魔法学校で最弱の僕が最強魔法少女の従者となりました

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激突!究極パワーvs究極の技!

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魔法学園ギョウダァの闘技場は、異様なまでの熱気に包まれていた。観客席には学園中の生徒たちが詰めかけ、その視線の先には二人の少女──グリンディアとリシアが対峙している。

「姉ちゃんがどんな魔法を見せてくれるのか楽しみじゃ♪」と、グリンディアが朗らかに言うと、リシアは冷たい視線を送りながら答える。

「ふん…その余裕を粉々にしてあげるわ。」

大魔法使いピピンの孫であるグリンディアと、魔導研究科のゼフィリアの孫であるリシア。二人の魔法力勝負となれば、学園の校長フィギンをはじめ、数多くの生徒が見学に来ていた。


グリンディアのセコンドには従者のオズワルドが控え、リシアのセコンドにはレオンが立っている。
さらに、治療班としてエルフィールや回復魔法が得意な生徒たちも待機していた。

審判を務めるのはマシュ先生。
「それでは、魔法力勝負を開始します!」と高らかに宣言した後、心の中で少し愚痴る。

(…毎回、魔法力勝負の審判やる度に手当て欲しいって校長に相談してみるべきかしら…)


開始の合図とともに、グリンディアが指先から光線魔法を放つ。だが、リシアは軽く手を上げ、小さな結界を作り出してそれを弾き飛ばした。

「バカにしてるの?そんな技が効くわけないわ」とリシアが言い放つと、グリンディアはにひひと笑い、
「姉ちゃんの手結界…いつ見ても見事じゃ」と感嘆の声を漏らした。


リシアの手結界は、彼女が開発した省エネ型の防御魔法で、限られたエネルギーで最大の防御力を発揮する。彼女が魔力の無駄を一切許さない姿勢が垣間見える技だ。


「じゃあこれはどうかな?ビッグファイヤーボール!」グリンディアは巨大な火球を作り出し、リシアに向かって投げつけた。

「ふん!」リシアは手結界を巧みに操作し、火球をバレーボールのレシーブのように空へ弾き飛ばした。

「やっぱ姉ちゃんすげえええ!」とグリンディアは目を輝かせているが、リシアは呆れたようにため息をつく。

「バカにするんじゃないわよ!こんなこと、過去の対戦で何度もやったはずよ!」

「ごめん…姉ちゃんと勝負するのが楽しくって、おさらいしたくなっちゃったんじゃ」
とグリンディアは照れ臭そうに笑った。


「じゃあ新技、見せちゃる!」グリンディアは指を一本ずつ立てると、それぞれに異なる属性の魔法を込め始めた。

「炎魔法!水魔法!雷魔法!氷魔法!フィンガーマジックボムズ!」

その光景にオズワルドが驚き、「あれは…まさか?」と口にし、セコンドとして魔法闘技場に横にいた四天王のレオンも叫んだ。

「くっそー!俺たち四天王の全員の合体技を一人で片手でやりやがった!」

しかし、リシアは冷静に両手に結界を作り、水魔法を弾き雷魔法で、氷魔法を炎魔法で相殺した。

「こんなの…たいしたことないわ」

「すっげえええええ!」グリンディアは本気で感動している様子だが、リシアは相変わらずの表情だ。

「じゃあこれはどうかな?サンダーサーベル!」

グリンディアが両手を掲げると、空から無数の雷の矢がリシアを襲った。

グリンディアの雷の矢がすべてリシアに命中し、闘技場に煙が立ち込める。
だが、煙が晴れるとリシアは平然と立ち尽くしていた。


「ふん。少し疲れていたから、ちょうど良かったわ。あなたの魔法、全部吸収させてもらったわ」

リシアは相手の魔法を瞬時に解析し、その力を自分のMPに変換していたのだ。



「すげえええ!姉ちゃん、強すぎだよ!」
グリンディアが感嘆の声を上げる中、観客席もざわめいていた。

「すごい…こんな戦い見たことないぞ!」「なんなんだ、この二人は…」と感嘆の声が飛び交う。

フレアも「すげえ!こんな戦いがあるのか!」と興奮を抑えきれない様子だ。


フィギン校長はふふふと微笑み、
「フォフォフォ…さすがピピンちゃんとゼフィリアの孫たちじゃ。魔法界の未来は明るいのう」と満足げに呟く。


その時レオンの声が響いた。
「リシアーー!守りだけじゃなくて攻撃だ!!」


その声に応えるように、リシアは冷ややかな笑みを浮かべる。そしてグリンディアに視線を向け、ゆっくりと口を開いた。

「ふん。言わなくたってわかってるわ。」

リシアは集中したまま、静かに呟いた。

「マジックチェーン!」突如として気体状の鎖が現れ、グリンディアの手に巻きつく。

「な、なんじゃこりゃ?」と驚くグリンディアに、リシアは冷たく告げた。

「グリンディア…あなたのMPを頂くわ」


その瞬間、オズワルドが驚きの声を上げる。
「MPを奪うだって…?そんな事が??」
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