30 / 30
退院
第29話 左足を取り戻した日 2021年8月25日
しおりを挟む
朝、バスに乗って大学病院へ。思ったよりも時間がかかり予約時間ちょうどに到着。一歩歩くたびに痛みが走る。
整形外科で1時間ほど読書をして待つ。診察室ではなく処置室に呼ばれベッドに横になるよう言われる。サブ医と研修医に囲まれて例のギプスカッターでギプスを真っ二つに。
サブ医がギプスを持って別室へ行ったので傷口をスマホで撮影する。傷口は赤黒いが血もなく思ったよりも綺麗で、触ってみるが感覚は薄い。
戻ってきて真っ二つになったギプスをまた足に取り付けて包帯を巻いて止める。その後レントゲン、終わると診察に。担当医がギプスを外し触診。押すと痛い。床につけて立つと痛い。足を傾けると痛い。足首が固い。そして右足よりも細い。
今日から傷口を石鹸で洗うよう言われる。売店でサポーターを買い、風呂と寝る以外は常に装着し、長距離を歩いたり足首を捻ったりつま先立ちはNGとのこと。長距離ってどれぐらいかと訊くと「まあ、2キロぐらいですかね」
「ボルトで止めた部分はちゃんとくっついてますが、ギプスをつけている間にすぐ下の小さな骨が欠けてどっか行っちゃったようです。まったく問題ないんで大丈夫ですよ。傷も綺麗ですし塞がってますし、あとは骨が癒着するのを待つだけですね。痛みも2、3ヶ月で収まると思いますよ」
不安が顔に出ていたのだろうか、いつになく饒舌な担当医だった。記念にレントゲン写真をプリントアウトしてもらい、売店でサポーターを買って帰る。1320円。次の診察は3週間後。
長距離を歩くなと言われたが、大学病院を行ったり来たりでかなり歩いてしまい足が痛くなる。
恐る恐るシャワーを当ててみたがまったく痛くない。ボディソープで患部を洗ってみたが同じくまったく痛くない。傷口周りに爪を立てると垢がぼろぼろと落ちる。左足に体重をかけるのが怖くて浴槽に腰掛けて全身を洗う。疲れてしまった。
寝る前にトレーナーに言われたふくらはぎのマッサージをする。使わず固定していたせいか硬くなっている。これから慣らしていく必要があるだろう。
完全に痛みがなくなるのはいつになるのか。右足の有痛性外脛骨はどうするのか。先行きは誰にもわからない。ただ歩き続けるしかない。明るい未来を求めて。
整形外科で1時間ほど読書をして待つ。診察室ではなく処置室に呼ばれベッドに横になるよう言われる。サブ医と研修医に囲まれて例のギプスカッターでギプスを真っ二つに。
サブ医がギプスを持って別室へ行ったので傷口をスマホで撮影する。傷口は赤黒いが血もなく思ったよりも綺麗で、触ってみるが感覚は薄い。
戻ってきて真っ二つになったギプスをまた足に取り付けて包帯を巻いて止める。その後レントゲン、終わると診察に。担当医がギプスを外し触診。押すと痛い。床につけて立つと痛い。足を傾けると痛い。足首が固い。そして右足よりも細い。
今日から傷口を石鹸で洗うよう言われる。売店でサポーターを買い、風呂と寝る以外は常に装着し、長距離を歩いたり足首を捻ったりつま先立ちはNGとのこと。長距離ってどれぐらいかと訊くと「まあ、2キロぐらいですかね」
「ボルトで止めた部分はちゃんとくっついてますが、ギプスをつけている間にすぐ下の小さな骨が欠けてどっか行っちゃったようです。まったく問題ないんで大丈夫ですよ。傷も綺麗ですし塞がってますし、あとは骨が癒着するのを待つだけですね。痛みも2、3ヶ月で収まると思いますよ」
不安が顔に出ていたのだろうか、いつになく饒舌な担当医だった。記念にレントゲン写真をプリントアウトしてもらい、売店でサポーターを買って帰る。1320円。次の診察は3週間後。
長距離を歩くなと言われたが、大学病院を行ったり来たりでかなり歩いてしまい足が痛くなる。
恐る恐るシャワーを当ててみたがまったく痛くない。ボディソープで患部を洗ってみたが同じくまったく痛くない。傷口周りに爪を立てると垢がぼろぼろと落ちる。左足に体重をかけるのが怖くて浴槽に腰掛けて全身を洗う。疲れてしまった。
寝る前にトレーナーに言われたふくらはぎのマッサージをする。使わず固定していたせいか硬くなっている。これから慣らしていく必要があるだろう。
完全に痛みがなくなるのはいつになるのか。右足の有痛性外脛骨はどうするのか。先行きは誰にもわからない。ただ歩き続けるしかない。明るい未来を求めて。
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

渡辺透クロニクル
れつだん先生
現代文学
カクヨムという投稿サイトで連載していたものです。
差別表現を理由に公開停止処分になったためアルファポリスに引っ越ししてきました。
統合失調症で生活保護の就労継続支援B型事業所に通っている男の話です。
一話完結となっています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
リアル男子高校生の日常
しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。
ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。
2024年7月現在、軽いうつ状態です。
2024年4月8日からスタートします!
2027年3月31日完結予定です!
たまに、話の最後に写真を載せます。
挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる