死神に呪われし少女

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偽りの少女

鏡の世界の私

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 四人での買い物を終えて家に帰ってきた。腕の傷は少し増えたけどあまり影響はない。そこまで大きなけがってわけでもなくてよかった。
「お帰り」
「ただいまお母さん」
 久しぶりの外であり少し楽しかった。死神もいない今がとても楽しい。これが本当の日常なんだな。
「久しぶりにあなたの嬉しそうな顔見れた」
 お母さんも何か嬉しそうでよかった。久しぶり。無理しての出ない笑顔をしたのはいつ頃だろう。
「な。俺がいればこいつは外に出るんだって」
 でもやっぱり二人は私を許していつも通り接してくれたのに私は翔以外には少し抵抗があった。また何かあったらと考えすぎてしまう。また六花のあの日のような顔を見るのがつらい。
(そうやって自分を殺してきたのに元に戻るのはあっという間なんだ)
 またあの声が聞こえてきた。一体誰なの?
(私はあなたが、生んだ幻想。本来の自分を殺すたびに生まれた負の感情の塊とでもいえばいいのかな?つまり、私は死神作られたのではなく、あなたがあなた自身を殺すたびに成長してきた存在。君の兄のおかげでやっとまともに君に声をかけることができる)
 私が作った存在。負の感情を力に変えている悪魔。なんでそんなものが、じゃー私が抑えようとすればするほどこれは強くなっていく。そして翔が現れたことで完成した。
 声に出さなくても思うだけで通じる。私は心の声で問いかけてみた。あの夢はなんなのだと。
(負の感情の私が成長するたびに本来のあなたが望む世界ができている。それが夢とつながることで、あなたは目覚めたくないと思うほどの理想の世界になる。まだ元の世界からの声掛けで帰ってこれる空間にしかなってないけど)
 あの夢すらも私が作り出した。つまり、死神とはほとんど関係ない。
「大丈夫か?」
 ずっと黙り込んでいた私に翔は声をかけてきた。
「ごめんやっぱり疲れてるみたいだから少し昼寝してるね」
 遊んだことより頭の中のもう一人の自分と会話していることで疲れていた。

 部屋に入りベットもぐった。
「あの世界が欲しいなら変わってあげようか?」
 今までと違いしっかり耳から声が聞こえた。動画とかで聞こえる私の声だ。
「どこにいるの?」
 疲れてるから幻聴が聞こえてるとか思わない。どこかにいる。死神がいなくなって自由に動けるのだろう。
「鏡」
 そう聞こえ着替えるときに見るようの鏡を見た。すると私とは全く違う動きをする鏡の私が移っていた。
「変わりたいでしょ?だったら鏡に触れて」
 鏡の私は鏡に沿えるように手を置いた。
「翔がいなくなるまで待って」
 翔がいようがいなかろうがこの世界には興味がない。でも、私は殺してしまった翔を笑顔で送りたい。しっかり償いたかった。
「だーめ。死神が来たら私も制限される。やるなら今だよ」
「やだ!!」
「いいからよこせっつてんだろ!!」
 急に態度が変わった。今までの冷静さはなく鏡をたたき出した。
「お前の体は私のもんだ!!」
 これが鏡の私の本心。私が生んだ負の感情の塊。
「何?」
 鏡から手が出てきた。その手は伸び続けて私の手をつかむ。
「お前が嫌でも引きずり込んでやる」
 力が強すぎる。手を触れてから抵抗もできない。ただ引っ張られるだけだ。
「鏡を割らないと」
「割れるわけないだろ。お前はもう自分の体を制御できない」
 全く動かせない。手の感覚すらもなくなってきた。
「いや。」
「その涙目六花の時見たい。すっごくかわいいよ」
 誰か助けて。
 !!口が動かない。
「声もうばわれたね」
 もう抵抗する余地がもうない。お兄ちゃんごめん私。

「なーに下僕が勝手に行動している」
 この声は死神だ!!
「っち。きやがったか。」
 鏡の私は手を放し鏡に入った。それと同時に力は戻り鏡は私を映していた。
「あれは何なの?」
「あいつの言った通りお前の負の塊。我の前では勝手が許されていない分我がいないときに行動してくる。我がいないときは気をつけるんだな」
「わかった」
 私の負の感情から作られた悪魔。私が負の感情を出すとさらに強力なる。それに飲まれないようにしないと。
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