魔法学校で最弱の僕が最強魔法少女の従者となりました

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二人の恋路を守れ!王子の試練と恋敵の出会い!?

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あらすじ:学校で最弱魔法使いのオズワルドはひょんな事がきっかけで最強魔法少女グリンディアの従者となりグリンディアはオズワルド家に居候している。
そんな中でオズワルドは幼馴染のエルフィールに自分には許嫁がいると打ち明けられ、それが気になったオズワルドとグリンディアは王都に情報収集に来ている。





王都の一角、静かな食堂で、エリオット王子から相談を持ちかけられたオズワルドとグリンディアは、食事をしながらその話に耳を傾けていた。オズワルドはエリオット王子の頼みをすぐに引き受けようとしたが、隣に座るグリンディアが慌てて止めに入った。


「待て、オズワルド…はやまるでない」

「なぜですか?困っている人は助けてあげるべきでしょう」オズワルドは真面目な顔で答える。

「魚心あれば水心というじゃろ?まずは相手の出方を見るのが肝要じゃ」

そのやり取りを聞いていたエリオット王子は、にこりと微笑み、静かに口を開いた。

「報酬の話だね。実は、協力してくれるなら100万マニーを準備しようと考えていたんだ。」

グリンディアは目を丸くしつつも、大げさに手を振りながら笑った。
「そんな大金はいらんよ、もっとお手軽なものでええんじゃ」

そこでオズワルドがエリオットにこっそり耳打ちする。
「グリンディア様は、美味しい物に目がないんです」

「そうか…わかった!協力してくれたら、この街で一番美味しいと評判の高級レストランで、フルコースディナーを二人にごちそうしようじゃないか。」

その言葉を聞いた途端、グリンディアはぱっと顔を輝かせた。

「乗った!それと、今ここでの食事もついでにご馳走してほしいなぁ♪」

「…わかったよ」エリオットは苦笑しながらも承諾する。

食事が進むにつれ、グリンディアは肉や魚をたらふく食べてご機嫌に。
腹が満たされた頃、彼女はようやく本題に戻った。

「さてと、まずは王子様実力を見てから作戦を考えるかのう」

エリオット王子は少し照れくさそうに、
「王子様、という呼び方は少し恥ずかしいな。エリオットと呼んでほしい」と答えた。

グリンディアは首をかしげつつも、「わかった、エリオット殿」と快諾する。

「では…エリオット様で」とオズワルドも敬意を込めて呼びかけた。


グリンディアは指で輪を作り、その中からじっとエリオットを覗き込み、魔力の値を測り始めた。

エリオット王子はやや緊張した様子で、
「僕は剣技にはそこまでの自信がないが、魔法ならそこそこの才能があると思っている」
と言うと、グリンディアが目を見開いた。

「ほぉ…魔力値6000もあるなあ」と感心し、オズワルドは「うらやましいなあ…」とため息をついた。


エリオット王子は続けて説明を始めた。
「妥当に考えてサイラースと剣技でまともに勝負しても勝てるはずがない。でも、魔法を交えて戦えば勝機が見出せるのではないかと考えているんだ」

しかし、オズワルドは難しい顔をして首をひねった。
「うーん…でも、僕は魔法があまり得意じゃないですし、グリンディア様は凄すぎて僕参考にならないですし、もっと実践的な意見ができる人が必要ですね」


グリンディアは大きくうなずいて、
「そうじゃな。となると、アイツしかおらんじゃろ」と意味深な笑みを浮かべた。

その後、三人は運び屋の馬車に乗り、王都を離れてフレアの元へと向かった。



到着した先で、フレアは戸惑いの表情を浮かべた。「何を言ってるのか全くわからないんだが…」


グリンディアはもう一度丁寧に説明し直した。

「えーっと。要するに、エルフィールの許嫁の王子様であるエリオット殿にはサマンサという好きな女性がいるんだけど、王国最強の兵士に勝たなきゃ婚約は認めてもらえないんじゃ。だからフレアの力を借りたいのじゃ」

フレアはあきれたように頷きつつも、
「話はわかったよ!でも、なんでこんな状況になってるんだ!?」と問い詰めた。

オズワルドは苦笑し、「うん…その反応は正常だと思う」と相槌を打つ。


「そもそも、なんでお前らはエルフィールの許嫁の王子様と知り合ってるんだ…!?」
フレアが怪訝そうに眉をひそめた。

グリンディアはあっさりと説明する。
「ワシらが王都に飛んでいった時に、王子様と好きな女性が一緒にいるのを偶然見かけて、その縁でこうなったんじゃ」

フレアは呆然とした顔で、「もっともっと意味がわからない!!」と叫んだ。


エリオット王子も同情を示しつつ、「そう思うのは無理もない。だが、力を貸してほしいんだ」と頼み込んだ。


フレアはその申し出にやや警戒しつつも、
「アンタ、エルフィールの許嫁なんだろ?エルフィールの何が不満なんだ?」と鋭く切り込んだ。


グリンディアは苦笑してつぶやいた。「またこの流れじゃ…」

エリオット王子は真剣な表情で、
「彼女は美しく聡明な女性だと思う。だが…僕には心に決めた人がいるんだ」とはっきりと告げた。


フレアはそんな王子をじっと見つめてから、ふっと笑って肩をすくめた。
「エルフィールは美人だからな。まぁ、アンタにも好きな人がいるなら応援してやるさ」


グリンディアは小声で、「た…単純じゃな…」と呟いた。


しかし、彼はため息をついて、
「でもよ、正直、温室育ちのお坊ちゃんが王国最強の兵士に勝てるとは思えないけどな」と辛辣な言葉を放った。


エリオット王子はうつむきながらも、
「君の言う通りだ…父上も僕が軟弱な王子だと心配しているのだろう。だからこそ、自分の力を証明しなければならないんだ」と決意をにじませた。

フレアはその気持ちを感じ取り、「本気なんだな?」と確認した。

「…ああ、本気だ」とエリオット王子も強い口調で答える。


「よしわかった!この男フレア、エリオット王子に力を貸すぜ!」フレアはにやりと笑い、力強く頷いた。

「ありがとう。よろしく頼む」とエリオット王子も感謝を表す。

フレアは少し納得したように頷くと、「いつ戦うんだ?」と尋ねた。

エリオット王子は即答した。「2週間後さ」

「じゃあ、まずエリオット王子にはウチの家が持ってる山小屋に住んでもらう」と提案した。

エリオット王子は驚き、「えっ?」と声をあげたが、フレアは容赦なく続ける。

「そんなんじゃ王様も心配して当たり前だろ?温室育ちのお坊ちゃんはまずそこから鍛え直しだ。自分で狩りをして、飯を作って食う!」


エリオット王子は顔を青ざめさせたが、フレアの正論に納得したように頷き、覚悟を決めた。
「…愛するサマンサのためだ!僕も腹をくくろうじゃないか!」

フレアは満足げに笑い、「へへへ…そうこなくっちゃ」と、彼の肩を叩いた。


こうして、エリオット王子の厳しい特訓が幕を開けたのだった。
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