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ロザリンの策略!?学園四天王vsグリンディア
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ギョウダァ魔法学校の創立30周年を祝う学園祭は、2日目を迎えていた。校内は色とりどりの旗で飾られ、学生たちの笑顔と笑い声があふれ、どこもかしこも活気に満ちている。広場では音楽が鳴り響き、さまざまな露店やパフォーマンスが行われ、参加者たちはそれぞれの楽しみ方をしていた。
前日にオズワルドのクラスは模擬店を開き、大盛況のうちに幕を閉じた。今日はオフの日。オズワルドはグリンディアと一緒に、のんびりと学園祭を楽しむことにしていた。
「オズ! あれも食べたい!」
グリンディアは目を輝かせ、笑顔で次々と露店の食べ物を指さす。
「えーっ!? もうけっこう食べてるんじゃないですか?」
オズワルドは、彼女がすでにいくつもの屋台で食事をしていたことを思い出し、少し呆れた声を上げた。
「大丈夫! お腹を減らす魔法もあるし♪」
グリンディアは無邪気な笑顔で返す。
「それはそうですが、夕方には魔法力勝負がありますよ?」
オズワルドは少し心配そうに眉をひそめた。
「えっ!? そうだったっけ?」
グリンディアは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに照れ笑いを浮かべた。
「まあ、なんとかなるじゃろ。今は楽しむ方が先!」
と言って、また新しい露店に向かって歩き出した。
オズワルドはため息をつきつつ、彼女に付き合うしかなかった。
――その頃、生徒会室では夕方に控えた魔法力勝負に向けて、緊迫した空気の中、イグニス率いる生徒会メンバーが最終の作戦会議を行っていた。
「さて、今日のグリンディアとの魔法力勝負だが、準備に抜かりはないか?」
生徒会長のイグニスは静かな声で問いかけた。彼の冷静な瞳は、既に勝利を見据えているようだった。
「この2~3日間で彼女の魔力値を測定しようと試みましたが、どうにも測定できませんでしたわ」
副会長セレナが困惑した表情で答えた。
「セレナが測れないなんて珍しいな…何かのプロテクトがかかっているのか?」
イグニスは眉をひそめ、思案する。
「それにもう一つ気になることがあります」
セレナは慎重に言葉を選びながら続けた。
「彼女は常に指輪をしていました。その指輪から強大な魔力を感じました。あれは、ただの装飾品ではなく、何らかのマジックアイテムだと思われます。」
「興味深いな。その指輪が彼女の魔力を異常に高めている原因かもしれない」
イグニスは薄い笑みを浮かべる。
「どういうことだ?」
生徒会メンバーの一人、レオンが首をかしげた。
「伝説の魔法使いピピン様の孫とはいえ、魔法耐黒石を破壊できるとは普通ではありえない。」
「それが可能なのは、その指輪の力の可能性がある。彼女は古の魔王を倒した伝説のパーティーの末裔だ。そのようなマジックアイテムを譲り受けていてもなんら不思議ではない。」
イグニスの言葉に室内は静まり返った。生徒会メンバー全員がそれぞれの戦略を練りながら思考を巡らせている。
「その指輪の力が発揮される前に、一気に勝負を決める作戦で行く。どうだ?」
イグニスが提案すると、ロザリンは冷ややかに微笑んだ。
「ふふ、ならもっと確実な方法があるわよ。」
ロザリンは軽く肩をすくめながら囁いた。
イグニスは一瞬考え込み、その言葉に納得するように静かにうなずいた。
「…なるほど、そういうことか。確かにそれなら確実だ。」
ロザリンは何も言わず、ただ意味深な笑みを浮かべるだけだった。生徒会の策略は、さらなる一手を秘めて進行していた。
――夕方。オズワルドとグリンディアは魔法闘技場の待機室にいた。外から聞こえる歓声とざわめきが、少しずつ近づいてくる。
「はぁ…本当に僕まで参加するなんて、不安しかないよ」
オズワルドは重いため息をつき、椅子に座り込んだ。
「大丈夫じゃよ、オズ。ワシがその気になれば、楽勝じゃから!」
グリンディアは自信満々に笑いながら、オズワルドの肩を叩いた。
「確かに僕はグリンディア様の凄さを誰よりも知っています。でも相手は生徒会ですから、油断は禁物ですよ」
オズワルドは真剣な表情で答える。
グリンディアは微笑んで、オズワルドの頬を指で軽くツンツンとつついた。
「その時はオズがナイト様としてワシを守ってくれたないとね♪」
「…頑張ります!」
オズワルドは顔を赤らめながらも、心に決意を固めた。
「そういえば、さっきから食べてるそのお菓子、何ですか?」
オズワルドが不思議そうに尋ねる。
「これ? ワシのファンだっていう女の子がくれたんじゃ。オズも食べるか?」
グリンディアはお菓子を差し出した。
「いやいや、これから魔法力勝負ですから、僕は緊張して食べられません。グリンディア様、食べ過ぎはダメですよ!」
オズワルドは苦笑しながら注意したが、グリンディアは軽く笑って、もう一つお菓子を口に運んだ。
――夕日がオレンジ色に染め上げた空の下、魔法闘技場は整然とした雰囲気に包まれていた。オズワルドとグリンディアは並んで闘技場に立ち、生徒会のメンバーたちと対峙している。校長や教師陣が特別席からこの大一番を見守り、観客席は学園の生徒たちで埋め尽くされていた。
「さあ、始めようか」
イグニスの冷静な声が響き、場の空気が一気に張り詰める。
オズワルドは心の中で自分に言い聞かせる。
「頑張れ、オズワルド…グリンディア様をお守りしろ…」
そして、グリンディアとオズワルドは、生徒会四天王との戦いに挑む。魔法力勝負が今、幕を開ける。
前日にオズワルドのクラスは模擬店を開き、大盛況のうちに幕を閉じた。今日はオフの日。オズワルドはグリンディアと一緒に、のんびりと学園祭を楽しむことにしていた。
「オズ! あれも食べたい!」
グリンディアは目を輝かせ、笑顔で次々と露店の食べ物を指さす。
「えーっ!? もうけっこう食べてるんじゃないですか?」
オズワルドは、彼女がすでにいくつもの屋台で食事をしていたことを思い出し、少し呆れた声を上げた。
「大丈夫! お腹を減らす魔法もあるし♪」
グリンディアは無邪気な笑顔で返す。
「それはそうですが、夕方には魔法力勝負がありますよ?」
オズワルドは少し心配そうに眉をひそめた。
「えっ!? そうだったっけ?」
グリンディアは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに照れ笑いを浮かべた。
「まあ、なんとかなるじゃろ。今は楽しむ方が先!」
と言って、また新しい露店に向かって歩き出した。
オズワルドはため息をつきつつ、彼女に付き合うしかなかった。
――その頃、生徒会室では夕方に控えた魔法力勝負に向けて、緊迫した空気の中、イグニス率いる生徒会メンバーが最終の作戦会議を行っていた。
「さて、今日のグリンディアとの魔法力勝負だが、準備に抜かりはないか?」
生徒会長のイグニスは静かな声で問いかけた。彼の冷静な瞳は、既に勝利を見据えているようだった。
「この2~3日間で彼女の魔力値を測定しようと試みましたが、どうにも測定できませんでしたわ」
副会長セレナが困惑した表情で答えた。
「セレナが測れないなんて珍しいな…何かのプロテクトがかかっているのか?」
イグニスは眉をひそめ、思案する。
「それにもう一つ気になることがあります」
セレナは慎重に言葉を選びながら続けた。
「彼女は常に指輪をしていました。その指輪から強大な魔力を感じました。あれは、ただの装飾品ではなく、何らかのマジックアイテムだと思われます。」
「興味深いな。その指輪が彼女の魔力を異常に高めている原因かもしれない」
イグニスは薄い笑みを浮かべる。
「どういうことだ?」
生徒会メンバーの一人、レオンが首をかしげた。
「伝説の魔法使いピピン様の孫とはいえ、魔法耐黒石を破壊できるとは普通ではありえない。」
「それが可能なのは、その指輪の力の可能性がある。彼女は古の魔王を倒した伝説のパーティーの末裔だ。そのようなマジックアイテムを譲り受けていてもなんら不思議ではない。」
イグニスの言葉に室内は静まり返った。生徒会メンバー全員がそれぞれの戦略を練りながら思考を巡らせている。
「その指輪の力が発揮される前に、一気に勝負を決める作戦で行く。どうだ?」
イグニスが提案すると、ロザリンは冷ややかに微笑んだ。
「ふふ、ならもっと確実な方法があるわよ。」
ロザリンは軽く肩をすくめながら囁いた。
イグニスは一瞬考え込み、その言葉に納得するように静かにうなずいた。
「…なるほど、そういうことか。確かにそれなら確実だ。」
ロザリンは何も言わず、ただ意味深な笑みを浮かべるだけだった。生徒会の策略は、さらなる一手を秘めて進行していた。
――夕方。オズワルドとグリンディアは魔法闘技場の待機室にいた。外から聞こえる歓声とざわめきが、少しずつ近づいてくる。
「はぁ…本当に僕まで参加するなんて、不安しかないよ」
オズワルドは重いため息をつき、椅子に座り込んだ。
「大丈夫じゃよ、オズ。ワシがその気になれば、楽勝じゃから!」
グリンディアは自信満々に笑いながら、オズワルドの肩を叩いた。
「確かに僕はグリンディア様の凄さを誰よりも知っています。でも相手は生徒会ですから、油断は禁物ですよ」
オズワルドは真剣な表情で答える。
グリンディアは微笑んで、オズワルドの頬を指で軽くツンツンとつついた。
「その時はオズがナイト様としてワシを守ってくれたないとね♪」
「…頑張ります!」
オズワルドは顔を赤らめながらも、心に決意を固めた。
「そういえば、さっきから食べてるそのお菓子、何ですか?」
オズワルドが不思議そうに尋ねる。
「これ? ワシのファンだっていう女の子がくれたんじゃ。オズも食べるか?」
グリンディアはお菓子を差し出した。
「いやいや、これから魔法力勝負ですから、僕は緊張して食べられません。グリンディア様、食べ過ぎはダメですよ!」
オズワルドは苦笑しながら注意したが、グリンディアは軽く笑って、もう一つお菓子を口に運んだ。
――夕日がオレンジ色に染め上げた空の下、魔法闘技場は整然とした雰囲気に包まれていた。オズワルドとグリンディアは並んで闘技場に立ち、生徒会のメンバーたちと対峙している。校長や教師陣が特別席からこの大一番を見守り、観客席は学園の生徒たちで埋め尽くされていた。
「さあ、始めようか」
イグニスの冷静な声が響き、場の空気が一気に張り詰める。
オズワルドは心の中で自分に言い聞かせる。
「頑張れ、オズワルド…グリンディア様をお守りしろ…」
そして、グリンディアとオズワルドは、生徒会四天王との戦いに挑む。魔法力勝負が今、幕を開ける。
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