回は女性の方からアクションがあったため、僕には断る理由も無いので「あーはい、全然大丈夫ですよー」と言い、黙々 と作業に入る。素面では女の人としゃべるのがほぼ不可能に近い僕と一緒になってもどうせ沈黙になってしまうというのに。ここから大丈夫なのか?
案外大丈夫だった。女性がこの派遣だめだからこっちのほうがいいよ、一緒に行こう」と誘ってきたり、膝枕をさせろなどという言葉まで出てきて、女性の強気 というものはこんなにも強いものなのかと再確認させられた。店の奥の億の棚の影に隠れてキスをした。戻った後僕たちは腹痛のため早退という運びになったの は、言うまでもない。
店内にいる人に呼ばれたので中へ行くと、もうほとんど出来上がっている状態の電気屋が見渡す ことができた。ダンボールに固いプラスティックの輪っかを商品にかけていく仕事をしてくれと言われた。僕と一緒にやるのは、若くて巨乳の女性だ。それを素 早く終わらせ、ここからは待機時間となった。
「何歳ですか?」
最初何のことだかわからなかった。僕は自慢するつもりはないけれど、これ までかつて知らない女の人に年齢を着買えるようなことはほとんどなかっただろう。僕は突然の状況に鼻水を飛ばしそうになりながら、ようやく「二十四歳で す」とだけ言い放った。そこで僕はひとつの間違いを犯している。聞かれた質問は聞き返す。これが基本的。あとはこの状況のまま女性の指先から頭の先までば れないように見回る。若い。
「十九ぐらいかな?」
「またまたぁ~。二十二ですよ」
「そうなんだ、若くみえるよ」
などと他愛もない話をしていると、上司がやってきたのでそれはお開きとなった。
そんな他愛もない話をしていただけでは終わらされたくない。これは男であれば誰でも思うであろう、つまり言うところのSEXなわけだが、あの娘をいくら探 してもいない。裏の喫煙所で探しがてら一服しようかと思っていたら、そこにいた若い男と僕の時とは全く違う満面の笑みでもって、まぁ、どうせ、所詮、男は 顔と金なんですよね。
休憩時間が終わり、中へ入ってみると、二人で何か作業をするということになった。これはあの娘と一緒にせねばならぬとじっ と気を伺っていたのだが、女がふよふよと僕の隣に立ち、「一緒にやろうよ」と言ってくれたことには絶賛のほかない。地べたに這いつくばって、私のような鼻 汁男が、となりたいところであるが、今回は女性の方からアクションがあったため、僕には断る理由も無いので「あーはい、全然大丈夫ですよー」と言い、黙々 と作業に入る。素面では女の人としゃべるのがほぼ不可能に近い僕と一緒になってもどうせ沈黙になってしまうというのに。ここから大丈夫なのか?
案外大丈夫だった。女性がこの派遣だめだからこっちのほうがいいよ、一緒に行こう」と誘ってきたり、膝枕をさせろなどという言葉まで出てきて、女性の強気 というものはこんなにも強いものなのかと再確認させられた。店の奥の億の棚の影に隠れてキスをした。戻った後僕たちは腹痛のため早退という運びになったの は、言うまでもない。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
渡辺透クロニクル
れつだん先生
現代文学
カクヨムという投稿サイトで連載していたものです。
差別表現を理由に公開停止処分になったためアルファポリスに引っ越ししてきました。
統合失調症で生活保護の就労継続支援B型事業所に通っている男の話です。
一話完結となっています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる