死神に呪われし少女

詩音

文字の大きさ
14 / 15
夏休み

海に行くための説得

しおりを挟む
 私は六花と大和君を呼んだ。理由は海に一緒に行こうという提案をするため。二人ならすぐに納得してくれる思ったんだけど、
「え、やだ」
 あっけなく六花に拒否された。
「いいじゃん。ほら去年だって」
「翔はどう思うの?」
「奈々がいいなら行ってもいいかな」
 翔はなんとか了承してくれているみたい。だけど、説得するのは私一人でやれてといわれた。
「大和は?」
「どっちでもいい。行くなら付き合うし。だが、行く理由がわからない。たしかに去年行けなかったからという理由は奈々らしいがリスクのほうが多い。奈々ならそのリスクを考えてまだ行こうとしないはず」
 大和君にごもっとうのこといわれた。だけど、今年行かないと。翔がいなくなる前に。
「リスクとかさ考えたらあぶないけど、去年みんなに迷惑かけてるし」
「そうなんだ。なら私は行かない。みんなが行きたいなら勝手にどうぞ」
 そんななんで六花こんなに乗り気じゃないの?
「六花も」
「もう帰っていい?」
「六花!!」
 早く説得しないと六花を乗り気にする方法。なにかないかな。
「翔」
「六花が乗り気でないなら。行かないことにするか」
 翔も奈々に賛同している。なんで昨日まであんなに乗り気でいてくれたのに水着も買って。
「わりーな奈々。二人が行かないなら俺もパスだ」
 大和君まで。
「私はもう帰るね。奈々。なんで私が断ったかちゃんと考えて。それに気づけなかったら私は海にはいかない」
 奈々が断った理由。それを見つけないと。せっかく翔がもそろってあの日海の約束したメンバーがそろった。それだけで行ってくれてもいいのに。
(変わってやってもいいよ)
 まずい。気持ちを強く持たないと。このままでは去年みたにまた六花にひどいことをいいそう。
「わかった、かん、が、える」
「じゃーね」
 六花はいなくなった。なんとか抑えることができた。
(っち。)
「翔と大和君もどこか行ってくれる?少し一人で考えたい」
「わかった。だけど、なにかあったら呼べよ」
「うん」
 二人もいなくなってもらった。これであいつに人格が入れ替わったとしても被害の出る人はいない。
 まずは私が何か悪いことをしたのか考えてみよう。六花はまだ、去年の病院であったことを根に持っている。もしそうなら遊びにすらいってくれなそう。ならいったい六花は何に怒っているんだろう。去年ほかに何かあったかな。
そもそも六花は海が好きでない。でももしそうなるなら六花は去年の時点で行かないって言ってるはず。翔が来た時嬉しそうだったし翔が原因でもなさそうだな。やっぱり私のせいか。わからない。だけど、早く考えないと。翔のためにも。
 でもその答えがまったくわからない。だから六花に電話かけた。
「なに」
 まだ怒ってる様子だ。
「考えたんだけどやっぱりわからない。私が悪いのは分かるけどなんでか教えてほしい」
「本当にわからないの?」
「わからない」
「なら私を説得するのはあきらめて」
「なんで!!」
 ついかっとなってしまった。
「奈々さ。なんで海に行きたいの?」
 またこの質問だ。多分これの答え方が悪かったんだ。
「だってさ。去年」
「ほんとに気づいてないんだ」
 去年その一言でもう間違っている。
「な、何がいけないの!!私のせいで、みんなの楽しみをぶち壊した。だったらどんなに無理をしたとしてもそれをかなえるのが友達でしょ!!だから私は」
「このままじゃ多分奈々はずっと気づかない。だから教えてあげたほうがいいのかもしれない。だけど、それじゃダメなんだよ。ちゃんと考えてみて」
「だったらもういいよ!!六花のことは誘わない!!」
 そのまま電話を切ってしまった。バカだ。やっぱり無理だったんだ。翔がきて、元に戻ると思った。でも、もうあの日の関係にはできないんだ。
(あーあー。せっかくの友達が)
 やっぱり友達なんていない。私も信じれない。信じれるのは家族だけ。私はみんなの関係を壊してしまう。翔がいる。それだけで、外に出る勇気がでた。でも、もう無理なんだ。

 私はテーブルの上に一枚紙を置いた。そこに書いたのは

 私はやっぱり無理だった。だからまた部屋にこもる。でも、前みたいに部屋に入るなとは言わない。翔とお母さんお父さんは自由に入ってきていいよ。入ってきていいからそっとしておいて。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

処理中です...