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最強への挑戦!灼熱の思い!エリオット王子と三人の勇者たち!

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あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。




王国の城内、中庭に立つエリオット王子は、固い決意の目をして、目の前に立ちはだかる巨大な男、最強の兵士サイラースを見据えていた。


彼は、恋人サマンサと結ばれるために父アールヴェン王から課された試練――サイラースとの決闘に挑んでいるのだ。そんな彼を支えるのは、友人であるオズワルドやフレア、そしてその場を見守るグリンディアだった。


エリオット王子は鉄の棒を握りしめ、気合を込めてサイラースに突進する。

「うおおおお!」

ガン!ガン!


しかし、鉄棒はサイラースの棍棒にあっさりと弾かれ、逆に王子の体がふらつく。

「ぐっ…重い…こっちは鉄なのに…」
息を切らしながらつぶやく王子に、サイラースが冷静な口調で応じた。

「私の棍棒には、力だけでなく魔力も込めてあるのだ。ただの棍棒でも使い手次第で重くも硬くもできる…このように」

サイラースが棍棒を軽々と振り回すと、その一撃でエリオット王子は防ぎきれずに弾き飛ばされてしまった。

「ぐあっ…」

フレアは歯ぎしりしながら拳を握りしめる。
「くっそー…あのおっさん強すぎる…!」

「もう降参ですかな?」と、サイラースは余裕の笑みを浮かべる。


だが、エリオット王子は立ち上がり、「まだまだ…!」と、再び挑む気力を見せた。

彼は剣術と魔法を駆使して果敢に挑むが、そのすべてがサイラースによって軽々と弾かれてしまう。



中庭の一角でこの光景を神妙な顔で見つめるアールヴェン王は、心の中で息子に静かに語りかけていた。

(エリオットよ…私はお前にはただ、平穏で幸せな未来を歩んでほしいだけなのだ…王族の後ろ盾のもと、貴族として何不自由なく暮らすほうが賢明なのだ…)

しかし、その父の願いもむなしく、戦いは苛烈さを増していく。エリオット王子の体は傷だらけで、立っているのもやっとだった。


再び倒れ込むエリオット王子の姿に、フレアは拳を握りしめた。

「見てらんねえ!」

彼は勢いよく武器置き場に駆け寄り、鉄棒を手に取った。すると、城の兵士が彼に厳しい声をかけた。

「何をする!狼藉か?」

周囲の兵士たちが慌てて制止しようとするが、フレアは王へ叫んだ。


「王様!先ほど王子に好きな武器を使ってよいと言っていましたよね?俺がエリオット王子の武器となり盾となります!一緒に戦わせてください!」


エリオット王子は驚きつつも感激して叫ぶ。「フ…フレアー!!」

サイラースは愉快そうに笑い、
「くくく…一本取られましたな。何人来ようが構いません」と受け入れた。


アールヴェン王も困惑しながらも息子のために許可を出した。

「…かまわん。それでエリオットの気が済むならな」


フレアがエリオット王子に声をかける。「やってやろうぜ!」

「ああ!」

「稽古をつけてやろうじゃないか、小僧。」

サイラースの挑発に、フレアは熱く応えた。

「稽古だぁ?舐めるんじゃねえ!」

二人がかりで果敢に挑むものの、サイラースの棍棒は無慈悲に彼らを弾き飛ばす。


フレアもエリオット王子も徐々に力尽きかけていた。だがフレアは顔をしかめながらも負けじと鉄棒を握り直す。


フレアは倒れ込みながらも、かすかな声で
「…まだだ…今日は簡単にくたばるわけにはいかねえ!」と気力を奮い立た。

サイラースがふと目を細める。
「小僧、何がそこまでお前を突き動かす?」

フレアはふと遠くを見つめた。
(エルフィールへの想いもある…だが、今はそれだけじゃない)

「エリオット王子は…俺の大切な仲間だ。マブダチのためなら、命くらい張ってやろうじゃねえか!」

エリオット王子は涙をにじませながら叫ぶ。
「ありがとう、フレア…!僕も諦めない。サマンサのために、戦い抜く!」



そのやりとりを見ていたオズワルドが、思わず武器置き場から鉄棒を手に取り走り出した。

「僕も行きます!!」

「オズ!?」とグリンディアが驚くが、オズワルドは真剣な顔で頷く。

「僕も今からエリオット様の武器となり盾となる!!だぁああああ!!」


サイラースは驚きの表情を見せ、「くくく、どこまでも面白い奴等だ。エリオット様は仲間に恵まれたな。」と声を漏らした。


その熱い戦いを見守るアールヴェン王は、思わず呟く。

(な…なんなのだこの者たちは…サイラースに勝てるわけもなかろうに…エリオット…お前はいつからこんな素晴らしい仲間を…)

三人は一斉にサイラースに向かっていった。しかし、彼の防御は硬く、三人は次第に劣勢へと追い込まれていった。



それを見たグリンディアが、大きく息を吐く。

「まったく…お主たちは向こう見ずで…馬鹿で…お人好しで…」

しかし、その目は輝いている。

「最高の奴等じゃ♪」


グリンディアは空に向かって腕を振り上げた。

「ワシもエリオット殿に加勢させてもらう!」


その言葉にアールヴェン王は目を見開いた。
「こ…こんな少女までが…?エリオットのために…?」



アールヴェン王は心の奥にこみあげるものを感じながら、静かに告げました。

「待て…もうよい…!」

王の目には涙が浮かんでいた。

「エリオット…お前は決して弱い者などではなかった。このような素晴らしい仲間たちを得て、己を磨き上げた…お前はもう立派な男だ」

涙を浮かべたアールヴェン王は、決心したようにエリオット王子に告げた。

エリオット王子は父の言葉に驚き、そして目を潤ませた。

「父上…」

アールヴェン王は力強く頷く。

「もう、お前の好きにするが良い」

エリオット王子は感謝の涙を浮かべ、深く頭を下げた。

「父上、ありがとうございます!」

戦いは終わり、エリオット王子は仲間たちと抱き合った。



「やった!君たちのおかげだ!」

フレアがにやりと笑って呟く。「やったじゃねえか!」

オズワルドも頷く。「本当に、良かったですね!」


グリンディアが微笑んでつぶやく。

「ふふ♪愛の勝利じゃな♪」


一方で、サイラースがフレアに尋ねた。
「小僧、名はなんという?」

「…フレアだ」

「フレアか。気に入った。どうだ、我が部隊に入らんか?ワシが直々に鍛え上げてやるぞ」


フレアは少し考え込みながらも、にやりと笑って言いった。

「へへ、俺には冒険者になる夢があるが、おっさんみたいな強え男の下で自分を磨くのも悪くないな。考えておくぜ」

サイラースは満足げに頷き、「待っておるぞ」と言い残してその場を去った。



かくして、エリオット王子は仲間たちと共に新たな未来を切り開く第一歩を踏み出したのだった
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