ガチャで運命を変える

プロローグ

「プップー、キキー！」
大きな音がしてハッと振り返ったら目の前にトラックがあった。
逃げようとしたがもう間に合わない！
すべてがスローモーションに見える中、
私は静かに死を迎えた。
人生を後悔しながらーーーーー。


数日前に戻る。
私は社会的にみると成功者だ。
貧しい家庭出身にも関わらず大企業の社長に上り詰め、そして地位と権力、名声と、金を手に入れた。
しかし、それと同時に多くのものを失った。
友情、家族、恋人、健康、幸せーーーー。
確かに世間から見れば成功者なのかもしれないが、そのために多くのものを切り捨て競争し、他人を蹴落としてきた。
そうして手に入ったのは余命半年の不健康な体と金、そして財産を狙うハゲタカどもだ。
「むなしい。なんでこうなったんだろう」
「はあーー。」
大きなため息が出た。

そうして病院に向かう途中、私はトラックに轢かれて死んだ。



そうして気がついたら真っ白な空間にいた。そこで私は不思議な体験をした。

私はそこではまだ若くて母や父、友達や恋人、かつて私が失った全ての人を失わず笑っている人生を生きた夢、そんな夢を見た後、真っ白な服をきたおじいさんが私に問いかけるんだ。
「お前は傲慢で猜疑心が強く、愚かだ。
そして人生を後悔していることも知っている。でもそんなお前なのになぜか周りの人(家族、友人、恋人)に幸せになって欲しいと願われていた。何故だ？私には分からない。だがそれを知りたいと思ったのだ。
もし、お前にやり直すチャンスを与えたらお前がどうなるのか知りたいのだ。
しかし、良い事をした訳でもないお前にやり直すチャンスを与えたら不公平だと思う。そこで問いたい。お前は例えハンデを負ってでもやり直したいか？
お前がやり直すためには不公平にならないためのハンデを与えるしかない。」

そこで私はこう答えた。
「おじいさん、私は人生を後悔している。こんな私のことを大切に思っていた人達を見捨てて私はくだらないものを手に入れようとした。だからもしやり直すチャンスを頂けるならば、私は償いたい。そして、良い事をしたいんだ。だからハンデがあってもいい。それはしょうがないことだ。
どうかお願いします！」

「わかった。その言葉違えることのないようにーーーー。私は常にお前がどう過ごすか見守っている。」



そうしてそのおじいさんが腕をあげたとき、私は30年前の私自身、つまり高校生の私になっていたのだ。