レツダンセンセイ・グレーテストヒッツ

れつだん先生

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プラッチック爆弾が火を噴いて

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 明日の次の日は昨日である、なんていうあたりまえのことを頭に浮かばせながら、僕は世界の果てへ向けて車を走らせている。目に見えるものがそこに存在するだなんていう前提で生きていることほど恥ずかしいものは無いし、現実問題として僕が今車を運転しているということも、それを証明することは誰にも出来ない。当然、僕にも出来ない。例えばの話をしようか。例えば、目の前にボールペンがあるとしよう。それに触れてみる。そして、紙切れに落書きをしてみる。誰が見ても、これはボールペンなのだ。しかしそれが色鉛筆でないと誰が証明できるだろうか。脳に支配され、ボールペンがそこに存在していると思い込まされているだけじゃないのか。

「なかなか面白い意見だね」
 背中合わせに座った僕と君との間に小さな溝が見える。見えている物が真実でないのなら、みえないものこそが真実ではないのか。感情を具現化するんだ!

 フライパンで自分の頭を思い切り殴りつけてみる。痛みと衝撃が頭に広がり、一瞬視界が真っ暗になる。しかしこれはフライパンではない。フライパンであると 思い込まされているだけなのだ。これはこんにゃくである。そう思い込むことによって、頭から痛みが消えた。とある女性に振られた。しかし振られたのだと思 い込まされているだけなのだ。付き合っているのだ。そう思い込むことによって、その女性とひとつになることができた。

 太陽の下には生き物がいた。夏の暑い日にカキ氷を食べたあの人は僕に何度か会釈をし、そのまま濁流の中に飛び込んでしまい、やがて、死んでいくことになるのだが、僕はその姿を脳裏に焼き付け、家に帰りベッドの中で自慰をした。やれやれ。
「活動拠点はこの家にしよう」と吉田パラボラアンテナ俊夫が言った。俊夫が言ったのであればそれに従わなければ鳴らない。孤独と情熱は紙一重なのである!

 勝手に死んでいった者たちに黙祷をささげ、僕はまた車に乗り込む。そして世界の果てへ向けて車を走らせる。いつか死ぬかもしれないが、それは死んだと思い込まされているだけなのだ。僕は死んではいない。そう思い込むことによって、この世界で自由に活動することができる。
  通りすがりの男を車で轢いた。そして男は死んだ。しかしそれはこの男がぶつかった物を車だと思い込んでしまったことにより死んだだけで、僕はこれは車だと 思っていない。だからこの男が死んだなんていうこともありえない。それなのに僕は警察につかまり、刑務所に入った。しかし刑務所だと思い込むから悲しむの であって、ここが豪華なホテルの一室だと思い込めば、この暮らしはとても楽しく思えるのである。
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