上 下
1 / 1

タイトルのまんま

しおりを挟む
「わぁー!」
「おめでとうー!」
「お幸せに」
私の幼なじみであり皇帝であるフリードリヒは今日結婚する。その隣には幸せそうな花嫁がウェディングドレスを着ている。
その姿を見て私は涙が出てきそうだ。
いけない、泣いてはダメ!
笑顔でいないと私の気持ちに気づかれてしまう!それだけはダメ!耐えなきゃ!

フリードが歩いて来た。
「やあ、マリー!今日は来てくれてありがとう!」
「ええ、おめでとう。」
上手く笑えたかな。
どうしてこうなったんだろうーーーー。



数日前に遡る。
私マリー。ウェルストン公爵家の末娘だ。
ウェルストン公爵家は代々続く名門の家系で当主である父アルベルト・ウェルストン
その妻であるオレーリア・ウェルストン、
そして長男であるソレア・ウェルストンと
私マリー・ウェルストンの4人家族だ。
幼なじみで婚約者のフリードリヒは、私の初恋でよく遊んだり、話をしたり良好な関係を築いていた。その日はフリードが私の誕生日のためにパーティでお祝いしてくれた。プレゼントには指輪をもらいプロポーズされた。もう嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
でも・・・・・・

「マリー、悪いけどプロポーズはなかったことにして欲しい。」
「えっ!フリード、どういうことなの?」
「実は帝国との関係が悪化していて、急遽和睦のために帝国の姫を私の妃にしなければならないんだ。だから私は皇帝として、彼女を妃にする。マリーわかってほしい。」
そんなこと言われたら何も言えないじゃない。私も公爵家の娘だから帝国との和平がどれだけ大事なことなのかは分かっている。でも、それでも私はフリードを愛しているのに。

「分かった」
「分かってくれたか!ありがとう!」
そういったフリードはバツが悪いのか、さっさと行ってしまった。
本当に酷い男ーーー。
こんなに酷い男なのに私はなんで惚れてしまったのだろう。




そして結婚式当日、
私は耐えた。
そして家に帰って泣いていると
フリードが我が家に訪ねてきた。

「コンコンコン」
「マリー、フリードだ。開けておくれ、」
「・・・・・・」
「マリー、今日のこと怒っているのか?」
「っ!当たり前でしょ!」
「なんで私が怒らないと思ってるの!」
「婚約者が突然プロポーズを撤回して別の女と結婚したんだから」
「!マリー!今日の結婚式は偽装だ!」
私は意味が分からなくて扉を開けて飛び出した。
バタン!
「どういうことなの?」
「マリー!やっと出てきてくれた!」
フリードが嬉しそうにそう言ったが私はさっきのことが気になって聞き返した。
「そうよ!でてきたわ!それでどういうことなの?」
するとフリードが
「だからいくら偽装とは言え結婚式をして気分が悪いだろうと思って」
といった。
「えっ?」
「だって帝国の姫と結婚したんでしょ?」
「違うよ!帝国の姫の思い人は帝国の軍人なんだ。その軍人に嫉妬させるために王子である私に頼んだんだ。これに協力すれば和睦を締結するという条件で。言ってなかったっけ?」
「えっ!だって結婚式だってしてたし」
「結婚式と行っても本当に知人しか招待していない小規模なものだし、みんなあれが偽装だって知っているから本当にお遊びみたいなものだよ。」
それを聞いて私は涙が出てきた。
「良かった。私どうしてもフリードのことが好きだから本当に結婚しちゃうと思って本当にとても悲しかったのよ!」
フリードはオロオロして
「ごめん。ちゃんと説明すれば良かった。」
そして次の瞬間ニヤニヤして
「でも、こうしてマリーから愛の告白が聞けたからうれしい!」
「なっ!」私は真っ赤になって
「告白なんかしてないし!」
といったが、フリードは笑うばかりだ。
そして「かわいいー!マリー!ほんとに信じられないくらいかわいい!どうしよう?こんなにかわいいマリーが私の奥さんになるなんて!」といった。


こうしてマリーとフリードは
ともに民に慕われる賢君として仲良く幸せに暮らしましたとさ。
END




しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結】好きでもない私とは婚約解消してください

里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。 そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。 婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。

「婚約の約束を取り消しませんか」と言われ、涙が零れてしまったら

古堂すいう
恋愛
今日は待ちに待った婚約発表の日。 アベリア王国の公爵令嬢─ルルは、心を躍らせ王城のパーティーへと向かった。 けれど、パーティーで見たのは想い人である第二王子─ユシスと、その横に立つ妖艶で美人な隣国の王女。 王女がユシスにべったりとして離れないその様子を見て、ルルは切ない想いに胸を焦がして──。

【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。 10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。 婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。 その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。 それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー? 【作者よりみなさまへ】 *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

【完結】可愛くない、私ですので。

たまこ
恋愛
 華やかな装いを苦手としているアニエスは、周りから陰口を叩かれようと着飾ることはしなかった。地味なアニエスを疎ましく思っている様子の婚約者リシャールの隣には、アニエスではない別の女性が立つようになっていて……。

【完結】愛していないと王子が言った

miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。 「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」 ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。 ※合わない場合はそっ閉じお願いします。 ※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

結婚式後に「爵位を継いだら直ぐに離婚する。お前とは寝室は共にしない!」と宣言されました

山葵
恋愛
結婚式が終わり、披露宴が始まる前に夫になったブランドから「これで父上の命令は守った。だが、これからは俺の好きにさせて貰う。お前とは寝室を共にする事はない。俺には愛する女がいるんだ。父上から早く爵位を譲って貰い、お前とは離婚する。お前もそのつもりでいてくれ」 確かに私達の結婚は政略結婚。 2人の間に恋愛感情は無いけれど、ブランド様に嫁ぐいじょう夫婦として寄り添い共に頑張って行ければと思っていたが…その必要も無い様だ。 ならば私も好きにさせて貰おう!!

【完結】義妹と婚約者どちらを取るのですか?

里音
恋愛
私はどこにでもいる中堅の伯爵令嬢アリシア・モンマルタン。どこにでもあるような隣の領地の同じく伯爵家、といってもうちよりも少し格が上のトリスタン・ドクトールと幼い頃に婚約していた。 ドクトール伯爵は2年前に奥様を亡くし、連れ子と共に後妻がいる。 その連れ子はトリスタンの1つ下になるアマンダ。 トリスタンはなかなかの美貌でアマンダはトリスタンに執着している。そしてそれを隠そうともしない。 学園に入り1年は何も問題がなかったが、今年アマンダが学園に入学してきて事態は一変した。

デートリヒは白い結婚をする

毛蟹葵葉
恋愛
デートリヒには婚約者がいる。 関係は最悪で「噂」によると恋人がいるらしい。 式が間近に迫ってくると、婚約者はデートリヒにこう言った。 「デートリヒ、お前とは白い結婚をする」 デートリヒは、微かな胸の痛みを見て見ぬふりをしてこう返した。 「望むところよ」 式当日、とんでもないことが起こった。

処理中です...